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Service Cloud を使用した入学予定者のサポート

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Service Cloud で入学事務プロセスを合理化する方法を説明する。
  • ワンストップサービスで入学希望者や新入生を支援する方法を理解する。
メモ

このモジュールでは、Education Cloud の管理パッケージバージョンに関する情報を提供しています。2023 年 3 月以降、新しいお客様と移行したお客様は、管理パッケージではなく統合プラットフォームソリューションを使用します。統合プラットフォームソリューションについての詳細は、Education Cloud のドキュメントを参照してください。

新入生は多種多様で、そのニーズもさまざまです。こうしたニーズは学校、入学年度、その他の多くの要因によって異なりますが、あらゆる入学希望者や新入生に共通する点が 1 つあります。誰もが今後の学生生活について、たくさんの質問を抱えているということです。新入生から寄せられる質問は、科目や学資支援から、学生寮やキャンパスライフに至るまで実に多岐にわたります。Salesforce があれば、学校が学生と交流を図り、学生ジャーニーの出発点からこうした質問に答えることができます。  

シームレスな支援のワンストップサービス

Service Cloud では、学生がメール、ソーシャルメディア、オンラインコミュニティ、チャット、テキストなど、どのチャネルでも学校とやり取りすることができます。Service Cloud は、こうしたコミュニケーションをケースに変換します。ケースとは、学生の問題、要求、サポートチケットを表す Service Cloud オブジェクトです。学生から届いたケースは「サービスエージェント」に割り当てられます。サービスエージェントとはこの場合、サポートを必要とする学生の問題に対処して解決する学内の教職員です。

メモ


Service Cloud 用語のまとめ

ワンストップ = コミュニケーションのための一元的なハブ

ケース = 学生の問題、要求、サポートチケットを表す Service Cloud オブジェクト

サービスエージェント = 学生の問題を解決する従業員を示す Service Cloud 用語


ワンストップアプローチでは、学生と教職員のどちらにとってもスムーズかつ効率的な方法で入学事務やオンボーディングを管理できます。オムニチャネル機能により (つまり、ケースが多様なコミュニケーションチャネルから送られてくる)、学生がこれまでに送信したケースが集約されるため、学生の独自の状況やニーズを詳しく知ることができます。学生が学資支援に関する情報を求めている場合でも、研究に関心を示している場合でも、チームが適切なガイダンスに従って具体的な懸念に対処できます。さらに、ケースの件数やトピックを分析すれば、今期の入学事務から学んだことを基に来期以降の質問を予測することができます。学校はこうしたインサイトを活用して、説明会、入学関連カウンセラーのトレーニング、知識ベースの記事作成を計画し、学生がスタート地点からサポートを受けられるようにします。次の表は、学生がケースの送信に使用できる各種チャネルの概要です。


ケース発生源


ケース作成シナリオの例

Web-to-ケース

入学希望者が入学案内 Web ページにアクセスし、「お問い合わせ」ボタンをクリックする。
Message-to-case
入学予定者が二重単位取得コースに関する質問を Facebook メッセージ経由で Cloudy College のアカウントに送信する。
メール-to-ケース
入学希望者が admissionsinfo@cloudy.edu 宛に出願方法を尋ねるメールを作成する。
Social-to-case
学資支援の申請に関する有益な情報がなかなか見つからないことを保護者がツイートして、Cloudy College を @メンションする。
Phone-to-case
入学許可を受け取った学生が、キャンパス内の学生寮について質問するために入学事務局に電話をする。入学事務局の職員がケースを作成し、学生寮の担当部署に対応してもらう。


Cloudy College では、オリエンテーションのアクティビティについてたくさんの質問を抱えている新入生に対応する際にケースを利用しています。Cloudy の入学関連カウンセラーである Tia Parker は、オリエンテーションのアクティビティのどれが必須でどれが任意なのかを質問するケースが複数届いていることに気が付きました。そこで、今後は新入生向けの案内書にセッションやアクティビティを記載し、必須か否かを明記することをメモしておきます。Tia はケースから得たインサイトを活用して、Cloudy の今年度の新入生に対処すると同時に、新入生向けの案内書を修正して、Cloudy の来年度以降の新入生のエクスペリエンスを向上させることができます。

ケースの管理とルーティング

学生が支援やサポートを求められるツールがあるのは素晴らしいことです。けれども、こうしたコミュニケーションチャネルを開設した後、すべての問い合わせに効率的に対処するにはどうすればよいのでしょうか? ここで活躍するのがリストビューです。Service Cloud でケースのリストビューを作成すれば、学校が受信したメッセージをカテゴリ別に整理して、作業効率を最大限に高めることができます。リストビュー内のケースを分類すれば、ケースエージェントまたはアドバイザーが毎朝、緊要度の高いものから処理していくことができます。学生が入学希望者や新入生であるうちからキャンパスコミュニティに溶け込めるようサポートできれば、やりがいがあるというものです。Cloudy College の入学関連カウンセラーはこうしたやりがいを度々実感しています。つまり、「緊急」に該当するケースのリストビューを作成し、カウンセラーが各自のキューにある緊急ケースを優先的に処理して、入学希望者や新入生を安心させています。

次の手順に従って、緊急ケースのリストビューを作成します (省略可能)。

  1. Salesforce で、[ケース] タブをクリックします。
  2. [リストビューコントロール] ボタン (リストビューコントロールアイコン) をクリックして、[新規] をクリックします。
  3. [名前] 項目に、「Urgent Cases」 (緊急ケース) と入力します。
  4. リストの API 参照名が自動的に生成されます。
  5. この新しいリストビューを表示できる人を決定する。
    a.機密情報またはテストリストビューの場合は、[Only I can see this list view (自分のみがこのリストビューを表示できる)] を選択します。
    b.機密情報を含まないリストビューの場合は、[All users can see this list view (すべてのユーザーがこのリストビューを表示できる)] を選択します。
    c.リストビューを特定のグループのみに表示する場合は、[Share list view with groups of users (リストビューをユーザーグループと共有)] を選択します。
  6. [保存] をクリックします。
  7. [検索条件] 列で、[検索条件を追加] をクリックします。
  8. [項目] ドロップダウンリストから [状況] を選択します。
  9. [演算子] ドロップダウンリストは、[次の文字列と一致する] のままにします。
  10. [値] ドロップダウンリストから、緊急フラグを設定するすべての状況を選択します。Cloudy チームは、[Waiting on Response (応答待ち)][エスカレーション済][注意] を選択しました。
  11. [完了] をクリックします。

ケース管理ツール

Service Cloud にはリストビューのほかに、学生募集・入学事務チームが入学希望者や新入生のサポートに活用できる数種類のケース管理ツールがあります。次の表は、そうしたツールの説明と学校での使用例を示しています。その後に Cloudy College が Salesforce を使用してケースをどのように管理しているのかを詳しく説明します。


ケース管理ツール


説明


学生募集・入学事務チームの使用事例

キュー
ケース種別で整理されたケースのリストで、サービススタッフは自分が解決のスキルセットを持っているケースを選択可能
ケースをアドバイザーの種類や部門別のキューに配置できるため、学生寮に関するケースはキャンパス内の学生寮チームが処理し、学位の取得要件に関するケースにはアカデミックアドバイザーが対処します。
チャット
予約なしで、個人的な支援をリアルタイムで提供できるライブエージェントが対応するチャットサポート
入学事務局が Live Chat を使用して、他校で履修した科目の単位認定について質問のある転校生に対応します。
Einstein ボット
よくある質問をすぐに解決できるように、事前に決められた回答を使用する自動チャットサポート
入学事務チームのボットには、出願の締め切り日や出願料、今後のキャンパス訪問日、オリエンテーションのセッションに関する一般的な質問への回答が事前に読み込まれています。
知識ベース
吟味された記事の検索可能な FAQ で、ユーザーは 24 時間 365 日トピック別に整理された情報にアクセス可能
入学希望者が入学手続きの方法や、学生寮での食事プランの内容といった質問に対する答えを見つけることができるため、電話をかけたり、メールの返信を待っている必要がありません。


Cloudy College の学生募集チームは、ケースキュー、チャット、Einstein ボットを導入して業務を合理化しています。

  • ケースキューにより、ケースを Cloudy College の適切な担当者に転送できます。学生募集担当者である Marquis Bryant は、新入生の連絡窓口になることが多いものの、送られてきた各質問に対する最適な回答者であるとは限りません。キューにより、Marquis が質問を適切な相手に転送できるため、質問を受け取った担当者が学生に最高水準のサービスを実施できます。学生が Marquis に学位や履修要件に関する質問を送信したときなどにキューが役立ちますが、こうした問い合わせは少なくありません。新入生から工学部の優等学位課程の履修条件について尋ねるメールメッセージが送られてきたら、Marquis はキューを使ってその質問を工学部のアカデミックアドバイザーにリダイレクトすることができます。

  • 学生にとってはお気に入りの小売店とチャットや Einstein ボットを介してやり取りすることが最早当たり前になっているため、Cloudy でもこうした機能を使用してオンデマンドレベルのサポートを実施しています。Cloudy では、入学事務局をはじめとするキャンパス内の数か所でこうしたツールを導入しています。Live Chat エージェントが、出願手続きの各ステップについての質問、キャンパス訪問の登録に関する問い合わせ、学内奨学金制度についての説明など、入学関連の質問に対処します。

Einstein ボットはチャットと同様迅速に回答しますが、Live Agent が対応するわけではありません。代わりに、一般的な質問への回答を予測可能な Einstein ボットが、学生の一般的な質問に対して事前入力された返答を提示します。便利ですよね? さらに、Einstein はやり取りするごとに知識を蓄積し、継続的に学習していくため、回答の関連性が向上していきます。Cloudy でも他校と同様、入学希望者や新入生が学生生活についてさまざまな質問を抱えています。Cloudy の学生募集・入学事務チームは、一定の質問に繰り返し答えなければならないことを認識しているため、Salesforce システム管理者と協力して、業務を補佐する Einstein ボットを作成することにしました。
入学希望者が Einstein ボットとチャットに質問して、その答えを確認しています。
Einstein は確かにその天才という評判に恥じない働きをしますが、天才でも何か新しいことを学ぶときには教材が必要です。Cloudy の学生募集・入学事務チームはボットを構築する準備ができた時点で質問のリストを取り決め、ボットに答えを教え込みました。


学生の質問


Einstein ボットの返答

新入生の入学願書の締め切りはいつですか?
入学願書の締め切りは学部や学科ごとに異なります。願書のすべての締め切り日は次のとおりです。
キャンパスツアーに申し込むにはどうすればよいですか? キャンパスツアーは 1 日に数回実施されます。こちらをクリックして、都合のよい日時に登録してください。
転校生の履修登録の締め切りはいつですか?
履修登録の締め切りは転校生も新入生と同じで、新学期の開始日の 3 週間後です。
海外留学プログラムはありますか? Cloudy College の学生が世界各国で勉強する機会は豊富にあります。詳細は、海外プログラム事務局の Web サイトをご覧ください。
AP や IB のスコアは履修単位に認定してもらえますか? はい。アドバンストプレースメント (AP) のスコアが 5 の場合、および一定の国際バカロレア (IB) 上級レベルのスコアが 7 の場合は履修単位として認められます。

知識ベースを使用したオンデマンド回答

Cloudy College ではさらに、ナレッジを使用して学生がよくある質問に対する回答を簡単に確認できるようにしています。ナレッジは、一般的な質問への回答を示す記事を検索可能にして FAQ を作成するコンポーネントです。学生が自分で検索できるほか、教職員もチャットやメールで受け取った質問に対する回答を詳述する記事のリンクを送付することができます。

こうしたツールはすべて、Cloudy が入学希望者や新入生が望むレベルのサポートやサービスを実施するうえで役に立ち、学生も教職員も不必要な予約や長いメールスレッドに貴重な時間を費やす必要がなくなります。Service Cloud があれば、学校が常に必要な最新情報を学生や家族に届けることができるため、学生ジャーニーを開始する学生が、学校は自分たちの心身の健康や成功を気にかけてくれていると信頼を寄せるようになります。

リソース

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