保証請求を裁定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 保証ライフサイクル管理での請求のさまざまな裁定方法を簡潔に説明する。
- 保証請求裁定担当者が保証ライフサイクル管理を使用して手動で請求を裁定する方法を説明する。
- システム管理者がプロセス自動化ツールを使用して請求裁定プロセスを作成する方法を説明する。
請求裁定プロセスを計画する
保証請求裁定担当者は、パートナーがメーカーに請求を送信した後に関与します。請求裁定担当者は、請求の詳細を確認し、払い戻す経費を決定します。
保証チームによっては、請求裁定担当者がすべての請求を手動で裁定する場合と、自動化プロセスを使用する場合があります。一部の企業は、トリアージして特定の請求を裁定担当者に割り当て、その他の請求を自動化プロセスで処理する高度なシステムを構築しています。
保証ライフサイクル管理では、次のようにチームが要件に最適な方法で請求を柔軟に裁定できます。
- 保証請求の手動裁定では、裁定担当者は 1 つのビューで請求を精査して裁定できます。請求のさまざまな側面を調べ、必要に応じて経費を承認できます。
- 保証請求の自動裁定では、システム管理者が Flow Builder やビジネスルールエンジンなどのプロセス自動化ツールを使用して、エンドツーエンドの請求裁定プロセスを作成できます。システム管理者は、保証ガイドラインに合わせてビジネスルールを設定し、手動で裁定してもらうために一部の請求を裁定担当者に割り当てることができます。
見てみましょう
保証ライフサイクル管理には、関連する請求のすべての詳細をまとめる包括的なインターフェースがあります。このインターフェースから、請求裁定担当者は不具合のある納入商品とその原因部品を確認できます。部品交換、作業サービス、発生した経費を監査し、請求者に払い戻す調整後金額を決定できます。裁定担当者は、製造の納入商品サービスコンソールを使用して、不具合のある納入商品に関する重要な詳細 (主要なマイルストーン、納入商品保証、ケース、作業指示など) を参照することもできます。
Cindy は、Rayler の請求裁定担当者である Kendrick に、手動裁定インターフェースを試して欲しいと依頼します。彼は、早速 Danubelle の請求の裁定に使ってみようと考えます。
まず、Warranty Lifecycle Management (保証ライフサイクル管理) アプリケーションで Danubelle の請求レコードを開き、請求の主要な詳細を表示します。
Kendrick は手動裁定インターフェースを使用するために [Claim Items (請求項目)] タブに移動します。
ここで、請求項目、請求範囲、資産保証、請求範囲支払詳細を確認します。保証条件、資産、商品、コードセットなどの特定の詳細を調べるには、各レコードをサブタブとして開くことができます。
支払情報を確認するために、Kendrick は [Oil Filter Cleaning (オイルフィルターのクリーニング)] 請求範囲支払詳細レコードをサブタブとして開きます。
請求範囲支払詳細レコードを確認した後、Kendrick は請求レコードの [Claims Items (請求項目)] タブに戻り、手動裁定インターフェースを使用して請求の確認を続けます。
Kendrick は、不具合のある納入商品について詳しく知りたいと考えます。製造の納入商品サービスコンソールで詳細を表示するには、そのレコードのリンクをクリックします。
製造の納入商品サービスコンソールを使用して、Kendrick は納入商品のライフサイクルにおける重要なイベントの調査、主要なアラートの追跡、コンテキストアクションの実行などができます。
このページで、次の 2 つの詳細が彼の目に留まりました。
- [Alerts (アラート)] ペインには、納入商品が最近過度の熱にさらされたことが表示されています。
- [Milestones (マイルストーン)] ペインは、納入商品の半年ごとのサービスの期日が近づいていることを示しています。
Kendrick は、気付いた点を念頭に置いて、請求経費を裁定するために請求レコードページに戻ります。続いて、各請求範囲支払詳細の調整後の経費を指定します。
請求状況を [Approved (承認済み)] に更新し、Ore に通知します。 保証担当者として丁寧な仕事をする Ore は、パートナーポータルで承認済み請求の詳細を確認します。
Experience Cloud で請求レコードをもう一度見てみましょう。
Kendrick は、簡単に請求を調査して承認済み経費を決定できたことに非常に満足しています。Ore も同じく、請求の送信と追跡をシームレスに行える方法に驚嘆しています。
次は、再び Cindy が登場し、自動請求裁定プロセスを作成します。
自動裁定プロセスを作成する
Cindy は Rayler の新しい保証プロセスに関するフィードバックを収集しながら、請求の裁定方法に改善の余地があるかどうかを Kendrick に尋ねます。Kendrick は興味深い問題を提起します。
重大度の高い請求を正確に解決するために、請求裁定担当者は請求の詳細を綿密に検証し、払い戻しの財務的な影響を評価する必要があります。彼は、そうした請求が裁定担当者に選り分けられように、請求をトリアージする方法を求めています。
Cindy にとって、自動化プロセスを作成する絶好の機会です。Kendrick からさらに詳しく話を聞いた後、作業に取り掛かります。Cindy は Flow Builder とビジネスルールエンジンを使用して、自動請求トリアージプロセスを設定します。
大まかなプロセスを確認しましょう。
まず、請求の状況が [Submitted (送信済み)] で請求種別が [Warranty Claim (保証請求)] であるときに呼び出されるレコードトリガーフローを作成します。フローによって呼び出される式セットを作成します。
式セットでは、次のいずれかの条件を満たす場合、請求の重大度が高と識別されます。
- 請求の総調整後金額が $2,000 を超え、不具合のある納入商品が Forklift 商品ファミリーに属している。
- 請求の総調整後金額が $1,000 を超え、不具合のある納入商品が Conveyor Belt 商品ファミリーに属している。
- 不具合のある納入商品の障害日が納入日から 3 か月以内である。
上記のいずれかの条件に当てはまる場合、請求状況は [Manual Review Needed (手動のよる確認が必要)] に、重大度は [High (高)] に変更されます。彼女は、請求レコードの値を更新して適切な関係者にメールを送信するフローを設定します。
いつもしていることなので、Cindy にとって大して難しいことではありません。自動請求裁定プロセスがスムーズに実行されるようになり、保証チームは重大度の高い請求に集中し、正確な裁定を行うことができます。
保証管理エクスペリエンスを向上させる
保証ライフサイクル管理を使用すると、保証チームの業務の効率、連携、精度が高まります。保証管理者は、保証ルール、エンタイトルメント、サービス業務標準の拡張可能なフレームワークを作成できます。企業は、シームレスで透明性の高い請求の送信と追跡を通じてパートナー間の信頼関係を強化できます。
生産性を向上させるために、反復的で予測可能な作業を処理する自動化プロセスを作成することで、請求裁定担当者が本領を発揮できる業務、つまり、あらゆる情報に簡単にアクセスして、重大、非典型的、または財務的に重要である請求の精査と裁定に集中できるようにします。
Manufacturing Cloud の保証ライフサイクル管理を使用して、Rayler Parts と同様にあなたも保証プロセスを活性化することができます。