エンドツーエンドのサービスライフサイクルをオーケストレーションする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- サービス担当が製造のサービスコンソールを使用して、快適なサービスインタラクションをどのように提供できるかを説明する。
- サービス担当が保証管理を使用して、さまざまな納入商品の保証をどのように追跡できるかを説明する。
- サービス収益と予備部品の予測で高度な取引先販売予測を使用することについて説明する。
- サービスマネージャーがパーソナライズおよびブランド設定されたアンケートをどのように作成できるかを説明する。
サービスエクスペリエンスを変革する
Najma は、サービスチームの課題を迅速に解決するソリューションを知りたいと思っています。ただし、Cindy はまず、チームがどのように仕事をしているかを知る必要があります。
Rayler Parts がビジネスを始めた当初は、営業ビジネスユニットしかありませんでした。ディーゼルおよび代替燃料発電機の新しい商品ラインの販売が急増すると、サポートケースの件数も増えました。まもなく、Rayler Parts のエグゼクティブは長期的な顧客ロイヤルティと信頼の構築をサポートするサービスチームが社内に必要だと気付きました。
現在、サービス部門は主に CSR で構成されています。Rayler Parts の Web サイトから記録された顧客ケースを解決するほか、着信電話にも対応します。CSR の中には、顧客からの商品保証請求を管理する人もいます。さらに、Najma とサービスマネージャーは、顧客への商品メンテナンスに必要な予備部品の在庫を管理する必要があります。
サービスビジネスユニットについて理解した Cindy は、Manufacturing Cloud for Service を Najma に紹介します。Manufacturing Cloud for Service は Service Cloud 上に構築され、エンドツーエンドのサービスジャーニーをオーケストレーションするための機能を備えています。
- 製造のサービスコンソールを使用すると、サービス担当は顧客活動の全体像を把握し、快適かつ有意義なサービスを提供するためのツールを入手できます。
- 保証ライフサイクル管理は、保証マネージャーが商品保証を管理するのに役立ち、保証裁定担当者の請求解決を簡易化します。
- 高度な取引先販売予測は、取引先マネージャーが詳細かつ正確な予測を構築、管理して予備部品を監視するのに役立ちます。
- Salesforce アンケートを使用すると、エージェントは Web チャット、通話、ケース管理と簡単に統合できるアンケートを使用して、顧客やパートナーからフィードバックを収集できます。
- 製造のフローツールキットの宣言型ツールは、システム管理者によるワークフロープロセスの構築、自動化、および実行、ルールの設定、カスタマージャーニーのブランド化およびパーソナライズに役立ちます。
では、各機能がどのようにサービスチームの役に立つかを見てみましょう。
サービス担当のツールボックスを使用する
一般的な CSR は、顧客からの着信電話やケースの割り当てなど、大量の作業を毎日こなしています。顧客から電話があったとき、問題を解決するために詳細情報を見つけ、迅速に対処することが困難な場合が多々あります。顧客の問題をきちんと理解できなかったり、同じ質問を繰り返してしまったり、適切に顧客に対応できなかったり、重要な詳細事項をどこに置いたかわからなくなったりすることがあります。
ついていない日には、カスタマーサービスで誤った対応ばかりをしてしまうことがあります。ささいな過ちによって、会社への顧客の不満を解消できず、顧客の満足度と維持スコアを低下させてしまう恐れがあります。
Cindy は、製造のサービスコンソールがどのようにサービス担当の役に立つかを具体的に知っています。製造のサービスコンソールについて見てみましょう。
製造のサービスコンソールには、CSR が顧客の活動の全体像を把握できる機能と顧客の質問を積極的に解決するのに必要なツールが組み込まれています。
Rayler Parts のサービスセンターに顧客から電話がかかってきたとき、CSR は以下のことを行えます。
- 顧客の身元を確認し、関係する情報を取得する。
- 顧客とのやり取りのタイムラインを参照する。
- 顧客の注文、ケース、納入商品についての詳細を確認する。
- 重要な顧客活動 (今後のサービス契約の更新など) についてアラートを受信する。
- 依頼を解決するための関連アクションを開始する (サービス予定のスケジュール設定など)。
- すばやくナレッジ記事を見つけて表示し、質問に回答する。
このコンソールによって CSR の生産性は大幅に向上し、各通話に費やす時間が短縮します。Rayler Parts は顧客との関係を強化することもできます。これだけではありません。Cindy は Rayler 独自のニーズに合うようコンソールの個々のコンポーネントをカスタマイズし、別の標準アプリケーションで使用することができます。
Najma は感動し、このコンソールを使用すればパーソナライズされた記憶に残るサービスインタラクションを大規模に提供できると確信しています。
コンソールについての詳細は、「Manufacturing Cloud のサービスコンソールの管理の基本」を参照してください。
保証と請求を管理する
Najma は、別のアンケート結果に目を向けます。現在 Rayler Parts では、保証条件、エンタイトルメント、商品に関する詳細情報が別々のスプレッドシートに保存されています。CSR にとって、このすべてのシートから必要な保証情報を探し出すことは、ジグソーパズルで正しいピースを見つけるようものです。Najma は Cindy にもっと良い保証管理の方法があるか尋ねました。
Cindy は、保証ライフサイクル管理についてのメモに目を通します。保証管理者は、保証条件とエンタイトルメント (保証対象の労働、部品、経費など) を詳細に定義できます。以下は、[保証期間] レコードの例です。
保証管理者は、商品と納入商品を保証条件と関連付けて、条件、延長、無効条件を定義できます。資格の商品ベース、欠陥ベース、または権利ベースの条件を定義して、保証範囲を拡大または制限することも可能です。
パートナーと流通業者は、主要な情報 (不具合のある納入商品、原因部品、交換された部品、人件費など) を含めた保証請求を簡単に送信できます。保証請求の裁定担当者は、不具合のある納入商品の調査、既存の保証範囲の確認、請求経費の判定を行って請求を裁定できます。このすべての裁定プロセスは 1 つのページで行えます。以下の画像は、[請求] レコードページの [請求項目] タブを示しています。
保証管理者は、プロセス自動化ツールを使用して堅牢な請求裁定プロセスを構築し、対応時間の短縮と請求裁定者の生産性向上を実現することもできます。
詳細は、「Manufacturing Cloud での保証管理と請求管理」を参照してください。
予備部品とサービス収益を予測する
顧客の商品をメンテナンスまたは修理する必要がある場合、Rayler Parts のサービスセンターは部品を調達する必要があります。部品は完成品の一部ではないため、個別での購入が必要です。予備部品の需要は断続的に発生し、需要が変動しやすいものもあるため、在庫を計画するのは困難です。不正確な需要予測は、過剰または過小在庫を招きます。Najma は、予備部品ニーズの予測を改善できる方法を探しています。
今日はついています。Cindy は、先ほどの単元で取り上げた高度な取引先販売予測という強力な機能を再び紹介します。Najma は、予備部品の需要に関して高度な取引先販売予測を作成できます。Cindy に必要なのは、データ処理エンジン定義をカスタマイズして、過去の注文に基づく需要予測を作成することだけです。正確な予測を入手できると、Najma は在庫計画の効率化、無駄になるリソースの最小化、補充期間の短縮、在庫コストの低減を実現できます。
お客様の声を聞く
Najma には、話し合いたいことがあと 1 つあります。それは、サービスチームが間もなく開始する予定の顧客満足度に関する新たな取り組みについてです。顧客に連絡を取り、Rayler Parts のサービスについての顧客の感想を評価して、改善すべき領域を特定し、うまくいっていることを強化しようとしています。ただし、確実に高い回答率でフィードバックを収集できる適切なツールを見つけることができないようです。
Salesforce アンケートを使用すれば、Najma は顧客の関心を引き付けるパーソナライズされたアンケートを作成できるようになります。以下の画像は、アンケートビルダーのアンケート例を示しています。
Salesforce アンケートでは、ブランド化された動的なアンケートを作成するための直観的なエディターを使用できます。さらに、パーソナライズされた招待メールを使用してアンケート配布を自動化し、カスタマージャーニーの各フェーズで顧客満足度の指標を追跡することもできます。
Najma はアンケートの作成をすぐに試してみたいと思っています。詳細は、「Voice of the Customer (顧客の声) の開発」を参照してください。
では次の単元に進み、Manufacturing Cloud によって Rayler Parts が顧客との関係をどのように深めることができるかを学びましょう。