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レコードの積み上げ集計について

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 金融サービス業界の変化について説明する。
  • ウェルスマネージャーが直面している課題について説明する。
  • レコードの積み上げ集計を定義する。
  • グループレベルの積み上げ集計をサポートするオブジェクトを挙げる。

金融サービス業界の変化

金融サービス業界は完全接続の時代を迎え、大きなデジタルディスラプションを経験しています。企業はお客様のニーズを予測して満たすことを期待されています。カスタマーエクスペリエンスで重要なのはセールストークではなく、お客様が話を聞いてもらったと感じて企業とのつながりを見出すことになっています。プロアクティブでパーソナライズされ、一貫性のあるエンドツーエンドのエクスペリエンスが得られなければ、お客様はいとも簡単に他の企業に移ってしまいます。

古い西部の街並みを乗合馬車で駆け抜けるカウボーイの画像。「商品中心の販売」、「ロイヤルティの危機」、「旧式のシステム」と書かれた 3 棟の建物がある。道路の先の遠方に「Financial Services Cloud」という都市が見える。新築の超高層ビルの背後から光が射している。

Cumulus Cloud Corporation の紹介

Cumulus Cloud Corporation は全国で多様な金融サービスを提供する大手企業で、本社はペンシルバニア州ピッツバーグにあります。「Financial Services Cloud で顧客ロイヤルティを促進」トレイルでバッジをすでに獲得している場合は、この会社の重要なチームメンバーを覚えているのではないでしょうか。あらためてご紹介します。

Ryan Dobson は、パートタイムのシステム管理者であり、フルタイムのウェルスマネージャーおよびファイナンシャルアドバイザーでもあります。クライアントの金融面でのニーズや目標を理解しようと熱心に取り組み、クライアントのファイナンス計画を立て、将来を保証するために人一倍の努力をしています。これが、Ryan が Cumulus にとって貴重な人材である理由です。

もちろん、これらすべてを Ryan 1 人でできるわけではありません。クライアントアソシエートとして補佐してくれる Srilakshmi Maajid (愛称 Sri) がいます。Sri が計画、整理、スケジュールの面で補佐してくれるおかげで、Ryan のようなファイナンシャルアドバイザーは顧客の成功を支援するという重要な仕事に集中できます。Sri は自分の仕事に熱意を持っていて、プロセスを改善する機会を常に探しています。

最後に、カスタマーサービスとテクノロジーにおける最新の業界トレンドに Cumulus が遅れを取ることがないように、たゆまぬ努力を続けている有能なシステム管理者、Matt を忘れることはできません。 

ウェルスマネジメントの課題

Ryan のようなアドバイザーやウェルスマネージャーは大量のクライアントデータを管理しています。ただし、そうならないように努めていても、重要な情報を見逃すこともあります。たとえば、重要な富裕層のお客様である Rachel Adams のクロスセル商談がそうです。Rachel の夫である Nigel は最近ナイトクラブビジネスを拡張したのですが、Ryan は話のついでに Rachel が教えてくれたことで初めてそれを知ったのでした。Nigel の事業の財務面も Cumulus に管理させてもらえるように Rachel を説得できていればよかったのに、と Ryan は思いました。とはいえ、これは Ryan のせいではありません。人間の頭脳だけでできることは限られています。 

横並びの画像。左側の画像は、砂漠の川で砂金をより分けている採金者。金を見つけられずにがっかりしているように見える。右側の画像は技術を駆使する採掘者。泥土をすばやくふるいにかける機械を使って大きな金片を見つけ、喜んでいる。

ゴールドラッシュ時代のことを振り返ってみましょう。採掘者は泥土をふるいにかけて砂金を取り出すことがなかなかできませんでした。何年も採掘を続けた後、ようやくもっと効率的に作業を進める新しい技術が必要であることに気が付きました。革新的な採掘者と同様、金融サービスプロバイダーも未来に到達するためにより良い道具と技術を必要としています。 

レコードの積み上げ集計 

幸い、Ryan には希望があります。Financial Services Cloud のレコードの積み上げ集計を使用すれば、大量の顧客情報をクライアントレベルまたはグループレベルで統合、集計して表示できます。 

レコードの積み上げ集計では、Financial Services Cloud の多数のオブジェクトの関連レコードから情報を集計し、幅広いコンテキストで顧客データにアクセスできるフレームワークが提供されます。その意味をご説明します。

Ryan のようなウェルスマネージャーはレコードの積み上げ集計を使用することで、待望の顧客コンテキストを得ることができます。この便利な機能を使えば、お客様の個人的なネットワークを認識することができます。Ryan は各お客様について、配偶者や子どもなどのプライマリ世帯と両親などのその他の世帯の集計して要約された金融情報を表示できます。さらにレコードの積み上げ集計では、信託、大学進学資金計画、弁護士、会計士、その他の金融面での関係者などの多様な項目をリンクできます。

レコードの積み上げ集計を使用して、Ryan は Rachel Adams の金銭的リレーションをクライアントリレーションシップマップで視覚化します。クライアントリレーションシップマップに Rachel のリレーションツリーが表示されます。このツリーには次の要素が含まれます。

  • Rachel のプライマリ世帯 (クライアントである Rachel とその配偶者の Nigel)
  • Symonds 世帯 (Rachel とその父親の Neil)
  • 関連信託口座および関連取引先責任者リスト

Rachel Adams の 2 つの世帯、関連取引先、関連取引先責任者が表示されているリレーションシップマップ。

リレーション以外にも、Financial Services Cloud のレコードの積み上げ集計には Rachel のすべての金銭的リレーションが 1 か所に表示されます。取引先ビューに投資口座、貸方口座、預金口座、保険契約などがリスト表示されます。Ryan は、Rachel Adams のすべての口座または世帯全体のすべての口座の集計を確認できます。世帯レベルでも、レコードの積み上げ集計では彼女が属する複数の世帯を追跡できます。

  • 夫の Nigel Adams の口座が含まれる Adams 世帯。これは Rachel のプライマリグループで、Rachel はこのグループのプライマリメンバーでもあります。
  • 父親の Neil の金融口座が含まれている Symonds 世帯。これは Rachel のセカンダリグループであり、Rachel の父親がグループのプライマリメンバーです。

クライアントレベルのレコードはデフォルトで集計されます。追加設定は必要ありません。グループレベルの積み上げ集計を有効にすると、すべてのプライマリグループメンバーの関連レコードを集計できます。

Rachel Adams の金融口座。

グループレベルでレコードの積み上げ集計を有効にすると、対応するすべてのレコードに Household__c 参照項目のプライマリグループのスタンプが付けられます。このため、これらのレコードは対応するコンポーネントまたは関連リストではグループレベルで表示されます。

メモ


Household__c 項目は変更しないでください。この項目を変更すると、グループレベルの積み上げ集計に一貫性がなくなる可能性があります。

すべてのプライマリメンバーで、グループレベルの積み上げ集計がサポートされています。

グループレベルの積み上げ集計をサポートするオブジェクト

オブジェクト

表示できる場所

Type (データ型)

金融口座

金融口座リスト、金融口座ロール、銀行口座、投資口座、保険契約    

コンポーネント

投資運用ゴール

投資運用ゴール    

コンポーネント

資産と債務

資産と債務    

コンポーネント

紹介

関心が示された紹介リスト、作成された紹介リスト    

コンポーネント

イベント

活動

関連リスト

ToDo

活動

関連リスト

商談

世帯商談

関連リスト

ケース

世帯ケース

関連リスト

請求

世帯請求

関連リスト

請求参加者

世帯請求関係者    

関連リスト

保険契約

世帯保険契約    

関連リスト

保険契約参加者    

世帯保険契約関係者    

関連リスト

このようにさまざまなオブジェクトでレコードレベルの積み上げ集計がサポートされているため、Ryan は Adams 世帯または Symonds 世帯に関連するすべてのケース、商談、活動を 1 か所に表示できます。 

Nigel Adams が最近拡張したナイトクラブビジネスのクロスセル商談を見逃したことを覚えていますか? レコードの積み上げ集計によって、お客様の金銭的リレーションのあらゆる角度の情報を集計できるようになり、それは過去の話になりました。  

レコードの積み上げ集計によって、Cumulus とのすべてのタッチポイントでのカスタマーエクスペリエンスが大幅に向上することは明らかです。システム管理者の Matt はその可能性にワクワクしています。このモジュールの残りの部分では、彼が Ryan や他のウェルスマネジメント部門のメンバーと協力して、この機能を設定する様子を見てきます。  

リソース

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