AppExchange パートナー向けのツールとリソースの利用
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- AppExchange 製品ライフサイクルの各フェーズをサポートするツールとリソースについて説明する。
- AppExchange 製品ライフサイクルでパートナーが使用する Salesforce 組織の種別を挙げる。
- パートナービジネス組織へのアクセス権を取得する。
AppExchange パートナーツールおよびリソースの概要
チームのために何かを開発することを依頼され、後になってすでに同じ開発が行われていたことに気付いた経験はありませんか? しかも何と同じチームのメンバーが開発していたなどということもあるでしょう。こうした不要な再開発はストレスになります。ISV パートナーは、不要な再開発作業ではなく、優れたソリューションの開発に集中する必要があります。AppExchange パートナーがアイデアをかたちにしてマーケットプレイスに出すまでに行う一般的な作業があります。Salesforce は、これらの作業の遂行に役立つツールやリソースを作成しました。この単元では、これらのツールとリソースを紹介し、AppExchange 製品ライフサイクルのどこで使用するかを説明します。
ツール、リソース、および AppExchange 製品ライフサイクル
AppExchange 製品ライフサイクルの各フェーズで使用可能なツールとリソースについて確認していきましょう。すでに説明したように、AppExchange 製品ライフサイクルには、計画、構築、配布、マーケティング、販売、サポートの 6 つのフェーズがあります。すべてを詳細に思い出せなくても心配は不要です。ツールとリソースを紹介しながら、各フェーズで実施する作業についても再確認します。
フェーズ | ToDo | ツールとリソース |
---|---|---|
計画 |
Salesforce プラットフォームについて学習し、ソリューションのロードマップを作成します。 |
|
ビルド |
ソリューションを開発し、テストして優れたユーザーエクスペリエンスを確認します。 |
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配布 |
ソリューションをパッケージ化し、AppExchange にリストします。 |
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マーケティング |
市場におけるソリューションへの関心を喚起します。 |
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販売 |
リードを購入客に変換します。 |
|
サポート |
ソリューションを更新し、顧客にテクニカルサポートを提供します。 |
|
AppExchange パートナープログラムへの申し込みが承認されると、これらのツールとリソースを無料で利用できます。
Salesforce 組織と AppExchange 製品ライフサイクル
使用するツールとリソースの概要を把握できたので、大半のアクションが行われる場所を見てみましょう。Salesforce 組織は、ワークスペースでユーザーと共有する環境です。組織には、Salesforce の標準機能、データ、作成したカスタマイズが含まれています。AppExchange 製品ライフサイクルのどの位置にいるかによって、使用する組織の種類が異なります。
組織種別 | 使用する状況: |
---|---|
本番 |
重要なアプリケーションとデータを配置する。AppExchange パートナープログラムを初めて使用する場合は、パートナービジネス組織 (PBO) と呼ばれる特別な種別の本番組織が提供されます。パートナービジネス組織には、事前インストールされた AppExchange パートナーツールと 2 つの Sales Cloud ライセンスが付属します。 |
スクラッチ |
ソリューションを構築する。スクラッチ組織は、パートナービジネス組織 (PBO) の Dev Hub を使用して作成されます。設定ファイルが他のチームメンバーと共有され、開発時に全員が同じ組織シェイプにアクセスできます。 |
テスト |
ソリューションをテストする。テスト組織を使用して、ソリューションが優れたユーザーエクスペリエンスを提供することを確認します。テスト環境は、Group Edition、Professional Edition、および Enterprise Edition 組織に基づいて作成できます。スクラッチ組織を使用して短期的なテスト環境を複数作成します。 |
デモ |
ソリューションを見込み客向けに実演する。デモ組織は標準の Salesforce 環境に基づいていますが、ユーザーライセンス数とストレージ量が増やされています。これらの特別な機能を使用して、顧客が行うのと同じように組織を設定できるため、営業チームは効果的なデモを実施できます。デモは、Group Edition、Professional Edition、および Enterprise Edition 組織に基づいて作成できます。 |
トライアル |
顧客が直接ソリューションを体験できるようにする。顧客自身のトライアル Salesforce 組織または ISV パートナーが設定した組織で、顧客がソリューションを操作できるようにします。トライアル組織は、アプリケーションまたは Lightning コンポーネントに加え、ユーザーやサンプルデータでカスタマイズできます。 |
パートナービジネス組織
パートナービジネス組織 (PBO) は、船の操舵室のようなものです。パートナービジネス組織で次のことを行います。
- Salesforce CRM アプリケーションを使用して新たな顧客を求める
- 開発者 Hub を使用してスクラッチ組織と第二世代管理パッケージを管理する
- 環境ハブを使用してテスト組織をプロビジョニングする
- ライセンス管理アプリケーション (LMA) を使用してリードとライセンスを管理する
- Channel Order App (COA) で注文を送信する
- 登録者サポートコンソールで顧客をサポートする
パートナービジネス組織へのアクセス
パートナービジネス組織へのアクセス方法は、AppExchange パートナープログラムへのサインアップ方法によって異なります。
既存の Salesforce アカウントなしで AppExchange パートナープログラムに参加した場合、サインアップ時にパートナービジネス組織が作成されます。パートナービジネス組織にアクセスするには、login.salesforce.com に移動して、アカウント作成時に受け取ったログイン情報を使用してサインインします。これで完成です。
既存の Salesforce アカウントを使用して AppExchange パートナープログラムに参加した場合、既存の Salesforce 組織に AppExchange パートナーツールが追加されます。
- Salesforce パートナーコミュニティにログインします。
- 質問アイコンをクリックし、[Log a Case for Help (サポートケースを登録)] をクリックします。
- 次の詳細を入力します。
項目 | 入力 |
---|---|
組織 ID |
パートナーコミュニティへのログインに使用するアカウントに関連付けられた組織 ID |
件名 |
Enable AppExchange partner tools (AppExchange パートナーツールの有効化) |
説明 |
Please enable AppExchange partner tools in this Salesforce org. (この Salesforce 組織の AppExchange パートナーツールを有効にしてください。) |
まとめ
このモジュールでは多くの基礎を学習しました。簡単だったでしょう? お疲れ様でした。ここでは、学習した内容を振り返りましょう。
- ソリューションのアイデアをかたちにしてマーケットプレイスに出すまでに AppExchange パートナープログラムがどう役立つかを学習しました。
- AppExchange パートナーがアイデアをマーケットプレイスに出すまでの行程をサポートするパートナーコミュニティのリソースについて学習しました。
- AppExchange 製品ライフサイクルの各フェーズと、パートナーがライフサイクルを進みやすくする特別なツールについて学習しました。
- パートナーアカウントにサインアップし、パートナービジネス組織にログインしました。
盛りだくさんでしたが、やり遂げました。もちろん、この先もずっとトレイルは続きます。今後のモジュールでは、製品やサービスの計画と開発、顧客への配布準備などを行うプロセスなどについて詳細に学習していきます。
リソース
- Salesforce ヘルプ: パートナー: Requesting a Partner Business Organization (PBO) vs. Trial PBO (パートナービジネス組織 (PBO) またはトライアル PBO の申請)
- Salesforce DX 開発者ガイド: スクラッチ組織
- First-Generation Managed Packaging Developer Guide (第一世代管理パッケージ開発者ガイド): Environment Hub (環境ハブ)