ケース手続きと刑罰に関するオブジェクトを知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• ケース手続きに関するオブジェクトの目的を説明する。
  
• ケース手続き要求を処理する方法と手続きから情報を取得する方法を説明する。
  
• ケース手続きオブジェクトと他のデータモデルオブジェクトとのリレーションを要約する。
  

捜査ケース手続き

ここまでに、捜査の紆余曲折を追跡して管理するためにデータモデルがどのように役立つかを学習してきました。ただし、捜査は法的審理、裁判、内部調査、その他の手続につながることが多く、そのときにはまったく新しい一連のイベントやプロセスが出てきます。

再審理、調停、罪状認否、裁判前審問、裁判と、さまざまな法的行為があります。その複雑な手続きを行うために裁判官、陪審員、弁護士、オンブズマンなどのさまざまな人々が必要です。そこで登場するのがデータモデルを構成する次の要素である裁判関連イベントの管理です。

この単元では、Carmen のようなケースマネージャーがすべてを円滑に進めるためにデータモデルがどのように役立つかを学習します。公判のスケジュールから結果の追跡まで、いくつかの公共セクターソリューションオブジェクトを使用することですべて実現できます。

Cosville では、Carmen はケース手続きの要求を処理し、ステークホルダーと調整し、ミーティング、公判、裁判の日付をスケジュールします。また、各イベントの結果を追跡し、フォローアップアクションを記録します。遅れが生じることはよくあるため、Carmen のようなケースマネージャーはスケジュールの変更、延期の要請、その他の先送りにすばやく対応する必要があります。

ケース手続きオブジェクト

捜査ケース管理には訴訟のすべての側面を効率的に管理するための一連のオブジェクトが含まれています。

ケース手続きオブジェクトは、刑事訴訟または民事訴訟の個々の手続きのすべての詳細を追跡します。このオブジェクトでは、訴訟、調停、裁判などの種別を設定できます。ケース手続きを使用して陪審選任、公判、または類似する法的イベントを追跡することもできます。ケース手続きレコードで、クイックアクションを使用して各ケース手続き関係者を追加し、手続きが行われる住所を設定します。

ケース登録日を記載し、手続きの状況を追跡し、関連する手続きを互いに関連付けることで、イベントの包括的な記録を作成します。ケース手続き苦情オブジェクトを使用して、苦情をそれに対応するケース手続きに関連付けることもできます。

ケースのいずれかの側の弁護士が、手続きを遅らせるために、ケース手続きの要求を開始したり、延期の申し立てを行ったりすることがよくあります。捜査ケース管理では、ガイド付きフローを使用して、そのような要求を迅速に受け付けることができます。

このシナリオ例では、Carmen は Leonard のケースについて検察官からケース手続き要求を受け取ります。

捜査ケース管理のツールと機能を使用して、彼女はこの要求を処理するために次のことを行います。

• Leonard の出廷と関連プロセスをそれぞれ追跡するために、一連のケース手続き (予定されている初公判など) を作成する。
  
• Leonard、彼の弁護士、相手方の弁護士、裁判官、証人などを各ケース手続きレコードに関係者として追加する。
  
• Cosville 郡裁判所の住所を設定する。
  
• 前に学習した保管項目リレーションオブジェクトを使用してケースに関連する証拠を手続きに関連付ける。
  
• すべての関係者と連携して、ケースの進行に合わせて追加される手続きの日付を設定する。
  

Carmen は [Casework Overview (ケースワーク概要)] タブで直接、すべての手続きを追跡します。

次の図は、ここで学習したケース手続きオブジェクトの位置付けを示しています。

次の表では前の画像で強調表示されているオブジェクトについて説明しています。また関連オブジェクトといくつかのシナリオ例も示しています。

Leonard のケース手続きは出だしからつまずきました。最初の出廷の日に彼は姿を現わさなかったのです。出廷しなかったことは裁判所命令に反しており、裁判官は明らかに苛立っています。Carmen はこの遅れに対応して、迅速にケース手続きスケジュールを更新します。

Leonard がしたように、ケース手続きの関係者が法律や裁判所命令に違反した場合、各違反をケース手続き違反オブジェクトに記録できます。違反には法廷侮辱、偽証、証拠開示不履行などがあります。

ケースのどの時点でも、被疑者が 1 つ以上の規制コード違反を犯していると裁判所が判断した場合、各違反に関連付けられた違反是正措置が取られます。このような措置は違反者に対する刑罰を表し、召喚、罰金、裁判所による制裁、懲役、ライセンス取り消しなどが含まれます。特定の是正措置には規制取引手数料も伴います。これは、罰金を処理する機関に違反者が支払うものです。

この例では、裁判官は Leonard が法廷を侮辱していると判断し、高額の罰金を支払うように命令します。Carmen はこの違反を記録するためのケース手続き違反を作成し、その違反を規制コード違反に関連付けます。

Carmen は違反を作成した後に、罰金を違反是正措置として記録します。

最終的に Leonard は出廷し、手続きが始まります。その後数週間で、検察側と被告側は裁判官と陪審員の前で証人の証言を提示し、ケースに関する主張を述べます。内部告発者は証言台に立ち、Leonard が見込み客に賄賂を申し出ているのを聞いたときのことを語ります。検察官は、裏付け証拠として、Stealthy Financial Services のオフィスへの訪問中に発見した改ざんされたドキュメントや証拠となるメールを提示します。被告側弁護士は容疑を否定し、Leonard は無実だと主張します。

決定や判決はケース手続きからケース手続き結果オブジェクトを使用して追跡できます。さらに、ケースの結果として行われる各アクションを記録するにはケースエピソードを使用します。このエピソードには、是正措置、ケアプラン、その他の裁判所が割り当てるアクションが含まれます。

訴訟手続きの終わりに双方が弁論を終え、陪審員が評議を行います。数時間後、すべての訴因において賄賂と不正で有罪という評決が下されます。Leonard は判決言い渡しを受けるために最後にもう一度出廷します。裁判官は執行猶予付き懲役 2 か月と継続的な社会奉仕活動を言い渡します。Stealthy Financial Services も代償を支払うことになりました。裁判所は、この会社が手数料を支払って、法律に準拠していることを確認するための完全な規制監査を受けるまではビジネスライセンスを停止します。Carmen は裁判所が Leonard と Stealthy Financial Service に割り当てたすべての違反是正措置をケースエピソードに記録します。

このモジュールで学習した司法関連のすべてのオブジェクトを含む完全な捜査ケース管理データモデル図は次のようになります。

次の表は、残りのケース手続きオブジェクト、リレーション、例を示しています。

すべての捜査やケース手続きが刑罰で終わるわけではありません。場合によっては、機関は状況を解決するための目標、タスク、給付を含むケアプランを指示することができます。

ケアプランについての詳細は「公共セクターソリューションの社会福祉プログラム管理データモデル」モジュールを参照してください。

このモジュールで学習したように、捜査ケース管理オブジェクトを使用すれば、機関は刑事訴訟または民事訴訟の各フェーズが複雑であってもそれをすべて追跡して管理できます。

もう一度 Cosville に目を向けると、Carmen とチームは捜査ケースを効率的に管理、監視できるようになったことに喜んでいます。よくある管理上の障壁にぶつかることなく、内部告発者の苦情にすばやく対応し、捜査を実施し、証拠を収集し、法廷審理をスケジュールし、違反と結果を記録することができました。迅速な正義を成し遂げたのです。

このモジュールでは、捜査ケース管理で特別に設計されたデータモデルを使用することで、司法プロセスを簡略化する方法を学習しました。次のステップは、「リソース」セクションのリンクを参照して、あなた自身の機関組織で捜査ケース管理を設定して使用する方法を学習することです。ここで学習したオブジェクトや機能を使用することで、機関は捜査ケースを合理的でシンプルなものにして、コミュニティ内の問題をテレビで見るのとほぼ同じような速さで解決できます。

リソース

• Salesforce ヘルプ: Salesforce Public Sector Solutions での調査形式のケース管理
• Salesforce ヘルプ: ケースの処理に関するサービス要求の取得と履行
• Salesforce ヘルプ: ケースの処理の作成
• Salesforce ヘルプ: ケース処理結果の作成