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大規模言語モデル向けにナレッジコンテンツを最適化する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 生成 AI におけるグラウンディングについて説明する。
  • 知識ベースの記述とプロセスのガイドラインについて説明する。

AI グラウンディングとは

グラウンディングとは、AI モデルを信頼できる情報ソースに結び付けて、AI 機能の精度と関連性を高めることを意味します。AI モデルは元々、大規模言語モデル(LLM)のデータセットを使用したトレーニングによって、汎用的な知識を幅広く身に付けています。しかし、この幅広い知識ベースには、特定のタスクを実行したり技術的な質問に答えたりするために必要な専門的な情報は含まれていません。

より的確な回答をしたり、複雑なタスクをこなしたりするためには、AI モデルに適切なツールと情報を与える必要があります。検索拡張生成 (RAG) よるグラウンディングでは、知識ベースを AI 機能にインテリジェントに接続します。その結果、より正確に組織やユースケースに適合するコンテンツを AI が生成できるようになります。

知識、ファイル、Web 検索などの円形のデータソースから AI グラウンディングへ、そこからチャットウィンドウへの矢印が示されているグラフィック

お客様にとっては精度がすべてです。お客様に間違った回答をすれば、そのお客様はその後の購入に消極的になるかもしれません。エージェントに間違った情報を提供すれば、お客様をサポートするのではなく、苛立たせてしまうかもしれません。知識ベースやアップロードしたファイルなど、検証済みの情報ソースで AI モデルをグラウンディングすることで、LLM はお客様からの問い合わせに正確に応答したり、エージェントへの返信候補を提案したり、検索結果を要約したりできるようになります。AI を利用した機能で最良の結果が得られるように、グラウンディングに向けて知識ベースを準備しましょう。

知識ベースを準備する

Salesforce の知識ベースには、公式のポリシーやプロセス、トラブルシューティングガイド、特別なお知らせなど、組織固有の豊富な情報が蓄積されています。また、Salesforce の知識ベースには記事の本文に加えてメタデータも含まれており、LLM がデータを整理して、最新の関連情報を見つけやすくするのに役立ちます。

Salesforce の外部 (Google ドキュメント、Microsoft SharePoint、Atlassian Confluence など) の追加のナレッジは、インポートして統合ナレッジと同期できます。統合ナレッジはすべてのサードパーティナレッジを Salesforce に統合するものです。すべてのナレッジ記事が Salesforce 内にあれば、エージェントとお客様は 1 つのプラットフォームで必要な情報を見つけることができます。

グラウンディングの結果を改善するには、ナレッジ記事の記述に関する次のガイドラインを検討します。

焦点を絞ったコンテンツを作成する

1 件の記事では 1 件のトピックだけを扱いましょう。たとえば、1 件の記事で 10 件の問題を取り上げるのではなく、10 件の別々の記事に分けてください。トピックによっては一部のオーディエンスには適していてほかのオーディエンスには適していないものもあるため、焦点を絞って記述することでセキュリティと可視性を管理しやすくなります。また、コンテンツの焦点が絞られていれば、特定の状況やユースケースとの関連性の高い出力を AI が生成できます。

コンテンツを構造化する

AI は構造化されたコンテンツを好みます。論理的な関係を含めた文を記述し、コンテンツを段落やリストに分解します。H1 から H6 のような見出しタグを使用して、情報の明確にしましょう。また、正しい文法で、簡潔でわかりやすい文章を書くように心がけます。内部向けの情報と顧客向けの情報は、項目や記事タイプを分けて管理してください。

メディアにアノテーションを付ける

動画、スクリーンショット、アニメーション GIF などの視覚的なコンテンツを使用する場合は、テキスト説明のアノテーションを付けます。AI がビジュアルコンテンツを理解するには、キャプションや代替テキストが必要です。

徹底的に説明し、例を挙げる

生成 AI は、包括的で詳細な情報を与えることで最も効果的に機能します。AI は、与えられた情報を保存、整理し、戦略的に検索することで、さまざまな詳細レベルのイオンサイトをユーザーに提供します。記事を与える場合は、常に多くの情報、特に技術的な詳細情報を含めるようにして、AI が関連するコンテキストを踏まえて適切な回答を返せるようにしましょう。ユーザーが直面する一般的な実際の状況について考え、知識コンテンツで具体的な例を使って記述します。

ソースを含める

信頼を築き、ユーザーが情報を掘り下げやすくするように、ナレッジの基盤となったソースの引用やリンクを追加します。情報を適切に参照することは、生成されたコンテンツの信頼性を高めます。

ナレッジセンターサービス (KCS) プリンシプルに準拠する

ナレッジセンターサービス (KCS) プリンシプルは、ナレッジ管理に関する業界標準のベストプラクティス集です。KCS は正確で簡潔な記事を作成するために役立ち、延いてはナレッジのグラウンディングの改善につながります。ここではいくつかのベストプラクティスを紹介しましたが、詳細は Consortium for Service Innovation で確認できます。

人間を念頭に置く

AI が使用できるだけでなく、人間にとっても有用で理解可能なコンテンツになるように準備してください。AI は、人間を支援し、日々の業務において私たちと共に働くために存在していることを忘れないでください。

知識ベースを管理する

次に、知識ベースが生成 AI 出力のための信頼できる効果的なリソースであり続けるように、知識ベースの管理に必要なプロセスについて考慮します。最適なグラウンディング結果が得られるように、ナレッジ記事を作成する際には、次のプロセスガイドラインを考慮してください。

ナレッジベースを監査する

AI が生成するコンテンツに誤った情報や古い情報が含まれないように、記事は定期的に見直して更新してください。Salesforce フローを使用して記事の [Next Review Date (次の確認日)] 項目のロジックを作成することで、レビューすべきコンテンツを識別します。

まとめ

AI のグラウンディングと知識管理のベストプラクティスについて理解できましたので、AI 生成のコンテンツと Agentforce から最良の結果を得る準備が整ったことになります。知識ベースの整理と監査を行い、統合ナレッジを使用してほかのソースから信頼できるコンテンツを取り込むことを始めましょう。

リソース

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