サポート業務量を予測する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 設定アプリケーションでジョブプロファイル (職種) をオムニチャネルキューに対応付ける。
- 作業負荷履歴を作成する。
- インテリジェントな予測を作成する。
- 予測データを解釈する。
ワークフォースエンゲージメントとは?
より効率的なコンタクトセンターのスタッフ割り当て方法をお探しなら、これはあなたにぴったりのモジュールです。ここでは、Service Cloud のワークフォースエンゲージメント機能がデータに基づいた計画決定にどのように役立つかを説明します。
ワークフォースエンゲージメントは、カスタマーサポートにおける 3 つの役割 (サポートオペレーションプランナー、チームリーダー、エージェント) のニーズを満たすことを目的としています。このモジュールでは、オペレーションプランナーのニーズに焦点を当てます。
次の機能を使用すると、オペレーションプランナーが将来の作業量を予測して、適切なエージェントを適切なタイミングで適切なシフトに配置できます。
機能 | 利点 |
---|---|
エージェントエンゲージメント |
スケジュール需要に対応するためにチームのスキルを向上させます。 |
平均処理時間 | チャネルを問わず、ケースのクローズに要する平均時間を表します。オムニチャネル計画の作成時に、ジョブプロファイルごとに平均処理時間の目標値が設定されます。 |
バッチの割り当て |
適切なスキルを持ったエージェントを適切なタイミングでシフトに割り当てます。 |
インテリジェントな予測 |
今後の作業量を予測します。 |
ジョブプロファイル | スキルセットから始まります。オムニチャネル計画の作成時に、ジョブプロファイルにスキル、チャネル、カスタム項目、削減率、シフト期間が組み合わされ、情報が拡充されていきます。 |
オムニチャネル計画 |
予測需要を満たすために、どのようなシフトをスケジュールするべきかを提案します。 |
サービスレベル契約 | チームが特定の時間内に回答する必要があるケースの割合を表します。オムニチャネル計画の作成時に、ジョブプロファイルごとにサービスレベル契約が設定されます。サービスレベル契約の割合が高いほど、より多くのエージェントを割り当てる必要があります。 |
削減率 | シフト中のエージェントが電話をしていない時間の割合を測定します。これには、休憩、昼食、トレーニング、ミーティングなどの時間が含まれます。オムニチャネル計画に追加されたジョブプロファイルごとに固有の削減率が設定されます。 |
作業単位 |
作業に費やす時間と労力を測定します。作業単位の最大値はジョブプロファイルごとに設定されます。たとえば、作業単位の最大数が 5 に設定されているとします。ケースの作業単位が 2 に定義され、チャットの作業単位が 1 に相当する場合、このジョブプロファイルでは次のことが可能です。
|
各機能を詳しく見ていきましょう。まずはインテリジェントな予測から説明します。
インテリジェントな予測について理解する
インテリジェントな予測機能は、オペレーションプランナーがコンタクトセンターの履歴トレンドに基づいて、今後の作業量を可視化するのに役立ちます。では、Ursa Major Solar というソーラーパネル企業の例を見てみましょう。Ursa Major Solar は、Service Cloud のオムニチャネルを使用してケース作業をキュー経由で転送する Service Cloud Trailblazer でもあります。現在、「パネルを 1 枚購入すると、2 枚目が半額になる」というプロモーションの準備を進めています。
通常、プロモーションの売上が増加すれば、サポートケースも増加します。そのため、オペレーションプランナーの Rachel Jones は、サポートケースの増加に対応できる有能なエージェントを十分に確保したいと考えています。
いよいよ、インテリジェントな予測の出番です。Rachel は、Ursa Major の過去のケース件数データを取得して、各キューの来月のサポートケース数を見積もる予測に変換することができます。これまで数週間かかっていたプロセスや煩雑なスプレッドシートの式が、今では数分で済むようになりました。Rachel はこのデータをもとに、割り当てるサポートエージェントの人数を決定することができます。
それでは、Rachel がどのようにしてこれを行うのかを説明しましょう。Ursa Solar Major はオムニチャネルのキューベースのルーティングを使用するお客様であるため、まずワークフォースエンゲージメント設定アプリケーションにキューを設定する必要があります。スキルベースのルーティングを使用する場合は、異なる手順を実行します。
ワークフォースエンゲージメント設定アプリケーションでオムニチャネルキューを設定する
このモジュールでは、受講者が Service Cloud システム管理者、または「ワークフォースエンゲージメントアナリスト」権限セットを有する Service Cloud ユーザーであると想定しています。ただし、Service Cloud のシステム管理者や適切なライセンスが付与されたユーザーでなくても問題ありません。このまま読み進み、本番組織でこのようなユーザーがどのように手順を実行するのかを学習しましょう。Trailhead Playground で次の手順を実行しないでください。Trailhead Playground ではワークフォースエンゲージメントを使用できません。
Rachel はオムニチャネルのキューベースのルーティングに、合理的なワークフォース計画プロセスを使用したいと考えています。まず、ワークフォースエンゲージメントで既存のオムニチャネルのキューを設定する必要があります。そこで WEM 設定アプリケーションを使用して、適切なジョブプロファイルをキューに対応付けます。
- [設定] の [始めましょう] で、[ワークフォースエンゲージメント設定] を有効にします。
- アプリケーションランチャーで、[ワークフォースエンゲージメント設定アプリケーション] をクリックし、[職種の対応付け] タブをクリックします。
- キューに対応付けるジョブプロファイルを選択して、対応付けフローの手順を実行します。
- ジョブプロファイルごとに手順を繰り返します。
- [職種の対応付け] テーブルで、職種 (ジョブプロファイル) の対応付けが正しいことを確認します。
対応付けが完了したため、Rachel はこのキューに基づいてワークフォース計画を作成できます。
作業負荷履歴を作成する
Ursa Major Solar の過去の作業負荷量データから作業負荷履歴を作成します。作業負荷履歴は、コンタクトセンターの過去の作業負荷量データのすべてまたは一部を集計したものです。Rachel は後々この値を使用して、こうした履歴トレンドを基に将来の作業量を見積もるインテリジェントな予測を作成できます。
- アプリケーションランチャーで、[インテリジェントな予測] を開き、[新規] をクリックします。
- [オムニ作業負荷履歴] を選択して、[開始] をクリックします。
- 合理化された設定フローの手順に従って、キュー別の作業負荷履歴を作成して保存します。
- リストビューの [状況] 列を確認して、作業負荷履歴が完了したことを確認します。
- クリックすると、完了した作業負荷履歴を確認できます。
これで、Rachel は作業負荷履歴を作成したので、データからインテリジェントな予測を作成する準備が整いました。
インテリジェントな予測を作成する
Rachel は作業負荷履歴を使用して、履歴トレンドに基づいて将来のケース総数を予想するインテリジェントな予測を作成します。
- アプリケーションランチャーから [インテリジェントな予測] を開き、[新規] をクリックします。
- [インテリジェントな予測] を選択します。
- 作成した作業負荷履歴を選択し、[次へ] をクリックします。
- 残りの設定フローに従って、インテリジェントな予測を作成し、変更内容を保存します。
- [インテリジェントな予測] リストビューの [状況] 列を確認します。予測の集計が完了していることがわかります
Rachel はインテリジェントな予測の使用を開始します。来月の作業量についてどのようなことがわかるでしょうか?
予測データを解釈する
Rachel は、1 時間ごと、1 日ごと、1 週間ごとの各ビューを切り替えて、来月に予想されるケース総数を確認しています。
右側のドロップダウン検索条件では、メインのグラフをチャンネル、地域、スキルで調整できます。これは、各地域の各チャネルに何人のエージェントを配置するかを決定するのに役立ちます。また、必要とされるさまざまなスキルセットを何人のエージェントに習得させる必要があるのかを理解するのにも役立ちます。場合によっては、エージェントエンゲージメント機能を使用して、後でより多くのスキルをエージェントに割り当てることもできます。
Rachel は、Ursa Major の新しいプロモーションによってサポートケースが大幅に増加する可能性があることを認識しています。今回のプロモーションは履歴データには反映されていない新しいプロモーションのため、ケースが急増する可能性を追加するように予測を調整します。
これで、忙しい月になることがわかり、各シフトに必要な正確な人数を決定できるようになりました。