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注文フルフィルメントと支払処理を合理化する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 注文履行と支払処理を自動化する方法を説明する。
  • 履行注文に含まれる情報を特定する。
  • 注文支払概要とは何かを説明する。

履行プロセスを管理する

注文管理システムの主な機能は、正確でタイムリーな注文履行を確実に行うことです。注文履行をいかに効率的に管理するかが、顧客のショッピング体験や購入体験を左右します。約束したものを、約束したときに、約束した価格で、一貫して提供できなければ、顧客ロイヤルティは低下し始めます。顧客の満足度を維持し、ビジネスを円滑に進めるためには、注文が滞りなく処理されていることを確認する必要があります。

なんとも簡単に聞こえますね。ですが、バラバラのシステムと手作業をどうにかつなぎあわせて、注文の履行、代金の回収、商品の出荷に使用していると、大きな損害を出すミスが発生する可能性があります。何度も注文の不手際、支払の不備、出荷の遅れがあれば、お客様は他の店を探し始めるでしょう。Salesforce Order Management (注文管理) は、履行チームが注文を管理して追跡するうえで役立つ機能を備えています。

  • オンライン注文の梱包の追跡と管理

Store Fulfillment アプリケーションを使用して、品目を 1 つ以上の出荷に追加できます。商品を出荷できない場合は、担当者が却下理由を設定したうえで注文を完了できます。注文を梱包後、担当者が配送の表示ラベルを印刷して注文を出荷できます。

  • ピッキングチケットを使用した迅速な注文の履行

ピッキングチケットを使用すれば、一度に複数の注文をピッキングできます。履行担当者は、新しい履行注文を配送方法で絞り込み、出荷種別が似ている注文を選り分けてバンドルし、バンドルされた全注文のピッキングを追跡することができます。

注文概要を使用して注文データの管理に役立てる方法については、すでに学習しました。ここでは、ワークフローを自動化して、注文履行や支払処理の合理化に役立てる方法を詳しく見ていきましょう。

フローを使用して注文履行を自動化する

履行と支払処理を自動化することで、注文を順調に進め、常にお客様にご満足いただくことができます。自動化により、一貫性が確保され、正確性が向上し、約束を果たせる可能性が高まります。では、この仕組みを見てみましょう。

前の単元で学んだように、Salesforce Order Management (注文管理) では、注文を受信すると、自動的に注文オブジェクトが作成され、注文データが入力されます。このようなオブジェクトを次にどうしていくかは、あなた次第です。目標は、注文の送信から配送までをできるだけ迅速かつ効率的に進めることです。これを実現するには、[設定] からアクセス可能な Flow Builder というツールを使用できます。

Flow Builder はビジュアルツールであり、直感的な図形を使用して、履行ワークフローで注文オブジェクトを進めていくビジネスロジックやアクションを定義できます。

使用を開始するには、まず次を特定してください。

  • 履行ワークフローのすべてのステップ。
  • ステップが実行される順序。
  • 1 つのステップから次のステップに進むために必要なアクションや決定。
  • 外部システムやサプライチェーンパートナーとの統合が必要なステップ。

上記の情報を収集したら、Flow Builder を使用して、プロセス全体を視覚的に表現できます。Salesforce Order Management (注文管理) では、定義したステップとビジネスロジックを使用することで、注文オブジェクトを操作して、ワークフローの開始から終了まで注文を進めていきます。

下図は、Flow Builder の履行フローのサンプルです。

[代替テキスト: 注文管理フローのサンプル]

作業をすぐに開始できるように、Salesforce Order Management (注文管理) では、開始から終了までの基本的な注文ワークフローを示すサンプルフローとサンプルプロセスが用意されています。サンプルフローとサンプルプロセスは、ビジネス要件条件に応じて変更および拡張できます。また、不正チェックや手動の注文確認などのカスタム承認プロセスを作成することもできます。

メモ

Flow Builder を使用する代わりに Salesforce API と Apex カスタムコードを使用して履行プロセスを設定することもできます。

履行注文

履行プロセスを自動化したら、ゆっくりとくつろぐことができるでしょうか? 残念ながらそうではありません。やはり常に注意を怠らないことが必要です。そのためには、注文が履行プロセスのどこにあるかを常に把握する方法が必要です。ここで履行注文が役立ちます。

注文ライフサイクルは、Salesforce Order Management (注文管理) で注文を受信し、注文レコードと注文概要レコードの作成がトリガーされたときから始まります。この時点で、自動化された履行ワークフローが起動し、注文に含まれる商品の履行注文レコードが作成され、履行場所に割り当てられます。

  • 注文に含まれるすべての商品の履行をまとめて行える場合は、履行注文が 1 つだけ作成される。
  • 注文に含まれるすべての商品の履行をまとめて行えない場合は、Salesforce Order Management (注文管理) では一緒に出荷される商品がグループ化され、グループごとに個別の履行注文が作成される。
  • すべての履行注文は、注文概要に自動的にリンクされる。

[代替テキスト: 注文と注文概要の作成から全商品の配送までの注文履行の一般的なプロセスを示す図。]

各履行注文レコードでは、次の情報を確認できます。

  • 履行場所
  • 履行のステータス
  • 注文変更
  • 注文商品
  • 注文数量
  • 注文受取人
  • 配送先住所
  • 出荷の配送業者
  • 配送方法

各履行注文の詳細とステータスは注文概要にまとめられ、動的に更新されます。これにより、履行プロセス全体を通して注文商品を簡単に追跡できます。

理想的なのは、自動化されたワークフローによって問題なく注文が進められていくことです。ただし、必要に応じて直接手動で履行注文を更新することもできます。実行できるカスタマイズは、次のとおりです。

  • 注文を履行プロセスの 1 つのフェーズから別のフェーズに移動するために、履行注文のステータスを更新する。
  • 履行場所を変更する。
  • 配送方法や配送先住所を変更する。
  • 履行注文から商品を削除する。
  • 注文容量を指定して、ロケーションに割り当てる履行注文の数を制限する。
  • 履行場所が履行注文品目を却下した場合は、履行注文品目オブジェクトの RejectReason 選択リスト項目を使用して却下理由を割り当てる。
  • 分散注文管理フローを使用して、却下された履行注文を再転送する。
  • Omnichannel Inventory を使用できない場合も、B2C Commerce の注文を効率的に処理する。
  • フローを使用して履行後に等価でない交換に応じられるようにして、交換機能を強化する。
  • 履行済み品目の交換に応じる。
  • 新しい交換 API を使用してカスタム交換ワークフローを作成して実装するという方法で、商品の返品や交換を 1 つのフローで処理する。

履行注文に対して行った変更は、注文概要の対応する情報に自動的に反映されます。

Salesforce Payments と注文管理

Salesforce Payments と注文管理を統合すれば、支払の回収や返金を伴う安全で便利な注文処理を促進できます。支払業者アカウントが Stripe アカウントにリンクされている場合は、注文管理で支払を受領したり返金を処理したりすることができます。

Salesforce Payments と 注文管理を連携させるには、この 2 つの製品を同じ組織で有効にします。Payments ライセンスと注文管理ライセンスが必要です。あるいは、Connected Commerce ライセンスを使用できます。使用する特定の機能によっては、追加のライセンスや権限が必要になることがあります。

サードパーティの決済プロバイダーを使用する場合は、Salesforce Order Management (注文管理) を設定するときに、e コマースサイトの支払方法、決済プロバイダー、支払プロセッサーを設定できます。自動化された履行ワークフローに支払処理をどのように組み込むか検討する必要があります。

一般的に、どのような方法、プロバイダー、プロセッサーを使用していても、注文の支払は注文履行の次の 3 つのフェーズを介して進行します。

  • 顧客の選択した支払方法からの資金の捕捉が承認される。
  • 顧客の選択した支払方法からの承認された資金の捕捉が承認される。
  • 捕捉された資金が請求され、外部の財務管理システムと調整される。

この各フェーズのタイミングは自由に決定できます。たとえば、顧客が注文を送信したときに資金を承認し、注文が処理されたときに資金を捕捉して請求書を作成できます。支払の承認、捕捉、請求書作成の方法とタイミングを決定したら、自動化された履行ワークフローに必要な支払処理のステップを組み込むことができます。

注文支払概要

支払トランザクションを管理できるように、Salesforce Order Management (注文管理) では注文ごとに注文支払概要が作成されます。注文支払概要では、注文のすべての支払トランザクションの単一ビューが提供されるため、注文管理が簡略化されます。

注文概要などの他の概要オブジェクトとは異なり、注文支払概要は元の支払レコードおよび元の支払レコードに対するその後の変更を表しません。代わりに、同じ支払方法を使用し、同じ注文概要に関連付けられている支払の組み合わせを表します。このアプローチでは、各注文の支払方法情報を取得し、バイヤーが購入代金の支払にどの支払方法を使用しているか確認できます。

支払承認をキャンセルすると、注文支払概要が自動的に更新されます。注文支払概要に関連付けられている承認に対して支払承認取消サービスを実行すると、注文支払概要の [Available to Capture (キャプチャ可能)] と [Authorization Reversed (承認取り消し)] の値が更新されます。

各注文支払概要レコードでは、次の情報を確認できます。

  • 承認金額
  • 捕捉金額
  • 返金金額
  • 差引請求額
  • クレジットメモ
  • 請求書
  • 受取人名
  • 支払方法
  • 返金

また、注文支払概要に関する支払ゲートウェイログにアクセスすることもできます。支払ゲートウェイログには、支払プラットフォームと外部の支払ゲートウェイ間で交換されたすべての情報が保存されます。支払トランザクションが期待どおりに完了しない場合、関連付けられている支払ゲートウェイログを開くと、問題の解決に役立つ可能性があります。

請求書とクレジットメモ

Salesforce Order Management (注文管理) では、請求書とクレジットメモを使用して、注文支払トランザクションを外部の財務管理システムと調整できます。

  • 請求書: 請求書は注文の支払として受領した資金を表します。請求書を使用すると、捕捉された資金を外部の財務管理システムと調整できます。請求書を生成するタイミングは、履行ワークフローのフレームワーク内で決定できます。受領した資金はすべて、金額に関係なく、資金を承認する前に請求書に適用されます。
  • クレジットメモ: クレジットメモは商品の返品に伴う支払返金を表します。クレジットメモを使用すると、返金支出を外部の財務管理システムと調整できます。クレジットメモは、返品を処理すると自動的に生成されます。

請求書とクレジットメモの生成は自動的に行われます。会計上の調整には、Salesforce Order Management (注文管理) と財務管理システムとの統合が必要です。

次のステップ

この単元では、履行注文、注文支払概要、請求書、クレジットメモについて学習しました。また、履行と支払処理を自動化する方法についても学びました。次は、分散注文管理ワークフローを実装することで、履行の自動化を最適化する方法を見ていきましょう。

リソース

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