Salesforce コールセンターについて
学習の目的
電話サポートが重要な理由
Ursa Major Solar の CEO である Sita Nagappan-Alvarez は、自社の Service Cloud 実装に感心しました。これで、自社のサービスと共に再生可能エネルギー商品のマーケティングも行えるようになりました。サポートエージェントの生産性が向上し、顧客ケースの追跡と解決が簡単になりました。さらに、最近のメールアンケートで得意客は、Ursa Major Solar が迅速に質問に対応できるという確信が高まったと回答しています。ただし、Sita は、アンケートでの 1 人の顧客のコメントが気になりました。「時には、誰かに電話をして支援を受けたいことがあります。なぜそれがそんなに大変なのでしょう?」
Sita は、電話サポートには高いコストがかかることを知っています。エージェントあたりの費用は毎月数百ドルにもなります。一方で、快適なカスタマーエクスペリエンスはビジネスに良い効果をもたらすことも知っています。自分自身の経験から Sita は、多くの場合、電話をかけて誰かに質問に答えてもらう方が、サービスチームの不特定の担当者からのメールを待っているよりも簡単だと知っています。それに、そのメールが役に立たなかったときには、どうすればよいでしょうか? Sita は、以前読んだ Gartner レポートの次の統計が頭から離れません。「労力を要する経験をした顧客のうち 96% もの大部分がロイヤルティが低いのに対して、労力を要しない経験をした顧客のうちロイヤルティが低いのはたった 9% であることがわかった。」
明らかに、労力を要しないカスタマーエクスペリエンスは、顧客満足度を保ち、顧客を維持するために役立ちます。電話サポートは、多くの場合、顧客にとって最も少ない労力で必要なサービスを受けられるエクスペリエンスです。
Salesforce コールセンターとは
Sita は、Ursa Major のシステム管理者である Maria Jimenez に Service Cloud の電話サポートオプションについて調べるように依頼しました。さまざまな Salesforce のドキュメント、Trailhead、Trailblazer Community を調べ、Maria は必要な情報を入手しました。
わかったのは、昔ながらの電話は、顧客とコミュニケーションを行うために使用できる多くのチャネルのうちの 1 つだということです。Web、メール、ソーシャルのチャネルを設定していても、頼りになる人間の声を電話で聞きたいという人々もいます。
そこで Salesforce コールセンターの登場です。コールセンターはその名のとおり、Salesforce を通じて統合された電話機能です。技術用語では、コンピューターと電話の統合はコンピューターテレフォニーインテグレーション (CTI) と呼ばれます。CTI は複雑に聞こえるかもしれませんが、単にコンピューターを電話として使用できるという意味です。
なぜコンピューターを放っておいて電話だけを使用しないのでしょう? それは、Salesforce と共に CTI を使用すると、受信した電話番号に関連付けられた顧客データが自動的に画面に表示されるからです。顧客から電話がかかってくるたびに、その顧客の情報がサポートエージェントの画面の前面中央に表示され、エージェントは顧客を支援するために必要なすべての情報が得られます。顧客についての情報を得るために検索、スクロール、クリックに時間を費やすことはなくなりました。「お調べしますのでお待ちください」と言う必要もなくなりました。通話のたびに、役に立つデータが自動的に画面にポップアップ表示されます。
説明を始める前に、馴染みのない用語を定義しておきましょう。これらは Salesforce コールセンターのビルディングブロックであり、これらを理解することは電話を最大限に活用するための第一歩です。
Salesforce コールセンターの用語
Maria にとって馴染みのない用語がいくつかありますが、それらは Salesforce コールセンターを理解するための重要な要素です。
ソフトフォン | 通話を発信および受信できる画面上の電話。 |
コールセンター | Salesforce を開発者またはパートナーによって構築された通話システムと統合する Salesforce 機能。 |
Open CTI | 開発者やパートナーが Salesforce コールセンターと共に使用するためのクラウドベースの通話システムを構築できる JavaScript API。 Open CTI はブラウザーやプラットフォームに依存しないため、サポートエージェントは任意のブラウザーやプラットフォームで電話をかけることができます。つまり、Mac、Linux、または Windows で、Microsoft® Internet Explorer®、Mozilla® Firefox®、Apple® Safari®、Google Chrome™ のどれでも電話をかけることができます。サポートエージェントは好きなテクノロジーを使用できるのです。 |
一緒にトレイルを進みましょう
エキスパートと一緒にこの手順を進めますか? 次の動画をご覧ください。これは「Trail Together」 (一緒にトレイル) シリーズの一部です。
コールセンターの一般的な設定プロセス
- Maria は、開発者またはパートナーが作成した CTI パッケージを AppExchange からインストールします。AppExchange は Salesforce のアプリケーションのオンラインマーケットプレースです。
- パッケージをインストールすると、Salesforce と統合する CTI システムである、コールセンターが組織用に作成されます。
- Maria は、Salesforce でソフトフォンを使用して電話を着発信できるように、ユーザーをコールセンターに追加します。
だいたいこのような感じです。シンプルでしょう? 次の 2 つの単元では、上記の 3 つの手順を順を追って説明します。ただし、まず少し計画を行います。
Salesforce コールセンターの計画
Maria は、複数のチャネルを追加することは、Service Cloud の一般的な設定プロセスの第 2 フェーズであることを知っています。(復習する必要がある場合は、「Lightning Experience の Service Cloud」モジュールを参照してください)。また、電話チャネルを含むチャネルは、サービスを Salesforce に設定する 4 つの概要フェーズの 2 番目に含まれることも思い出しました。
Ursa Major Solar のケース管理機能をいくつか設定した Maria は、システム管理者が最初にチャネルを設定しないのが最適な理由を理解しています。顧客が支援を求めて連絡してきても、顧客の質問を追跡、転送、対応するための一貫した方法がなければ、ケースは誰に転送されて解決されるのでしょうか? 不明確なケース管理プロセスに迷い込んだ顧客やエージェントは不満を感じるでしょう。それは望ましくありません。
Maria は、実際にコールセンターの設定を開始する前に、Ursa Major Solar のサービスチームとミーティングをして、その業務のやり方について詳細を調査しました。
現在どの電話システムを使用していますか? | Cisco の何かだと思います。調べておきます。 使用する Open CTI パッケージに Cisco システムとの通信が必要かもしれません。 |
コールセンターはいくつありますか? | 現在は、南西部のフェニックス付近に 1 つです。ただし、今の目標は中南米での成長ですから、その地域にコールセンターを 1 つ追加し、サポートエージェントを配備する可能性があります。 |
ネットワークの信頼性に関する問題が発生している海外のエージェントはいますか? | はい、ブラジルに 1 人います。 ネットワークの信頼性の問題があるため、そのエージェント向けにコールセンターをテストする時間を追加で割り当てる必要がありそうです。 |
サポートマネージャーは通話を観察していますか? | いいえ。もし観察しているとしても、それは Salesforce ではなく電話システムに影響を及ぼします。 |
若干の計画を行って、Maria はコールセンターを設定する準備ができました。
メモ: このモジュールでは、サービス向けの Salesforce コールセンターに焦点を絞っていますが、同じ機能を営業にも使用できます。組織にコールセンターが設定されると、サービスコンソールのフッターまたはすべての Lightning コンソールアプリケーションのフッターにソフトフォンが表示されます。
ヒント: Sales Dialer をご存知ですか? Sales Dialer と、ここで説明した CTI の違いは何だろうとお思いでしょうか。結局のところ、その違いはテレフォニーにあります。Sales Dialer は、電話番号のプロビジョニングを行い、Salesforce から直接電話をかける方法を提供することで、ユーザーと顧客をつなぎます。すでにテレフォニーシステムが導入されている場合は、既存のシステムと統合する Open CTI が適しています。