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記事の状況の管理

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 記事の追跡や管理に使用するさまざまな状況を挙げる。
  • 記事に推奨される検証状況について説明する。
  • 記事の表示設定について説明する。
  • コンプライアンスベースとエクスペリエンスベースの両方のガバナンスをサポートするカスタム項目を作成する。

作成した記事の成り行き

Ursa Major Solar のカスタマーサービスチームは、状況を使用してナレッジ記事を管理しています。記事の状況から、エージェントは多くのことを知ることができます。たとえば、次のことがわかります。

  • 記事に対するチームの確信度はどのくらいか?
  • 誰が記事を参照できるか?
  • 記事が Ursa Major のコンプライアンスルールを遵守しているか?

KCS 手法を導入した Ada のチームは今後、記事の状況をより正確に追跡していくことになります。

Maria は記事の状況を伝達するために数種類の機能を使用する必要があることを認識し、その情報を下表にまとめました。

状態 定義 管理するツール
記事の確信度 記事の内容に対する組織の確信度をエージェントに示す。記事が繰り返し利用されているか? レビューを受けているか? 必要に応じて更新されているか? 顧客またはユーザーから、適切な回答であるという追認を受けたか? 検証状況
記事の表示 記事を参照できるユーザー (内部ユーザー、パートナー、顧客) を定義する。適切なユーザーが適切な記事を参照できるか?
  • 表示項目
  • ページレイアウトの割り当て - レコードタイプとユーザープロファイル別に設定
  • データカテゴリ - 分類 (またはタグ) に基づいてコンテンツにアクセスできるユーザーを指定
  • 項目レベルセキュリティ - 各項目の表示を管理
記事ガバナンス (省略可能) 記事の編集がエクスペリエンスベースかコンプライアンスベースかを決定する。コンプライアンスベースのレビューを受ける場合、記事がコンプライアンスのレビューに合格しているか? エクスペリエンスベースの場合は、記事が繰り返し利用されているか? カスタム項目 - 記事のページレイアウトに追加

確信度を示す検証状況

Ada は、各記事に対するチームの確信度を追跡したいと考えています。エージェントが顧客の要望を受け付け、記事を参照するたびに、その内容が点検されます。記事が役に立ったと顧客やユーザーから追認を受けたり、ケースの解決に繰り返し使用されれば、その記事の正確性に対する Ada やエージェントの確信度が高まります。

けれども、顧客への対応に欠かせないナレッジは度々変わるため、記事も頻繁に更新する必要があります。記事が更新された後にまた利用され、その内容がレビューされます。こうした反復によって、記事が有用かつ最新であるという確信度が高まっていきます。

Ada は「作業進行中」「未検証」「検証済み」という 3 つの検証状況を使用して、各記事の確信度を追跡したいと考えています。以下に、各状況を説明します。

  • 作業進行中。記事が最初に作成された時点、編集中、エージェントが記事を作成しているが、まだ解決法がない場合のデフォルトの状況です。進行中の記事は、同様の問題に対処しているエージェントが、顧客の問題に対する現時点の見解を参考にする場合や、協力して解決法を見つける場合などに使用できます。これは一時的な状況です。記事が更新され、顧客の問題に対する推奨の解決法が記載されると、検証状況が「未検証」に変化します。この記事は検証を経て、幅広く利用されるようになります。
  • 未検証。記事に解決法があるものの、その正確性に対するチームの確信度が低いことを示します。記事を利用するたびに、顧客や内部のエキスパートが検証していきます。経験の浅いエージェントは記事を検証できないため、記事に「未検証」のタグを付け、経験豊富なエージェントが内容を確認します。記事の正確性に対するチームの確信度が高まったら、経験豊富なエージェントが検証状況を「検証済み」に変更します。
  • 検証済み。記事に対するチームの確信度が高いことを示します。チームが記事を正確かつ有効と考えている、顧客またはエンドユーザーに記事が正確であると追認された、顧客の問題の解決に繰り返し利用されているの少なくともいずれか 1 つに該当します。さらに、記事に遵守事項 (法的審査など) がある場合には、そうした規則にも従っています。

Maria はすでに、ナレッジ設定の検証状況項目を有効にしています。ですから、検証状況選択リストに必要な状況を追加します。検証状況の設定方法については、「Lightning Knowledge の設定とカスタマイズ」モジュールを参照してください。

記事を参照できる利用者の管理

利用者全員がすべての記事を参照できるわけではありません。内部の利用者のみが参照できる記事もあれば、コミュニティのパートナーやユーザーが参照できる記事もあります。専有情報や機密情報は内部に限定されます。

Ursa Major の新しい目標の 1 つは、顧客ができるだけ多くの記事を参照できるようにすることです。記事に対するエージェントの確信度が高まったら、カスタマーコミュニティで利用できるようにします。そうすれば、顧客が記事を見て自力で問題を解決できるようになり、サポートに電話する必要がなくなります。

誰が記事を参照できるかは表示設定で指定します。Maria は最初に記事の種類別のページレイアウトを作成したときに、表示設定を変更するオプションを追加しました。各ページレイアウトの下部にある [プロパティ] セクションに、表示の項目 ([内部アプリケーションに公開]、[顧客に表示]、[パートナーに表示]、[公開知識ベースに公開]) を設定しています。この設定方法については、「Lightning Knowledge の設定とカスタマイズ」モジュールを参照してください。

Ada Balewa が作成した記事。[内部アプリケーションに公開] が選択されています。[顧客に表示]、[パートナーに表示]、[公開知識ベースに公開] は選択されていません。

利用者別の表示のほか、データカテゴリを設定する方法で、記事を参照できるユーザーを管理することもできます。データカテゴリで記事を分類すると、検索やアクセスの管理がしやすくなります。ブログ投稿にキーワードでタグ付けするのと同じ要領で、記事もデータカテゴリにタグ付けします。Salesforce システム管理者である Maria が、ロール、権限セット、プロファイルを使用して参照可能にするデータカテゴリを決定します。たとえば、KCS トレーニングに関する記事には「KCS」というタグを付けます。データカテゴリについての詳細は、「データカテゴリの作成とカスタマイズ」を参照してください。

アクセス権をごく綿密に管理する方法は、機密の項目に項目レベルセキュリティを設定することです。そうすれば、適切なアクセス権のあるユーザーのみが項目を参照できます。たとえば、Ursa Major のユーザーレコードには支払情報が含まれます。支払処理に携わる従業員はこの情報を参照できますが、他の従業員には表示されません。

記事ガバナンスの有効化

次に Maria は記事の状況の最後の要素を設定します。ガバナンスです。Ursa Major の記事の大半は、エクスペリエンスベースのガバナンスを使用します。適切なトレーニングを受け、適切な権限があれば誰でも記事を作成または編集できます。トレーニングを受けたエージェントは、顧客の役に立つ正確な記事を作成する適任者です。

その一方で、Ursa Major にはコンプライアンスベースの記事もあります。これらの記事は指定された著者のみが作成または編集できます。コンプライアンスベースの記事の多くは、ポリシー、法律、規制に関するトピックを説明するものです。たとえば、太陽熱温水器の保証条件などです。こうした条件は、法務部門が給湯器メーカーと契約を取り決める際に交渉します。これらの記事をエージェントが書き換えることはできません。変更できるのは法務部門のみです。

Maria は、誰かが記事を作成するときにエクスペリエンスベースまたはコンプライアンスベースのタグ付けを必須とするガバナンスを設定し、この記事を利用する他のユーザーにその利用法や編集方法がわかるようにします。Maria はナレッジオブジェクトにカスタム項目を作成して、次のプロパティを設定します。

  • データ型: 選択リスト
  • 項目の表示ラベル: Article Governance (記事ガバナンス)
  • 値: Experience Based (エクスペリエンスベース) と Compliance Based (コンプライアンスベース)
  • 選択: 値セットで定義された値に選択リストを制限します 
  • 項目名: Article_Governance
  • ヘルプテキスト: Use this field to determine the governance of this article (この項目を使用して、記事のガバナンスを決定します)

Maria は、Ursa Major が記事を作成する場合に使用する FAQ ページレイアウトと手順ページレイアウトにこの新しい項目を追加します。これで、エージェントが記事を作成するときに、記事に指定する記事ガバナンスの種類を選択できます。デフォルトで、新しい記事のガバナンスはすべてエクスペリエンスベースに設定されます。

記事作成フォーム。[Article Governance (記事ガバナンス)] 選択リストに [Experience Based (エクスペリエンスベース)] と [Compliance Based (コンプライアンスベース)] の選択肢が表示されています。

Maria はこれで検証状況、表示設定、ガバナンス項目を設定しました。エージェントが各記事を作成、公開、利用するときに、こうした機能を使用してその状況を追跡できます。

リソース

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