メディア業界について知る
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- メディア業界について説明する。
- メディア業界の変遷を簡単に振り返る。
メディア業界の概要
メディアという言葉を聞いて思い浮かぶことは何ですか? 絶品のチーズホットサンドの作り方を紹介した記事ですか? あなたが Netflix のウォッチリストに次々と追加しているドキュメンタリーでしょうか? お客様をタイムスリップさせる喫茶店を描いた短編小説かもしれません。あれこれ考えているうちに 1 日が過ぎてしまいそうです。
メディア業界というのは包括的な概念です。現在では、ビジネスプロセスが確立され、業界における役割が明確に分担され、いつでもどこからでもお客様に対応するカスタマーサービスが求められます。この業界は進化し続ける大きなマシンで、その時々に常識を覆すイノベーションを必要とします。そこで力を発揮するのが Salesforce です。
では、メディア業界の黎明期から見ていきましょう。どのように始まったのでしょうか? その発端となったのはどのような人々だったのでしょうか?
メディア業界の変遷
メディアを介したコミュニケーションの起源として、多くの歴史家が絵画を挙げていることに驚くかもしれません。最初のメディアは、手形のステンシルなどの絵文字だと考えられています。私たちの祖先は 4 万年も前に、インドネシアのスラウェシ島の洞窟壁にこうした形のメディアを残しています。この絵画からメッセージを受け取るのはごく少数で、膨大な数の人々が消費している現代のメディアとは比較にならないものでした。つまり、人類には長い歴史があるということです!
メディア業界最大のイノベーションは、口頭伝承と紙の発明です。かつての刊行物はすべて手書きで、大衆に手渡しで配布するという方法で消費されていました。ヨハネス・グーテンベルクの印刷機の発明によってマスメディア革命が起こり、メディア史に大きな転換期がもたらされました。
その後、世界の全域で社会的、経済的、政治的な知識やつながりを求める気運が高まり、技術開発やイノベーションが次々と生み出されていきました。これが、今日私たちが認識しているメディア業界の成長につながっています。
ひと昔前を振り返る
1960 年代のあるシーンを想像してみてください。製材所の従業員である Matthew は、金曜日の午後 5 時に仕事を終えてタイムカードを押します。疲れきって帰宅し、静かな週末を過ごそうと考えます。翌朝、目を覚ましてまず新聞を読み、コーヒーを淹れながらラジオを聴きます。卵を焼いている途中でテレビをつけ、朝ご飯を食べながら番組を見ます。夕方になり、Matthew は映画館に行くことにします。映画の後で簡単な夕食をとり、ラジオを聴きながら次の日に教会に着ていく服を揃えます。
Matthew の日常生活から古き良き時代が偲ばれるほか、当時はメディアコンテンツにほとんど選択肢がなかったことがわかります。この頃のメディア企業は、その希少性を活かして成功を収め、限られたメディアチャネルでコンテンツや資金の流れをコントロールしていました。メディアプロバイダーやチャネルがひしめく現在の状況とは大きな違いです。
メディア業界の今
今日ではお客様の選択肢がかつてないほど広がっています。いつでも、どこでも、どのデバイスからでも、好きなだけ視聴できるコンテンツに瞬時にアクセスできます。ケーブルテレビがコンテンツプロバイダーに転身し、テレビ局はコンテンツを独自のストリーミングサービスで配信し、雑誌社や新聞社も記事をオンラインで配信するようになっています。
お客様が自由に選べる豊富なコンテンツを楽しむ中、視聴者の関心を巡って争奪戦が激化しています。メディア企業は今や、昔ながらの万人向けの 1 つのソリューションに頼ることはできません。急速に成長しているメディア業界では、メディア企業が優れたユーザーエクスペリエンスを追求するアプローチに転じて実践しなければ、同業者と競争することができません。
メディア企業が、効率的に収益化していくためには、配信するコンテンツやエクスペリエンスをパーソナライズする必要があります。つまり、サブスクリプション、広告、コマース、ライセンス供与など、あらゆる手段を駆使することを意味します。お客様は傑出したコンテンツエクスペリエンスとカスタマーサービスを求めており、そうした商品を届けてくれる企業にはメリットがあります。
メディア企業は、お客様のニーズや期待の多様性に合わせて進化し適応しています。そのためには、どのような商品やサービスでも常にお客様を中心に考え、カスタマイズされた独自の卓越したエクスペリエンスを実現することが極めて重要です。ここで力を発揮するのが Salesforce Media Cloud です。Media Cloud はメディア業界に特化したソリューションで、メディア企業がシームレスなエクスペリエンスを実現し、メディアに関するあらゆることを処理するためのツールが揃っています。
次は、メディア業界について詳しく見ていきます。