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管理者向けの実践的なヒントに従う

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce システム管理者への一般的な依頼にストラテジー思考を適用する。
  • タスクを完了することと、ビジネス上の問題を解決することを区別する。
  • 管理上のウィズダムを駆使して関係者をより良い成果に導く。

ウィズダムを日々実践する

先行の単元で、タスク思考からソリューション思考への転換が重要である理由を学びました。さらに、一般的な取り組み方と、大きなインパクトが生み出されるように業務のレベルを高める方法を比較検討するシナリオを詳しく見てきました。

ところで、このアプローチを日常業務に適用するにはどうすればよいのでしょうか? ここで鍵を握るのが「日常」という言葉です。ストラテジー思考を習慣化することが大切であるためです。手を止めて周りを見渡せば、日常のあらゆる場面にウィズダムを活用できる機会が潜んでいます。

  • レイアウトのちょっとした変更や、ドロップダウンリストへの追加を依頼する Slack メッセージ
  • 緊急と記されたチケット
  • 誰かが結論を急いでソリューションを挙げるミーティング

こうした場面では、単にタスクを完了すべきか、インパクトを生み出すべきかを判断します。最初のステップは、こうした機会に気付くことです。

ではここで、さらに数種のシナリオを検討し、今すぐ業務に活かせる実践的なヒントを見ていきます。

シナリオ 1: スピードや自動化と、知識やインサイトとのバランスを図る

キーボードを打つ手の前面に、アプリケーションとタスクの設定を表すアイコンからなるフローチャートのオーバーレイが浮かび上がっています。

ある営業リーダーから、商談を迅速に進めるために、15% 未満の割引はすべて自動承認されるようにしたいという依頼がありました。あなたの最初の反応は、承認ルールを設定し、営業チームの数人のメンバーに Sandbox でテストしてもらってからリリースするというものでした。この依頼は簡単に片づけることができます。ふとその時、ストラテジーマインドセットが蘇り、

一歩引いて重要な点を自問してみることにします。

  • 現在、割引に時間がかかっているのはなぜか?
  • 本当の問題はスピードなのか、それとも承認機能がボトルネックになっているのか?
  • 手作業の承認を排除する場合、どのようなリスクを受け入れることになるか?

営業チームの業務を考えれば、スピードと処理容量は極めて重要です。ですから、特に営業サイクルの短縮につながるのであれば、プロセスをできる限り自動化したいというのも理にかなっています。ただし、過度に自動化すればリスクを伴います。

そこで、承認プロセスを全面的に自動化するのではなく、営業チームやオペレーションチームと連携して以下のことを行います。

  • 承認のしきい値を調整する。ここで重要なのは、迅速でスムーズなセールスプロセスと、会社の利益率を維持して商談の価値を確保する必要性のバランスを取ることです。そのためには、画一的に自動化するのではなく、慎重に進めて行く必要があります。
  • 割引のトレンドを監視するレポートを追加する。合意のうえで決定を下した場合でも、引き続きトレンドを観察し、主なインサイトを経時的に確認することが極めて重要です。こうしたインサイトに、最も頻繁に割引が適用される状況や、割引の効果を発揮する状況が示されることがあります。
  • 価格設定ガイドラインを見直して明確にする。一貫した取り組みによって成功がもたらされます。プロセスが明確な価格設定ガイドラインに沿っていることを確認し、レポートのインサイトを参考に継続的に改善することができれば、確実にビジネス成果をあげることができます。

こうすれば、必要な価格設定と割引のガバナンスを排除しなくても、スピードを向上させることができます。

シナリオ 2: AI を目的意識をもって導入する

複数の AI エージェントが秩序なく導入されているため、それぞれ独自にファイリングタスクやデータ管理タスクを実行しています。

経営陣から Salesforce 全体に AI を早急に導入するよう依頼されました。そこで、導入可能な AI の機能を検討します。AI エージェントを可能な限り有効にすれば、わかりやすい形で経営陣の依頼に応えることができます。

このタスクベースのアプローチによって、その後どのような影響がもたらされると思いますか? 一部のユーザーは AI エージェントを採用します。それ以外のユーザーはその結果を信頼しません。そのために混乱が深まります。

こうした場合には、依頼を指示ではなく、シグナルととらえます。このシグナルを自ら調査したところ、ストラテジー思考の次の質問を思い付きました。

  • AI によってどのような判断が向上することを期待しているのか?
  • データは AI の導入をサポートできる状態か?
  • ユーザーは出力を信頼すべき状況と信頼すべきでない状況をどのように判断するのか?

ウィズダムを駆使し、時間をかけて検討した結果、現在のビジネス課題に適したストラテジー型のアプローチを考案することができました。

  • 1 つのユースケースで AI を試行する。まずはセールスコーチを使用して、営業チームのメンバーが商品や割引に関する情報をいち早く習得して、セールスピッチを向上させられるようにします。続いてカスタマーサービス担当者向けの AI を試しますが、その前に最初のユースケースからインサイトを取得します。
  • 適切な成功メトリクスを定義する。ユースケースを明確にすれば、何をもって成功とするかを的確に定義できます。この場合の成功は、プロセスと価格設定のガイドラインをきちんと遵守していること、商品知識の評価が高いこと、コーチングエージェントにユーザーが満足していることです。

採用を段階的に進めることで、抵抗ではなく、信頼を築くことができます。

急がば回れ

スピードが求められる状況では、ストラテジーアプローチに終始することが不可能な場合もあります。ただし、ウィズダムを適用するために、何もかも遅らせて延々と質問し続ける必要はありません。ウィズダムを重視するということは、取り組む業務によって実際に価値が生み出されることを確認するだけの時間をかけるということです。

依頼を受けたら、立ち止まって次の点を自問します。

  • 依頼されたのはタスクを実行することか、問題を解決することか?
  • この結果は処理の迅速化か、成果の向上か?
  • すべてうまくいったらどうなるか? うまくいかなかった場合はどうか?

どのような問題を解決しようとしているかの本質をつかむためには、こうした質問が不可欠です。この結果、あなたのシステム、あなたのユーザー、あなたへの信頼が守られます。また、あなたに任せられた依頼に潜む価値を見出すうえでも役立ちます。

長期的な価値を創出する

ウィズダムを活用するということは、「ノー」と言うことではありません。適切なことには、適切なタイミングで、適切な理由をもって「イエス」と言うことです。AI や自動化によって処理される日常業務が増える中で、あなたの価値が発揮されるのは次のような場合です。

  • コンテキストを適用する。
  • パターンを認識する。
  • ビジネス全体に拡大可能な慎重な判断を下す。

コンテキストとウィズダムを適用してビジネスの根本的な問題を解決すれば、組織全体の長期的な価値と成長を推進するコンサルタントとしての地位を確立できます。

リソース

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