Service Cloud で効果的なビジネス計画を作成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- チームが Service Cloud とどのようにエンゲージするかを計画する。
- Service Cloud の目標を決定し、それが成功総計値にどう影響するかを見極める。
このモジュールでは、Service Cloud 機能を使用して目標を達成するための計画の策定について説明します。ワークシートをダウンロードして、Service Cloud による成功に向けた各自のパスを計画します。
チームの招集
あなたが職場でいろいろな役割を兼任しているか、専任のシステム管理者かに関係なく、このタイミングで Service Cloud 実装チームを結成します。
実装チームが重要なのは、Service Cloud を計画、実装、ロールアウトする際に成功に向けて手助けしてくれるためです。実装チームは、作業に正しく優先順位が付けられ、ビジネスにとって意義あるものになるようにし、サービスチームに前向きな変化をもたらします。
主要な関係者 |
役割 |
---|---|
担当役員 |
Sales Cloud に対するチームの時間の使い方を優先度付けして承認する人物 |
サービス業務担当マネージャー (または同等の役職) |
日常的なサービスおよびサポートプロセスのエキスパート |
エンドユーザー |
時間を取ってサービスをテストし、フィードバックを返すチームメンバー |
システム管理者 |
Service Cloud を変更し、実装を管理する担当者 (おそらくあなた!) |
サービスチームの規模や組織構造によっては、1 人のメンバーが複数の役割を果たすことがあります。
目標の設定
Service Cloud の実装を開始する前に、しっかり話し合って Service Cloud がビジネスにどう役立つべきかを定義します。
最初のステップでは、目標を明確にします。次に、Service Cloud が目標達成にどう役立つかを明確にします。チームが Service Cloud に求めるものがすでに決まっている場合でも、ここでもう一度振り返って、それらの目標を正式にまとめます。
Ursa Major Solar が Service Cloud で実現する目標をどのように決めたかを見てみましょう。
システム管理者の Maria Jimenez は、会社のカスタマーサービスの応答時間をより的確に追跡するために、最近 Service Cloud を実装しました。彼女のチームは次の目標を掲げています。
目標 |
---|
サービスチームの努力の成果に関するインサイトを得る。 |
すべてのケースで顧客への応答時間を短縮する。 |
顧客にコネクテッドカスタマーエクスペリエンスを提供する。 |
エージェントがより多くの顧客のより多くの課題を解決できるようにするツールを提供する。 |
Ursa Major Solar のチームは、目標をこのように整理したことで、Service Cloud 機能をどのように利用するかを容易に判断できました。
計画期間を利用してチームとの連携を開始し、明確で具体的な目標を定義します。ビジネスで何を達成したいのか、その全体像を考えてください。
ビジネス目標を決める際には、以下を自問してください。
- 3 ~ 5 年後、このビジネスはどのような姿になっているだろうか?
- 今後満たしたいカスタマーサポートのニーズは何か?
- 現時点で解消したいサービス環境の課題は何か?
計画フェーズには担当役員に参加してもらいます。これにより、Service Cloud から最大の価値を得られるようにします。コミュニケーションとフィードバックができる状態を保ち、設定した Service Cloud の目標が常に会社の優先事項に沿うようにします。
では始めましょう! ホワイトボード、テキストファイル、スプレッドシートなど、一番やりやすい方法で目標の概要をまとめます。
成功総計値の定義
ビジネス目標の概要が決まったら、次はこれらの目標の成功度を測定する方法を定義します。
サービスチームや担当役員と共に、追跡する主要な成功総計値を決定します。ビジネス目標や総計値によって、その方向に Service Cloud の実装を進めるのであって、その逆ではありません。
成功総計値を決める際には SMART を心掛けます。
- Specific (具体的)
- Measurable (測定可能)
- Achievable (達成可能)
- Relevant (関連性が高い)
- Time-bound (期限付き)
では、Ursa Major Solar がビジネス目標に対してどのように成功総計値を設定したのかを見てみましょう。
目標 |
総計値 |
---|---|
サービスチームの努力の成果に関するインサイトを得る。 |
ケース総数 (バックログケースを含む)。 |
すべてのケースで顧客への応答時間を短縮する。 |
平均処理時間 (AHT)、活動数、活動種別。 |
顧客にコネクテッドカスタマーエクスペリエンスを提供する。 |
顧客満足度 (CSAT) とネットプロモータースコア (NPS)。 |
ユーザーのための計画立案
どのようなチームでも変革には困難が付きものです。サービスチームが Service Cloud とどのようにエンゲージするかを計画しておけば、最初から快適に Service Cloud を使えるようになります。
ユーザーにも自分と同じように Service Cloud にワクワクして欲しいと思いませんか? ユーザーに計画プロセスに参加してもらいましょう。これは、Service Cloud に対するユーザーの興味をそそり、実際にユーザーに役立つように Service Cloud を設定するのによい方法です。
計画フェーズが終わっても、継続的にチームからのフィードバックを求めます。そうすることで、Service Cloud の設定に日々の作業との関連性があるかどうかについてユーザーの声を十分に吸い上げ、必要に応じて調整を行うことができます。プラットフォームでのユーザートレーニングの初日にユーザーが初めて Sales Cloud の名前を聞いた、などという事態にしないでください。
Ursa Major Solar では、次のようにして Service Cloud の計画をチームに伝えました。
目標 |
総計値 |
サービスチームの利点 |
---|---|---|
サービスチームの努力の成果に関するインサイトを得る。 |
ケース総数 (バックログケースを含む) |
エージェントはサービスチームの重要業績評価指標 (KPI) に関して自分とチームの状況を把握できます。 |
すべてのケースで顧客への応答時間を短縮する。 |
平均処理時間 (AHT) |
エージェントは自分の応答時間がサービスチームの基準をどの程度満たしているかを把握できます。エージェントの応答時間が改善すれば、チームの KPI によい影響を与えます。 |
顧客にコネクテッドカスタマーエクスペリエンスを提供する。 |
顧客満足度 (CSAT) とネットプロモータースコア (NPS) |
エージェントは提供するサポートを顧客がどう感じているかを把握できます。この情報を使用して、どこをどのようにして顧客満足度を高めるべきかを正確に確認できます。 |
サービスプロセスの定義
Service Cloud の設定を開始する前に、既存のサービスプロセスを整理します。
- 既存のサービスプロセスのドキュメントを集める。
- プロセスの詳細な定義が必要な部分を特定する。
- どうやったらビジネスが最もうまくいき、欠けている部分を補えるかを説明する。
Ursa Major Solar には 2 つの異なるサービスプロセスがあります。1 つは小売顧客向けで、もう 1 つは卸売顧客向けです。小売顧客の場合、サポートエージェントは問題が解決したらすぐにケースをクローズできます。卸売顧客の場合、エージェントは顧客のアカウントと購入の詳細を確認する必要があります。その後でマネージャーの承認を得てから、ケースをクローズします。
Service Cloud でこれらの可能性を考慮するために、Ursa Major のサポートチームは両方のプロセスで必要な手順の概要をまとめました。
システム管理者の Maria はその概要を使用して Service Cloud にそれらのプロセスを設定しました。Service Cloud をクリック操作 (コーディングなし) で設定するとき、さらに Ursa Major のレポートで 2 つのサービスプロセスを別個に追跡して測定するように設定しました。
明確に定義されたプロセスと正確なデータ追跡によって、Ursa Major のサービスチームは小売顧客と卸売顧客に卓越したサービスを提供する方法を確認できるようになりました。
目標、総計値、サポートプロセスを定義したら、Service Cloud で提供される機能のどれが目標の達成に役立つかを調べる準備が整います。