Sunshine Trails が Data 360 を利用する方法を学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 「データの価値を解き放つ」トレイルの主要な概念と学習内容を確認する。
- Sunshine Trails がユースケースを選定した方法を見ていく。
- Sunshine Trails が Data 360 と Agentforce を使用して、顧客向けにパーソナライズされたエクスペリエンスを作成する方法を探る。
- Sunshine Trails の顧客の取引先責任者レコードを統合データで確認する。
始める前に
このバッジは「Data 360: データの価値を解き放つ」トレイルの一部です。このトレイルでは、Salesforce Data 360 の戦略的重要性とメリットについて解説します。このバッジでは、トレイルの学習内容をおさらいしたうえで、ホテルチェーンの Sunshine Trails を例に、同社が Data 360 を通してカスタマーエクスペリエンスをどのように変革したかを見ていきます。
主要な概念を確認する
このトレイルでは、Data 360 がビジネス目標の達成にどのように役立つか、そのメリットと価値を理解するための概念について説明してきました。
データ環境を理解する
これまでに、Data 360 が分散した非構造化データを統合して、データサイロや信頼性の低いインサイトといった課題を克服するということを学習しました。また、リアルタイム処理、外部データレイクやデータウェアハウスとのゼロコピー統合などの主な機能についても確認しました。さらに、Data 360 が予測モデルや AI エージェント向けに信頼できる統合データを提供し、AI の基盤として機能するしくみも確認しました。
価値を知る
Data 360 が未加工のビジネスデータを、営業、サービス、マーケティング、AI 主導の自動化などで活用できる実用的なインテリジェンスに変換するしくみを学習しました。また、小規模に始めて価値をすばやく示すことを重視しながら、ビジネス目標と要件を特定し、実行可能なユースケースを作成する方法を学習しました。さらには、売上収益の増加やケース解決時間の短縮などの主要業績評価指標 (KPI) を選択して計算し、ROI の計算方法を示す方法も確認しました。そして、固定のシートベース料金ではなく、使用量に応じてコストが変わる Data 360 の柔軟な消費ベースの価格モデルについても学習しました。クレジットは、データ量、速度、機能、ストレージに基づいて消費されます。
成功への準備
データ評価など、Data 360 の実装を成功させるために組織を準備する重要な手順を学習しました。Data 360 の有効性は、取り込まれるデータの品質に依存します。品質が低いと、不正確なインサイトや信頼の低下につながる可能性があります。既存のデータソースについて、品質、構造、一意の識別子、データ型を事前に確認する方法を学習しました。また、部門横断的な実装チームを編成する方法も学習しました。エグゼクティブスポンサーから IT チームやセキュリティチームまで、実装チーム内の一般的なロールと責任を整理し、連携のために共通のスキルと明確なデータ戦略が重要であることを確認しました。
堅牢な基礎を築く
Data 360 の基礎は、スケーラブルで柔軟なアーキテクチャ、倫理的で安全なデータ利用、そして拡張性に依存することを学習しました。Data Cloud One が Salesforce 組織全体に Data 360 の範囲を広げ、データスペースがデータとプロセスを分離する方法を確認しました。安全なデータ利用は、Data 360 Governance によるポリシーベースのアクセス、AI タギング、動的マスキングに加え、Platform Encryption によって支えられます。最後に、拡張性とテストは、コンポーネントの構築や Sandbox 環境でのテストに使用するパッケージ化とデータキットによって支えられることを学習しました。これにより、本番環境に影響を与えずに開発とトレーニングを行えます。
ユースケースの決定、成功に向けた準備、基礎の構築について理解することで、Sunshine Trails のような組織は Data 360 を使用してゲストエクスペリエンスを変革できます。Sunshine Trails のプロセスを見ていきましょう。
ゲストエクスペリエンスを変革した Sunshine Trails
Salesforce Data 360 を使用して戦略的ユースケースを実装する場合は、成果がすぐに現れ、投資収益率 (ROI) を追跡しやすい、小規模で実行可能なプロジェクトから始めることが重要です。小規模な実装を成功させることで、より大規模な取り組みに進むための道が開けます。Sunshine Trails チームは、最初のユースケースを選定するために、次の重要な観点を検討しました。
- 望ましい成果: どのような具体的な成果を達成したいのか
- 成功の基準: 短期的および長期的な成功をどのように定義するのか
- 受益者: 社内のどのロールやチームがこのユースケースのメリットを受けられるのか
- ビジネスコンテキスト: このユースケースが対応する具体的なビジネス上の課題やシナリオは何か
- データ主導のアクション: データを使用して実行する必要がある具体的な活動やアクションは何か
- データ要件: このユースケースにはどのようなデータが必要で、そのデータはすぐに利用できるのか
- タイムライン: このユースケースを完了する理想的な期間はどれくらいか
- 主要な関係者: 実装を成功させるには、誰が関与する必要があるか
チームは、Salesforce Data 360 を使用してパーソナライズされたサービスとインテリジェントな自動化を実現し、ゲストエクスペリエンスを改善して業務を効率化することに決めました。まず、カスタマーサポート担当者のエクスペリエンス改善に取り組むことにしました。目標は、全体的なカスタマーエクスペリエンスを改善し、サポート担当者が客室予約に費やす時間を短縮することです。これにより、担当者はより複雑なサポート問題に集中し、その成果を測定できるようになります。
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ユースケース: 顧客の質問に答え、宿泊の予約をサポートするインタラクティブなゲストエクスペリエンスを作成します。 目標: パーソナライズとカスタマーエクスペリエンスを改善しながら、カスタマーサポートに要する時間を短縮します。 |
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追跡可能な KPI:
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実装チーム: 話し合いの結果、ゲストエクスペリエンスの設定を支援してもらうために、実装チームを雇うことにしました。社内のデータアーキテクトを含む自社チームは、プロジェクト全体を通してその実装チームに同行します。 |
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初期データソース
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決定事項: 実装前に Sunshine Trails チームが決定した主な事項は次のとおりです。
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Data 360 でパーソナライズされたゲストエクスペリエンスを実現する
Sunshine Trails のユースケースが最終的にどのようにまとまったのかを見てみましょう。Sunshine Trails は Data 360 と Agentforce を実装し、ゲストのニーズに合った宿泊施設の検索を出発点として、ゲストにパーソナライズされたエクスペリエンスの提供を開始しました。
Sunshine Trails の新しい Experience Cloud サイトには、ゲストを支援するサービスエージェントが追加されています。ゲストが最適な宿泊施設を探すためにエージェントを利用すると、エージェントは統合プロファイルにある情報に基づいて、特定されたゲストの好みに合わせた施設を提案します。

たとえば、顧客がエージェントに「次の週末に泊まれる、ビーチ沿いのファミリー向けホテルを探して」とリクエストすると、エージェントが作業を開始します。エージェントはバックグラウンドで大規模言語モデル (LLM) を使用して、「次の週末」が指す日付を判断します。エージェントはさらに、Data 360 でホストされているデータアセットとリソースを使用して構造化データと非構造化データの両方にアクセスし、指定された要件とリクエストされた日付で予約できるホテルを照合します。

次に、この顧客はホテルで提供されているアクティビティについて質問します。エージェントはコンテキストを理解し、その宿泊施設で利用できるアクティビティを表示して応答します。これらのおすすめのアクティビティは、ゲストの好みや過去の体験に合わせて調整されています。エージェントは、統合ゲストプロファイルからこれらの情報にアクセスできます。
統合ゲストプロファイルを確認する
顧客は、エージェントがリクエストを理解し、計画中の旅行に役立つ情報をすぐに提示したことに感銘を受けます。この最初のゲストエクスペリエンスは、統合ゲストプロファイルと各ゲストについて作成された計算済みインサイトに基づく Data 360 の強力な機能によって実現しています。
優先度の高いゲストである Marje Coley のゲストプロファイルを確認して、どのような情報を利用できるかを見てみましょう。エージェントが Marje に関する情報にアクセスできるだけでなく、Sunshine Trails のカスタマーサービス担当者 (CSR) もこのデータを活用して、印象に残るゲストエクスペリエンスを提供できます。
Marje のデータは、Sales Cloud、Service Cloud、Loyalty Cloud のほか、MuleSoft、Snowflake、Amazon など、複数のデータソースから取り込まれています。このデータは Data 360 に接続されているため、CSR は簡単にアクセスできます。この場合、CSR は Marje の顧客生涯価値 (1) の計算済みインサイトや、過去のアンケートフィードバックなど、ほかの有用なデータも確認できます。

Marje のレコードの詳細セクションには、ゲストの好み、過去の宿泊、子供の人数、アクティビティへの関心も表示されます。この情報は、エージェントと CSR がパーソナライズされたゲストエクスペリエンスを提供するのに役立ちます。
Data 360 により、CSR はデータガバナンスガイドラインを遵守しながら、必要なデータにアクセスできます。Zero Copy データ統合と Data 360 により、CSR は主要なゲスト情報にアクセスするたびにシステムを切り替える必要がありません。さらに、サードパーティのアンケート結果やキーカードの読み取りなどの固有データも、標準コネクタを使用して Sunshine Trails の Data 360 に簡単に取り込むことができます。たとえば、客室に関するアンケートで「清掃が行き届いていない」という回答があった場合、CSR は次回の滞在時には客室の清掃を徹底するようハウスキーピングに指示できます。
リアルタイムデータを使用すると、顧客の閲覧行動を発生と同時に記録することもできます。ゲストが Experience Cloud サイトで利用できるさまざまな Sunshine Trails のサービスを閲覧すると、エージェントはこうした閲覧行動をリアルタイムで使用して、サービスの提案や質問への回答を行うことができます。
Data 360 によって実現する統合プロファイルは、カスタマーサービス担当者とエージェントに豊富な情報を提供します。複数のソースのデータを接続して統合することで、ゲストの全体像を把握し、すばやく実用的なインサイトを得てゲスト満足度を高めることができます。
さらなる取り組みへ
統合ゲストプロファイル、ゼロコピー、Salesforce データに基づくおすすめにより、Agentforce はゲストエクスペリエンスを最大限に高め、リアルタイムでゲストとやり取りできます。Sunshine Trails は最初のユースケースを実現し、短縮できた時間や満足度スコアを計算できるようになりました。さらに、Data 360 と統合プロファイルルールによる基礎が整ったことで、Sunshine Trails は次のユースケースに進み、チェックインエクスペリエンスの改善に取り組めるようになりました。
学習を続ける
Sunshine Trails の経験が示すように、Data 360 は統合データへのアクセスを通して、ゲストエクスペリエンスの改善、業務の効率化、顧客満足度の向上に役立ちます。これを参考にして、Data 360 があなた自身のビジネスをどのように強化できるかを探ってみましょう。
このトレイルはこれで完了です。お疲れさまでした。次は、「Data 360: 設定から有効化までの手順」で Data 360 についてさらに学び、実際に操作してみましょう。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Data 360 リリースについて
- Salesforce: Sample Industry App: Sunshine Trails Hospitality (サンプル業界アプリケーション: Sunshine Trails Hospitality)
- GitHub: DataCloudAndAgentForceForHospitality
- Salesforce: Travel, Transportation & Hospitality: Orchestrate Guest Journeys (旅行、運輸、ホスピタリティ: ゲストジャーニーをオーケストレーションする)
