ビジネス問題を特定して文書化する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ビジネス問題を解決する方法を理解する。
- ユーザーストーリーを作成する。
- ソリューションを補足するドキュメントを作成する。
ビジネス問題を解決するには
Trailhead バッジで構築できるスキルと、そのスキルを使用してハンズオン経験を得る方法について理解できました。次は、学習した内容を、応募する職務に関連するビジネスケースに変える方法について考えましょう。解決するビジネスケースを選ぶ際には次のような推奨事項に留意してください。
自分が働きたい会社について調べます。対象となる会社ごとに次の手順を実行します。
- Web サイトで調査をしてその会社のビジネスを理解します。
- 会社の顧客の立場になってみます。その Web エクスペリエンスを評価し、会社とのインタラクションがどうなるかを想像します。顧客はどのような問題に直面するでしょうか? 詳細は、「イノベーションでの顧客発見」モジュールを参照してください。
- 次に、その会社の意思決定者の立場になってみます。どのような判断を下すのか、情報に基づいて判断を下すために必要なデータは何かを想像します。
- 会社の商品とサービスについて調べます。製造プロセスやサポートプロセスについて考えます。その効率を高めるにはどうすればよいでしょうか?
もう 1 つの選択肢は、あなたに個人的な影響を与える問題を特定し、自分自身で使用するソリューションを作成することです。これにより、ソリューションが問題解決や目標達成にどう役立つかを示すことができます。いくつかアイデアを紹介します。
- Salesforce を使用して結婚式のゲストリストを追跡します。招待へのゲストの応答を追跡します。リマインダーを送信します。受付でテーブルごとに取引先を作成し、各ゲスト (取引先責任者) をテーブル (取引先) に割り当てます。
- あなたや友人がダンジョンズ & ドラゴンズをプレーするのが好きなら、Salesforce を使用してキャラクターと最初の装備、武器、道具を追跡します。さらに一歩進んで、能力値と修正値および習熟ボーナスを収集します。最後に、公開コミュニティページでキャラクターを紹介します。
- フィットネス好きならば、歩数や自転車の走行距離を記録するアプリケーションを作成します。友人にも参加を呼びかけます。歩数や走行距離の多い順のランキング表を作成します。
インスピレーションを得るには、サンプルギャラリーを参照してください。いずれかのサンプルを見てアイデアが浮かんだら、それを出発点にして他にはない独自のソリューションを作成します。
ビジネスケースを文書化する
自分に現実世界のビジネス問題を解決するための能力があることを証明するには、経営、財務、開発のステークホルダーからの賛同を得るためのユーザーストーリー、ビジネスケース、プロジェクト計画の作成方法を理解する必要があります。
典型的なプロジェクトドキュメント
ドキュメント | 説明 |
---|---|
ユーザーストーリー |
問題の影響を受けるユーザーロールについて文書化し、ソリューションがユーザーにもたらす利点を説明します。 |
ビジネスケース |
ステークホルダーがプロジェクトを承認して資金を出すために必要な情報を得られように、問題を説明し、ソリューション (タイムラインを含む) を提案し、費用対効果分析を提供します。 |
プロジェクト計画 |
マイルストーン、タスク、作業項目、成果物を定義します。 |
ユーザーストーリーとビジネスケースについてもう少し詳しく見てみましょう。
ユーザーストーリーを作成する
ビジネス問題を理解し、解決し、伝える最もよい方法の 1 つは、そのロールのユーザーの立場になることです。これをユーザーストーリーの形式で行います。ユーザーストーリーとは、エンドユーザーの観点から記述したソフトウェア機能の形式張らない一般的な説明です。ロールを使用したユーザーストーリーと目標に基づく見解を記述することで、影響を受けるロールを理解していることを示せます。ユーザーストーリーを使用すると、ソリューションが誰にどう役立つかを定義しやすくなります。このストーリーをデモにも使用します。これについては、このモジュールで後ほど説明します。
ソリューションが複数のロールに関連することがあります。たとえば、社員募集アプリケーションの場合、応募者と採用担当者の両方が自動化されたエクスペリエンスの恩恵を受けます。
ユーザーストーリーの多くはシンプル文章で表現され、次のように構造化されます。
「[ロール] として、私は [利点] のために [職務上のタスク] する必要があります。」
社員募集アプリケーションの場合、次のようなユーザーストーリーが考えられます。
- 応募者として、私は面接の準備をするか、切り替えて先に進めるように、合否を迅速に知る必要があります。
- 採用担当者として、私はロールに最適な候補者に集中できるように、応募者について迅速に判断し、次に進む候補者を選ぶ必要があります。
この 2 つの文章から、何らかの自動化が必要であることは明らかです。どちらのユーザーも、手動プロセスを気にしたり、応答を待ったりせずに自分の時間をもっと有効に使いたいと思っています。
あなたのソリューションからメリットを得られそうな会社を調査し、その社内の典型的なロールを探すと、ソリューションを関連付けやすくなる可能性があります。
ユーザーストーリーをタスクに分割します。
サポートするのは誰か、どのようにビジネス問題を解決するかを考えるときに、ユーザーストーリーを具体的なタスクに分割することをお勧めします。応募者を不採用にするには、次のようなタスクが必要です。
- 応募者レコードに [不採用] または [続行] のカスタム項目を作成します。
- [不採用] のメールテンプレートを作成します。
- [不採用] が選択されたらメールを送信する自動ワークフローを作成します。
ソリューションがユーザーストーリーの目標を達成しているかテストします。
ユースケースの作成で重要なのがテストケースの文書化です。テスターはテストケースを使用してソリューションが意図したとおりに機能することを検証し、対処すべき問題を特定します。
引き続き社員募集アプリケーションについて考えましょう。採用担当マネージャーは、応募者と面接するか、不採用にするかを簡単にタグ付けできるようにしたいと考えています。その目標をサポートするテストケースは次のようになります。
- 応募者を選択し、[不採用] を選択します。
- 自動メールが送信されたことを確認します。
- 応募者を選択して [続行] を選択します。
- 不採用メールが送信されていないことを確認します。
必ずユーザーストーリーごとにテストケースを定義します。
ユーザーストーリーを定義すると、どのような問題を誰のためにどのような方法で解決するのかを記述しやすくなります。これらはビジネスケースの主要な構成要素です。
ビジネスケースを作成する
ビジネスケースはドキュメントやプレゼンテーションスライドにできます。プロジェクトの利点を描き、ステークホルダーがこのプロジェクトに投資すべき理由を説明します。ビジネスケースでは提供を予定している商品に焦点を絞り、次の質問に答える必要があります。
誰 (Who) | 何 | 方法 | 日時 | 理由 |
---|---|---|---|---|
ソリューションの影響を受けるのは誰か? |
プロジェクトの目標は何か? |
ソリューションはどのようにビジネスに影響を与えるか? |
プロジェクトはいつ実施されるか? |
プロジェクトはなぜ必要なのか? |
重要なのは、テクノロジーやプロジェクトに関するあなたの知識を盛り込まないことです。ステークホルダーは、プロジェクトの全体的な目的とプロジェクトで得られる投資利益に集中したいと考えています。顧客にとっての利点は何でしょうか? ビジネスはどのように改善されるでしょうか? 詳細は、「イノベーションソリューション」モジュールの「ケースとロードマップを作成する」単元を確認してください。
こちらにビジネスケースの例があります。ビジネスケースには、次のセクションを含める必要があります。
- エグゼクティブサマリー (何?、理由?、方法?)
- プロジェクトの概要、必要な理由、ビジネスへの影響を記述します。
- 現在のプロセス
- 現在のプロセスフローを図で示します。創造力を発揮しましょう。手順が手作業の手動プロセスを描いたり、非効率なプロセスを強調したりします。
- 提案する新しいプロセス
- 提案するプロセスフローを図で示します。新しいプロセスでどのように効率化が進み、何が自動化されるかを詳細に説明します。
- 推奨事項 (理由?、誰?)
- この商品を提案する理由とその利点を説明します。技術的にならずに、この変更によって影響を受けるのは誰かを強調します。
- タイムライン (いつ)
- 大まかにタイムラインを見積もって記述するか、ガントチャートにします。このセクションには、いつ作業が行われるかを詳細に記述します。これはプロジェクト計画に代わるものではありませんが、タイムラインの概要を示せます。
- 経済的影響
- このプロジェクトの予算の概略を示します。部門別コスト内訳を提示し、新しいプロセスで節約されるコストと時間を見積もります。
実務では、プロジェクトをガイドし、リソースを管理し、制約を監視するためのプロジェクト計画も作成します。プロジェクト計画の作成はこのモジュールの範囲外であるため、詳細は「Project Management Plan Lite (プロジェクト管理計画 Lite)」モジュールで確認してください。
次のセクションでは、実際に機能するデモを作成する方法と、デモを将来の雇用主に向けて実施するための準備方法について学習します。