各自のメンタルヘルスに対処する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- セルフケアの実践法を見つける。
- 職場で自分のメンタルヘルスを守る方法について説明する。
- 職場で利用できる福利厚生やメンタルヘルスのリソースについて調べる。
本当のところ、調子はどうですか?
私たちの誰もが時として助けを必要とします。ストレスを引き起こす要因を封じるための助け、新しい課題に立ち向かうための助け、私たちの行動を縛り付けている世代間の対立パターンから脱却するための助け、意図的に一休みする方法を学ぶための助けなどです。
山あり谷あり…、それが人生です。だからこそ、日頃から自分と向き合い、抱いている感情が破滅的なものになっていないか確認することが大切です。万が一、そうした感情によって人間関係 (私生活や仕事の関係) に影響が出ている場合や、集中力や思考力、意欲が低下している場合には、早急に自分のメンタルヘルスを守るための対策を講じます。
定期的に一旦立ち止まり、自分の感情を認識することには無数のメリットがあります。その 1 つは、感情の因果関係を突き止め、自分の人生を幸せの方向に調整できることです。以下に、感情を確認するためのクイックガイドをご紹介します。
- 感情に向き合う。感情を封じ込めるのではなく、認識します。
- 身体を 1 か所ずつチェックする。頭からつま先まで順に確認していきます。鼓動が速くなっていませんか? 肩に力が入っていませんか? リラックスしていますか?
- 心の中を覗いてみる。この瞬間に何を考え、何を感じていますか?
- 判断を下したくなる衝動を抑える。自分の感情や自分自身、他人を批判することなく、自分がどう感じているかに気付きます。
- 習慣にする。まずは 1 日 1 回自分自身と向き合います。5 ~ 10 分程度で簡単にチェックします。
* 「It’s Probably Time for a Self Check-in—Here's How to Do It (自己確認の勧め — その方法)」から引用
メンタルヘルスの保護に取り組む
メンタルヘルスに対処することは継続的なプロセスです。自宅や従来型のオフィスなど、どこにいても、どのような状況であっても、感情面の安全と自分自身をケアするスペースを確保することが大切です。
「言いたいことはわかるが、そんな時間はない」と思うかもしれません。繰り返しますが、自分のメンタルヘルスをケアすることは継続的なプロセスです。1 日のうちにセルフケアの時間を設ける、あるいは一息入れる時間をスケジュールするといった小さな変化によって大きな影響がもたらされることがあります。
この単元では、メンタルヘルスを優先し、各自のメンタルヘルスジャーニーに必要な人々、サポート、リソースを装備して、成功に向けた準備を整える方法を確認していきます。早速始めましょう!
セルフケアを実践する
現在葛藤しているかどうかに関係なく、セルフケアはメンタルヘルスに対処するための重要な要素です。Terri Cheney は『Modern Madness (現代の狂気)』という著書で、「セルフケアの反対はセルフネグレクトである」と述べています。私たちは皆、自分自身に立ち返り、心身を休め、自ら楽しみながらウェルビーイングを高める活動に取り組む時間が必要です。
瞑想する、日課に運動を取り入れる、心身を休める、趣味に没頭するなど、カレンダーにセルフケアの時間を確保して実践します。友人や家族にも伝えて、有言実行します。
ここで実際にやってみましょう。映画監督であり、Goldenair Breathwork の創設者でもある Chris Keener が誘導する簡単な呼吸法に従って、神経を落ち着け、心を明瞭にしてみてください。
レジリエンスを培う
困難や精神的苦痛に対処する健全な方法を見出すこと、つまり、レジリエンスを培うには時間がかかります。レジリエンスは筋肉のようなもので、鍛えれば鍛えるほど強化されます! レジリエンスを備えていれば、逆境から立ち直り、健全な方法でストレスに対処できるようになります。
問題がなくなるわけではありませんが、レジリエンスを身に付けることで機能し続け、問題の先を見据えて計画を立て、行動を起こすことができます。
レジリエンスを培うためのヒント:
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つながりを維持する
人間は元来、社会的な生き物です。(内向的な人々も他者とのつながりを感じなければ満たされません!)けれども、仕事やしなければならない諸々のことに忙殺されると、こうしたつながりを維持することが難しくなります。
気分が落ち込み始めると、なかなか立て直すことができず、人々とつながろうという気力も湧いてきません。友人、家族、自然、地域社会とのつながりを維持することは極めて重要です!
『Journal of Happiness Studies』に発表された調査などの多数の研究で、月に 1 回以上ボランティア活動に参加した人は、参加頻度が低かった人やまったく参加しなかった人よりも、メンタルヘルスが良好であったことが示されています。また、自然に囲まれることで幸福感が高まり、平穏、喜び、創造性などのポジティブな感情が引き起こされます。
健康的な活動に取り組む
ジムでのトレーニングや健康的な食事などの一部の活動が、楽しいと感じられず、セルフケアとも思えないことがあります。けれども、自らに挑戦し、こうした活動を楽しくする方法を見つければ、思っていたよりも目標を達成しやすくなるかもしれません。
ウェルビーイングを楽しみ、優先するようになる方法はたくさんあります。また、会社で実施しているチャレンジや、利用できるリソースも確認する価値があります。自分の身体を労れば、心も健全な状態で維持されるようになります。
協力して取り組む
前述のとおり、あなたが同僚や友人のメンタルヘルスジャーニーをサポートする役割を果たすこともできます。たとえば、友人やチームメイトから燃え尽き症候群の症状に悩んでいると打ち明けられたら、相手の話に耳を傾け、その感情に寄り添い、多くのサポートを受けられるリソースを紹介します。また、周囲の人々や大切な人々の行動の変化に気付いたら、声をかけ、一人ではないことを伝えます。私たちの全員がメンタルヘルスの擁護者になることができます。
まとめ
健康と言うと、大半の人々や組織はまず、栄養の取れた食事、定期的な運動、年に 1 度の健康診断など、身体の健康に意識を向けがちです。実際には、メンタルヘルスも全般的なウェルビーイングの重要な要素です。ウェルビーイングの目標は、身体の健康の維持と同様に、メンタルヘルスにも気を配ることです。そうすれば、最大限に健康で最大限に幸せな自分でいることができます。