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AI アプリのアーキテクチャを設計する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Slack のスレッドとチャンネルのコンテキスト管理により、AI アプリ開発での API のオーバーヘッドがどのように削減されるかを説明する。
  • Slack プラットフォームで利用できるさまざまな AI インタラクションのエントリポイントを特定する。

Slack は、単なるコミュニケーションツールではありません。組織全体の業務を支えるオペレーティングシステムであり、今や AI を活用したワークフローとエージェンティック会話が求められています。Slack は、コンテキストの切り替えをなくし、生産性とスピードを高め、業務を一元化してシンプルにし、セキュリティとガバナンスを強化するプラットフォームです。

大規模言語モデル (LLM) の台頭は、主にチャットインターフェースと結び付けられてきましたが、LLM を日々の業務の流れの中で直接活用できるとしたら、どうでしょうか? Slack から離れることなく、AI でコーディングに関する質問に回答したり、簡単なレポートを生成したり、返信の下書きまで作成したりできることを想像してみてください。Slack での AI の真の力は、インテリジェントな機能を日々の業務のリズムに直接組み込めることにあります。

効率化された開発ライフサイクル

Slack の開発ライフサイクルは、統合されたエクスペリエンスを提供します。この一体的なアプローチでは、ライフサイクル管理のための Slack コマンドラインインターフェース (CLI) と、アプリ構築のための Bolt を統合しています。こうした進化により迅速なデプロイが可能になり、実用的なエージェントが 15 分足らずでワークスペースで稼働するようになります。

AI を活用したインタラクションのための一貫した UI

Slack は、最新の AI を活用したインタラクション向けに設計された、完全で一貫性のある UI コンポーネントとサーフェスのセットを提供します。Block Kit ビルダーモーダルApp Home などの実績あるツールを使用して、リッチでインタラクティブなエクスペリエンスを構築します。Block Kit ビルダーの table ブロックなどのコンポーネントを使用すれば、アプリの構造化データを表示することもできます。

統合されたエージェント DM エクスペリエンスにより、すべてのアプリのエージェンティックインタラクションで一貫した操作感が得られます。AI アプリには、上部のツールバーからアクセスすることもできます。ツールバーは常に表示され、アプリの機能を利用するための見つけやすいエントリポイントとなります。

AI ワークフロー向けのプラットフォームコンテキスト管理

効果的な AI アプリを構築するうえで、コンテキストの管理は大きな課題です。Slack は、組み込みのスレッドとチャンネルのコンテキスト管理によって、この課題に対応します。また、新しいメタデータ API により、エージェントは会話の展開に合わせてコンテキストを構築できます。このアーキテクチャにより、会話履歴を再構築するために高いコストが発生する往復 API コールが大幅に削減されます。

Real-time Search (RTS) API ではタイムリーな権限ベースのデータが得られます。一方、既存の Web API ではアドホックな取得が可能です。これらのツールを組み合わせることで、エンタープライズグレードのプライバシーを維持しながら、多様な AI ユースケースに対応する安全なデータアクセスパイプラインが形成されます。ユーザーインテントと LLM のインテリジェンスを組み合わせることで、検索結果をもとに的確なフォローアップデータの取得をトリガーできます。これにより、エージェントは要求に応えるために必要な情報のみを取得します。

連携して機能する完全なスタック

これらの機能が連携したとき、プラットフォームの力が発揮されます。データ、アプリ、エージェント、チームの連携は Slack が担うため、開発者はイノベーションに専念できます。PerplexityNotionCursorClaude など、業界をリードする企業がすでに Slack Marketplace で高度なアプリやエージェントを提供しています。

イベント、メッセージのショートカット、スラッシュコマンド、モーダルを使用して、アプリをシームレスなパートナーに変えます。

[Events (イベント)]

Slack には、アプリがリッスンして応答できるイベントが多数用意されています。たとえば、リアクションイベントを使用すると、ワンクリックで AI の応答をトリガーできます。チームメンバーがチャンネルで複雑なコーディングに関する質問をしたとします。:robot_face: でリアクションすると、アプリがそのイベントをリッスンし、質問をエージェントに渡します。エージェントは、その回答をスレッドに返します。このフローのコードを確認するには、「Events API (イベント API)」を参照してください。

メッセージのショートカット

同様のワンクリック操作を実現するには、メッセージのショートカットを使用します。リアク字の例と同様に、メッセージのショートカットは Slack メッセージのその他 (3 つのドット) メニューに表示されます。ユーザーがショートカットを選択すると、アプリがメッセージの内容をエージェントに送信し、応答を取得します。ステップごとの例は、「Implementing shortcuts (ショートカットの実装)」を参照してください。

Slack のメッセージ作成フィールドのショートカットメニュー検索。

スラッシュコマンド

汎用的なエントリポイントには、スラッシュコマンドを使用して、任意のチャンネルや DM からアプリを呼び出します。/ask-code-assistant のように、スラッシュ (/) に続けてコマンド名を入力するだけです。これは、ユーザーがアプリに質問を送信するもう 1 つの方法となります。実際に試すには、「Implementing slash commands (スラッシュコマンドの実装)」のドキュメントを参照してください。

モーダル

構造化された反復的なタスクでは、モーダルを使用すれば、アプリへの予測可能な入力を確実に収集できます。たとえば、モーダルを使用して製品の名前、主な機能、対象オーディエンスを収集し、説明文を生成します。このアプローチにより、通常のチャットで行うやり取りの往復を避けられます。コード内で、詳細な指示とユーザーの入力をアプリに渡します。このワークフローでは、スラッシュコマンドでモーダルを起動し、view submission ハンドラーで入力を処理して応答を投稿します。詳細は、「Modals (モーダル)」ドキュメントを参照してください。

複数のエントリポイントを用意することで、ユーザーはアプリの操作方法を柔軟に選択できるようになります。手軽なリアクション、ショートカット、モーダルのいずれを使用する場合でも、こうしたオプションによってアプリはより直感的になり、仕事中にいつでもアクセスできます。

まとめ

Slack は、Slack CLI や Bolt などの統合型ツールにより、AI 開発を効率化します。組み込みのコンテキスト管理と UI コンポーネントにより、高いコストが発生する API コールが削減され、AI インタラクションの構築がシンプルになります。RTS API では、権限ベースの安全なデータアクセスが可能になります。また、イベントやモーダルなどのエントリポイントにより、ユーザーは既存のワークフローの中で AI を利用できます。データとエージェントを 1 か所に集約し、連携は Slack が担うため、開発者はイノベーションに専念できます。

リソース

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