Manufacturing Cloud の使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Manufacturing Cloud を使用してランレートビジネスの管理を向上させる。
- 製造企業が直面する営業や運用の業務に関する一般的な課題を挙げる。
- Manufacturing Cloud の権限をユーザーに割り当てる。
Manufacturing Cloud を選ぶ理由
製造業界では大規模なデジタルトランスフォーメーションが進行し、企業はビジネスを成功させるためのイノベーションを迫られています。製造企業がシームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現するためには、顧客のニーズに対する理解を深め、バリューチェーン全体の可視性を高めるソリューションが必要です。取引先マネージャーが集約された情報と実行可能なインサイトを利用できれば、信頼に基づく確固たる顧客関係を構築できます。
では、Rayler Parts が Manufacturing Cloud を使用して上記のことをどのように実現しているのか見ていきましょう。
Rayler Parts の販売計画と運用計画
Rayler Parts は建設機械やディーゼルおよび代替燃料発電機の設計から製造、販売、修理点検を手掛ける企業で、ディストリビューターのネットワークを利用して世界各地のお客様に対応しています。
Cindy Jones は Rayler Parts のシステム管理者です。Rayler Parts は現在 Sales Cloud を使用しており、Cindy は Salesforce エコシステムに精通しています。その一方で、Rayler Parts ではビジネスが急速に成長していることから、取引先担当者が堅牢な計画フレームワークを求めています。多くの取引先マネージャーが、販売交渉に現在使用している分断されたサイロ型ソリューションに対する不満をもらしています。営業チームも運用チームも、ディストリビューターやサプライヤーとの長期的な販売交渉がどうなっているのか知ることができません。取引先マネージャーは、個々の商品や取引先の全履歴データを考慮した需要予測を立てることが難しいと感じています。
Cindy はソリューションを探し求める前に、取引先マネージャーが直面している具体的な問題を調べることにします。そこで、意欲的な若手の取引先マネージャーである Vance にその担当部門が抱える課題に関するレポートを作成してもらうことにしました。
Vance は直面している課題を把握する目的でチームに調査を実施し、解決案を考え出します。
何が欠けているのか? |
ソリューションは? |
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商品の収益と数量の予実比較の一覧 |
商品の数量と収益に関する契約条件とその遵守の単一ビュー |
生産上の問題、顧客の要望、景気後退などの要因に基づいて販売計画を変更する柔軟性 |
計画数量、販売価格、割引を簡単に編集できる機能 |
商品の在庫レベルの可視化 |
既存の価格指標や数量指標と同様の在庫に関する指標 |
注文履行に基づく実際の商品数量の自動更新 |
注文から情報を取り込み、販売計画を定期的に更新する自動機能 |
チームが市場主導の判断を下せるようにするための、取引先全体の商品パフォーマンスに関する情報 |
市場の成長を勘案した、取引先ごとの商品の数量や収益の予測 |
会社の四半期計画期間中に、同僚が実施した数量や収益の数値への変更を追跡する機能 |
販売予測データに関するコラボレーションを可能にし、手動の編集を追跡する機能 |
製造企業とパートナーがリアルタイムでコラボレーションする機能 |
チャネルパートナーが製造企業とのコラボレーションに使用できるオンラインポータル |
Cindy はこのレポートを見て、大変な仕事になると感じ取ります。そこで、Rayler Parts を担当する Salesforce アカウントエグゼクティブに連絡し、Vance のチームに役立ちそうな製品が Salesforce にないか問い合わせます。
Manufacturing Cloud の概要
担当のアカウントエグゼクティブが Cindy に Manufacturing Cloud について教えてくれました。Manufacturing Cloud は、販売計画、取引先レベルの販売予測、パートナーサイト機能など、Rayler Parts が活用できそうな機能を備えています。
Cindy は、会社の要件を満たす形で Manufacturing Cloud を実装するにはどうすればよいか調査することにします。そして Vance のために Manufacturing Cloud ライセンスを購入します。次のステップは、組織でこの製品を有効にし、Vance に必要な権限を割り当てることです。
Manufacturing Cloud を実際に使ってみる
このモジュールでは、Manufacturing Cloud に販売計画、取引先販売予測、パートナーサイト設定を設定する手順を示します。このモジュールにはハンズオン Challenge はありませんが、練習のために手順を試してみたい場合、Manufacturing Cloud とサンプルデータが搭載された特別な Developer Edition 組織が必要です。通常の Trailhead Playground には、Manufacturing Cloud やサンプルデータが搭載されていません。次の手順に従って、今すぐ無料の Developer Edition を取得してください。
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Manufacturing Cloud を搭載した無料の Developer Edition 組織にサインアップします。
- フォームに入力します。
- [メール] には、有効なメールアドレスを入力します。
- [ユーザー名] には、メールアドレス形式の一意のユーザー名を入力します (有効なメールアカウントである必要はなく、yourname@test.com などを使用してください)。
- フォームに入力したら [サインアップ] をクリックします。確認メッセージが表示されます。
- アクティベーションメールを受信したら (数分かかる場合があります)、そのメールを開いて [アカウントを確認] をクリックします。
- パスワードと確認用の質問を設定して、登録を完了します。
ヒント: 後でアクセスしやすいように、自分のユーザー名、パスワード、ログイン URL をメモしてください。
- Developer Edition にログインした状態になります。
Cindy はまず Manufacturing Cloud の機能を有効にします。権限セットを Vance などに割り当てる前に、この処理を行っておく必要があります。
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をクリックし、[設定] を選択します。
- [クイック検索] ボックスに、Manufacturing (製造) と入力します。
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[販売計画] をクリックして、この機能をオンにします。
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[取引先販売予測] をクリックして、この機能をオンにします。
Cindy は次に Manufacturing Cloud の権限セットを Vance に割り当て、Vance が販売計画と取引先販売予測を作成し、パートナーとやり取りを始められるようにします。
権限セットは次のように表示されます。
次の権限セットがあります。
- 製造販売計画
- 製造取引先販売予測
- コミュニティの製造販売計画
Cindy が Vance に付与したのは、彼自身の取引先と販売計画を管理するために標準オブジェクトで必要なアクセスレベルのみで、他のユーザーのデータにはアクセスできません。Cindy は続いて Vance に、Manufacturing Cloud に付属する新しいオブジェクトにアクセスし、一部の機能のテストを手伝ってもらえないか尋ねました。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Manufacturing Cloud for Sales の使用開始
- Salesforce ヘルプ: 権限セット
- Salesforce Web サイト: Manufacturing Cloud