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Kanban について

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Kanban の 4 つの主要な特性を説明する。
  • Kanban プロセスで進行状況を測定および予測する方法を挙げる。
  • Kanban によって、どのように優先順位の変化を受け入れられるかを説明する。

Salesforce は、Scrum の一部を別のフレームワークにも適用して使用しています。それが Kanban です。これは、インフラストラクチャや運営に重点を置き、本番環境やお客様の問題をサポートするチームのための手法です。 

一般的に、Kanban はスクラムよりも規定が緩いため、実装が簡単です。Salesforce では、チームが Kanban プロセスを採用している場合でも、スクラムと同じ役割やミーティング (前の単元参照) を使用します。それらは優れた手法であることが実証されているためです。これを Scrumban と呼びます。

それでも、Kanban はスクラムとは大きく異なります。業務のフローをスムーズにする Kanban の 4 つの主要な特性は次のとおりです。 

  • ワークフローの視覚化: 作業は小さく分割され、それぞれがカードに記述されて壁 (物理的または仮想的) に貼られます。Salesforce では、GUS と呼ばれる仮想的な壁を使用していますワークフローは列に対応付けられ、各項目がワークフロー内のどこにあるかが示されます。 
  • 進行中の作業 (WIP) の制限: チームは、各ワークフローフェーズで同時に進行中になる作業項目の数を制限します。この制限に達すると、お互いを支援してチームとして作業に取り組み、その障害を取り除きます。
  • 増分的で漸進的な変更: スクラムは作業プロセスの広範囲の将来に及ぶ変更を対象とするプロセスですが、Kanban では、チームは進行中に、より小さな多くの変更を受け入れることができます。
  • Kanban に含まれる総計値: スクラムでは、スプリント全体に適した大きさのバッチを単位として業務が計画および追跡されます。Kanban チームは、業務項目の小さいバッチを連続して処理します。Kanban ではいくつかの測定システムを使用します。サイクル時間は、業務で 1 つの項目を開始してから完了するまでの日数です。これを使用することで、チームはプロセスを最適化して、サイクル時間をできるだけ短く、予測可能にすることができます。スループットは、1 つの期間に完了した作業量として定義されます。

ワークフローの可視化

Kanban の基本要素の 1 つは、すべてのものを可視化して、作業項目の一貫した透明性を実現することです。このプロセスは Kanban カードに基づいています。Kanban は日本語の看板に由来しています。

アジャイルアクセラレーターでの Kanban カードのスクリーンショット画像。アジャイルアクセラレーターは、Salesforce のチームが各作業項目を記録するためによく使用するツールです。

Kanban では、チームがフェーズを完了すると、カードを次のフェーズに移動して完了したことを示します。次のようになります。 

アジャイルアクセラレーターでの Kanban ボードのスクリーンショット画像。アジャイルアクセラレーターは、Salesforce のチームが各作業項目を記録するためによく使用するツールです。

進行中の作業 (WIP) の制限

スクラムではスプリント (2 週間ごと) の作業量を制限しますが、Kanban ではワークフロー状態ごとの作業量を制限します。期間は制限されませんが測定されます。WIP 制限を使用するのは、スクラムと同じように、ボトルネックを防ぎ、全体的な効率を高め、未完了の作業をなくすためです。

WIP 制限は、チームが対応可能な作業量と余力に基づいて現実的な目標を設定するためにあります。もちろん、これはすべていつでも変更可能で、チームは常に方向転換に対応できます (アジャイルであることの一環です)。 

チームが新しい作業を引き受けたときには、メンバーが集まり、「WIP 制限をどれだけにするか?」を考えます。そこが楽しいところです。実験しましょう! WIP 制限を設定し、チームにとってそれがうまくいくか (またはいかないか) を試します。いつでも、次回の振り返りミーティングで調整できます。  

Kanban による緊急の変更の受け入れ

次のシナリオを想像してください。関係者が、優先度の高い項目を今すぐ実行することをチームに求めています。スクラムを使用している場合には、チームは常に「対応できません。優先順位を付けるために製品バックログに入れてください。」と言うでしょう。スクラムはそのためのものです。スプリントの途中に新しい作業を引き受けることからチームを保護します。

一方、Kanban を使用している場合は、チームは同じステークホルダーに「いいですよ。この緊急項目をキューの先頭に移動して、次に開始することができます。現時点では、進行中の作業の許容最大量に達しています」と回答することができます。

Kanban チームには同じコミットメントがなく、スプリントバックログもありません。つまり、このワークフローを使用するチームは、緊急のリクエストを受け入れやすくなります。チームは、1 つの作業項目を完了すると、次に優先度が高い作業に取り組みます。

成功の測定

Kanban を使用する場合、どのように進行状況を予測および判断するのでしょうか? そのために行うのが測定です。Kanban 総計値では、平均リード時間を使用して結果を判断します。つまり、作業項目がすべての作業状態を完全に通過し、完了とみなされるまでにどれだけの時間がかかったかということです。  

1 つ注意点があります。リードタイムが大きくなり始めたときには、プロセスでどのような問題が起きているかを調べてください。 

協力の向上

Kanban システムではすべての作業の透明性が高いため、遅延が起きていることがわかりやすく、チームはすばやく対応できます。遅延が起きると、チームは根本原因を明らかにし、今後のサイクルタイムを改善したり、ボトルネックを減らしたりする方法を探します。 

これらはすべて、チームがお客様に効率的に価値を提供するために使用する Kanban の原則です。では、スクラムと Kanban ではどちらが優れているのでしょうか? 異なる種類の作業と Salesforce のチームがどちらのフレームワークを使用するかについては、次の単元で説明します。

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