Salesforce 知識ベースを準備する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 知識ベースに追加する情報を収集する。
- 情報を整理する。
- ユーザーアクセスを決定する。
ナレッジ用に情報を収集する
Salesforce システム管理者であるあなたは、計画を立てることの重要性を認識しています。あなたのサービス組織では Agentforce Service を使用しており、すでに、担当者がすばやく問題を解決できるようにケースが構成されています。Knowledge を有効にする前に、重要な計画のステップとして、どの情報を含めるかを決定する必要があります。
成功する AI の基盤である堅牢な知識ベースを作成するには、内外のすべての使用可能なソースからコンテンツを収集する必要があります。まずは、サービス担当者が毎日使用する情報から始めましょう。個人的なメモ、Web サイトの FAQ (最新かどうかも確かめます)、商品マニュアル、データシートなどです。知識ベースは一元化されたマルチソースリポジトリであり、信頼できるデータレイヤーをサービス担当者と AI エージェントに提供するものです。
Salesforce Knowledge 記事を構成するときには、次の目標の達成を目指します。
- 作成者が適切なコンテンツを取得できるようにする。
- 読みやすい記事を作成する。
- 記事を簡単に更新できるようにする。
- さまざまなユーザーと記事の異なる部分を共有する。
知識ベースを設計するときには、自分やチームに次のような質問をします。
質問 |
例 |
ベストプラクティス |
|---|---|---|
公開する情報の種別は? |
FAQ、手順、製品マニュアル、ガイドライン。 あなたは各種の情報をさまざまな方法で公開、提供したいと考えています。 |
情報の種別ごとにレコードタイプを作成します。 レコードタイプに基づいて、各種別の記事の構成方法と、さまざまなユーザープロファイルと共有する情報が判断されます。ワークフローやページレイアウトなど、その他の重要な機能も、レコードタイプで設定されます。 |
包括的なカバー範囲を実現するために、外部方法を取り入れる方法は? |
一元化されたマルチソース知識ベースを作成するために、Data Cloud、SharePoint、Google ドライブ、Confluence などのソースからの構造化コンテンツと非構造化コンテンツを使用できます。 |
Knowledge インポートツールを使用して、別の知識ベースから記事を取り込みます。外部ソースの場合、エンタープライズナレッジ機能で使用できるようにコンテンツを Data Cloud に取り込むことを検討します。Knowledge 移行ツールを使用して、Salesforce Classic ナレッジの既存のコンテンツを Knowledge に移行します。 |
推奨記事の絞り込みに使用するケース項目は? |
商品ファミリー、商品地域、問題の種類。 |
各検索条件種別のデータカテゴリグループを定義するか、各カテゴリまたはグループの記事にアクセスできるユーザープロファイルを指定します。 |
記事の作成や公開を管理するワークフローや承認プロセスは必要か? |
慎重に扱うべき情報を含む記事 (商品の設置やサービスのための安全要件など) には法務の承認が必要です。 |
レコードタイプに承認プロセスを追加することによって、その種類の記事の公開前に必要なレビュー担当者による承認を確実に実行できます。 |
どのような種類の利用者と情報を共有するのか? |
さまざまな利用者はチャネルと呼ばれます。記事にチャネルを設定し、記事を参照できるユーザーの種別を指定します。これを定義すると、ユーザーはアクセス権限を持つセルフサービスサイト内のコンテンツを参照できます。 |
各利用者に使用可能にする情報を決定します。必要に応じて、個々の項目を制限して機密情報のセキュリティを確保する、またはデータカテゴリを使用して、特定のカテゴリと関連付けられたレコードを特定のユーザープロファイルに制限します。 |
記事のフィードバックを追跡する方法は? |
ユーザーが記事に対して高評価または低評価の投票をできるようにします。 |
記事の評価に関するカスタムレポートタイプを作成します。レポートと記事を定期的に確認し、知識ベースを常に正確で最新の状態に保ちます。 |
AI の基盤としての知識の有効性を測定する方法は? |
記事の添付率、デフレクション率、AI 回答の正確性などの主要なメトリクスを監視します。最も価値がある記事は、生成 AI の回答のグラウンディングに頻繁に使用される記事です。 |
顧客の問題を解決するケースに記事がどれくらい添付されたか、また Agentforce や Einstein の AI 機能の回答のグラウンディングにどれくらい使用されたかを追跡します。グラウンディングに使用された記事は、顧客や担当者と共有するのに適しており、優先的に翻訳すべきです。 |
情報要件を定義したら、次の計画フェーズであるコンテンツ構造の整理に進むことができます。
ナレッジ用に情報を整理する
大量の情報を収集しても、そのすべてがすべてのサポート担当者に関係するわけではありません。情報を整理する論理的な方法を考える必要があります。最初のステップは、データカテゴリグループとデータカテゴリを使用して関連するコンテンツをグループ化することです。どのデータカテゴリグループを使用するかを決めるために、サービス組織の構造を調べます。たとえば、ある会社はサポート対象の商品やサービスの種別に基づいて、次のようにサポートチームを分けています。
- 住宅用設備の設置
- 商業用設備の設置
- 個別商品コンポーネント
これらのチームに基づいて情報を整理できます。カスタマーサービスのガイドラインなど、特定の記事はすべてのチームが参照できます。ほかの記事、たとえば商業用商品に関する規制などは、関連するチームのみが参照できるように制限できます。
住宅用、商業用、個別商品コンポーネントというグループ内で、データカテゴリによって情報をさらに分類できます。住宅用グループの場合、たとえば温水器の設置や家全体のシステムといったカテゴリが考えられます。記事を分類することで、担当者、顧客、AI エージェントは必要な情報をよりすばやく見つけることができます。これは生産性の最大化には不可欠です。
記事を分類ときには、次の質問を検討します。
質問 |
例 |
ベストプラクティス |
|---|---|---|
どのように情報を分類するか? |
企業は、情報をチームごとにグループ化してから、それを商品の種類別に分類することがよくあります。または、情報を地域ごとにグループ化してから、商品別に分類することもあります。 |
データカテゴリグループにはデータカテゴリが含まれます。グループ数は可能な限り少なくします。 データカテゴリグループやデータカテゴリを定義するときには、分類がユーザーに明確であるようにします。既存の記事を検索したり、新しい記事を作成したりするときに、ユーザーはどのグループとカテゴリを選択すべきかを判断できなければなりません。 |
制限が必要な情報は? |
サービス担当者が自分の領域 (特定の商品、またはアリゾナの販売情報など) に関係する情報にのみアクセスできるようにする必要があります。 |
プロファイルでデータカテゴリの表示を設定して、そのデータカテゴリに関連付けられた記事へのアクセス権を持つユーザープロファイルを制御します。 |
知識ベースを AI と検索向けに最適化する方法は? |
知識ベースを一元化することの大きな利点は、生成 AI の回答を簡単にグラウンディングできることです。それにより、Einstein Search Answer や Agentforce Service エージェントなどの機能が正確で信頼できるものになります。 |
検索語のシノニム (「リンク」と「添付」など) を特定します。検索結果で検索語に一致する記事テキストのスニペットを強調表示します。 このような検索の改善により、Knowledge による生成 AI の回答のグラウンディングも強化されるため、Agentforce や AI の信頼性と正確性が向上します。 |
ナレッジ用に誰が何をするかを決定する
内部ユーザーが記事を参照するために必要なアクセス権を特定します。そのため、Salesforce には翻訳機能が組み込まれています。ナレッジ記事は、デフォルトですべての内部ユーザーが参照できるため、 基本的な記事参照を有効にするために、アクションを実行する必要はありません。
ただし、担当者が実行する活動は参照だけではありません。多くの担当者は、いずれは記事を作成したり、管理したりするようになります。各記事に対して誰がどのような操作を行う必要があるかを把握するために、ナレッジ記事のライフサイクルを検討します。

たとえば、上級サービス担当者は新米担当者が新しい問題を解決したときに記事を作成してもらいたいと考えます。ただし、その記事を幅広い利用者に公開する前に、上級担当者が再確認して承認する必要があります。記事の更新や、記事をアーカイブまたは削除するときにも、同様のプロセスを使用します。
一般的な 3 つのユーザー種別と、作業を行うために必要な権限を示します。
ユーザー |
説明 |
必要な権限 |
|---|---|---|
参照者のみ |
入社してから日が浅い担当者には、まだ記事を作成する権限がありません。 既存の記事を使用して、質問に回答し、ケースに記事を添付します。 自分ですべての問題を解決しなければならない場合より、これらの記事を使用すると短期間で貢献できるようになります。 |
ナレッジに対する「参照」権限 |
寄稿者 |
専門分野のエキスパートなどの高度な Knowledge ユーザーは商品に関する豊富な知識を持ち、記事の標準を理解しています。 記事を作成、編集、公開します。 |
「記事の管理」権限とナレッジに対する「参照」、「作成」、「編集」、および「公開」権限 |
ナレッジ管理者 |
ナレッジ管理者は、どのような場合に記事を廃止または削除するかを理解しています。 |
「記事の管理」権限とナレッジに対する「参照」、「作成」、「編集」、「アーカイブ」、「公開」、および「削除」権限 |
次のステップへ
ここでは、自分がどのような情報を持っているかを把握し、情報を整理するために使用するグループとカテゴリを決め、その情報に誰がアクセスする必要があるかを判断しました。これで、Salesforce Knowledge を設定して、AI の基盤となる信頼できるデータレイヤーを作成する準備ができました。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Salesforce Knowledge を使用した知識ベースの作成
- Salesforce ヘルプ: Knowledge のレコードタイプに関する考慮事項
- Salesforce ヘルプ: データカテゴリの操作
- Salesforce ヘルプ: Knowledge ユーザーのアクセス権
