サービスの Salesforce フローについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- サービスの Salesforce フローを使用する意義を説明する。
- 「ToDo」リストのユースケースと、どのような形でエージェントの役に立つのかを説明する。
- サービスの Salesforce フローの主な機能と利点について説明する。
サービスの Salesforce フローを使用する理由
ソーラーパネルの売上の急増は、再生可能エネルギー企業である Ursa Major Solar にとって朗報です。けれども売上高の上昇に伴い、ケースのワークロードも増大しています。この盛況を維持できるかどうかは、サービスエージェントがケースを迅速かつ一貫した方法で解決できるかどうかにかかっている、と同社の COO である Roberto は考えています。
- 引き継ぎがスムーズにいかない。時として、何をすべきかわからないエージェントが通話を転送したり、お客様が折り返し電話をしてきたときに別のエージェントが応答することがあります。対応したエージェントは、プロセスのどの地点から取り組むべきかを推測したり、最初からやり直したりします。すると、もう一度初めから説明しなければならなくなったお客様が、イライラを募らせることが少なくありません。
- ステップを飛ばす。エージェントが優先順位付けプロセスのステップを飛ばして、間違った結論を出すことがあります。そのために、必要のない部品を出荷したり、不要なフィールドサービスコールをスケジュールしたりすることがあります。こうしたミスによってコストや遅延、顧客のフラストレーションが増大します。
- 標準化されていない。手順に一貫性がほとんど存在しません。エージェントが問題に妙なやり方で対処すれば顧客の信頼を失います。お客様がチャット、電話、現場の技術者とのやり取りでそれぞれ異なる回答を得ることがあります。
- コンプライアンスの目標やビジネスルールに適合していない。時としてエージェントが安全性、規制、コンプライアンスの点で極めて重要なステップを忘れてしまうことがあります。
新任のエージェントを指導し、すぐさま生産性を高め、サービスの品質を向上させる方法はないかと Roberto は考えます。
Roberto は同社の優秀な Salesforce システム管理者である Maria に連絡を入れ、エージェントに必要な指示を与えることが可能なツールを知らないか相談します。
Maria は Roberto に、サービスの Salesforce フローはどうかと伝えます。サービスの Salesforce フローを使用する場合は、ケースや取引先責任者ページなどのレコードページにユーザー向けの「ToDo」リストを表示します。エージェントがページを開いたときに、アクション & おすすめコンポーネントにステップのリストが表示されます。ステップをクリックすると、フローなど厄介な作業をしてくれるアクションが起動します。エージェントはこのリストに従って作業を進めます。
サービスエージェントにロードマップを示す
Maria は、サービスの Salesforce フローが Ursa Major のサービスエージェントの役に立つだろうと予測します。エージェントがステップをクリックするとフローやクイックアクションが起動し、何と言い、何をすべきかを確認できます。
エージェントが従うパスが定義されている場合には、ストレスが軽減され、憶測による作業が減少します。このリストに次に何をすべきかが「新米」エージェントに示されるため、Maria は期待に胸を膨らませます。エージェントがケースを迅速にクローズできるほか、リストによってエージェントが顧客に意識を集中させることができます。電話を受けたのがどのエージェントでも、あるいは電話が転送された場合でも、顧客への対応が一貫したものになります。
その一方で Maria は、保証の対象となる請求があった場合や、お客様が電話やメールではなくチャットを使用した場合など、稀な状況の場合はどうかと考えます。エージェントが通常とは異なることをしなければならない場合に、このツールで柔軟に対応できるのでしょうか?
ロードマップには、目的地への複数のルートが示されます。サービスの Salesforce フローにはエージェントにチェックリストが示されるものの、高い柔軟性を備えています。Maria は、電話やチャットといったチャネルごとにデフォルトのリストを設計できることを確認します。さらに、エージェントに必要なステップがリストにない場合は、Maria が設定したサブセットの中からエージェントが別のステップを選択できます。
エージェント向けのアクション & おすすめ
Maria は、コンソールや標準のナビゲーションアプリケーションにアクション & おすすめコンポーネントを表示できることを知ります。画面フロー、Field Service Mobile フロー、自動起動フロー、クイックアクションなどを開始するステップを設定できます。
たとえば、画面フローをクリックすると、コンソールアプリケーションではサブタブ、標準のナビゲーションアプリケーションではポップアップウィンドウでそのフローが開始されます。エージェントが自動起動フローの開始を確認すると、フローはユーザー入力なしでバックグラウンドで実行されます。クイックアクションはポップアップウィンドウで実行されます。
サービスの Salesforce フローは、Maria のエージェントがいつでも適切なガイダンスを得られる場所になります。現在のレコードに一時停止中のフローがある場合は、[一時停止中のアクションを再開] (1) の下に該当するフローが表示されます。また、Einstein Next Best Action 戦略によるおすすめがある場合は、[おすすめ] (2) で顧客に対する最適なアクションや顧客に提示する最適なオファーをエージェントが確認できます。
Maria はカスタムページなどさまざまなレコードページにリストを表示できます。たとえば、[作業指示] ページにコンポーネントを追加することが考えられます。リストによって、技術者に他のステップを行う前に安全装具を着用し、続いて詳細な診断パネルを順にチェックするよう注意を促すことができる点に Maria は感動します。初日に診断を行えば、正しい結果が示される可能性が高くなります。
一緒にトレイルを進みましょう
エキスパートの説明を見ながらこのステップを実行したい場合は、次の動画をご覧ください。これは「Trail Together」(一緒にトレイル) シリーズの一部です。
サービスの Salesforce フローの機能と利点
Maria は Roberto に説明するために機能や利点のリストを作成します。
機能 | 説明 | 利点 |
ステップバイステップリストによる作業者の誘導 | 作業者がレコードを開くと、コンポーネントにステップのリストが表示されます。たとえば、ステップを選択すると、次に行うタスクが順次表示されます。 |
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チャネルのデフォルトリストの作成 | システム管理者が、電話やチャットといった各種のタッチポイントにおけるデフォルトのアクションリストを設定できます。 |
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リストの一番上または一番下のアクションの設定 | リストの一番上または一番下の固定領域にステップを設定すれば、これらのステップを最初または最後に行うべきことをユーザーが認識できます。他のステップ用の固定されていない領域もあります。 |
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別のアクションの検索 | ユーザーに必要なステップが表示されない場合は、別のアクションを検索できます。システム管理者が選択可能なアクションのサブセットを定義します。 |
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ガイド付きアクションの履歴の表示 | [履歴] タブでは、いつ誰がどのアクションを開始、一時停止、再開、完了したかがエージェントに表示されます。 |
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アクションを必須とマーク | 安全上またはコンプライアンス上必要とされるアクションを重要とマークします。ユーザーが必須アクションを閉じるときに、完了を確認するアラームが表示されます。 |
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一時停止中のフローの表示 | 情報が不足しているためにエージェントやお客様がフローを完了できないことがあります。プロセスの自動化設定でユーザーがフローを一時停止できます。このコンポーネントに、現在のレコードの一時停止中のフローがすべて表示されます。フローのレコードコンテキストの変数が更新されると、コンポーネントのそのレコード上に一時停止中のフローが表示されます。(リードが取引先責任者に変換された場合など、レコードコンテキストが変更されることがあります)。 |
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Einstein Next Best Action 戦略によるおすすめの表示 | アクション戦略では、おすすめがパーソナライズされたアクションやオファー (割引、修理、アドオンサービスなど) に絞り込まれます。コンポーネントにレコードの上位のおすすめが表示されます。 |
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Maria は、サービスの Salesforce フローにはカスタマーサービスを向上させる大きな潜在性があると考えます。新任のエージェントでも次のステップは何なのかと心配する時間が減り、顧客への対応に集中できるためです。