キューベースのルーティングの概要
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- キューベースのルーティングのしくみを説明する。
- オムニチャネルが作業項目の優先度を決定する方法を説明する。
- オムニチャネルにキューベースのルーティングを設定する。
キューベースのルーティングのしくみ
Ursa Major Solar の果敢なシステム管理者 Maria Jimenez は、オムニチャネルでキューベースのルーティングを試す準備を整えました。開始する前に、キューベースのルーティングがどのように作業を担当者に転送するかを知っておく必要があります。
重要度順に作業を担当者に転送
作業に重要度で優先順位を付け、最優先の作業をすばやく解決することが、コンタクトセンターの最優先事項です。
Maria が調べたところ、オムニチャネルでは使用するルーティング方法に関係なく、常に同じ方法で作業に優先度が設定されます。オムニチャネルでは、3 つの要因を使用して作業項目に優先度を設定します。
- まず、作業項目の発生元であるキューの優先度を考慮します。
- 次に、作業項目がキューで待機していた時間を考慮します。
- 最後に、新しい作業項目を受け入れ可能なキューのメンバーを考慮します。
作業と担当者をキューに整理する
キューベースのルーティングを設定するときには、キューを作成してから、キューの優先度を設定し、担当者をキューに割り当てます。キューは、オムニチャネルが作業をドロップするさまざまなバケットであると考えることができます。キューはスキル (スペイン語など) を表すことも、専門知識 (技術的なトラブルシューティングなど) や会社の部門 (請求など) を表すこともあります。
ルーティング設定を定義する
次に、ルーティング設定を作成して、さまざまなオブジェクトのサイズと優先度を設定し、オムニチャネルが使用するルーティングモデルを選択します。ルーティング設定によって、オムニチャネルが作業を担当者に転送する方法が決まります。
たとえば、リアルタイム Web チャットの優先度はケースよりも高くなる可能性があります。今すぐ担当者と話したい顧客がチャットの向こう側にいるためです。ケースのサイズはチャットより大きくなる可能性があります。ケースの作業にかかる担当者の時間と労力は、往々にして Web チャットへの対応よりも多くなるからです。
ルーティングモデルでは、作業を [Least Active (対応中件数が最小)] と [Most Available (対応余力が最大)] のどちらの担当者に転送するかを選択できます。[Least Active (対応中件数が最小)] を選択すると、オムニチャネルは、受信した作業項目をオープン中の作業量が一番少ない担当者に転送します。[Most Available (対応余力が最大)] を選択すると、オムニチャネルは、受信した作業項目を作業項目の業務量とオープン中の作業項目の差が一番大きい担当者に転送します。
担当者の作業負荷の管理
オムニチャネルでは、作業項目を転送するとき、担当者の受け入れ可能な作業量と現在の対応可能状況を考慮します。そのため、ある担当者が過負荷なのに他の担当者が作業待ちになることはありません。
担当者業務量の管理
担当者業務量では、担当者に割り当てられている作業項目の数と種別、および担当者の全体的な余力を調べます。作業の種別 (ケース、チャットなど) ごとに、担当者の余力がどのぐらい必要かを表す業務量の単位を指定します。さらに、担当者に、100% の業務量で作業している場合を示す総業務量を指定します。
たとえば、ケースごとに 5 業務量、チャットごとに 2 業務量が必要だとします。ある担当者の総業務量が 10 とします。この場合、担当者は一度に 2 つのケース (5+5=10) を処理できます。または、一度に 1 つのケースと 2 つのチャット (5+2+2=9) を処理できます。オムニチャネルが担当者の総業務量を超えて作業を割り当てることはありません。担当者業務量によって、担当者は過負荷にならずに高品質のカスタマーサービスを提供できるようになります。
担当者が対応可能か把握する
担当者の対応可能状況では、オムニチャネルユーティリティで担当者のプレゼンス状況を調べます。プレゼンス状況は、担当者が所定のサービスチャネルでさらに作業を受け入れられるかどうかを示します。プレゼンス状況は、メッセージアプリケーションや Web チャットアプリケーションの対応可能インジケーターのようなものです。エージェントが余力なし、昼休み中、オフラインの場合、オムニチャネルは作業を割り当てません。オムニチャネルは、所定のサービスチャネルに対するプレゼンス状況が Available (対応可能) の担当者にのみ作業を割り当てます。
オムニチャネルを使用すると、担当者がキューから割り当て作業を手動で選択する必要がなくなり、全員の時間、労力、知力が節約されます。担当者が割り当て作業に対応しやすくなるため、顧客をより迅速かつ効率的にサポートでき、割り当て作業がより早く完了します。
キューベースのルーティングの設定
キューベースのルーティングに関する理解が深まったので、Maria は Ursa Major Solar での試行に取りかかることにします。Maria は Salesforce Lightning Experience にログインし、Salesforce Go に移動して機能をすばやく設定します。この際、キューベースのルーティングの設定手順を示すケースルーティングのガイド付き設定フローがあることに気が付きました。これは便利です。
- 右上の設定アイコン
を選択してから、[Salesforce Go] を選択します。
- 検索バーで、[Case Routing (ケースルーティング)] を検索して選択します。
-
[Get Started (始めましょう)] を選択します。
-
[Turn On (有効化)] ボタンを選択して、ケースルーティングをオンにします。
オムニチャネルが有効になったところで、Maria は優先度の高いケース用のキューの作成に進みます。このキューを設定すれば、緊急度の高い作業を対応可能な担当者に自動的に割り当てることができます。そのために、まず自分に必要な権限が付与されているかどうかを確認します。
- 設定アイコン
の [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Users (ユーザー)] を検索して選択します。
- ユーザーリストで自分の名前を選択します。
- [Permission Set Assignments (権限セットの割り当て)] で [Edit Assignments (割り当ての編集)] を選択します。
-
[Service Cloud User (Service Cloud ユーザー)] を選択して、[Enabled Permission Sets (有効な権限セット)] リストに追加します。
- 変更を保存します。
権限の設定が完了したら、後は新しいキューを作成し、このキューのメンバーへの作業の割り当て方法を定義するルーティングロジックを作成するだけです。Maria がどのように行うのか見てみましょう。
- 設定アイコン
の [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Routing Configurations (ルーティング設定)] を検索して選択します。
-
[新規] を選択します。
- [Routing Configuration Name (ルーティング設定名)] に
High-Priority Cases(高優先度のケース) と入力します。
- [Routing Priority (ルーティング優先度)] に
1と入力します。優先度は、どの作業レコードがどの順番で担当者に割り当てられるかを決定します。
- [Routing Model (ルーティングモデル)] で [Least Active (対応中件数が最小)] を選択します。この場合、新しい作業項目はそれぞれ、未完了の作業が最も少ない担当者に割り当てられます。
- 最後に、担当者が 1 つの作業項目にどのくらいの業務量を必要とするかを定義します。このために、[Units of Capacity for In-Progress Work Items (処理中の作業項目の業務量の単位数)] 項目に
5と入力します。
- 変更を保存します。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Queues (キュー)] を検索して選択します。
-
[新規] を選択します。
- [Label (表示ラベル)] に
High-Priority Cases(高優先度のケース) と入力します。
-
[Routing Configuration (ルーティング設定)] 項目のルックアップボタンを使用して、事前に作成した [High_Priority_Cases] 設定を検索して選択します。
-
[Case (ケース)] を選択し、[Selected Objects (選択されたオブジェクト)] リストに追加します。
- [Available Members (選択可能なユーザー)] リストで自分の名前を選択し、[Selected Members (選択済みのユーザー)] リストに追加します。
- 変更を保存します。
これで、Ursa Major Solar でキューベースのルーティングが稼働します。オムニチャネルを有効にして、権限とルーティングルールを設定し、高優先度キューを構築した Maria は、緊急性の高いケースを適切な担当者に自動的に転送しています。手動の割り当ても推測も、もう必要ありません。
これはサポートチームにとって大きなメリットですが、まだまだ学ぶことがあります。キューベースのルーティングは、対応可能状況と業務量に基づいて作業を割り当てる際には適していますが、ケースによっては担当者の実際の知識に基づいて割り当てる必要のある場合があります。次の単元では、スキルベースのルーティングを一歩前進させる方法を見ていきます。
リソース
