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サービスにおける生成 AI の潜在性を検討する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 問題の診断と解決に生成 AI を活用する方法を特定する。
  • 生成 AI を活用してナレッジをどのように取得して共有するか説明する。
  • センチメント分析に基づいて、カスタマーサービスエクスペリエンスを向上させる方法を説明する。

生成 AI の有望性

メモ

受講する前に、大規模言語モデルのような用語など、生成 AI の基本事項を復習したい場合は「生成 AI の基本」を参照してください。

数種の強力な大規模言語モデル のリリースを受け、生成 AI エコシステムが驚くべきペースで成長しています。同時に、こうしたモデルを最適化し、新規や既存のアプリケーションに LLM を統合できるようにするビジネスも多数出現しています。つまり、ありとあらゆる組織がかつてない手軽さで生成 AI にアクセスできるということです。このテクノロジーの実用に大きな関心が寄せられる中、多数の組織は生成 AI によってどのように生産性が向上し、創造力が触発され、単調な繰り返しが回避されるのか知りたいと考えています。

新たなテクノロジーが出現したときの常として、その将来的な用途や使い勝手を予測するのは容易いことではありません。たとえば、米国政府の研究者が情報交換の目的で ARPANET を開発した際、それがやがてインターネットに発展するとは予想だにしていませんでした。

同様に、生成 AI がこの先 6 か月間でどのように使用されるかは、6 年後の使用状況と大きく異なるものと思われます。こうした展開は、テクノロジーの急速な進歩と、ツールの利用における私たち自身の創造性の両面によって加速されます。私たちは言語ベースのタスクは自分たちでこなすものと思い込んでいるため、生成 AI の活用法を見逃しがちです。

私たちが未来を予測することはできませんが、昨今の生成 AI の使用例に目を向け、生成 AI に対する考え方を改めることは可能です。このモジュールでは、生成 AI をさまざまな角度から検討していきます。サービス、セールス、コマース、マーケティング、IT など、組織のさまざまな分野に生成 AI をどのように適用できるか学習します。このモジュールは生成 AI のユースケースを定義するわけではありません。参考になる使用例を紹介するだけです。生成 AI の有望性がわかってくると、そのテーマやパターンも見えてきます。そのうちに、こうしたテーマの自分なりの活用法を思い浮かべるようになるものと思われます。

生成 AI を使用してサービスを大幅に向上させる

サービス組織では、言語ベースのさまざまなタスクを処理します。サービス担当は日々電話やチャット、メールでお客様に対応します。問題を解決する過程で、情報を調べて記録します。当然のことながら、サービス組織の各人には優れたコミュニケーションスキルが求められます。サービス業務で生成 AI が優れた効果を発揮するのもこのためです。

連絡してきたお客様に対応後、生成 AI の適切な活用法を見つけるのにさほど時間はかかりません。当たり前のように思えるかもしれませんが、何が問題なのかを把握しなければ解決することはできません。お客様が問題を説明するために情報を共有することがありますが、その内容が不完全であったり、関係のない詳細が含まれていたりすることがよくあります。そのため、適切なフォローアップの質問をすることが極めて重要になります。

ここで登場するのが生成 AI です。AI は、過去のケースの詳細、最近の購入内容、商品の変更ログ、さらには同時期に作成されたケースのメモを使用して、「この問題は、最近購入された Widget Pro に関連していますか?」「最近デバイスを更新しましたか?」など、問題を明確にする質問を作成できます。

こうした質問をチャットボットがお客様に問いかけることもあれば、サービス担当者のバーチャルアシスタントに表示されることもあります。回答に基づいて、後続の質問がリアルタイムで生成されます。生成 AI は、他のやり方では思いつかなかったような解明方法に導く質問を提案できます。生成 AI の助けを借りれば、問題の特定に要する時間を短縮し、いち早く問題解決に取りかかることができます。

知識ベースを基に微調整された生成 AI によっても、解決ステップがスピードアップします。問題の特定につながったコンテキストを使用して解決策が示され、裏付けとなるリソースも参照できます。さらに、生成 AI に解決策の根拠を説明するよう指示することも可能です。この際、サービス担当がある程度の品質管理を行い、参考にならないことが明らかな提案を却下できます。解決策が的を射ているように思えるときは、検証して適切であることを確認します。

生成 AI はその後も、解決策を簡単に共有できるようにするという方法で補佐します。サービス担当は生成 AI のボタンをクリックするだけで、お客様への明確かつ丁寧で、適切な応答を作成できます。生成 AI がその真価を発揮するのはこのときです。

対応しているお客様から、問題が発生した原因を詳しく説明して欲しいと頼まれることがあります。あるいは、ちんぷんかんぷんな人やイライラしている人、問題をさっさと片づけてしまいたい人に対応することもあります。どのようなシナリオでも、生成 AI は利用者の期待に最も適した応答を作成できます。こうしたパーソナライズから強力な信頼関係が育まれます。チームに生成 AI があれば関係構築を達成しやすくなります。

ただし、お客様が解決策を見つけられるようにしただけで生成 AI の役目が終わるわけではありません。サービス担当は問題の概要やその解決策など、ケースの詳細を記録する必要があります。ご想像のとおり、生成 AI はこのステップも簡素化します。生成された概要は、簡潔で読みやすく、注釈が示され、キーワードがタグ付けされています。他のサービス担当やマネージャーにとって至れり尽くせりです。

この例では、サービス担当が先を見据えた最善策を選択してきました。生成 AI のオプションが示されたら、担当者は自らの的確な判断に従って提案を受け入れるか、独自の調査を行います。うまくいけば、解決に行き詰まることが減り、ジャーニーが早目に終了し、お客様の満足度が高まります。

ところで、お客様は満足しているのでしょうか? それを知るのは容易ではありません。アンケートは無視されることが多く、お客様の態度がケースメモに記録されているとは限りません。生成 AI は、この問題に対する解決策も備えています。その 1 つとして、生成 AI はセンチメント分析に長けており、お客様とサービス担当のやりとり全体を要約できます。会話の途中でお客様がいら立ちや怒りを呈することがなかったか? そうした態度が次第に好転したか悪化したか? この情報から、高パフォーマンスのサービス担当と、改善を要するサービス担当を識別できます。

ケースをジョブに最適なエージェントに転送する場合にもセンチメント分析が役立ちます。たとえば、エスカレーションされた困難なケースは、状況を和らげるのが得意な上級サービス担当に自動的に転送され、新任の担当者が窮地に陥らないようにすることができます。

片手に盾を持っているコミック風のロボット

[stability.ai の DreamStudio で、「片手に盾を持っているコミック風のロボット」というプロンプトに従って AI が生成した画像。]

最後に、生成 AI は 1 件以上の解決済みケースの詳細を基にデータを整理してコンテンツに変換し、一般の利用者を対象とするナレッジ記事のドラフトを作成できます。さらに、ケースに関する最近のアクティビティに基づいて、関連するトピックを提案することも可能です。数分のうちに、ヘルプポータルでコミュニティと共有可能な記事を用意できます。

サービス組織では、生成 AI の未来をうかがい知ることができます。次の単元では、セールスオペレーションやコマースオペレーションではどのようなことができるのかを学習します。

リソース

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