Analytics を使用したインサイトの収集および収益性の向上
学習の目的
このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。
- Service Analytics Platform で何ができるかを説明する。
- データ駆動型インサイトによってカスタマーエクスペリエンスを改善する方法を説明する。
- Einstein Discovery が提供する各種指標の名前を挙げる。
- Service Analytics によって重要業績評価指標 (KPI) を設定してケースを早期に解決する方法を説明する。
Service Analytics でデータを顧客満足度の改善に繋げる
優れたカスタマーエクスペリエンスを実現することで競争相手より優位に立てるということは別に不思議ではありません。ただし、現在の過剰とも言える顧客のネット利用 (そして縮小する利益率) を考えると、ますます情報に精通し意見をはっきりと述べるようになった顧客のニーズと、ビジネスのコストとのバランスを取ることは簡単ではありません。
前の単元と「Service Cloud プラットフォーム: クイックルック」モジュールでは、Service Cloud プラットフォームを利用して顧客と簡単に繋がる方法を探求しました。いつでも、どこでも。そして、これらのやり取りを直接 Service Console に送る方法を確認しました。では次は何をすべきでしょう? ビジネス効率を高めるために、豊富な情報に基づいた決断を行う上でこれらの顧客データをすべて活用するにはどうしたらよいでしょうか? そして利益を確保しつつ、さらに素晴らしいサービスを提供するには?
最近では、他より抜きん出たカスタマーサービスを実現し、1 人 1 人の顧客に対してパーソナライズされたエクスペリエンスを提供するためには、エージェントやマネージャーが消費者のインサイトで武装しなければなりません。そして、自分の会社のすべての窓口やあらゆる部署についても十分な情報が必要です。
そこで登場するのが Service Analytics です。事前に構築されているアプリケーションが、会社全体のサービスデータを活用して、面倒な仕事を代わりにやってくれます。サービスチームは、Service Cloud データや外部のソースから導かれたインサイトに基づいて行動することができます。たとえば、エンタープライズリソースプランニング (ERP) システム、コンピューターテレフォニーインテグレーション (CTI)、そしてワークフォースマネジメント (WFM) システムなどのデータです。サービスマネージャーは、重要業績評価指標 (KPI) のベストプラクティスをすべて単独のコンソールから決定できるようになります。
Service Analytics は、サービスマネージャーのインテリジェンス、エージェントの生産性、そして顧客の満足度を高めてくれます。
データに基づいたアクション: Service Analytics の紹介
会社のデータは、Salesforce や、ERP などの外部システム、データウェアハウス、ログファイルなど、さまざまな場所に存在します。これらのデータを併せて見ることで、ビジネスのやり方が変わったり、顧客の全体的なエクスペリエンスが改革されたりする可能性があります。Service Analytics は、これらの情報をすべて組み合わせるという困難な問題を解決し、サービスチームからの差し迫った質問に答えられるようにしてくれます。
Analytics プラットフォームは、安全で、信頼性と拡張性に優れ、当然ながらモバイルであり、チームの誰もがポイントアンドクリックの簡単な操作でパワフルなデータインサイトに即時にアクセスできるようにします。Service Analytics には、複雑な IT インストール作業や面倒な学習曲線はありません。必要なインサイトを提供してくれる実行可能な指標を手に入れましょう。そして、本当に重要な問題に集中することで、すべての顧客に卓越したサービスを提供しましょう。
サービスデータのシームレスなインテグレーション
インサイトをさらに深く掘り下げて見ることもできます。Service Analytics は、サービスや売上のデータから導き出された数式を使用して、情報を読みやすいダッシュボードに配置します。また、重要な Service Cloud プラットフォームデータを自動的にダッシュボードに供給します。これらの顧客インサイトやダッシュボードは、すべてチーム内で共有できます。インサイトを簡単に入手できるワンストップショップとして Service Analytics をご検討ください。
瞬時に答えを見つけて行動を起こす
Service Analytics を利用すると、マネージャーやサービスエージェントは必要な情報を必要なときに手に入れることができるため、質の高いカスタマーエクスペリエンスを実現できます。事前構築されているデータセットやダッシュボードにより、チームの業績を簡単に追跡し、チャネルの業績を観察して、コンタクトセンターのスケジュールを最適化することができます。エージェントは、カスタマープロファイル、ケース履歴、そしてよくある質問への便利な回答から得られる主要なインサイトに、すでに使用している Salesforce アプリケーションのあらゆるデバイスからアクセスできます。
この情報を利用することで、タスクやケースを作成し、問題をエスカレーションして、ケース履歴を更新するだけでなく、他のサービスチームメンバーと回答についてサービスコンソールから直接コラボレーションすることができます。さらに、Service Analytics は Salesforce アプリケーションと統合されているため、チームメンバーはデータの収集からサービス問題の診断へと、レガシーシステムのラグタイムなしでシフトすることができます。
フィールドでの解析
これらの強力な解析ツールは、フィールドでも活用できます。Field Service を利用することで、サービス技術者は、顧客の購入履歴やナレッジ記事といった重要な情報に現地からアクセスできます。これらの情報はケースを早期に解決するのに役立ち、常に顧客を安心させることができます。
ワンクリックで KPI にアクセス
Service Analytics では、単独のダッシュボードで KPI を設定できます。既存の Salesforce データやトレンドから、実証済みの顧客満足度指標に基づいたベストプラクティスを活用して、サービスチーム全体が各顧客に対してパーソナライズされたサービスを提供できます。エージェントは顧客のニーズを常に予測できるようになります。エージェントは、製品やサービスの問題とその原因を特定し、予測ケース項目を使用して、推奨される次善のアクションによって問題をすばやく解決できます。また、自身の業績を追跡し、同僚と比較できます。
Turn Data into Metrics—and Higher ROI—with Einstein Discovery (Einstein Discovery でデータを指標に変換し、ROI を増大)
アルバートアインシュタインは、複雑なものから簡素さを見つけることで世界の見方が変わると教えています。同じように、指標はカスタマーサービスの提供方法を変えてくれます。そしてこれこそが、Einstein Discovery が Service Analytics に適合する点です。これらの貴重なデータはすでに手元にあり、それを活用するときです。初心者にとっては、指標とは成否を測定して、それに合わせてビジネス戦略を調整するためのシンプルな手段です。データを収集、測定、そして利用する方法は、顧客の満足度と ROI に影響します。
Einstein Discovery は、偏見のない自分専用のデータサイエンティストをアプリケーション内に配置するようなものです。数百万ものデータポイントを数分で選別し、その結果から、ビジネスで何が起きているか、そしてその理由は何であるかを決定するための新しいインサイトを作成します。そしてスマートな予測を生成し、推奨されるアクションフラグをトレンドに設定します。エージェントは、これらのインサイトを利用して、より迅速でパーソナライズされたサービスを提供できます。Einstein Discovery は、エージェント全員をアインシュタインにしてくれる指標を提供します。次のように使用されています。
- レポートの作成: レポートは、質問 (たとえば、ある製品の信頼性はどのくらいか) に回答するためのデータに基づいて構築されます。レポートは、条件に合致するレコードのリストとして編成されます。Einstein Discovery では、レポートのフィルターやグループ化だけでなく、すべてのグラフの意味を理解しやすいように説明ナレーション付きのグラフィカルチャートとして表示することができます。これらのスピーカーノート付きレポートは、Salesforce で利用する以外に、Microsoft Office にもエクスポートできます。
- データの理解: ダッシュボードは、レポートに対して定義した主要な指標を視覚的に表示したものです。購買トレンドから在庫パターン、そして過去の顧客満足度レベルなど、あらゆる情報を製品別、サービス別に表示できます。
- 指標の最大限の活用: ダッシュボードのレポート機能を活用するためには、何を測定するか、何故それを測定するかを理解することが重要です。まず、自分にとって最も重要な指標を決定します。追跡したい重要業績評価指標をいくつか選びます (5 ~ 10 件程度が最適です)。そして、レポートとダッシュボードの数を、実際のビジネス目標に合わせて制限します。
Einstein Discovery についてもっと詳しく知りたいですか? では、「Einstein Discovery の基礎」モジュールを完了してください。
コンタクトセンターを収益センターへと変身させる
サービスエージェントのコンソールから指標にアクセスできれば、トレンドを特定して、すぐにアクションを起こすことができます。また、顧客が会社に連絡する手段やタイミングに基づいて、一般的なトレンドやテーマに合わせたプロセスをコンタクトセンター用に設計できます。さらに、同じプロセスを活用することで収益を増大させることができます。
プロアクティブなセルフサービスの実施
プロアクティブなプロセスを使用することで、顧客の自助努力を支援できます。たとえば、毎月の最後に請求に関する同じような質問を大量に受けているとします。Service Analytics を使用すれば、この質問にカスタマーサイトで回答するためのプロセスをデザインできます。また、顧客が答えをすぐに見つけられるように、サイトで他の利用者に質問するためのセルフサービスオプションを用意することもできます。これによって電話の件数が減り、エージェントの生産性が向上して、収益が増大します。
エージェントのサービスを強化
Service Analytics を使用することで、エージェントは顧客の嗜好やニーズに合ったサービスを提供することができます。エージェントは、顧客の過去の購買履歴に基づいて、プロアクティブなアップセルやクロスセルを実施できます。たとえば、Service Analytics は、顧客が好みそうな製品を提案したり、購買トレンドに基づいて特別なインセンティブをオファーしたりします。これによって売上が増大し、顧客満足度とロイヤルティが高まります。
天才的なアイデアで勝利を
Service Analytics を選んだことで、カスタマーサービスエージェントも製品リードを生み出すことができるようになりました。これは最も新しい収益ストリームであり、次の競争上の優位性であり、そして次の主要なビジネスドライバーなのです。
リソース
- トレイル: Analytics について知識を深める
- ホワイトペーパー: Wave: The New Architecture of Business Intelligence (Wave: ビジネスインテリジェンスの新しいアーキテクチャ)
- ホワイトペーパー: Winning with Data-Driven Customer Service: Five Plays for Success (データ駆動型のカスタマーサービスで勝つ: 成功のための 5 つの鍵)
-
How to Be a Data-Driven Company (データ駆動型の企業になるには)
- 電子書籍: How Salesforce Delivers Exceptional Service Using Service Cloud (Salesforce は Service Cloud をどのように利用して比類のないサービスを実現したか)