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注文概要を使用して注文を管理する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 注文と注文概要の違いを説明する。
  • 注文、変更注文、注文概要の関係を説明する。
  • 注文概要に記載されている情報を識別する。

注文データを単一ビューで表示して注文管理を簡素化する

注文を更新したり、顧客からの問い合わせに対応したりする際に、必要な情報を探すのに苦労することがどのくらいありますか? 注文データを取得するためにさまざまなシステムを次々とクリックしたり、サポートしてくれる他のチームの担当者を探したりすることが頻繁にありませんか? おそらく、多少はこのような問題に直面し、問題を解決するために実行可能な解決策を見つけるのに苦労したことがあると思います。

複数のシステムにアクセスしたり、複数のレコードをクリックしたりすることなく、必要な情報を一度に確認できたらすばらしいと思いませんか? それなら、これはあなたにぴったりのモジュールです。Salesforce Order Management (注文管理) では、すべてのチャネルからあらゆる注文処理データと活動データを注文概要という 1 つのレコードに集めることで、情報の無秩序な状態を解消できます。

ただし、この「注文概要」は、通常の受注書や請求書に添付される、商品、価格、税金、手数料が記載された注文詳細のスナップショットと混同しないようにしてください。そちらのタイプの注文概要は、情報の氷山の一角に過ぎません。

[代替テキスト: 注文概要が注文管理の氷山の一角に過ぎないことを示す注文管理の図。]

Salesforce Order Management (注文管理) の注文概要は、注文情報を単純に再現したものではなく、それをはるかに超えるものです。これは、注文の受理から履行、支払収集、出荷、納品、サービスに至るまですべての注文情報を統合したデータオブジェクトであり、1 つのビューに表示されます。

注文概要はよく使用される情報ハブであり、ここでは次のような注文関連のすべての質問に対する回答を見つけることができます。

  • 注文の実行者と送信日は?
  • 注文の内容 (商品、数量、価格) は?
  • 割り振られた品目は?
  • 履行された品目は?
  • キャンセルまたは返品できる品目は?
  • キャンセルされた品目は?
  • 返品された品目は?
  • 品目の納入先と配送方法は?
  • 承認、捕捉、および請求された金額は?
  • 返品された品目に対して返金された金額は?
  • 注文が送信された後の注文に対するすべての活動の表示場所は?

注文管理オブジェクト

注文概要のすばらしい機能を十分に理解するには、Salesforce オブジェクトについてもう少し知っておく必要があります。ここで、主要な概念をいくつか確認しておきましょう。

オブジェクト: オブジェクトとは、特定のレコードタイプのデータを保存する Salesforce データベースのテーブルです。たとえば、注文オブジェクトは注文レコードのデータを保存するテーブルです。

注文管理では、オブジェクトを使用して、注文が注文ライフサイクルを進行するときの注文の各要素を表します。このオブジェクトの一部は標準の Salesforce オブジェクトであり、一部は Salesforce Order Management (注文管理) ライセンスでのみ使用できます。

たとえば、Salesforce の標準オブジェクトには次のようなものがあります。

  • クレジットメモ
  • 請求書
  • 注文

一方、Salesforce Order Management (注文管理) ライセンスが必要なオブジェクトには次のようなものがあります。

  • 履行注文
  • 履行注文商品
  • 注文概要

概要オブジェクト: 概要オブジェクトは特殊なタイプのオブジェクトです。概要オブジェクトには、基盤となるデータオブジェクトのデータが入力されます。たとえば、注文概要オブジェクトでは、データは元のトランザクション注文を表す基盤となる注文オブジェクトから取り込まれます。

注文管理では、概要オブジェクトを使用して、注文データの動的ビューが提供されます。通常、ユーザーは基盤となるオブジェクトではなく概要オブジェクトを操作します。たとえば、サービス担当者が顧客の情報を参照する場合、元の注文ではなく注文概要を検索します。

変更注文オブジェクト: 変更注文オブジェクトは、注文内の商品のキャンセルなど、請求や支払に影響する注文に対する変更を表します。変更注文オブジェクトでは、対応する注文概要オブジェクトが更新されますが、注文オブジェクト内の元の注文詳細は変更されません。変更注文は実質的な変更によってのみ生成されます。履行ワークフローの一部である通常の更新では、変更注文は生成されません。

メモ

Salesforce Order Management (注文管理) に含まれるすべての注文オブジェクトの説明については、この単元の末尾にある「リソース」セクションの「Order Management Objects (注文管理オブジェクト)」リンクを参照してください。

注文と注文概要

オブジェクトに関する Salesforce の用語に慣れてきたところで、次は注文オブジェクトと注文概要オブジェクトを詳しく見ていきましょう。わかりやすくするため、これ以降は注文と注文概要と呼ぶことにします。

顧客が e コマースストアから注文を送信すると、注文トランザクションの詳細が Salesforce Order Management (注文管理) に送信されます。注文受理により、注文と注文概要の作成がトリガーされます。元の注文トランザクションを表す注文が注文概要の基盤になります。

この時点で、注文概要のすべての情報が注文の情報と照合されます。

これで、元の注文がロックされます。

トランザクション注文属性

注文概要属性

  • 注文の作成 (注文) や注文の変更 (変更注文) など、顧客のインテントを表します。
  • 1 つの注文概要に関連付けられます。
  • 有効化後は変更されません。
  • 記帳のレポートに使用できます。
  • 履行のステータス、注文の変更、割引、キャンセル、返品、返金、再配送など、注文の現在のステータスを 1 つのビューで表します。
  • 元の注文 (トランザクション) オブジェクトなしでは存在できません。
  • 注文の財務データについては参照のみです。

Salesforce Order Management (注文管理) では、後続のすべての注文活動を追跡するために追加のオブジェクトが作成されます。このようなオブジェクトは、商品、支払、配送などの特定の注文要素を表します。注文が注文ライフサイクルの各フェーズを移動するにつれて、このようなオブジェクトのデータによって注文概要に表示される情報が動的に更新されます。このようなオブジェクトで表されるレコードには、注文管理コンソールの [Order Summary (注文概要)] ページで提供されるリンクからアクセスできます。注文概要は注文のすべての詳細を 1 つの統合ビューにまとめて取り込みます。これは、履行の前後および履行中の注文の管理やサービスに役立つ可能性があります。

以下は、注文概要で実行可能な高度なアクションの数例です。

アクション

説明

注文概要を B2C または B2B に分類する

注文概要オブジェクトの項目を使用して、注文種別 (B2C または B2B) を指定します。Connect in Apex メソッド、Connect REST API エンドポイント、フローコアアクションを使用して注文概要を作成する場合、必要に応じてこの値を入力プロパティとして指定できます。

アクションを使用して注文品目を追加し、在庫の取得とルートの検索を組み合わせる

[Add Order Item Summary (注文品目概要を追加)] フローコアアクションを使用して、注文品目概要を注文概要に追加します。新しい [Find Routes With Fewest Splits Using OCI (OCI を使用して分割が最も少ないルートを検索)] フローコアアクションを使用して、在庫を検索し、注文概要の分割が最小限になる履行ルートを特定します。このアクションは、既存の [Omnichannel Inventory Service Get Availability (Omnichannel Inventory サービス 在庫の取得)] アクションと [Find Routes With Fewest Splits (分割が最も少ないルートを検索)] アクションを組み合わせたものです。

注文概要が顧客に代わって作成されたかどうかを確認する

顧客に代わって作成された注文は、Omnichannel Inventory に予約がないなど、一定の制限の対象になります。こうした注文を特定するには、注文概要オブジェクトの新しい [Source Process (ソースプロセス)] 項目を使用します。有効な値は、OrderOnBehalf と Standard です。標準の [Create Order Summary (注文概要を作成)] フローではこの値が設定されませんが、注文概要作成プロセスをカスタマイズして設定できます。[Order on Behalf Of (代理注文)] フローで、この値を OrderOnBehalf に設定します。

注文管理商品セレクターコンポーネントを使用して表示する商品情報を追加する

注文商品概要に数量や価格などの項目を追加して、お客様により詳細な商品情報を表示します。注文管理商品セレクターコンポーネントは、Flow Builder でフローに追加できるフローコンポーネントです。

変更注文

これで、注文と注文概要の違いについて確認できたので、次は変更注文について見ていきましょう。

前述のとおり、まず注文概要の情報がトランザクション注文の情報と照合されます。キャンセルや返品など、注文に対して実質的な変更が生じると、Salesforce Order Management (注文管理) で変更注文が作成され、次のように処理されます。

  • 変更の詳細は変更注文に記録されます。
  • 変更注文に含まれる情報を反映するために、注文概要の注文の詳細が更新されます。
  • 元のトランザクション注文の注文詳細は変更されません。

変更注文が作成されるたびに注文概要が更新されるため、注文概要の値は、元の注文および後続のすべての変更注文の対応する値の合計と常に等しくなります。

[代替テキスト: 元の注文とすべての注文変更をまとめた注文概要を示す図。]

Salesforce Order Management (注文管理) では、元の注文を変更するのではなく、変更注文を使用することで、元の注文の静的レコードを維持しながら、注文の変更を簡単に追跡できます。

時として、変更手数料を請求する必要があります。Salesforce Order Management (注文管理) は、返品や注文のキャンセルに対する変更注文手数料の請求をサポートしています。

  • 返品注文を作成するときに、返品手数料がかかる注文品目の入力で、返品手数料商品と手数料の詳細を指定します。
  • Connect REST API、Connect in Apex、フローコアアクションを使用して、簡単な返品やキャンセルを処理するときに手数料を加算できます。また、標準の RMA、[Return Item (品目を返品)] フローや [Cancel Item (品目をキャンセル)] フローをカスタマイズして手数料を処理することもできます
  • RMA、[Return Item (品目を返品)] フロー、[Cancel Item (品目をキャンセル)] フローには、返品やキャンセルの処理時に手数料を請求する機能があります。

代理注文 (OOBO) を使用してカスタマーサービスを強化する

代理注文 (OOBO) または注文エントリを使用して、カスタマーサービス担当者 (CSR) が顧客に代わって直接注文を行えるようにします。

Salesforce の代理注文 (OOBO) があれば、カスタマーサービス担当者 (CSR) が顧客の代わりに直接注文を実行できます。顧客が登録済み買い物客でもゲスト買い物客でも、CSR が OOBO を使用して顧客の注文を効果的に管理できます。

OOBO を Commerce Cloud のツールスイートに統合すれば、CSR が商品の詳細、価格、在庫にリアルタイムにアクセスできるため、いつでも最新情報を確認できます。OOBO は注文を行うだけではありません。注文を簡単に管理でき、顧客満足度を維持できるため、カスタマーエクスペリエンス全体が向上します。

注文データのレポート

注文概要を使用すると、個々の注文のデータを簡単に確認できるようになりますが、場合によっては、日々の注文処理から一歩離れて、全体像を把握する必要があります。すべての注文のデータを収集して確認することで、プロセスの分析、ショッピングの傾向の追跡、改善の機会の特定に役立てることができます。

注文データを取得して分析するには、レポートビルダーツールを使用して、自分用のレポートやチームと共有するレポートを作成します。レポートを作成するには、まずレコードタイプを決定するカスタムレポートタイプを定義します。ユーザーはそのレコードタイプに応じてレポートを作成できます。レポートタイプでは、主オブジェクトとその関連オブジェクトとの関係に基づいて、レポートで使用できるレコードとフィールドのセットを定義します。レポートには、カスタムレポートタイプで定義された条件を満たすレコードが表示されます。

Salesforce Order Management (注文管理) では、次のオブジェクトのカスタムレポートタイプを定義できます。

  • 変更注文
  • クレジットメモ
  • 履行注文
  • 請求書
  • 注文
  • 注文支払概要
  • 注文概要
  • 支払
  • 支払承認
  • プロセス例外
  • 返金
  • 返品注文

カスタムレポートタイプを定義したら、このようなオブジェクトレコードおよびすべての関連オブジェクトレコードからデータを取得するレポートを作成できます。レポートテンプレートを使用すると、注文や販売、履行の状態、返金、キャンセル、割引に関するインサイトを簡単に提示できます。

次のステップ

この単元では、注文、注文概要、変更注文について学習しました。次は、もう少し掘り下げて、Salesforce Order Management (注文管理) を注文履行や支払処理の自動化と管理に役立てる方法を見ていきましょう。

リソース

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