サービスコンソールの生産性ツールを設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ユーザーにクイックテキストとマクロへのアクセス権を付与する。
- アプリケーションのクイックテキスト、マクロ、履歴をカスタマイズする。
- 一括クイックアクションを設定する。
- メールアクションをカスタマイズする。
- ケース所有者へのメール通知を有効にする。
ユーザーへのクイックテキストアクセス権の付与
Maria は、組織の設定を開始することにワクワクしています。Lightning Experience では、クイックテキストはデフォルトで有効になっています。Maria が行う必要があるのは、適切な権限をエージェントに付与することだけです。
権限を設定する前に Maria が知った情報によると、Spring '18 の後に作成された組織では、すべてのユーザープロファイルにデフォルトでクイックテキストオブジェクトに対する参照アクセス権が含まれます。デフォルトで参照権限があるということは、ユーザーは追加の権限なしにクイックテキストを挿入できるということです。追加の権限 (クイックテキストの作成など) をユーザーに付与するには、ユーザープロファイルを更新するか、権限セットを使用します。また Maria は、Salesforce Platform ユーザーのライセンスではクイックテキストがサポートされていないことも知りました。
Maria は、エージェントがクイックテキストを挿入し、自分で管理できるようにしたいため、クイックテキストオブジェクトに対する参照、作成、編集、削除の権限を含む権限セットを作成します。
- ヘッダーにある設定アイコンをクリックし、[サービスの設定] を選択します。
- [Service Setup (サービスの設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Permission Set
(権限セット) と入力し、[Permission Sets (権限セット)] を選択します。
-
[New (新規)] をクリックして権限セットを作成します。
- 権限セットの詳細を入力します。
- 名前:
Quick Text Power User
- 説明:
Allows users to create, edit, and delete quick text
- ユーザーライセンス: なし
-
[Save (保存)] をクリックします。
- [アプリケーション] セクションで、[オブジェクト設定] をクリックします。
- [クイックテキスト] オブジェクトまでスクロールし、クリックしてプロパティを開きます。
-
[Edit (編集)] をクリックして権限を変更します。
-
[参照]、[Create (作成)]、[Edit (編集)]、および [削除] を選択します。次に、[Save (保存)] をクリックします。
Maria は、まだこの権限セットを割り当てる準備ができていませんが、権限セットは使用できる状態になっています。
エージェントが互いにクイックテキストを共有できるように、Maria はクイックテキストのフォルダーを有効にします。
- [Service Setup (サービスの設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Quick Text Settings
(クイックテキスト設定) と入力し、[Quick Text Settings (クイックテキスト設定)] を選択します。
-
[フォルダーでクイックテキストを共有および整理] を選択します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
ユーザーへのマクロアクセス権の付与
Maria がマクロについて調べると、また嬉しいことがわかりました。今回も何も有効にする必要がないのです。前回と同様、権限セットを作成する必要があるだけです。
マクロの権限をユーザーに付与する前に、マクロの種類について説明します。
標準マクロ |
これらのマクロは、元に戻すことができるアクションを実行します。つまり、登録、送信、保存は行いません。たとえば、メールテンプレートを挿入するけれどもメールを送信しないマクロは標準マクロです。 |
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元に戻せないマクロ |
これらのマクロは、元に戻せないアクション (顧客へのメールの送信、ケースの状況の更新など) を実行します。これらのマクロには、元に戻せない送信アクション命令が含まれています。また、ユーザーがこれらを操作することを許可する特別な権限があります。元に戻せないアクションを含むマクロを作成、編集、実行するには、ユーザーに「ユーザーが元に戻せないマクロを管理」権限が必要です。 「ユーザーが元に戻せないマクロを管理」権限がないユーザーでも、元に戻せないアクションを実行する命令が含まれていないマクロの作成と編集はできます。その場合は、そのマクロオブジェクト自体に対する作成および編集権限がユーザーにあることを確認します。 |
一括マクロ |
これらのマクロは、複数のレコードで一度に実行できます。 |
Lightning Experience では、条件ロジックを標準マクロと元に戻せないマクロに追加できます。アクションを実行するタイミングを制御するロジック式を追加することで、マクロをさらに強力にできます。
Ursa Major Solar のほぼすべてのエージェントがお客様にメールを送信するため、Maria はエージェントがそれらのコミュニケーションのためのマクロを作成できるようにしたいと考えています。そこで、元に戻せないマクロの実行をエージェントに許可することを決めました。
マクロオブジェクトに対する作成、編集、削除権限を含む権限セットを作成し、「ユーザーが元に戻せないマクロを管理」権限も含めます。
- [Service Setup (サービスの設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Permission Set
(権限セット) と入力し、[Permission Sets (権限セット)] を選択します。
-
[New (新規)] をクリックします。
- 権限セットの詳細を入力します。
- 表示ラベル: Macros Power User (マクロパワーユーザー)
- ライセンス: Salesforce
-
重要: マクロのタブ表示を設定するには、[ライセンス] の種類を指定する必要があります。または、[ライセンス] の種類を空白のままにして、ユーザープロファイルレベルでマクロのタブ表示を適用することもできます。
-
[Save (保存)] をクリックします。
- [アプリケーション] セクションで、[オブジェクト設定] をクリックします。
- [マクロ] オブジェクトまでスクロールし、クリックしてプロパティを開きます。
-
[Edit (編集)] をクリックして権限を変更します。
-
[参照可能] を選択します。これによって [利用可] も自動的に選択されます。そして、[参照]、[Create (作成)]、[Edit (編集)]、および [削除] を選択します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
- [オブジェクト設定] の横にあるドロップダウン矢印を使用して、[アプリケーション権限] に切り替えます。
-
[Edit (編集)] をクリックして権限を変更します。
-
[ユーザーが元に戻せないマクロを管理] を選択します。次に、[Save (保存)] をクリックします。
Maria は、この権限セットの割り当てもまだ行いません。まずは自分でテストしてみたいと考えています。
エージェントが互いにマクロを共有できるように、マクロのフォルダーも有効にします。
- [Service Setup (サービスの設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Macro Settings
(マクロ設定) と入力し、[Macro Settings (マクロ設定)] を選択します。
-
[フォルダーでマクロを共有および整理] を有効にします。
-
[Save (保存)] をクリックします。
生産性ツールを使用したコンソールアプリケーションのカスタマイズ
権限セットと共有の設定が完了したところで、Maria はアプリケーションの設定を開始することができます。エージェントがマクロとクイックテキストを作成できるようにしたいわけですから、何かしらの方法でこれをアプリケーションできるようにする必要があります。Maria は、[設定] の [アプリケーションマネージャー] ページに移動し、適切なユーティリティと項目をアプリケーションに追加します。
- [Service Setup (サービスの設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
App Manager
(アプリケーションマネージャー) と入力し、[App Manager (アプリケーションマネージャー)] を選択します。
- [サービスコンソール] アプリケーションを見つけて、ドロップダウンメニューから [Edit (編集)] をクリックします。
-
[ユーティリティ項目] をクリックします。
-
[Add Utility Item (ユーティリティ項目を追加)] をクリックし、[Macros (マクロ)] ユーティリティを見つけて追加します。
サービスコンソールアプリケーションにはデフォルトで、[History (履歴)] ユーティリティが付属します。組織でメモを使用する場合は、[メモ] ユーティリティも表示されます。
-
[Save (保存)] をクリックします。
-
[ナビゲーション項目] をクリックして、[マクロ] と [クイックテキスト] を [選択済みの項目] リストに追加します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで、サービスコンソールアプリケーションでエージェントが新しいツールを使用する準備が整いました。
ケースの一括クイックアクションの設定
Maria は、エージェントが複数のレコードを同時に更新できるようにしたいと考えています。これらのソーラーパネルの破損は重大な問題であり、会社はできるだけ早く解決する必要があります。また、これらのケースは交換商品を発送する権限がある一握りのエージェントに割り当てられる必要があります。エージェントがこれを行えるように、Maria はケースの一括クイックアクションを設定することにしました。
一括クイックアクションを使用すると、ユーザーはリストビューにある最大 100 個のレコードを編集できます (最近参照したリストを除く)。一括クイックアクションは、クイックアクションをサポートし、Lightning Experience に検索レイアウトのある、ケース、リード、取引先、キャンペーン、取引先責任者、商談、作業指示、カスタムオブジェクトで使用できます。一括クイックアクションを設定すると、リストビューにボタンが表示され、ユーザーは複数のレコードで同じアクションを実行できます。
一括クイックアクションを設定する前に、ユーザーがリストビューから実行できるようにするアクションを作成する必要があります。Maria は、エージェントがソーラーパネル交換品の複数のケースの所有者を変更し、状況を更新できるようにしたいと考えています。そこで「Replacement Owner」 (所有者の交代) クイックアクションを設定します。
- [サービスの設定] から、[オブジェクトマネージャー] タブをクリックします。[ケース] を選択して、[ボタン、リンク、およびアクション] 設定ページを開きます。
-
[新規アクション] をクリックします。
- アクションの詳細を入力します。
- [アクション種別] で、[レコードを更新] を選択します。
- [標準の表示ラベル種別] で [なし] を選択します。
- [Label (表示ラベル)] に、
Replacement Owner
(所有者の交代) と入力します。
- [名前] 項目は自動入力されます。
-
[Save (保存)] をクリックします。
- [ケース所有者] 項目をパレットからレイアウトにドラッグします。[状況] 以外のその他の項目を削除します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで Maria は、一括クイックアクションを設定する準備ができました。設定するには、オブジェクトの [リストビュー] 検索レイアウトをカスタマイズします。そこで Maria は、ケース検索レイアウトを編集します。
- [サービスの設定] の [オブジェクトマネージャー] タブで、[ケース] 選択します。
-
[リストビューボタンレイアウト] をクリックします。
- ケースリストビューの横にある [Edit (編集)] をクリックします。
-
[Replacement Owner (所有者の交代)] までスクロールして、[選択したクイックアクション] に追加します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで、複数のケースで同時に更新を実行する [Replacement Owner (所有者の交代)] ボタンがエージェントのリストビューに表示されるようになりました。
メールテンプレートのメールアクションのカスタマイズ
メールアクションのデフォルト値をカスタマイズすることも、エージェントの時間を節約するのに効果的です。エージェントが顧客へのメール送信に多くの時間を費やしている場合は、メールテンプレートを用意することで顧客とのコミュニケーションをすばやく簡単に行えるようになります。CC 受信者や BCC 受信者を追加するなど、定義済み項目値を使用してメールアクションをカスタマイズできます。最も時間節約の効果が大きいのは、デフォルトのメールテンプレートを指定できる機能です。Maria は、これによってエージェントの時間を大幅に節約できるとわかっています。
- [サービスの設定] から、[オブジェクトマネージャー] タブをクリックします。[ケース] を選択して、[ボタン、リンク、およびアクション] 設定ページを開きます。
- [メール] アクションを編集します。必ず、エージェント向けのケースページレイアウトで使用されるアクションを編集します。
- [Default Email Template (デフォルトメールテンプレート)] 項目で、使用するメールテンプレートを選択します。
重要: ルックアップメニューには、種別が [Custom (カスタム)] の Salesforce Classic メールテンプレートのみが表示されます。
- 必要に応じて、[テンプレートの件名を適用しない] を選択すると、メールテンプレートの件名が無視され、顧客のメールの件名が使用されます。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで、エージェントが [メール] アクションをクリックすると、メールテンプレートによって本文が事前入力されます。
ケース更新のメール通知の送信
Maria が休憩室でコーヒーを飲んでいると、エージェントがケース更新の通知がないことについて話しているのが聞こえました。そのグループに近づいて話を聞くと、エージェントは自分が所有しているケースを他のエージェントが更新したときやケースが自分に再割り当てされたときに通知を受け取っていないことがわかりました。これはストレスが溜まります。ソーラーパネルの破損が多い現状では、すべてのエージェントが最新の情報を把握することが重要です。Maria は、この問題を簡単に修正できることを知っていますから、[設定] の [サポート設定] にアクセスして最後の設定を行いました。手順は次のとおりです。
- [Service Setup (サービスの設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Support Settings
(サポート設定) と入力し、[Support Settings (サポート設定)] を選択します。
-
[Edit (編集)] をクリックして設定をカスタマイズします。
- 次の設定を選択します。
ケース所有者に新規ケースコメントを通知する
この設定では、ケース所有者でないユーザーによってケースコメントが追加されるたびに、ケース所有者にメールが送信されます。これには、社内コメントと外部コメントを含みます。
ケース所有権の変更時にケース所有者に通知
この設定では、[所有者の変更] アクションを使用してケースが割り当てられたときに、新しいケース所有者にメールが送信されます。エージェントがケース所有者を変更するときに、[メールで通知する] チェックボックスがデフォルトでオンになります。エージェントは、チェックボックスをオフにすることでこの設定を上書きできます。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで、Maria のエージェントは最新情報を共有できるようになりました。Maria は、非常に生産的な 1 日を過ごし、複数のエージェント生産性ツールを調査して設定しました。明日は、自分でクイックテキストとマクロを試してみるつもりです。
リソース
- Salesforce ヘルプ: クイックテキストの設定と使用
- Salesforce ヘルプ: マクロの設定および使用
- Salesforce ヘルプ: カスタム Lightning コンソールアプリケーションの作成および編集
- Salesforce ヘルプ: 一括クイックアクションの設定
- Salesforce ヘルプ: [Send Email (メールを送信)] クイックアクションを使用したデフォルトメールテンプレートの適用
- Salesforce ヘルプ: サポート設定のカスタマイズ