公益事業の一般的なプロセス、サービス、測定単位について学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• 公益事業の一般的なサービスプロセスについて説明する。
  
• 一般的な顧客通知について説明する。
  
• エネルギー・公益事業の測定単位を説明する。
  
• エネルギー・公益事業のさまざまな商品の価格設定と見積条件を定義する。
  

エネルギー・公益事業の一般的なサービスプロセス

公益事業は顧客にエネルギー商品を届けるだけでなく、カスタマーサービスエクスペリエンスを向上させるためのサービスも実施しています。エネルギー・公益事業の企業間取引 (B2B) と企業対消費者取引 (B2C) の顧客向けのごく一般的なサービスプロセスには、次のようなものがあります。

コミュニケーションの希望とサービスの管理

さまざまなコミュニケーションチャネルを利用できる中で、優れたカスタマーサービスは顧客の希望に合わせてコミュニケーション方法を調整します。受信、送信を問わず、公益事業者は顧客とのコミュニケーションを効率的に管理して、顧客が必要なものを顧客にとって都合の良い方法で手に入れられるようにする必要があります。

人々も企業も移動し変化します。カスタマーサービスエージェントは、別の家に引っ越してサービスを変更する必要がある顧客と日常的にやり取りしています。エージェントは、別の場所への移転を計画している企業にも対応します。

複数の不動産を所有している顧客は、公益事業サービスを効率的に整理する必要があります。不動産管理者にとって重要なのは、リアルタイムの情報とカスタマーサービスに容易にアクセスできることです。

新しいプログラムとエネルギーサービス

新しいプログラムとエネルギーサービスは、多くの顧客が期待を寄せるトピックであり、企業にとっては顧客との関係を構築する機会です。太陽光、電気自動車、バッテリー、関連サービスやリベートなど、新しいプログラムに関する情報を顧客に案内します。

請求に関する問い合わせと支払のサポート

顧客が請求書についての問い合せや検針値の連絡のために電話をかけてくることがありますが、通話をそれだけで終わらせる必要はありません。適切なツールを使用すれば、カスタマーサービスエージェントはこの機会を利用して顧客と関係を築くことができます。これには、コスト削減に役立つエネルギーの節約または管理方法を顧客に提案することも含まれます。

カスタマーサービスエージェントが支払や請求書の未払いについて顧客に連絡することもあり、これが支払や滞納金回収サポートについての話につながる可能性があります。

サービス停止、安全性、修理要請

サービス停止と安全性の問題に関する通知は双方向のコミュニケーションです。顧客はサービス停止や安全性の問題を報告し、公益事業者は計画的または計画外のサービス停止や安全性の問題を複数のチャネルを通じて顧客に連絡することができます。

設備に不具合が発生した場合は、現場に作業員を派遣して修理を行います。サービスは計画的な場合と計画外の場合があり、公益事業者は供給停止の可能性と予想復旧時間を顧客に連絡します。

新規料金と新設工事

固定であっても変動制であっても、料金はときどき変更されます。新規料金と料金変更が任意に適用されることもあれば、強制的に適用されることもあります。カスタマーサービスエージェントは、電話やデジタルチャネルを通じて、変更や料金選択について定期的に顧客に連絡します。

新築工事現場では、総合建設請負業者の仕事だけでなく、多くの工事が行われます。公益事業者は、新築工事現場でさまざまな作業を遂行します。工事を中断させないためにスケジュールに従ってこうした作業を管理します。

一般的な顧客通知

一般的なカスタマーサービス業務について理解したところで、次は一般的な顧客通知について詳しく見ていきます。

アカウントの有効化・無効化サービス

顧客が公益事業者のサービス供給地域内外に転居することがあり、競合他社に乗り換えることもあります。最近の傾向では、顧客がサービスを追加、乗り換え、無効にするために公益事業者に連絡してくることが以前より一般的になっています。

ウェルカムコミュニケーション

新しい顧客が公益事業サービスに加入したら、関係構築への第一歩として、顧客を歓迎するコミュニケーションから始めることが重要です。例として、ウェルカムコール、ウェルカムギフト、ウェルカムメールなどがあります。

電子振替の確認

なりすまし犯罪が増加しているため、多くの顧客が銀行を介して定期的な通知を設定しています。顧客が公益事業者の電子振替 (EFT) 確認を設定するオプションを設けると、顧客の信頼を築くことができます。

支払のリマインダーと延滞通知

多忙な日々を送る顧客が、請求書を見落としたり、支払を忘れてしまったりすることがあります。追加料金やクレジットスコアの低下を避けるためにリマインダーを好みます。

料金変更通知と料金表通知

このタイプの通知は義務付けられている場合があります。変動制料金を利用する顧客は、生産活動を最大化しつつコストを最小限に抑えるようにビジネスを運営しているため、料金を常に把握しておくことが重要です。一部の料金は時間帯や使用量によって価格が異なるため、顧客はしきい値を超えてより高い料金または価格になるタイミングを知りたいと考えています。

供給停止または復旧通知

顧客が個人か法人かに関係なく、供給停止の対象となるすべての人々にとっては、修理がいつ行われ、サービスがいつ復旧するのかを知ることが重要です。通常、供給停止通知には復旧の推定時刻が含まれています。

クルー動員通知

サービス中断が生じたときは常に、顧客に通知することが非常に重要です。また、サービス復旧のために動員するクルーメンバー全員にも通知する必要があります。損傷の修復や工事を行ったりする必要があるときに、動員通知でクルーに知らせます。

顧客満足度サーベイ

どのような顧客でもそうであるように、公益事業顧客は不満があってもそれを常に共有してくれるとは限りません。顧客に時折連絡して、満足度をチェックし、改善点がないか調べることが重要です。

エネルギー商品の測定

公益事業会社は商品を販売する前に何をすると思いますか? 商品の測定と価格の設定と答えた人は正解です。次は、エネルギーの主要な測定単位と価格設定条件について説明します。

電気の測定単位

電力 (特に電気代請求書) に使用されるエネルギー単位はキロワットアワー (kWh) で、1 キロワットアワーは 3.6 メガジュールに当たります。電気使用量は、1 年などの期間あたりのキロワットアワーで測定されます。これは、平均電力消費量、つまりエネルギーが伝達される平均速度の測定です。1 年あたりの 1 キロワットアワーは約 0.11 ワットです。

天然ガスの測定単位

天然ガスはエネルギー含量単位または容量で販売されます。ガスの測定にごく一般的に用いられる単位は、ガス立方フィート/メートルです。大量の天然ガスを測定する場合は、100 立方フィート (Ccf) または 1,000 立方フィート (Mcf) が使用されます。

水、廃水、廃棄物の測定単位

水と廃水は、ガロン、立方フィート/メートル、百立方フィート (CCF) で測定されます。廃棄物処理料金は、廃棄物の内容に応じて、廃棄物用コンテナ、ゴミ箱、ごみ収集箱、その他の廃棄物容器に入った重量または容量で測定できます。

エネルギー・公益事業の価格設定と見積条件

エネルギー・公益事業会社では、使用量に基づくさまざまな価格設定を採用しています。価格設定には、単価、固定料金、間隔価格設定、フレックス価格設定の 4 つのサブタイプがあります。

まとめ

この単元では、公益事業者が顧客とコミュニケーションをとる方法と、顧客の期待の急速な変化について学びました。さらに、公益事業者が顧客に送信する一般的な通知について理解しました。最後に、エネルギーのさまざまな測定単位と価格設定条件も確認しました。

次の単元では、エネルギー市場における変革と、分散型のエネルギー源や需要側管理の影響について学習します。