フローを設計してテストする

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• Salesforce から Twilio にデータを自動的に同期するフローを設計する。
• フローをテストしてデータが正常に同期することを確認する。

この単元では、まず MuleSoft Composer を使用して Salesforce の商談と Twilio のテキストメッセージを自動的に同期するフローを作成する方法を学習します。次に、フローをテストしてデータが正常に同期することを確認します。

MuleSoft Composer ではデフォルトで作業が検証され、手順の各ステップにアプリケーション内コンテキストヘルプが表示されます。たとえば、システムに接続を追加すると、MuleSoft Composer で接続がテストされるため、正常に機能することを確認したうえで次のステップに進むことができます。また、各ステップ内の必須項目を入力するように MuleSoft Composer から求められます。これでフローのビルドが簡単になります。

フローの作成のベストプラクティスは、数ステップごとにテストを繰り返しながらフローを完成させることです。

次のデモ動画で、MuleSoft Composer を使用して Salesforce を Twilio に接続する方法をご覧ください。

フローを設計する

Salesforce の商談を Twilio のテキストメッセージと自動的に同期するインテグレーションフローを設計する準備が整いました。 

次の手順に従ってフローを設計します。

NTO 組織から MuleSoft Composer を起動します。

1. ユーザー名とパスワードを使用して NTO 組織にログインします。
2. アプリケーションランチャーに Composer と入力して [MuleSoft Composer] を選択します。

新しいフローを作成します。

1. [Create New Flow (新規フローの作成)] をクリックします。
2. デフォルトのフロー名の横にある鉛筆アイコンをクリックします。
3. フローに Sync NTO Org Opportunities with Twilio Messages (NTO 組織の商談を Twilio のメッセージと同期) と名前を付け、[Save (保存)] をクリックします。

NTO 組織を使用してフローのトリガーを作成します。

1. [Salesforce] をクリックします。
2. [Add new Salesforce connection (新しい Salesforce 接続を追加)] をクリックして、NTO Sandbox 組織への接続を作成します。
3. この接続に NTO sandbox org (NTO Sandbox 組織) と名前を付けます。
4. [This is a sandbox organization (これは Sandbox 組織です)] チェックボックスをオンにして、[Create (作成)] をクリックします。
5. NTO Sandbox 組織のユーザー名とパスワードを入力して、[Log In (ログイン)] をクリックします。
6. [Allow (許可)] をクリックして、MuleSoft Composer に「基本情報へのアクセス」「データへのアクセスと管理」「ユーザーに代わっていつでも要求を実行」権限を付与します。MuleSoft Composer で接続が自動的にテストされます。エラーメッセージが表示されていない場合は接続が確立され、フローの最初のステップ (トリガー) が表示されます。
7. デフォルトのステップ名の横にある鉛筆アイコンをクリックします。
8. ステップに Get opportunity (商談を取得する) と名前を付け、[Save (保存)] をクリックします。

NTO 組織に新しい商談が追加されたり商談が更新されたりするたびにフローを開始するトリガーを設定します。

1. [Choose an event that starts this flow (このフローを開始するイベントを選択)] 項目をクリックして、[New or updated record (レコードの新規作成または更新)] を選択します。
2. [Object Type (オブジェクト種別)] 項目をクリックして、Opportunity (商談) と入力します。
3. [Sample Output (サンプル出力)] セクションを見ると、NTO 組織の商談の関連付けられているサンプル値が表示されています。この情報から、正しい組織に接続されていることと、フローの今後のステップで使用可能なデータの構造がわかります。
   
4. [Save (保存)] をクリックしてフローを保存します。

商談が商談成立になっているかどうかを判断する If/Else ブロックを作成して設定します。

1. プラスアイコンをクリックしてステップを追加します。
2. [If/Else Block (If/Else ブロック)] をクリックします。
3. [Add Conditions (条件を追加)] をクリックします。デフォルトで [All conditions must be met (AND) (すべての条件を満たす必要がある (AND))] が選択されています。
4. 項目に [Stage (フェーズ)]、演算子に [Equals (次の文字列と一致する)] を選択し、値に Closed Won (商談成立) と入力して、[Save (保存)] をクリックします。この条件を満たした場合は、If ブランチの後続のステップ (テキストメッセージを送信する) が実行されます。

成立した商談を処理するフローの 2 つ目のステップを If ブランチ内に作成します。

1. プラスアイコンをクリックして If ブランチ内にステップを追加します。
2. [Twilio] をクリックします。
3. [Add new Twilio connection (新しい Twilio 接続を追加)] をクリックします。
4. この接続に NTO Twilio と名前を付けます。
5. テキストファイルからアカウント SID と認証トークンをコピーして貼り付け、[Create (作成)] をクリックします。NTO Twilio 接続が作成され、フローの 2 つ目のステップが表示されます。
6. ステップに Send text message (テキストメッセージを送信する) と名前を付け、[Save (保存)] をクリックします。

成立した商談を処理する 2 つ目のステップを If ブランチ内に設定します。

1. [Action (アクション)] 項目をクリックし、[Send Message (メッセージを送信)] を選択します。
2. 2 つ目のステップの以下の項目を、フローのステップ 1 でキャプチャした商談の対応する項目にマップします。
   • To (送信先): ステップ 1 の [Sales Manager’s Phone (営業マネージャーの電話)]
   • From (送信元) = ステップ 1 の [Twilio Phone (Twilio 電話)]
3. [Message (メッセージ)] テキスト項目内をクリックし、[Custom Expression (カスタム式)] をクリックします。このカスタム式ツールを使用して、フローの先行するステップから取り込む動的な項目値とユーザーが入力する静的なテキストを組み合わせたメッセージを設定します。
4. Congratulations, opportunity (おめでとうございます。商談) と入力し、ステップ 1 の [Name (名前)] を選択します。
5. with amount $ (は金額) と入力し、ステップ 1 の [Amount (金額)] を選択します。
6. is now (で) と入力し、ステップ 1 の [Stage (フェーズ)] を選択します。
7. ! (となりました!) と入力し、[Done (完了)] を選択します。
8. フローを保存します。フロー全体は次のようになります。

次は、フローのテスト方法を学習します。 

フローをテストする

フローを設計したら、エンドツーエンドでテストしてデータが問題なく同期することを確認する必要があります。テストは概して 10 分以内に終了します。テストが完了した時点、または 10 分を経過した時点でテストが停止します。テストに必要なアプリケーションとデータを揃えたうえでテストを開始することをお勧めします。

このユースケースでは、NTO 組織で商談が作成または更新されると、フローがトリガーされます。そのため、NTO 組織の Sales Cloud にテスト商談を入力または更新する準備をしておきます。商談が商談成立とマークされると、関連付けられた営業マネージャーに Twilio からテキストメッセージが送信されます。そのため、営業マネージャーがメッセージを受信することを確認する準備をしておきます。

次の手順に従ってフローをテストします。

1. [Sync NTO Org Opportunities with Twilio Messages (NTO 組織の商談を Twilio のメッセージと同期)] フローで、[Test (テスト)] をクリックします。フローが参照のみモードになります。
   メモ: テストの実行中に何らかの理由で停止する場合は、[Stop Test (テストを停止)] をクリックします。 
2. NTO 組織の Sales Cloud にログインして [商談] タブページに移動し、[新規] をクリックします。
3. 次の値で新規商談を追加し、[保存] をクリックします。
   • 商談名: Backup Generators (補助発電機)
   • 取引先名: Grand Hotels & Resorts Ltd
   • 金額: $100,000
   • 完了予定日: 今日から 1 週間後
   • フェーズ: 商談成立
   • Sales Manager’s Phone (営業マネージャーの電話): ユーザーの携帯電話
   • Twilio Phone (Twilio 電話): テキストファイルから Twilio 電話を貼り付ける
4. フローに戻り、テストが完了するまで待機します。フローのすべてのステップに緑のチェックマークが表示されたら、フローが正常に実行されたことを意味します。[Test Output (テスト出力)] セクションで、テスト用に入力したレコード値を確認します。
5. 携帯電話を見てテキストメッセージを受信していることを確認します。次のようなメッセージが届くはずです。
   Sent from your Twilio trial account - Congratulations, opportunity Backup Generators with amount $100000 is now Closed Won! (Twilio トライアルから送信 - おめでとうございます。商談 Backup Generators は金額 $100000 で商談成立となりました!)
   有料の Twilio アカウントをお持ちの場合は、Sent from your Twilio trial account の部分は表示されません。
   
6. ステップ 1 ～ 5 を繰り返して別の商談をテストします。フローが問題なく動作するはずです。

お疲れさまでした。次の単元では、本番環境でフローをアクティブ化して監視し、トラブルシューティングする方法を学習します。