グリッドデザインモデルを比較する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- グリッドデザインのベストプラクティスを 5 つ挙げる。
- グリッドデザインの主な 2 つのモデルのメリットと考慮事項について説明する。
グリッドデザインのベストプラクティス
クライアント向けのグリッドデザインのオプションについては、次の 5 つの主なベストプラクティスを踏まえて検討します。

1. 情報を共有する際の自然な流れに基づいてワークスペースを作成する。
まず、クライアントの既存の情報ネットワークとコラボレーションネットワークを特定します。これらのネットワークが、ワークスペースの構造や計画の基盤になります。組織図だけにとらわれず、従業員がどのようにコラボレーションしているかを検討します。多くの場合、従業員は所属チーム以外の人々や他部門の人々とも協力するため、グリッドデザインは部門の枠を超えたコラボレーションを促進するものである必要があります。
2. グリッドデザインをシンプルにする。
ワークスペースをいくつも作成したくなるかもしれませんが、管理者やチームメンバーにとっては少数から始めるほうがよいでしょう。会社の成長に合わせて、随時追加できます。シンプルで幅広く、包括的なデザインにすれば、変化に適応しやすくなります。複数のワークスペースの管理には時間も手間もかかるため、それぞれから実質的な価値がもたらされるようにします。
3. 「プライマリ」ワークスペースで費やす時間が 80% 以上になることを目標にする。
各メンバーがそのプライマリワークスペースでコア業務を遂行するようにします。シンプルな状態を維持するために、ユーザーがいくつのワークスペースを切り替えているかを把握します。この目標を達成するために、各従業員に割り当てるワークスペース数を平均 2 ~ 3 に抑えます。ワークスペースが少ないほど、グリッドをナビゲーションしやすくなります。ユーザーには、業務時間の 80% をプライマリワークスペースで費やすことを推奨します。
4. グリッドの構造をシンプルにする。
情報の自然な流れに従って、わかりやすいグリッド構造を構築します。こうすれば、メンバーが部門やユニットの枠を超えて、適切な場所や人を見つけやすくなります。クライアントが今後ワークスペースを追加する場合に備えて、今のうちにワークスペースの構造と命名規則を計画しておきます。
5. マルチワークスペースチャンネルを使用する。
マルチワークスペースチャンネルを使用すると、ユーザーが新しいワークスペースを作成しなくても、各自のワークスペースの外部のグループとつながることができます。すべてのプロジェクトや部門に専用のワークスペースが必要なわけではありません。部門の枠を超えたプロジェクトには、代わりにマルチワークスペースチャンネルを使用します。新しいワークスペースを作成する際は、ユーザーの負担が大きくならないよう慎重に検討することをクライアントに促します。戦略的な観点から新しいワークスペースを作成すべき状況については、このモジュールの最後にある新しいワークスペースのディシジョンツリーを参照してください。
クライアントのグリッドをデザインするときは、上記のベストプラクティスに従います。また、クライアントにもその内容を説明し、なぜそのような提案をするのか理解してもらえるようにします。
グリッドデザインモデル
Enterprise Grid の構造には、一元型デザインと分散型デザインという 2 つの基本モデルがあります。では、一元型デザインから見ていきましょう。
一元型デザイン

説明:
オーガナイゼーションにワークスペースが 1 つあり、全従業員がこのワークスペースに参加します。ワークスペースが 1 つしかないため、マルチワークスペースチャンネルは使用されません。
バリエーション:
固有のニーズに合わせて一元型ワークスペースを調整します。たとえば、一元型デザインで開始したものの、あるビジネスユニットは Slack で別のポリシーや設定が必要であることが判明したとします。こうした場合は、そのチーム専用のワークスペースを作成して、管理者を任命します。
たとえば、次のようなメリットがあります。
- 従業員がコンテキストを切り替える必要がないため、集中力と生産性を維持できます。
- 一元的な管理チームが管理を行うため、管理業務がシンプルになり、複数のワークスペースの管理に伴う複雑さも軽減されます。
- アプリ、ゲスト、絵文字、チャンネルなどに関する受信リクエストを継続的に管理する負担も軽減されます。
- また、この設定では、ガバナンスのオーバーヘッドを最小限に抑え、管理者の役割と責任を明確にすることができます。
- 部門の枠を超えたコラボレーションが促進され、グローバルな職務のサイロの解消に役立ちます。
考慮事項:
このモデルでは、データの保持、ゲストの管理、チャンネルの管理などのポリシーや設定を、ワークスペースごとに細かく管理することができません。長期的に持続可能な成果をあげるためには、最初に綿密なプロセスを構築し、トレーニングを実施する必要があります。たとえば、チャンネルの命名ガイドライン、プライベートチャンネルのポリシー、Slack のエチケット、その他のベストプラクティスを整備する必要があります。
主な利用対象者:
このモデルは特に、ユーザーエクスペリエンスを統一するためにサイロを解消したいオーガナイゼーションや、Free、Pro、Business+ プランから Enterprise Grid に移行するお客様に適しています。
分散型デザイン
説明:
オーガナイゼーションにワークスペースが 2 つ以上あり、それぞれが異なるポリシー、プライバシー要件、チームのセグメント化のニーズに基づいて構成されます。従業員は 1 つ以上のワークスペースに参加できます。異なるワークスペースの従業員をつなぐ目的でマルチワークスペースチャンネルが使用されます。
効果的なグリッドデザインは、必ずしもクライアントの組織図と一致するとは限りません。ただし、組織図に沿うことがクライアントのニーズに合っている場合は、組織図に合わせても構いません。組織構造をそのまま反映したワークスペースを構築するのではなく、人々がどのように協力して業務を遂行しているかを考慮します。さまざまなトピックについて頻繁にやり取りするグループは、同じワークスペースにまとめます。クライアントによっては、ワークスペースを製品別に整理する必要がある場合もあれば、ビジネスユニット別に整理する必要がある場合もあります。


たとえば、次のようなメリットがあります。
このモデルは、シンプルさと個別の要件を両立させ、オーガナイゼーションに必要な柔軟性を備えています。たとえば、データ保持ポリシーや、アプリやチャンネルの管理に関する承認プロセスをサポートします。必要に応じて、情報バリアを作成することも可能です。
考慮事項:
このモデルでは、グリッドデザインを意図的かつ慎重に行う必要があります。そうしないと、ユーザーが複数のワークスペースを行き来する際に問題が生じることがあるためです。ワークスペースが多すぎれば、コラボレーションのサイロ化や、管理者へのリクエスト件数の増加につながる可能性があります。
主な利用対象者:
チームごとに異なるコラボレーションポリシーを適用する必要があるオーガナイゼーション。たとえば、財務チームには Slack へのファイルのアップロードを禁止する一方で、残りのチームには許可する場合などです。また、情報のプライバシーを確保する必要がある、あるいはほかの部分から切り離す必要がある事業や部門があるオーガナイゼーションも対象になります。さらに、特定の関心事項やソーシャルコミュニケーションを促進するための専用スペースを別のワークスペースに設けたいオーガナイゼーションや、外部のベンダーや関連会社とコラボレーションするために別のワークスペースを必要とするオーガナイゼーションにも適しています。
その他のワークスペースデザイン
上記の 2 つのモデルは、グリッドデザインの初歩的な骨組み、あるいは基盤と考えることができます。クライアントのニーズに応じて、こうしたモデルをベースに追加できる構成要素が存在します。検討すべき追加のワークスペースとして、ソーシャルワークスペースや外部ワークスペースなどが挙げられます。クライアントがビジネスユニットを中心とした分散型デザインを採用している場合は、ビジネスユニットのワークスペースのほかに、グローバルワークスペースを追加する価値について説明することが考えられます。
ソーシャルワークスペース |
ソーシャルワークスペースのチャンネル例 |
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外部ワークスペース: |
外部ワークスペースのチャンネル例 |
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グローバルワークスペース |
グローバルワークスペースのチャンネル例 |
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まとめ
これで、クライアント向けのグリッドデザインのオプションを作成する際に検討すべき事項がわかりました。次は、架空のクライアント向けにグリッドデザインのオプションを作成して、1 つにまとめる方法を見ていきます。
