Salesforce Data 360 について知る
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce Data 360 の概要とそのしくみを説明する。
- チームが顧客を理解する上で、Data 360 がどのように役立つかを説明する。
- Data 360 のユースケースの例をいくつか挙げる。
Data 360 とは?
企業はかつてない規模で顧客に関するデータを収集しています。ただし、こうしたデータの収集はサイロ化されていて、顧客データや顧客とブランドとのやり取りのデータに何千通りものバージョンがあると考えられます。多くの企業は、データウェアハウス、データレイク、またはデータレイクハウスに投資することでこの問題を解決しようと試みました。すべてのデータを Snowflake、AWS、または Databricks に保管している組織もあります。ただし、データウェアハウス、データレイク、データレイクハウスには 1 つとして同じものはありません。つまり、そこにあるデータの構造やデータとカスタマーエクスペリエンスとのつながりも、それぞれ異なるということです。
Data 360 は、すべてのデータを顧客のために活用できるようにします。Salesforce Platform の深部に組み込まれているため、外部の任意のデータレイクやウェアハウスで CRM 内のアクションやワークフローを実行できるようになりました。Data 360 は、データを 1 つにまとめるだけではありません。顧客を中心に組織全体を結び付け、エクスペリエンスを向上させ、成長を促進します。
Data 360 は、Salesforce の基礎であるメタデータレイヤーを基盤としており、Agentforce、自動化のためのフロー、UI のための Lightning、詳細なプロコードのカスタマイズのための Apex を含むすべての Salesforce アプリケーションとローコードプラットフォームサービスとを統合する共通言語を提供します。
データを発見して有効化する
フィードをユーザーごとに整理しておすすめコンテンツとして表示した初期のアルゴリズムが登場したときから、企業は「データこそが現代のビジネスを左右するカギだ」と認識するようになりました。ただし、オンラインに膨大な情報が存在することから、多数の企業にとって目下の課題は、ノイズを排除し、重要なトレンドやインサイトを見出すことになっています。
そのソリューションとなるのが Data 360 です。Data 360 は顧客に関するより多くのデータを取り込みながら動的に進化し、トレンドやインサイトをリアルタイムで検出し、アクションを取るための機会を創出します。Data 360 によって知識とアクションの間のギャップを埋めることできます。
Data 360 のしくみ
Northern Trail Outfitters (NTO) はアウトドアアパレル企業です。Rachel Rodriguez は NTO の顧客の 1 人です。NTO のデータは各種システムに散在しており整理されていません。Rachel が各システムとやり取りをしても、NTO はそれが同じ人物だと認識できません。
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e コマース Web サイト: 「rachel.runs@example.com」というメールアドレスの匿名ユーザーが 1 足のトレイルランニングシューズをショッピングカートに入れましたが、チェックアウトしませんでした。
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小売店舗: Rachel Rodriguez がランニングソックスを購入しました。
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カスタマーサービス: R. Rodriguez がカスタマーサービスにテキストメッセージでランニングパンツの注文の配送の遅れに関して質問しました。
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外部データストレージ (Snowflake、Databricks、AWS): NTO は原材料などの納入業者データを外部システムに保存しています。Rachel の配送が遅れているパンツに使用されている生地はサプライチェーンの遅延に含まれています。
NTO はこれらのやり取りを別の人物として扱っており、NTO のシステム内に別々のユーザープロファイルがあります。NTO はこれがすべて Rachel であるということを知らないため、Rachel とのやり取りにはつながりがありません。マーケティング担当者は Rachel に、彼女がすでに購入したソックスの割引を提供するメールを送信する一方で、実際に欲しいと思っているシューズについては無視しています。サービス担当者は彼女のパンツがなぜ遅れているかを説明できません。Rachel は戸惑い、ストレスがたまっています。
NTO のエンタープライズアーキテクトである Pia Larson は、Data 360 を使用して NTO のデータ統合方法を改善し、お客様をより深く理解したいと考えています。

まず Pia は、NTO のさまざまなシステムからのデータをすべて接続して、Data 360 に取り込みます。このプロセスを取り込みといいます。
Pia は各タッチポイントからのメールアドレス、電話番号、名前などの情報を使用して Rachel の別々のプロファイルを照合し、統合プロファイルを作成します。このプロセスを ID 解決といいます。
次に Pia は Rachel に関して生涯支出額や好みのスポーツなどのインサイトを計算します。これにより NTO のチームは Rachel に対する理解を深めることができます。たとえば、Pia は Rachel の購入の 80% が高性能ランニング用品であることを発見します。Pia は本格的なランナーの顧客サブグループ (セグメント) を作成し、そこに Rachel を含めることができます。
これで NTO のすべての部署が Rachel の包括的ビューを利用して、彼女と効果的なやり取りを行えるようになります。NTO のサービス担当者は、Rachel のパンツがなぜ遅れているかを説明できるようになります。NTO のマーケティング担当者は、Rachel の放棄されたカートに入っているシューズのクーポンをメールで送信できます。さらに今後、NTO は Rachel を本格的なランナー向けのキャンペーンの対象に含めることができます。NTO は Rachel の完全なビューを手に入れ、Rachel は満足度の高いお客様になります。
Salesforce 全体のカスタマーエクスペリエンス
データを結び付けたら、そのデータを使用してビジネス全体であらゆるインサイトを通知し、業務を促進することができます。Data 360 によって、どのチームも価値あるエクスペリエンスを創出できます。
チーム |
Data 360 を使用したエクスペリエンス |
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セールス |
すべての営業担当者は、顧客とのビデオ通話や音声通話中にリアルタイムのガイダンスを受け取り、その内容を会話に適応させて顧客へパーソナライズされた提案を行えます。 |
サービス |
コンタクトセンターから現場まで、すべてのサービス担当者にリアルタイムのアラートが発信されます。このアラートで、課題の検知、エージェントによる介入、顧客へのエンゲージ、問題の解決が可能になり、プロアクティブなサービスを提供できるようになります。 |
マーケティング |
すべてのマーケティング担当者は、さまざまなブランドプロパティにわたり、顧客のアクティビティにリアルタイムで適応するパーソナライズされたメッセージをチャネル全体で配信することができます。 |
コマース |
すべての小売業者は、リアルタイムの顧客アクション (ショッピングカートの放棄や、Web サイト、モバイルアプリケーションでのアクションなど) に適応するオーダーメイドのショッピング体験を構築できます。 |
プラットフォーム |
IT チームは、ローコードツールを使用して、リアルタイムデータを活用するアプリケーションなどを構築できます (例: 不正の検知を行う、リアルタイムの経済データを提供してメリットを判断する)。 |
MuleSoft |
あらゆる企業が、最新のシステムやレガシーシステム全体にリアルタイムデータを解放できます。 |
Tableau |
あらゆる企業が KPI をリアルタイムで監視し、企業全体にアクションを反映できます (たとえば、営業におけるリアルタイムの購入データ、サービスにおけるリアルタイムのケース急増、マーケティングにおけるリアルタイムの Web トラフィック)。 |
Slack |
チームがインテリジェントなワークフローを使用し、任意のチャネルからリアルタイムデータを自動的に表示できるようになることで、リーダーは即座の効率アップを期待できます。 |
ヘルスケアおよびライフサイエンス |
支払者組織と提供者組織が、さまざまなソースの臨床データや非臨床データを結び付けて、インテリジェントなインサイトをリアルタイムに配信できます。また、このインサイトを使用して、患者の転帰向上に役立つ自動ジャーニーを構築できます。 |
金融サービス |
ファイナンシャルアドバイザーとバンカーは、適切なタイミングで適切なアドバイスを行うことで、クライアントが投資運用ゴールの達成を加速化するのを支援できます。 |
AgentExchange |
Data 360 パートナーアプリケーションとエキスパートが登録されている AgentExchange の Data 360 コレクションを活用して、Data 360 の機能を拡張できます。適切な広告の自動化や顧客プロファイルの強化に役立ちます。 |
Data 360 を使用することで、すでに活用している手法やワークフローを統合し、すべてのデータソースから得たインサイトで強化できます。次の単元では、Salesforce のさまざまな Data 360 ユースケースについて学習します。