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サービスコンソールの生産性ツールについて

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 担当者やユーザーに必要な生産性ツールを特定する方法を学習する。
  • 各生産性ツールの主要な利点を説明する。

サービスコンソールの生産性ツールを使用する理由

最近ニュースで取り上げられたおかげで、ソーラーパネルの販売は活気を帯びています。ソーラーエネルギーの長期的なコスト節約効果と環境面での利点を支持する複数の記事が公開されたのです。ソーラー機器サプライヤーの Ursa Major Solar の売上は大幅に増え、過去 1 か月で売上が 2 倍になりました。ただし、それに伴ってケースも倍増しています。ケースに対応する担当者は、多忙を極め、圧倒されています。Salesforce システム管理者である Maria は、担当者からケースの負担が大きすぎるという苦情を受けています。さらに、梱包の過失により、多数のソーラーパネルが破損しています。お客様は、破損したパネルの写真をソーシャルメディアに投稿し、次々とケースを登録しています。

ひびが入ったソーラーパネル

Maria は、ケースの急増について Ursa Major Solar の CEO と COO である Sita と Roberto とミーティングを行いました。早く何とかしなければなりません。そこで、何人かの有能な担当者と話をして、担当者が直面している主な問題のリストを作成しました。

問題

説明

クリックが多すぎる

担当者は、クリック疲れになっています。レコード、項目、ボタンと、クリックが際限なく続くように思われます。

コピー/貼り付けを少なく

担当者は、内部メモ、メール署名など、よく使う語句をコピーして貼り付けています。貼り付けた後には、お客様の名前やケース番号などを書き換える必要があります。

複数のケースで同じ作業

ソーラーパネルの破損に関するケースが多いため、担当者は多数のケースで同じ作業を繰り返しています。担当者はお客様の写真から破損を確認した後、お客様に不便をかけたことを謝罪するメールを送信し、破損が確認されたことを伝える内部ケースコメントを追加し、交換商品の発送を承認するキューにケースを送信します。

レコードに戻るのが困難

担当者は、特定のレコードに戻る必要があることがありますが、作業の対象となるレコードが大量にあるため、取引先責任者の名前や特定のケース番号を覚えておくのは困難です。また、各オブジェクトの [最近参照したデータ] リストビュー間を切り替えるには何度もクリックする必要があります。

状況の変更が面倒

担当者は、ソーラーパネルの破損に関するケースを簡単にエスカレーションする方法を必要としています。

解決すべき問題の明確なリストができたところで、Maria はケース管理に関するメモを読みます。すると、この問題をすべて解決するのに役立つ担当者向けの生産性ツール群があることがわかりました。

生産性ツールによって時間を節約するしくみ

生産性ツールは、ユーザーが時間を節約し、レコードに関する作業のスピードど効率を高めるために役立ちます。ツールによってクリックと貴重な時間を節約できるため、ユーザーは注意と分析が必要なことに集中できます。 

Maria は、担当者の課題を解決するために役立つ担当者向け生産性ツールのリストを特定しました。また、担当者の操作性を最適化できるほかのツールも見つけました。最も嬉しいのは、こうしたツールのそれぞれによって、担当者の貴重なクリックを節約できることです。

クリックは強力で、Salesforce で物事を実現するものです。ただし Maria は、クリックを節約することはさらに強力だと気付きました。

2 回のクリックが 1 秒に相当するとしましょう。1 件のケース解決プロセスで 10 回のクリックを節約でき、各担当者が 1 日に 60 件のケースに対応するとすると、各担当者が 300 秒を節約できることになります。つまり 1 日に 5 分です。担当者が 100 人いたらどうでしょうか? その場合、1 日に 8 時間以上の節約になります。さらに 1 か月では、その同じ 100 人の担当者が節約できる時間はどれだけになるでしょうか? なんと 250 時間です! これは 30 日以上の担当者の時間に相当します。

ツール

説明

用途

クイックテキスト

クイックテキストは、挨拶、メモ、語句、よくある質問への回答などの事前定義されたメッセージです。ユーザーは、メールやチャットなどにクイックテキストを挿入できます。クイックテキストを挿入するには、ボタンをクリックするか、キーボードショートカットを押します。

  • 標準化
  • コピー/貼り付けの代わり

マクロ

マクロとは、システムに作業を実行する方法を指示する一連の命令です。ユーザーはマクロを実行して、反復作業 (メールテンプレートの選択、顧客へのメールの送信、ケース状況の更新など) をすべて 1 回のクリックで完了できます。ユーザーがマクロを実行すると、開いているレコードでシステムにより各命令が実行されます。ユーザーはアプリケーションのユーティリティバーからマクロを実行できます。

  • 一貫性
  • 反復作業の実行

履歴

[履歴] ユーティリティでは、最近アクセスしたレコードを表示できます。ユーザーはアクセスしたワークスペースタブのコンテキストでサブタブを表示し、レコードを開かずにリンクをコピーできます。ユーザーはアプリケーションのユーティリティバーから履歴にアクセスできます。

  • 最近アクセスしたレコードのリストの表示
  • リンクの共有

一括クイックアクション

一括クイックアクションを使用すると、ユーザーは任意のリストビューにある最大 100 個のレコードを編集できます (最近参照したリストを除く)。一括クイックアクションでは、レコードの作成と更新のみが可能です。

複数のレコードの同時更新

分割ビュー

分割ビューを使用すると、ユーザーはレコードの詳細を表示したままリストビューを開くことができます。分割ビューは折りたたみ可能な列に表示されるため、ユーザーは 1 回のクリックでレコードのみの表示に戻すことができます。ユーザーは、コンソールの左側にある縦のバーから分割ビューを開いたり閉じたりできます。

コンテキストの切り替え

キーボードショートカット

キーボードショートカットを使用すると、ユーザーはマウスを使用せずにすばやく作業やナビゲーションを行うことができます。ショートカットを使用して、ユーティリティ (マクロや履歴など) の起動と終了やレコードの編集と保存などを実行できます。次のコマンドで、使用可能なショートカットを表示できます。

  • Windows: Ctrl+/
  • macOS: Cmd+/
  • スーパーユーザー
  • アクセシビリティのニーズ

メールテンプレート

メールテンプレートは事前定義されたメールです。用途に応じて、ユーザーは送信前にメールをカスタマイズすることもできますし、そのままで自動送信することもできます。差し込み項目を使用すると、メールの情報を自動化できます。テンプレートは、自動的に組織の全員が使用できるようになります。メールテンプレートは次の場所に挿入できます。

  • パブリッシャーまたはグローバルアクションの [メール] アクション (手動)
  • [メール] アクションの手順を含むマクロ
  • [メール] アクションの定義済み項目値
  • Apex QuickActionDefaultsHandler インターフェース
  • 標準化
  • 自動化

メール通知の送信

[設定] の [サポート設定] ページのさまざまな設定で、ユーザーへのメール通知をカスタマイズできます。ケース所有者が変更された場合やケースコメントが追加された場合に担当者にメールが送信されるように設定できます。ケースが作成、更新されたり、コメントが追加されたりしたときに、取引先責任者にメール通知が送信されるようにすることもできます。

担当者と顧客への更新の通知

クイックアクションの定義済み項目値

定義済み項目値を使用すると、クイックアクションにデフォルトの項目値を事前入力できます。たとえば、[メール] アクションでは、自動的に Cc や Bcc の受信者を含めたり、メールテンプレートを追加したり、メールが Salesforce レコードに関連付けられていることを確認したりできます。定義済み項目値を使用することでクリック数を大幅に削減できる可能性があります。「Close Case」 (ケースのクローズ) というカスタムアクションを作成し、[状況] 項目を [クローズ] に事前設定し、[社内コメント] 項目も含めることができます。そうすることで、担当者は同時にコメントを残すことができます。

  • 一貫性
  • 自動化

コンソールの生産性ツールをチームに見せる

Maria は、担当者のためにクイックテキスト、マクロ、履歴ユーティリティ、一括クイックアクションを設定することにしました。時間があれば、メール環境の強化についても検討するつもりです。せっかく時間をかけて設定したツールを担当者に確実に使用してもらうため、チームに対してツールのデモを行う予定です。ツールで何ができるかを知れば、担当者は喜ぶでしょう。また Maria は、Chatter や今後のトレーニングでもツールについて担当者に知らせる予定です。 

注意: コンソールでのユーザーの生産性を高めるために、Maria は「In-App Guidance: Boost Service User Productivity in Lightning Experience (アプリケーション内ガイダンス: Lightning Experience でのサービスユーザーの生産性向上)」管理パッケージをインストールすることも検討しています。この Salesforce Labs による AppExchange パッケージについての詳細は、Trailhead の「ユーザーエンゲージメント」モジュールを参照してください。

チェックリストを手にしている人

Sita と Roberto に計画を知らせた後、Maria は、この試練の時を担当者が乗り越えるのを助けられる自信が湧いてきました。

リソース

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