セルフサービスのマーケットプレイスでデータを民主化する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- データの民主化を定義し、ビジネスの俊敏性に及ぼす影響について説明する。
- 意思決定プロセスにおける、信頼できるセルフサービスデータの重要性について説明する。
- 一元管理型のデータマーケットプレイスのメリットを挙げる。
あらゆるビジネスが直面するデータの問題
現代社会において、データは企業の通貨のようなものです。大切な判断を下す際、データにアクセスできなければその意味がありません。ある大手小売企業のチームが、ホリデーシーズンに向けた準備を進めているところを想像してみてください。どの商品を仕入れるべきか判断するために、前年の売上データ、お客様の購買パターン、現在の在庫の詳細が必要です。従来は、3 つの部門にメールを送信し、各部門が必要なレポートを見つけ出すのを待ちながら、情報が正確であることを願うしかありませんでした。このボトルネックが数日、あるいは数週間に及べば、意欲が削がれ、意思決定が失速します。
これは、今日のビジネスの最大の課題の 1 つです。膨大なデータが存在しても、適切なデータを適切なタイミングで適切な人々に届けるのは容易なことではありません。大半の組織はデータが個々のシステムに分散し、それぞれ技術チームが管理しているため、時間のかかる申請プロセスを経なければアクセスできません。データが届いた頃には、迅速な対応のタイミングを逃している可能性があります。そのため、チームが直感や、時機を逸した不完全な情報に頼らざるを得ないことが少なくありません。こうした事態が生じる理由は、正確性を軽視しているからではなく、信頼できるデータを入手することが困難で時間がかかるためです。
データの民主化とは何か、信頼できるデータがなぜ重要なのか
データを民主化すれば、組織内の各個人がデータにシームレスにアクセスできるようになるため、各人の可能性が高まります。データエンジニアやデータ所有者に留まらず、職務を効果的に遂行するためにデータを必要とするすべてのユーザーが、簡単にデータを取得できるようにします。このアプローチにより、誰もが情報に基づいて判断する、データドリブンの文化が育まれます。例として、公立図書館について考えてみましょう。公立図書館が存在する前は、本を所有できるのは富裕層に限られていました。公立図書館の登場によって状況が一変します。今では誰もが図書館を訪れ、必要な本を見つけて自由に閲覧できます。データが民主化されれば、ビジネスユーザーが各自のロールや必要な承認に基づいて、必要なデータにアクセスできるようになります。
ただし、データにアクセスできることはほんの出発点にすぎません。信頼できるデータも必要です。仮に、GPS アプリケーションに搭載されている地図が古ければ、不正確なデータに基づくビジネス判断によって誤った方向に導かれることになりかねません。信頼できるデータとは、正確で、関連性が高く、保護され、ビジネスでの利用が承認されているものです。アクセスしているデータを信頼できれば、迅速かつ賢明な判断を下すことができます。
一元管理型のデータマーケットプレイスのメリット
一元管理型のデータマーケットプレイスがあれば、信頼できるデータの利用法が様変わりします。1 つのインターフェースでまさに必要としている情報を見つけることができ、情報サイロの迷路をさまようことがありません。正確なデータを利用できるため、判断の向上につながります。こうした E コマース流のアプローチには次のようなメリットがあります。
- 信頼性と一貫性: チームのほかのメンバーと同じ信頼できるマーケットプレイスでデータを見つけます。データの所有者、取得元、品質スコアを把握できます。誰もがデータにアクセスできるため、混乱やレポートの食い違いが減少します。
- セルフサービス型のアクセス: 各自のニーズに合わせてデータを閲覧して評価し、申請できます。IT 部門やデータエキスパートに手作業でクエリを実行してもらうのを待っている必要がありません。このため、データ所有者が個々のデータ申請の処理に費やす時間が減り、戦略的な業務に充てる時間が増大します。
- 効率性の向上: マーケットプレイスの申請と配信のプロセスを自動化すれば、データを依頼してから受け取るまでの時間が短縮します。
- 拡張性のあるコラボレーション: 全員が信頼できる同じデータソースを基に作業すれば、チーム間の認識が統一されます。情報が一致しているため、ミーティングの生産性が向上し、部門の枠を超えた戦略の調整が向上します。
データの民主化の実践例
Gina は消費財企業の地域営業マネージャーです。四半期ごとに、担当地域の業績レビューを作成する必要があります。以前は、マーケティング、財務、サプライチェーンの 3 つのチームにデータを依頼していましたが、 承認済みの信頼できるデータを入手するのに最大 2 週間かかっていました。その頃にはデータが古くなり、レビューが確証のもてない数値に基づいていました。
CDMP のセルフサービスデータを利用できるようになった現在は、以下のことを実行できます。
- 担当地域の売上データを自ら検索する。
- データの説明、所有者、最終更新日を確認する。
- ワンクリックでアクセスを申請し、数時間以内にアクセス権を取得する。
- ビジネスでの使用が承認されている認定済みデータセットに安心してアクセスする。
Gina の四半期レビューは、作成時間が数週間から数日に短縮され、正確なデータが使用されています。彼女はその数値に自信をもっています。これがデータの民主化のすばらしさです。
この例は、データの民主化において、信頼できるデータにセルフサービスでアクセスすることがいかに重要かを示しています。時機を逸することなく、情報に基づくビジネス判断を下すことが可能になるためです。一元管理型のデータストアを構築する場合と同様に、データをセキュアな統合型プラットフォームに集約すれば、組織が効率性を大幅に向上させ、すべてのチーム間でデータの一貫性を確保すると共に、すべてのユーザーが効果的にコラボレーションし、自信をもって業務を遂行できるようになります。次は、Informatica CDMP でこのビジョンを実現する方法を学習します。