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ペルソナを使う

学習の目的

このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce ペルソナを組織のユーザーにどう対応付けるかを決定する。
  • ペルソナを使用してシナリオを開発する。
  • ペルソナを設計および開発プロセスに取り込む。
  • 組織でペルソナをどう使用するかを話し合う。

ペルソナを実際に使用するには

ここまでに、ペルソナは製品を使用する実際のユーザーへの理解を深め、ユーザーの業務上での行動や業務の遂行に使用するツールを把握するのに役立つことがわかりました。

また、セールス、サービス、マーケティングに関連する 10 以上のペルソナも確認しました。では、ビジネスで実際にペルソナを使用するにはどうすればよいのでしょうか? それをこの単元で学習します。

設計にペルソナを取り入れる

前回 Salesforce 組織の変更について判断したときのことを考えてください。次のように問いかけませんでしたか?

  • 組織のユーザーはどのように Salesforce を使用しているのか?
  • どうすればその使用方法を改善できるか?

設計上の意思決定者は、ペルソナを使用してそうした判断を実際のユーザーニーズに基づいて下すことができます。ペルソナでは意味のあるユーザーのグループを表すことで、あるユーザーの個人的なニーズに合わせて設計が限定されすぎることがないようにします。一方で、ペルソナにはユーザーやそのニーズの漠然とした印象だけが残らないようにするだけの十分な具体性があります。ここで Salesforce のクラウドベースのペルソナを共有しているのは、それがユーザーの行動やニーズを理解するのに実に便利だからです。自分でさらに詳しく調べる場合は、「Salesforce 方式でのイノベーション」トレイルを参照してください。独自の調査をし、アーキタイプを作成してイノベーションを促進することについて説明しています。

ペルソナを使用して設計対象にしないユーザーを表すこともできます。ある機能を使用しないユーザーがいる場合、このユーザーのグループは設計プロセスで考慮する必要がないと明示的に確認しておくと役立つことがあります。時間を節約して頭痛のタネも減らせます!

ユーザーを Salesforce ペルソナに対応付ける

ここまでの単元で学習した Salesforce ペルソナは、数千もの Salesforce ユーザーから収集したデータに基づいています。自分のユーザーがこうしたペルソナにどう対応付けられるのか理解するには、各自の組織で少し作業が必要になる可能性があります。そのために「ユーザーエクスペリエンス調査の基本」モジュールで習得したスキルを活用できます。

ユーザーへのアンケートまたはインタビューを実施して、ユーザーがこのモジュールのペルソナにどう対応付けられるかを確認します。目標はユーザーが最もよく行う活動を発見することです。「リソース」セクションにアンケートの例があるので、ユーザーを Service Cloud ペルソナに対応付けるために役立ててください。このアンケートをセールスユーザーやマーケティングユーザーへの対応付けに適応させることができます。

ペルソナを組織に適応させる

自分の組織のしくみが少し違う場合もあります。これらのペルソナが組織とユーザーにとって重要だと思われる場合は、ペルソナをベースラインと考えて他の活動に取り入れます。

 メモ: 「ペルソナの概要」単元の説明を思い出してください。組織で 1 人のユーザーが複数のペルソナに対応付けられてもまったく問題ありません!

Salesforce ペルソナをユーザーにどう当てはめるかを理解したら、これらのペルソナを使用してユーザーストーリーを開発できます。次は、ユーザーストーリーがユーザーニーズの明確化にどう役立つかを説明します。

ペルソナを使用して説得力のあるストーリーを伝える

ペルソナに命を吹き込み、設計上の判断に使用するために効果的な方法はユーザーストーリーです。ユーザーストーリーには、いずれかのペルソナを使用して具体的なタスクまたは活動を記述します。各ペルソナで説明した活動と目標を思い出してください。これらがユーザーストーリーの基礎となり、ペルソナが主役になります。

ユーザーストーリーはペルソナの視点から語られます。ストーリーにはペルソナ、最もよく行う活動のいずれか、モチベーションと目標を含めてより詳細なコンテキストを提供し、ストーリーを現実的にします。

では、一緒にユーザーストーリーを作成していきましょう。Sales Cloud の活動オブジェクトにカスタマイズした項目をいくつか追加しているとします。最初に、これらの更新で適切なユーザーを対象にしていることを確認します。メール、電話、メモの記録は、商談成立者、パイプライン構築者、信頼されるアドバイザーが最もよく実行するタスクです。

誰がこのシナリオの主役かわかったので、そのストーリーを作成します。この 3 つのペルソナはすべて、既存の顧客関係の維持および拡大と、新規顧客の探査の両方に注力しています。

自分のユーザーストーリーを作成します。以下の例は、Sales Cloud ペルソナの商談成立者のユーザーストーリーです。

 商談成立者として私が求めているのは顧客とのやり取りすべてを記録することです。そうすれば、フォローアップして顧客が購入を判断するのに必要な情報を提供できます。

次は、パイプライン構築者と信頼されるアドバイザーの活動を記録するためのユーザーストーリーを作成してみます。この機能に関する彼らのニーズは違いますか、それとも同じですか? 次のテンプレートを使用します。

[ペルソナ名] として私が求めているのは [実行したいタスク] です。そうすれば、[このタスクの完了による影響]。

設計と開発にユーザーストーリーを使用する

Salesforce ペルソナを取り上げ、ユーザーに対応付け、ペルソナを使用して説得力のあるユーザーストーリーを作成したので、これらのペルソナとストーリーを組織の設計および開発プロセスに取り込む方法を説明します。

ここで実際に行おうとしているのは、よりよい判断を下すことです。どのようなユーザー (そのニーズや行動を含む) のために構築するのか、チームに共通の理解があれば、製品の優先度について常によりよい判断を下すことができます。この共通の理解から、どのユーザーが具体的な機能のテストと検証に協力する必要があるかもわかります。

「ユーザーエクスペリエンス調査の基本」モジュールでは、調査での発見事項を使用してストーリーを伝えることについて説明していますが、簡単にまとめると次のようになります。関係者のモチベーションや関係者の意思決定につながる説得力のあるストーリーを伝えれば、自分の推奨事項に対する支持を得られる可能性が高くなります。ただし、これをどうペルソナに関連付ければよいのでしょうか?

Salesforce ペルソナを理解したので、それを Salesforce 組織の実装や更新で協力しているチームに紹介してください。ミーティングを設定して、組織に関連するペルソナを共有し、一緒にユーザーストーリーの作成に取り組みます。このモジュールからペルソナデッキを印刷し、作業エリアや会議室に掲載して共有します。

チームと協力してプライマリペルソナは誰かを決定し、ペルソナを優先度付けの判断に統合します。通常、プライマリペルソナは 1 つにします (2 つでもかまいませんが、それを超えると範囲が広くなりすぎます)。セカンダリペルソナを選ぶこともできます。これは同じユーザーインターフェース (UI) を使用し、その頻度がより低いと思われるユーザーなどにします。

「(プライマリ) ペルソナの要求は特定の UI で 満たされる必要があり、別のペルソナの UI では満たすことができません。」— Alan Cooper

プライマリペルソナを使用すると、どの更新を優先するかについて判断を下しやすくなります。次の優先度マトリックスの表は、判断に使用できるシンプルなツールです。

プライマリペルソナにとっての価値 技術的難度 優先度
簡単 すぐやる!
困難 実現を試みる
簡単 気にしない
困難 なし

プライマリペルソナにとっての価値と実装の技術的難度を示すマトリックスを含むチャート

ペルソナで価値を高める

次の 3 つの重要な状況では、ペルソナを使用して会社に実際の価値を付加できます。

ロードマップに関する判断を的確にする

ペルソナはロードマップに関するより的確な判断に役立ちます。

  •  購入とライセンス — ペルソナによって、さまざまなユーザーが実行するタスクとアクセスが必要な機能を把握できます。
  •  カスタム機能 — ペルソナによって、機能が必要と思われるユーザーとユーザーの業務にとっての重要度を識別して優先度付けができます。

ユーザーエンゲージメントを調整する

ペルソナを使用することで、トレーニング、イベント、活動をユーザーに合わせて調整できます。たとえば、ペルソナに基づいて、ユーザーの主要な活動に関連する機能のトレーニングにそのユーザーを追加できます。ユーザーは不要なトレーニングに参加せずにすみ、業務への関連性がより高いトレーニングに出席できるため、満足度が向上します。

調査の対象を絞る

ペルソナによって特定の機能をテストするのに役立つ適切な参加者を選択できるため、より対象を絞った調査を実施できます。最も関連性の高いユーザーが参加して機能をテストすると、作成した機能の採用率が高くなります。

まとめ

このモジュールはこれで完了です。ここでは、各 Salesforce ペルソナの特徴、ユーザーへの対応付け方法、自分と関係者がユーザーニーズへの共通の理解を深めるのにペルソナがどう役立つかを学習しました。ペルソナを設計および開発プロセスに統合して組織に価値を付加する方法も学習しました。早速ペルソナを使用して組織の Salesforce インスタンスをこれまで以上によいものにしてください。

リソース

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