注文管理フローをカスタマイズする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- フローとは何かを説明する。
- 2 種類のフローを説明する。
- 注文管理フローテンプレートを挙げて、説明する。
- フローをカスタマイズまたは設定する方法を挙げる。
- 注文概要レコードページでサービスフローを使用可能にする方法を説明する。
注文管理のフローを設定する
注文管理は、組織で手動機能と自動機能を作成できるツール、Flow Builder と連携します。フローでは、Salesforce 組織または外部システム内でデータが収集され、アクションが実行されます。注文管理では 2 つのフロー種別を使用できます。
-
画面: 画面を含むガイド付きチュートリアルまたはウィザードなど、人からデータを収集するビジネスプロセスを自動化します。
-
自動起動: レコードが変更されたときや、ユーザーがボタンをクリックしたときにフローを内部で起動します。
このツールを操作できるように、Salesforce ヘルプの「ビジネスプロセスの自動化」で Flow Builder に関するセクションを確認してください。
注文管理のフロー
注文管理にはフローテンプレートのセットが付属していますが、Maria は直接使用することはできません。そのため、これをコピーしたり、カスタマイズしたり、コピーを使用するようにシステムを設定したりする必要があります。フローには、手動で起動できるフローも、システムによって自動的に起動されるフローもあります。
フロー |
フロー種別 |
立ち上げ方法 |
---|---|---|
品目をキャンセル |
画面 |
手動 |
注文概要を作成 |
自動起動 |
システム |
プロセス例外を作成 |
自動起動 |
システム |
割引 |
画面 |
手動 |
等価交換フロー (Salesforce Order Management Growth ライセンスが必要) |
画面 |
手動 |
代理注文 (OOBO) |
画面 |
手動 |
注文の再配送 (Salesforce Order Management Growth ライセンスが必要) |
画面 |
手動 |
品目を返品 |
画面 |
手動 |
返品商品承認 (RMA) クレジットメモの作成と返金の確認フロー |
自動起動 |
システム |
RMA 品目を返品 |
画面 |
手動 |
次の状況になったとき、システムによって自動起動フローが起動されます。
-
注文概要を作成: 注文レコードが作成または更新されて、注文の StatusCode が Activated になったとき。
-
プロセス例外を作成: 「プロセス例外イベント」プラットフォームイベントが作成されたとき。
-
RMA クレジットメモの作成と返金の確認: ライフサイクル種別が Managed の返品注文レコードが更新されて、StatusCategory が Closed になったとき。
フローに関する考慮事項
フローでは、ローカライズされた表示ラベルを使用できません。ローカライズされた画面やメッセージテキストをフローに含めたい場合、Maria はフローのコピーを作成して目的の言語でテキストをハードコードする必要があります。
カスタム項目をフローで使用されるオブジェクトに追加する場合、Maria は処理されるようにフローをカスタマイズする必要もあります。
変更注文は注文レコードではありません。必須のカスタム項目を注文オブジェクトに追加する場合、ユーザーが変更注文を作成するときにその項目を設定するようにサービスフローを必ず更新してください。フローで注文が作成されるときに、その項目が設定されていない場合、作成が失敗します。
フローテンプレートをカスタマイズおよび設定する
フローテンプレートをコピーすると、Maria はそのコピーをカスタマイズできます。テンプレートからフローを作成する手順は次のとおりです。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Flows
(フロー) と入力し、[Flows (フロー)] を選択します。
-
[新規フロー] をクリックします。
これで、Maria は次の例のようにフローをカスタマイズできるようになりました。
- 複数の通貨で等価交換機能を使用する。
- [Discount Item (割引品目)] フローで、異なる
allocatedItemsChangeOrderType
値を使用する。
- Salesforce オムニチャネル在庫を使用する。
- キャンセル、割引、返品、等価交換の理由を設定する。
- 返品商品承認 (RMA) を設定する。
複数の通貨で等価交換機能を使用する
Maria は等価交換機能を使用しており、複数の通貨をサポートしたいと考えています。等価交換とは、ある商品を別の商品と交換することであり、通常はサイズや色が異なる同じ商品と交換します。次の手順に従って、価格表エントリに CurrencyIsoCode
値を設定する等価交換フローをカスタマイズします。
- [等価交換] フローを開きます。
- [Create Records (レコードの作成)] 要素のリストで、Pricebook_Entry 要素を選択します。(または、検索項目に入力して見つけます。)
- [価格表エントリ] セクションの [項目値を設定] で、[項目の追加] をクリックします。
- [Field (項目)] ボックスに
CurrencyIsoCode
と入力します。
- [Value (値)] ボックスに次のコードを入力して、この値を注文概要の通貨 ISO コードに設定します。
{!Get_Order_Summary.CurrencyIsoCode}
-
[完了] をクリックします。
-
[Save (保存)] をクリックします。
割引品目フローをカスタマイズする
デフォルトで [割引品目] フローは、allocatedItemsChangeOrderType
の値が InFulfillment
である注文品目概要の調整アクションを呼び出します。このプロセスにより、履行中の注文品目については、別の変更注文が作成されます。Maria は別のプロセスを使用したいと考えていたため、異なる値を設定する場合と同じように簡単であることを知って喜んでいます。
未管理注文概要を使用する場合、[注文概要を作成] フローロジックをカスタマイズして、注文ライフサイクル種別を割り当てます。デフォルトのフローでは、常に管理注文概要が作成されます。「注文管理ライフサイクル」を参照してください。
Salesforce Omnichannel Inventory を使用する
Salesforce Omnichannel Inventory を使用している場合は、フローをカスタマイズする必要があります。
- [等価交換フロー] で、applyOCI 変数と useLocationGroups 変数を true に設定します。これらの変数のデフォルト値は false です。
- [注文の再配送] フローで、applyOCI 変数を true に設定します。この変数のデフォルト値は false です。
理由を設定する
[品目をキャンセル]、[割引]、[品目を返品]、[等価交換] フローの場合、ユーザーはドロップダウンリストからアクションの理由を選択する必要があります。理由には、「Wrong Item (品目ミス)」や「Customer Changed Mind (顧客の心変わり)」などがあります。理由のリストを定義し、注文商品概要変更オブジェクトの [理由] 項目の選択リスト値に追加する手順は、次のとおりです。
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Object Manager
(オブジェクトマネージャー) と入力し、[Object Manager (オブジェクトマネージャー)] を選択します。
-
[注文商品概要変更] オブジェクトを選択します。
-
[項目とリレーション] をクリックします。
- 理由を選択します。
- [理由 選択リスト 値] に理由を追加します。
- デフォルト値を選択します。
返品商品承認 (RMA) を設定する
返品商品承認のデフォルトのユーザーと返品理由を指定する手順は次のとおりです。[返品注文品目] の返品理由の値はすべて、[注文商品概要の変更] の理由の値と一致している必要があります。
- デフォルトのワークフローユーザーを指定します。RMA フローの特定のアクションは、このユーザーとして実行します。
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Process Automation Settings
(プロセスの自動化設定) と入力し、[Process Automation Settings (プロセスの自動化設定)] を選択します。
- [デフォルトのワークフローユーザー] 項目に、システム管理者プロファイルを使用するユーザーの名前を入力します。検索アイコンをクリックしてユーザー検索ウィンドウを開くことができます。
- 返品注文品目オブジェクトに返品の理由を追加します。
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Object Manager
(オブジェクトマネージャー) と入力し、[Object Manager (オブジェクトマネージャー)] を選択します。
-
[返品注文品目] を選択します。
-
[項目とリレーション] を選択します。
-
[返品理由] を選択します (または、[新規] をクリックしてリストを作成します)。
- [返品理由 選択リスト 値] に返品理由を追加します。
- デフォルト値を選択します。
- すべてのエントリが、注文商品概要変更の [理由] 選択リストにも含まれていることを確認します。
B2B チェックアウトフロー
Maria は注文管理を B2B Commerce のチェックアウトフローで使用するため、注文管理と連携するように B2B チェックアウトフローを設定する必要があります。
注文概要レコードページでサービスフローを使用可能にする
Maria は、ユーザーを注文概要 FlexiPage の [アクション & おすすめ] コンポーネントに追加することで、ユーザーにフローへのアクセス権を付与します。その手順は次のとおりです。
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Actions & Recommendations
(アクション & おすすめ) と入力し、[Actions & Recommendations (アクション & おすすめ)] を選択します。
-
[新規リリース] をクリックして、[次へ] をクリックします。
- リリースに名前を付けてから、[フローおよびクイックアクション] を選択しします。
-
[Recommendations (おすすめ)] を選択解除し、[Next (次へ)] をクリックします。
- [利用可能なオブジェクト] リストで [注文概要] を見つけて [選択されたオブジェクト] リストに移動し、[次へ] をクリックします。
-
[デフォルト] タブを選択します。
- [すべてのアクション] リストで、コピーしたフローを見つけて [最上部に固定] セクションにドラッグします。
- フローを選択し、[削除可能のマーク解除] をクリックします。
-
[次へ]、[Save (保存)] の順にクリックします。
注文概要レコードページを編集する
Maria は組織で注文概要レコードを開き、デフォルトのレコードページを編集します。注文概要には複数の関連レコードが必要なため、手動で作成しないでください。注文を作成して有効化するだけで、[注文概要を作成] フローがトリガーされます。これで、注文概要レコードを開いて、そのページレイアウトを変更できるようになります。その手順は次のとおりです。
- ストアで注文を作成します。
- 組織でアプリケーションランチャーをクリックします。
- オブジェクト名
Order Summary
(注文概要) を入力して、選択します。
-
[注文概要] タブをクリックして、注文概要レコードを開きます。
- [Setup (設定)] メニューから、[Edit Page (編集ページ)] を選択します。
- プレビューレイアウトで [アクション & おすすめ] コンポーネントを選択します。
- [アクション & おすすめリリース] 項目で、先ほど作成したリリースを選択して [Save (保存)] をクリックします。
- 表示されたダイアログで、[有効化] をクリックして [Save (保存)] をクリックします。
-
[有効化] をクリックします。
- ページレイアウトを組織のデフォルトとして保存します。
次のステップ
この単元では、Flow Builder、注文管理で利用可能なフローテンプレート、どのようにフローをカスタマイズできるかについて詳しく確認しました。次は、特定のチェックアウト機能を設定する方法を学習します。
リソース
- Salesforce ヘルプ: 注文管理のフローコアアクション: 調整注文品目概要の送信
- Salesforce ヘルプ: 注文管理ライフサイクル
- Salesforce 開発者: B2B Commerce チェックアウトフロー (Aura)
- Salesforce 開発者: Salesforce Flow for Service (サービスの Salesforce フロー)