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マスターデータマネジメントを使用すべき場合を見極める

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • マスターデータマネジメントの必要性を示すビジネス上のシグナルを特定する。
  • マスターデータマネジメントが実際のビジネス上の課題にどのように対応するかを説明する。
  • クイックウィンから着手し、マスターデータマネジメントの導入を戦略的に拡大していくことの重要性を説明する。

マスターデータマネジメントのシグナルを見極める

多くの組織は、影響が無視できないほど大きくなって初めて、マスターデータの問題があることに気付きます。規律あるマスターデータマネジメント (MDM) のアプローチが必要であることを示す、明確な兆候があります。これらの兆候を早期に見極めれば、ビジネスへの大きな損害を防げます。

一般的なシグナルには次のようなものがあります。

  • 数値が一致しないレポート: 財務、営業、業務の各部門が同じデータについて作成したレポートの内容が異なります。収益に関する数値が一致せず、顧客数も異なります。データを信頼できなければ、意思決定も信頼できません。
  • カスタマーエクスペリエンスの失敗: 顧客が重複したコミュニケーションを受け取ります。サービスエージェントは、顧客履歴の全体像を把握できていません。こうした不満は、顧客マスターデータの断片化に直接起因します。
  • サプライチェーンの混乱: 不正確なサプライヤーデータは、調達の遅延やベンダーへの二重支払につながります。サプライヤーレコードに一貫性がないと、サプライチェーンの可視性が低下します。
  • コンプライアンスと監査の課題: GDPR や HIPAA などの規制では、保有しているデータの内容とその取得元を組織が把握している必要があります。MDM がなければ、この証拠を用意するのに時間がかかり、誤りも生じやすくなります。
  • 合併および買収後の統合: 合併後、組織は複数のマスターデータのインスタンスを統合する必要があります。MDM は、このデータを体系的にハーモナイズするためのフレームワークを提供します。
  • デジタルトランスフォーメーションの取り組み: AI、パーソナライズ、高度な分析には、高品質なマスターデータが必要です。データが断片化されていると、有意義な結果を提供することが難しくなります。

Jamal が Cloud Kicks のこれまでの経緯を振り返ってみると、これらの兆候がすべて表れています。財務とマーケティングの間で数値が一致しない件はどうでしょうか? 何年も前から続いています。前四半期の監査で指摘された、サプライヤーへの二重支払はどうでしょうか? これは、ベンダーレコードの不整合が直接の原因です。顧客データの信頼性が不十分で停滞したパーソナライズの取り組みはどうでしょうか? いずれも、マスターデータの信頼できる情報源がないという同じ根本原因にたどり着きます。

Informatica MDM SaaS による課題への対応

Informatica MDM SaaS は、これらの課題に対応する目的で構築されています。システム間をつなぐ、信頼できるマスターデータレイヤーとして機能します。

顧客データが CRM と請求システムで断片化されている場合、Informatica MDM SaaS はそれらを照合し、単一のゴールデンレコードに統合します。その信頼できるレコードをすべてのシステムにリアルタイムで配信します。サービスエージェントは、顧客の全体像を把握できます。マーケティングチームは、適切な相手に適切なメッセージを送信できます。

サプライヤーデータに一貫性がない場合、Informatica MDM SaaS はガバナンスに基づいて単一のサプライヤーレコードを作成します。これにより、ベンダーへの二重支払がなくなります。調達チームは、リレーションを正確に把握したうえで、優先ベンダーを特定し、購買力を集約できます。

クイックウィンから始める

最も成功する MDM プログラムでは、優先度の高いユースケースから着手します。すべてのマスターデータの課題を一度に解決しようとすると、実装が遅くなります。成功の鍵は、ビジネス上の課題が明確で、価値を測定できる領域から始めることです。

Informatica MDM SaaS は、この段階的なアプローチに対応しています。顧客マスターデータなどの単一ドメインから始めて、徐々にほかのドメインへ拡大していきます。これにより、組織は早期に価値を実感でき、社内に知見も蓄積されます。

クイックウィンとして選ばれることが多いのは、次のような領域です。

  • Customer 360: サービスを向上させて正確な分析を可能にするために、顧客データを統合します。
  • サプライヤーの整理: 支払の誤りを減らし、可視性を高めるために、サプライヤーレコードをクレンジングします。
  • 商品データのガバナンス: 販売チャネル全体での一貫性を確保するために、信頼できる商品マスターを確立します。

Jamal は、Customer 360 から始めることにします。顧客データを対象に Informatica MDM SaaS をデプロイしてから数週間で、Cloud Kicks は数千件の重複レコードを解消し、財務とマーケティングの双方が合意できる、単一で信頼性の高い顧客数を算出できるようになります。Jamal にとって、このクイックウィンは、MDM をすべてのドメインに拡大するためのビジネスケースを作成するうえで必要な根拠となります。

リスクを減らし、レジリエンスを培う

Informatica MDM SaaS は、リスクを先回りして管理するのに役立ちます。データ品質の低さは、誤った意思決定と金銭的損失につながります。このプラットフォームのデータリネージと監査証跡機能は、規制へのコンプライアンスをサポートします。信頼できるデータをリアルタイムに配信することで、利用可能な最良の情報に基づいて判断を下せます。

将来に備えたデータ基盤を構築する

Informatica MDM SaaS への投資は、新たに登場する機能を支える基盤の構築につながります。Agentforce、パーソナライズ、リアルタイムの顧客インテリジェンスといった最新のツールには、高品質でつながったマスターデータが必要です。

今のうちに MDM に投資する組織は、技術的負債を回避できます。Informatica MDM SaaS は、ニーズに合わせて進化する最新のアーキテクチャで構築されています。また、プラットフォームに AI 機能を取り入れる場合は、ヒューマンインザループを維持してください。今後もデータの信頼性を維持するために、データスチュワードは AI による照合結果を確認して検証する必要があります。

データが断片化されている兆候を見極め、クイックウィンから着手することで、高度な分析と AI を支える強固な基盤を構築できます。これで、実際のビジネス価値を創出するマスターデータマネジメント戦略を推進する準備が整いました。

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