サービスエージェントのトレーニングと維持
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 優秀なエージェントの資質を見極める。
- エージェントの技術的スキルのトレーニング計画を作成する。
- 離職低下計画を作成する。
昨今のカスタマーサービスはさまざまな技術的進歩に支えられています。自動化やボット、オンラインセルフサービスなど、これらすべてはカスタマーエクスペリエンスを向上させるものですが、それでもまだ誰かと話をしたいと強く望む顧客がいます。なかには特別な配慮が必要な問題があります。コンタクトセンターで優秀なエージェントを見つけることが重要なのはこのためです。この単元では、Salesforce がどのようにして業界で最も優秀なエージェントを採用し、維持しているかを学習します。
人間性で採用
サクセスセンターでは、人間性を重視して採用しています。Salesforce は信頼を最大の価値としているため、お客様の信頼を築いて維持する方法を理解しているエージェントを探しています。候補者と面接をするときには必ず、チームワーク、コラボレーション、多様性の尊重に関する例を挙げてもらっています。採用者は Salesforce の Ohana (ハワイ語で家族を意味する) の一員となるからです。
Salesforce の価値を理解する人を求める一方で、理想的な候補者は基本的なレベルの技術的な専門知識を備えていることが必要です。エージェントの技術的な専門知識は育てていくことができますが、人間性についてはそうはいきません。Salesforce は心の知能を持つエージェントを採用しています。つまり、顧客と自分自身の精神的状態を認識できる人物です。心の知能を持つエージェントは、共感的なコミュニケーションを取る能力に長けているので、たとえ難しい状況であっても、顧客は理解され、感謝されていると感じます。お客様とエージェント両方の成功をサポートしたいと考えているので、Salesforce では自社のコンタクトセンターを「サクセスセンター」と呼んでいます。Salesforce はお客様と自分自身の仕事上の成長を重んじる豊かな人間性を持つ人材を常に探しています。
技術的な専門知識のトレーニング
Salesforce サクセスセンターで働くには、技術的な専門知識が要求されます。これを避けて通ることはできません。継続的なトレーニングは私たちの仕事の重要な部分です。採用後最初に必要なことを学ぶために、エージェントは一連の認定資格を取ります。目標は 90 日以内に基本レベルの認定資格を取得することです。すべてのエージェントに毎月認証評価を受けるという継続的な要件があり、年 3 回行われるリリースごとに製品準備トレーニングを受講する必要があります。
離職への取り組み
離職を減らすためにできる最大の対策は、サクセスセンターで楽しい家族のような雰囲気を促進することです。ボランティアと地域社会に貢献する大々的な取り組みがあります。私たちの文化のこの側面は、当社の 1-1-1 モデルから来ています。Salesforce は利益の 1% を慈善団体に、製品の 1% を非営利団体に、そして私たちの時間の 1% をチャリティのボランティアに提供します。職場を楽しくする別の方法として、エージェントには各自のデスクを飾ったり、本来の自分を職場で表現することを奨励しています。また、人間関係づくりを促進するためにレクリエーションやチームで食事をシェアする時間を取っています。
エージェントに機会を提示する
Salesforce では、自分に将来性があることをエージェントが理解し、存在するさまざまなチャンスを示すために懸命に取り組んでいます。継続的なトレーニングと能力開発は、現在続いている離職への取り組みにとってどちらも重要です。最初の 90 日が過ぎたら、知識を深め、視野を広げる機会を提供するためにすべての従業員向けに考案された学習パスがあります。サクセスセンターでは、エージェントは動き回ったり、新しいスキルグループを試したりすることが奨励されています。これは、エージェントの仕事に対するエンゲージメントを維持するのに役立ちます。
エージェントのスキルセットをよりいっそう伸ばすために、Service Cloud Specialist Superbadge (Service Cloud スペシャリスト Superbadge)などの上級トレーニングを認定する Superbadge を Trailhead に作成しました。これは関係者全員にとってとても有意義な体験だったため、さらに発展させて Trailblazers for the Future を作成しました。これはお客様のコンタクトセンターに勤務するエージェントにトレーニングを提供する一連のライブ対面セミナーです。サクセスセンターで行うトレーニングにヒントを得て、世界中のコンタクトセンターでのトレーニングの提供を開始しました。Salesfoce は、ワークショップや Trailhead コンテンツ、コミュニティを通してソフトスキルとビジネススキルのトレーニングを提供できるようになったので、あらゆる場所のコンタクトセンターが第 4 次産業革命におけるサービスを利用できるようになります。また企業は、Salesforce のカスタマーサポート担当と同じように、自社のエージェントに「Service Cloud Specialist (Service Cloud スペシャリスト)」Superbadge で Service Cloud について詳細に学習させることもできるでしょう。
結論
このモジュールでは、昨今のコンタクトセンターの技術的側面について多くのことを学びましたが、カスタマーエクスペリエンスの真の中心は人です。この単元では、Salesforce がどのようにして優秀なエージェントをトレーニングし、維持しているかについて説明しました。これらのヒントを、お客様のコンタクトセンターのさらなる成功に役立ていただければ幸いです。