キューベースのルーティングの概要
学習の目的
- キューベースのルーティングのしくみを説明する。
- オムニチャネルが作業項目の優先度を決定する方法を説明する。
- オムニチャネルにキューベースのルーティングを設定する。
一緒にトレイルを進みましょう
エキスパートの説明を見ながらこのステップを実行したい場合は、次の動画をご覧ください。これは「Trail Together」(一緒にトレイル) シリーズの一部です。
(この動画は 3:40 の時点から始まります。戻して手順の最初から見直す場合はご注意ください。)
キューベースのルーティングのしくみ
Ursa Major Solar の果敢なシステム管理者 Maria Jimenez は、オムニチャネルでキューベースのルーティングを試す準備を整えました。開始する前に、キューベースのルーティングがどのように作業をエージェントに転送するかを知っておく必要があります。
重要度順に作業をエージェントに転送
作業に重要度で優先順位を付け、最優先の作業をすばやく解決することが、コンタクトセンターの最優先事項です。
Maria が調べたところ、オムニチャネルでは使用するルーティング方法に関係なく、常に同じ方法で作業に優先度が設定されます。
- まず、作業項目の発生元であるキューの優先度を考慮します。
- 次に、作業項目がキューで待機していた時間をを考慮します。
- 最後に、新しい作業項目を受け入れ可能なキューのメンバーを考慮します。
キューベースのルーティングを設定するときには、キューを作成してから、キューの優先度を設定し、エージェントをキューに割り当てます。キューは、オムニチャネルが作業をドロップするさまざまなバケットであると考えることができます。キューはスキル (スペイン語など) を表すことも、専門知識 (技術的なトラブルシューティングなど) や会社の部門 (請求など) を表すこともあります。
ルーティング設定を定義する次に、ルーティング設定を作成して、さまざまなオブジェクトのサイズと優先度を設定し、オムニチャネルが使用するルーティングモデルを選択します。ルーティング設定によって、オムニチャネルが作業をエージェントに転送する方法が決まります。
たとえば、リアルタイム Web チャットの優先度はケースよりも高くなる可能性があります。今すぐエージェントと話したい顧客がチャットの向こう側にいるためです。ケースのサイズはチャットより大きくなる可能性があります。ケースの作業にかかるエージェントの時間と労力は、往々にして Web チャットへの対応よりも多くなるからです。
ルーティングモデルでは、作業を [対応中件数が最小] と [対応余力が最大] のどちらのエージェントに転送するかを選択できます。[対応中件数が最小] を選択すると、オムニチャネルは、受信した作業項目をオープン中の作業量が一番少ないエージェントに転送します。[対応余力が最大] を選択すると、オムニチャネルは、受信した作業項目を作業項目の業務量とオープン中の作業項目の差が一番大きいエージェントに転送します。
エージェントの作業負荷の管理
オムニチャネルでは、作業項目を転送するとき、エージェントの受け入れ可能な作業量と現在の対応可能状況を考慮します。そのため、あるエージェントが過負荷なのに他のエージェントが作業待ちになることはありません。
エージェント業務量を管理するエージェント業務量では、エージェントに割り当てられている作業項目の数と種別、およびエージェントの全体的な余力を調べます。作業の種別 (ケース、チャットなど) ごとに、エージェントの余力がどのぐらい必要かを表す業務量の単位を指定します。さらに、エージェントに、100% の業務量で作業している場合を示す総業務量を指定します。
たとえば、ケースごとに 5 業務量、チャットごとに 2 業務量が必要だとします。あるエージェントの総業務量が 10 とします。この場合、エージェントは一度に 2 つのケース (5+5=10) を処理できます。または、一度に 1 つのケースと 2 つのチャット (5+2+2=9) を処理できます。オムニチャネルがエージェントの総業務量を超えて作業を割り当てることはありません。エージェント業務量によって、エージェントは過負荷にならずに高品質のカスタマーサービスを提供できるようになります。
エージェントが対応可能か把握するエージェントの対応可能状況では、オムニチャネルユーティリティでエージェントのプレゼンス状況を調べます。プレゼンス状況は、エージェントが所定のサービスチャネルでさらに作業を受け入れられるかどうかを示します。プレゼンス状況は、メッセージアプリケーションや Web チャットアプリケーションの対応可能インジケーターのようなものです。エージェントが余力なし、昼休み中、オフラインの場合、オムニチャネルは作業を割り当てません。オムニチャネルは、所定のサービスチャネルに対するプレゼンス状況が Available (対応可能) のエージェントにのみ作業を割り当てます。
オムニチャネルを使用すると、エージェントがキューから割り当て作業を手動で選択する必要がなくなり、全員の時間、労力、知力が節約されます。エージェントが割り当て作業に対応しやすくなるため、顧客をより迅速かつ効率的にサポートでき、割り当て作業がより早く完了します。
キューベースのルーティングの設定
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに
「オムニチャネル設定」
と入力し、[オムニチャネル設定] を選択します。 - [オムニチャネルの有効化] を選択します。
- [保存] をクリックします。
- アプリケーションランチャー で、[サービスコンソール] を見つけて選択します。
- 右上隅にある歯車アイコン をクリックします。
- [サービスの設定] をクリックします。
- [推奨設定] で、[すべて表示] をクリックします。
-
[Omni-Channel Setup (オムニチャネルの設定)] までスクロールして選択するか、[クイック検索] ボックスに
「オムニチャネル」
と入力します。 - [開始] をクリックします。
- キューを作成します。
- [キュー名] に
「High-Priority Cases」
(高優先度のケース) と入力します。 - [これらのエージェントに名前を付ける] に、権限セットの名前を入力します。Maria は
「Tier1 Agents」
(Tier1 エージェント) と入力します。 - エージェントをキューに追加します。エージェントの名前の横にある [+] 記号をクリックすることも、エージェントを検索することもできます。キューのエージェントのリストに自分の名前を必ず追加してください。
- [キュー名] に
- [次へ] をクリックします。
- 既存のルーティング設定が定義されていない場合は、[エージェントの作業に優先度を付ける] が表示されます。キューのルーティング設定を作成するには、優先度を「1」に設定して、[次へ] をクリックします。
優先度はどの作業レコードをどの順番でエージェントに割り当てるかを決定します。たとえば、このルーティング設定に1
を入力すると、優先度が最も高くなります。最初のキューを設定したときは、唯一のキューであるため、自動的に優先度 1 が割り当てられます。この優先度は他のキューを追加するときに変更できます。
メモ: この画面が表示されない場合は、ルーティング設定が自動的に生成されます。そのため、次のステップに自動的にスキップします。 - エージェントの作業負荷を調整します。
- [作業項目サイズ] に、1 つの作業項目で消費されるエージェントの業務量を設定します。Maria は
「5」
を入力します。 - [エージェント業務量] に、エージェントの総業務量を設定します。Maria は
「20」
を入力します。
- [作業項目サイズ] に、1 つの作業項目で消費されるエージェントの業務量を設定します。Maria は
- [次へ] をクリックします。
- [完了] をクリックします。