Data 360 Sandbox を更新して同期する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Data 360 の本番環境と Sandbox 環境間でメタデータを同期するプロセスを説明する。
- 更新された Data 360 Sandbox 内でセキュアなデータ接続を設定する。
- 古いメタデータを削除するクリーンアッププロセスを実装する。
組織間で Data 360 のメタデータを同期する
前の単元では、主任アーキテクトの Jamal Cooks が Data 360 Developer Sandbox のプロビジョニングと、接続性を検証するためのデータの取り込みを実行しました。環境の設定が完了したため、次は本番組織との同期を維持する必要があります。メタデータにはすぐにドリフトが生じます。同期を怠ると、ID ルールの不整合、孤立したストリーム、予期しない動作につながる可能性があります。この単元では、Sandbox の更新戦略と高度なメタデータ同期について学びます。
メタデータドリフトを防ぐ
メタデータは常に変化しています。Sandbox が本番環境より古い状態では、テスト結果が無効になるリスクがあります。更新時にコピーされるのはメタデータ (設定情報) のみで、実際のデータはコピーされません。そのため、6 か月前の Sandbox は過去のスナップショットにすぎません。この状態でテストを行うと、結果に欠陥が生じ、本番環境で失敗する原因となります。
Cloud Kicks での次のシナリオを考えてみましょう。本番組織で、Jamal が ID 解決ルールセット (Rule Set 2.0) を更新します。この変更により、高品質な統合プロファイルを確保するための、より厳格な照合基準が新たに追加されます。
6 か月後、DevOps 開発者の Vijay Lahiri は Developer Sandbox で作業していますが、この Sandbox は Jamal の変更より前から更新されていません。Vijay は、既存の統合プロファイルを基に高価値顧客を対象とする複雑なセグメントを作成します。セグメントのテストは成功し、10,000 件の統合プロファイルが返されたため、Vijay は展開準備が整ったと判断します。
Vijay の Sandbox には Rule Set 1.0 のメタデータが含まれており、これは本番環境でライブ稼働中の Rule Set 2.0 よりも制限が緩いため、メタデータのドリフトが発生します。Vijay が新しいセグメントを本番環境に展開すると、そのセグメントはすぐに失敗します。その理由は、
- 連動関係の失敗: セグメントのロジックは、Rule Set 1.0 の古い、より緩やかな ID 解決結果を使用しています。
- 予期しない動作: セグメントが正しく新しい Rule Set 2.0 を使用してライブ本番環境に対して実行されると、より厳格な条件を満たす統合プロファイルが 8,500 件しか見つかりません。セグメントから突然 1,500 人の対象顧客が除外され、高度にパーソナライズされたロイヤルティプログラムの立ち上げが失敗します。
このような本番環境での失敗を回避する唯一の方法は、構築に使用する Sandbox の設定に最新の本番メタデータを確実に反映させることです。そのため、タイムリーな Sandbox の更新と更新後のチェックリストは、アーキテクトのワークフローにおいて重要な要素となります。
CRM Sandbox の更新を準備する
更新を開始する前に、Vijay は環境の連動関係を整理します。Cloud Kicks は顧客ロイヤルティデータを Salesforce CRM Sandbox から取得しているため、その CRM Sandbox を更新する前に特定の操作を行う必要があります。
CRM Sandbox が更新されると、その OrgId が変更され、認証権限セットが削除されます。これにより、Data 360 への接続が完全に切断されます。準備を行わないと、CRM Sandbox をソースとして使用するすべてのデータストリームがエラー状態になり、組織を単に切断することもできなくなります。
CRM Sandbox の更新に安全に備えるには、次の手順に従います。
- DevOps データキットを作成することにより、CRM データストリームの設定をバックアップします。
- CRM Sandbox 組織をソースとして使用するデータストリームをすべて削除します。データストリームを削除するには、データマッピングやセグメント属性などの下流の連動関係も削除する必要がある場合があります。
- [Data Cloud Setup (Data Cloud 設定)] に移動し、[Salesforce CRM Connector (Salesforce CRM コネクタ)] を選択して、CRM Sandbox 組織を切断します。
- CRM Sandbox 組織を更新します。
Sandbox を更新する
準備が整い、Vijay は Cloud Kicks の Data 360 Sandbox を更新できます。Sandbox の更新では、ソース組織からメタデータが更新されますが、データは更新されません。
- メタデータの同期: Sandbox を更新すると、データストリーム、計算済みインサイト、セグメントを含むすべての Data 360 設定がコピーされます。
- 影響: 更新を行うと、Sandbox 内の既存の作業内容が上書きされます。
次の手順に従って、Data 360 Sandbox を更新します。
- [Setup (設定)] に移動し、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Sandboxes(Sandbox) と入力します。 - Sandbox 名の横にある [Refresh (更新)] リンクをクリックします。
- 名前と説明を確認して編集します。
- Sandbox ライセンスの種別 ([Developer]、[Developer Pro]、[Partial Copy]、または [Full]) を選択します。
- [作成] をクリックします。
更新後のチェックリストを完了する
Sandbox の更新は、最初のステップに過ぎません。Vijay は、Cloud Kicks のデータが再び流れるようにするための「配管」を再構築する必要があります。次の更新後チェックリストに従って、環境を復元します。
- CRM 接続を再確立する: 接続済みの CRM Sandbox を更新した場合は、外部組織ユーザーの権限セットを再作成し、CRM Sandbox 組織を Data 360 に再接続して、オブジェクトと項目の権限を再作成する必要があります。最後に、データキットをインストールしてデータストリームを再展開します。
- コネクタを再認証する: セキュリティ上の理由から、Marketing Cloud Engagement などの外部システムへの接続は、Sandbox で再認証する必要があります。
- ID 解決を初期化する: 更新によって ID ルールはコピーされますが、Sandbox で統合プロファイルを生成するには、最初の実行を手動でトリガーする必要があります。
- Data Cloud One (DC1) 接続を管理する: 会社で DC1 を使用している場合は、更新中に環境に十分注意してください。DC1 コンパニオン組織として機能する Sandbox を更新すると、プライマリ Data 360 組織への接続が切断されます。更新が完了したら、DC1 接続を再確立して、メタデータとデータが各組織間で正しく同期できるようにする必要があります。
- 古いメタデータをクリーンアップする: [Data Cloud Setup (Data Cloud 設定)] メニューを使用して、同期中に発生した孤立したデータストリームやマッピングエラーを特定し、削除します。
次のステップ
Jamal と Vijay が Sandbox を同期させ、更新後の接続を処理することで、メタデータのドリフトを防ぐ方法を学びました。次に、これらの Data 360 設定を DevOps データキットにまとめて安全に展開する方法を学びます。
