Voice の実装を準備する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Voice 実装の準備方法を理解する。
- Voice を設定する際の主な考慮事項を説明する。
Service Cloud Voice の概要
Service Cloud Voice を使用すると、サポートエージェントは電話の受信と発信、顧客情報の追跡、顧客の問題解決のすべてを Service Console 内で簡単に実行できます。Voice では Salesforce CRM にテレフォニーが統合されているため、次のことが行えます。
- 顧客をサポートするために必要なすべてのコンテキストがエージェントに提供されます。すべての Web とソーシャルチャネルにおいて、各顧客の全体像を把握できます。
- 適切なナレッジ記事、音声トランスクリプトのインサイト、次の手順が推奨されるため、エージェントはケースをより迅速にクローズできます。
- Voice Analytics ダッシュボードで、エージェントの重要業績評価指標を一目で確認できます。通話の使用量、使用時間 (分)、請求を監視して、予期しない額の料金が請求されないようにします (Amazon Connect にのみ適用)。
Voice でさらにどのようなことができるのかについては、このデモをご覧ください。
Voice の実装を成功させるには、まず何が必要で、何を検討すべきなのかを把握することから始めることをお勧めします。
Voice を設定する前に必要なこと
Voice の実装を開始する前に、自身と自身の組織の準備が整っていることを確認してください。Voice の設定中に不必要な問題が発生しないように、次の推奨事項に従ってください。
- Voice の制約と制限事項を確認する。地図を持たずに森の中を歩き始めないのと同じように、何が待ち受けているのかを知らずに Voice を設定すべきではありません。
- Voice は、Lightning Experience でのみ使用できる。
- Voice は、Service Cloud または Sales Cloud のアドオンライセンスとしてのみ利用できる。
- Voice は、Google Chrome および Mozilla Firefox の Web ブラウザーでのみサポートされる。
- シングルサインオン (SSO) を許可するには、ブラウザーの Cookie を有効にする必要がある。
- その他の制約は、通話記録からオムニチャネル、Amazon Connect などに至るまで多岐にわたる。
- Voice の主要概念を確認する。トレッキングを始める前に、道に迷わないようにいくつかの目印を十分に理解しておきましょう。テレフォニープロバイダー、接続アプリケーション、Lambda 関数、コンタクトセンター、コンタクトフロー、ソフトフォンなどの用語は、Voice の実装を開始する前に知っておく必要があります。
- Salesforce が Voice の前提条件を満たしていることを確認する。Voice を有効にする前に、前提条件となるサービスを組織で設定します。カスタムドメインとシングルサインオン URL を作成し、エージェントがコンタクトセンターに簡単にログインできるようにします。また、オムニチャネルを有効にして、エージェントが電話をかけたり受けたりできるようにします。
- テレフォニーモデルを選択する。Service Cloud Voice には 3 種類のモデルがあり、テレフォニープロバイダー、設定プロセス、その他の特性によって異なります。オプションを比較して、ビジネスに最適なモデルを選択してください。
- Amazon サービスクォータを増やす。コンタクトセンターで Amazon Connect テレフォニーを使用する場合、Amazon サービスクォータを増やすかどうかを決定します。クォータの制御には次のものがあります。
- 有効な同時通話の最大数
- トランスクリプトジョブの最大数
- アウトバウンドコールで通話可能な国のリスト
ある程度の準備ができていれば、Voice の実装を計画する際に少し余裕を持てます。
Voice 実装を成功に導くための計画を立てる方法
Service Cloud Voice をサポートするエキスパートは、Voice の実装を計画する際のベストプラクティスとして、次の手順を実行することを推奨しています。
- Voice のデモに基づいて実装する場合は、アカウント担当者と一緒にデモを確認する。その上で、組織で使用する機能を理解します。ほとんどの Salesforce 機能と同様に、Voice は多くのアプリケーション動作と連携して組織のニーズをサポートします。利用可能な機能は、テレフォニーモデルとプロバイダーによって異なります。Voice に標準搭載されている機能と、カスタマイズが必要な機能を確認してください。
- ベースラインに照らし合わせて Voice の制限事項を確認する。時間を節約するために、Voice のベースライン要件を確立した後、実装の際に課題となる可能性のある制約や制限事項を特定します。
- 電話番号のポーティングを計画する。既存の電話番号を新しいコンタクトセンターでどのように使用するかを決定します。電話番号のポーティングは規制が厳しく、すぐには許可されないため、何週間も前からテレフォニープロバイダーにポーティングを要求しておく必要があります。
- 環境とテスト計画を設計する。必要な Sandbox 組織 の数を決定します。必要な Amazon Connect テストインスタンスの数を決定します。次に、本番環境とテスト環境の間でデータを移行するための計画を立てます。
- AWS ネットワーク要件を確認する。コンタクトセンターで Amazon Connect テレフォニーを使用する場合は、重要なネットワークポートのブロックを回避できるように Amazon のネットワークガイダンスを確認してください。
- ルーティング要件を計画する。自動音声応答 (IVR) では、顧客が電話サポートをどのように操作し、エージェントにルーティングされるかが決定されます。次のことを検討してください。
- 現在のルーティングロジック
- Amazon Connect ルーティングを使用してルーティングを改善する方法
- テレフォニープロバイダーからのプロファイルとキュー (または同等の機能)
- 事前構築済みのソリューション
各手順の詳細は、「Service Cloud Voice Planning Checklist (Service Cloud Voice の計画チェックリスト)」を参照してください。
Voice に関する考慮事項
Voice の設定を準備する場合と Voice の実装時には、次の考慮事項に留意してください。
電話番号ポーティング要求を事前に申請しください。電話番号ポーティングでは、電話番号があるテレフォニーサービスプロバイダーから別のテレフォニーサービスプロバイダーに移行されます。これには時間がかかり、中断が発生する可能性があります。電話番号のポーティングにかかる時間は、国、要求の複雑さ、ポーティングする電話番号の種別と数、通信事業者によって異なります。ポーティング要求はできるだけ稼動開始日に先立って行ってください。
Voice 実装時にエキスパートのサポートを受ける。実装時に特定の問題を解決する方法をあれこれ考える代わりに、エキスパートから回答を得ることができます。Service Cloud Voice Trailblazer Community では、質問の投稿、デジタルサービスのオフィスアワーへのサインアップ、AWS トレーニングリソースの検索、さまざまなヒント、コツ、ベストプラクティスの確認が行えます。
Service Cloud Voice は Salesforce と Amazon Web Services 間のパートナーシップであり、双方ともそれぞれの専門分野で Voice ユーザーをサポートすることに尽力しています。
このモジュールに記載されている準備手順とタスクを完了すると、Voice を設定する準備が整います。Salesforce ヘルプで、「Service Cloud Voice」の手順に従ってください。