ケース、プログラム、給付を確認する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• ケースオブジェクトのしくみを説明する。
  
• プログラムと給付オブジェクトの目的を説明する。
  

ケース

Tishon は、ケース管理で住民に関する情報が保存されるしくみを理解しており、また、住民が問題を報告したり、支援を要請したりするにはいくつかの異なる方法があることも知っています。では、ソリューションを探りましょう。

住民からの要請を受け付けてスクリーニングを完了したら、問題や状況に関連するすべてのデータを保存するためのケースを作成します。ケースには、関係者、遭遇している問題、問題解決のために講じた措置などが記録されます。

公共セクターソリューションでは、ケースを使用して、申込や紹介をフォローアップしたり、公的な苦情レコードに登録されている住民に関する問題に対応したりします。ケースは、いずれかの受入オブジェクトから作成できます。ケースでは、関連するすべての関係者、苦情、紹介、申込、ケアプラン、プログラムを 1 つのレコードで確認できます。

危険な運転を報告した公的な苦情の例に戻りましょう。近隣住民からの苦情を受入担当者が記録し、内容を精査した後で、ケースマネージャーが苦情からケースを作成して、状況を調査するケースワーカーを割り当てます。ケースワーカーの Connor は Steve の家を訪問して、心と体の健康状態や生活状況について質問します。Steve は、視力が衰えたことや、最近膝の手術を受けたことを Connor に伝えます。これらの問題を抱えているために、食料品店や薬局まで車を運転することが難しくなっていたのです。Connor は、この情報をケースレコードに記録します。

この調査の結果、Connor は Steve がホームヘルパーやバスの無料パス、その他の給付を受けられる資格があることを確認できました。これらの給付を受けることで、Steve はこれまでのように運転する必要がなくなります。その後、Connor はケアプランを設定し、目標とタスクを割り当て、Steve をプログラムに登録して、給付を割り当てます。

次の図は、ケースオブジェクトと、関係者オブジェクトおよび受入オブジェクトとの関係を示しています。ケースオブジェクトは、苦情ケース、ケースエピソード、ケース手続き、ケース手続き結果、紹介、ケース関係者、個人申込に接続されます。

つまり、ケースは苦情、紹介、申込から発生し、関与する関係者の情報を保存します。ケースは、住民が支援を提供するために使用したソリューションも追跡します。

このモジュールでは、ケース手続き、ケースエピソード、ケース手続き結果のオブジェクトについては説明しません。これらのオブジェクトについての詳細は「公共セクターソリューションの捜査ケース管理データモデル」Trailhead モジュールを参照してください。

次の表に、ケースオブジェクト、他のオブジェクトとの関係、使用例を示します。

Tishon は、ケースワーカーが単一のレコードからケースのあらゆる側面を閲覧して管理できることを知り、感激しました。この包括的な視点により、ケースワーカーの業務はより容易になり、効率性も上がります。現在、彼女は、的を絞り込んだ支援を住民に提供するプログラムや給付に目を向けています。

プログラムと給付

プログラムと給付は、困難な状況を予防したり緩和したりするための重要なツールです。こうした支援を通して、行政は支援を必要とする住民に、保育、医療、住宅、食糧安全などのサービスを提供しています。ケース管理では、行政機関と提携組織が提供するすべてのプログラムと給付を設定します。その後、対象となる関係者をプログラムに登録したり、ケアプランの一環として給付を割り当てたり、外部組織からの登録を依頼するための紹介を作成したりすることができます。

プログラム

行政機関は、個人、世帯、地域社会の基本的ニーズを満たすためのプログラムを提供します。行政機関が直接プログラムを管理する場合もあれば、外部組織に特定のサービス提供を委託する場合もあります。プログラムの例としては、医療支援、食糧安全、難民定住、住宅サービス、公的資金によるメンタルヘルスおよび薬物防止プログラムなどがあります。

各プログラムレコードには、住民がプログラムを完了することで受けられる 1 つまたは複数の給付が含まれています。

たとえば、Cosville Senior Care Program (高齢者ケアプログラム) レコードには、高齢者の健康と幸福に関連する 5 つの給付が含まれており、Steve Marshall はこのプログラムに登録されています。プログラム登録オブジェクトは、関係者と関係者が登録されているプログラムとのリレーションを追跡します。

給付

給付とは、トレーニング、カウンセリング、食糧支援、住宅支援、失業保険など、行政機関が個人またはグループに対して支給するさまざまな形態の支援を意味し、目標達成や生活の質向上を手助けすることを目的としています。ケースワーカーは、住民が受給資格のある給付の組み合わせと給付額を決定します。公共セクターソリューションでは、プログラム、ケアプラン、ケアプランテンプレートに給付を含めることができます。

これは、Cosville が高齢者に提供している一時的な在宅介護補助給付のレコードです。

高齢者ケアなどの給付種別を使用して給付をグループ化し、複数のプログラムで使用することができます。このモジュールで後ほど説明しますが、各給付は、ケアプランや、給付を受けるために関係者が達成する必要があるケアプランの目標に対応させることができます。

関係者と特定の給付のつながりは、給付割り当てオブジェクトを使用して追跡します。給付割り当ては、職業訓練のセッション数など、住民が受けられる給付の分量を定義します。

トレーニングやカウンセリングなどの一部の給付では、セッションをスケジュールする必要があります。スケジュールの管理と登録を容易にするため、ケース管理には以下のオブジェクトがあります。

• 給付セッションオブジェクトは、ミーティングやクラスの日時や定期的スケジュールを保存し、関係者の登録や出席状況を追跡するために使用します。
  
• 給付スケジュールオブジェクトは、関連する給付セッションのグループをタイムテーブルとして整理するために使用します。
  
• 定期的なスケジュールオブジェクトは、給付に関連するアクションプランの頻度と繰り返しを設定するために使用します。
  

プログラムオブジェクトと給付オブジェクト、そしてこれらのオブジェクトと他のオブジェクトとの関係を次の図に示します。

プログラムには、いくつかの給付を含めることができます。関係者は、プログラム登録オブジェクトと紹介オブジェクトを通してプログラムに接続され、給付割り当てオブジェクトを通して個々の給付に接続されます。これらのオブジェクトがケアプランとどのように関連するかは、次の単元で学習します。

次の表に、プログラムオブジェクトと給付オブジェクト、他のオブジェクトとの関係、使用例を示します。

Cosville 市のケースワーカーたちは、長年にわたって、支援対象者に割り当てることができるすべての利用可能なプログラムと給付を包括的ビューで確認したいと思っていました。そのため Tishon はケース管理ソリューションに非常に大きな期待を寄せています。

しかしケースワーカーは、プログラムや給付の割り当て、さらには住民への目標やタスクの割り当ても行わなければなりません。そこで次の単元では、これらの要素を包括的なケアプランにまとめる方法を学びます。

リソース

• Salesforce ヘルプ: プログラムおよびケース管理のケアプラン
• Trailhead: 公共セクターソリューションの捜査ケース管理データモデル