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ジャーニーマッピングワークショップを実施する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ジャーニーマッピングワークショップを実施する。
  • インサイトとアイデアを統合する。
  • より良いエクスペリエンスを実現する機会を見極める。

協力者を迎えてマップの作成に取りかかる

ワークショップの開始時に大切なことは、参加者を歓迎し、協力的な雰囲気を醸し出すことです。ワークショップの冒頭に、次のことを行います。 

  • グループのメンバーを温かく迎え、各人に紹介する。
  • アジェンダを読み上げ、その日の流れを説明する。
  • 資料を配布して、その内容を確認する。

最初のアクティビティとして、参加者にあなたのこれまでの取り組みに目を通し、それぞれのフェーズや行動が適切であることを確認してもらいます。

  • ジャーニーのフェーズや行動が現実に即しているか?
  • 見落としている点はないか?
  • 不要なものが含まれていないか?

先に進む前に、上記の点をきちんと把握しておくようにします。適切であることを確認したら、次の段階に進みます。

お客様について一緒に考える

参加者にリサーチ資料に目を通し、お客様の発言、フィードバック、その他のインサイトで、参考になると思われるものを確認してもらいます。ビジネスやプロダクト以外にも注意を向けるよう促します。 

リレーションシップに基づく要因、たとえば、ソーシャルダイナミクス、お客様のバリュー、信頼度、エンゲージメントを深めることや次のフェーズに進むことへの心理的な準備状況、コミュニティへの潜在的なインパクトなどがお客様の引き金になることがあります。こうした要素をインサイト収集プロセスに意図的に組み込みます。インサイトや発言をそれぞれ個別の付箋に書き出します。 

特定のフェーズやアクティビティでお客様やユーザーに何が起こっているかわからないときは、どうすればよいでしょうか? 確信が持てないときは、仮説を立て、フォローアップのリサーチを行うようメモしておきます。また、フェーズやアクティビティが他の部分と呼応していないと感じ始めたら、最初から組み立て直します。

リサーチとインサイトを統合する

参加者がリサーチ資料に目を通して重要なインサイトを確認したら、リサーチとインサイトの統合に取りかかります。統合は、カスタマージャーニーの組み立てに必要な主なインサイトに到達するための手段です。これは、つじつまを合わせていくプロセスで、科学というよりは技巧です。ワークショップの規模にもよりますが、少人数のグループに分かれ、各グループがそれぞれのフェーズに取り組むのも一案です。

グループ分けされた付箋

ステップ 1: クラスター化する

まず、類似の、または関連したテーマやアイデアに基づいてインサイトをクラスター化します。このステップでは、ジャーニーの各フェーズでお客様にとって一番大切なことは何かを判断する必要があるため、特に共感が求められます。  

ここでは、付箋またはバーチャルの付箋機能が役立ちます。テーマが確定したと感じられるまで、付箋上のアイデアを何度もクラスターにまとめ直すことができるためです。 

ステップ 2: 表現する

思考感情タッチポイントコンテキストに関する重要な各クラスターを言い表すフレーズを考え出します。ジャーニーマップのグリッドのマス目ごとに上位 3 ~ 4 つのフレーズを挙げるようにし、揃ったらグリッドに追加します。

このプロセスに取り組む中で、参加者が機会セクションのアイデアやソリューションを思い付くものと思われます。アイデアが浮かんだら、参加者に後で確認できるように一旦「駐車場」(通常は部屋の隅にある白紙のボードや壁) にメモしてもらい、そのまま作業を続けます。

一歩下がって眺める

各フェーズの感情、タッチポイント、コンテキストを統合したら、みんなで集まってインサイトから明らかになる完全なストーリーを確認します。

次の点を自問します。 

  • 一貫したストーリーになっているか?
  • 実際の人物がこのエクスペリエンスを行っているところを想像できるか? あるいは、数人のジャーニーが組み合わされているか?
  • お客様にとって一番大切なのはどの部分か?
  • 無関係あるいは場違いと感じられるものはないか?
  • このストーリーの感情を強調して読むことはできるか? ソーシャルダイナミクスやバリューはどのようなものか?

ワークショップの終了後に細部を編集しますが、メンバーが一堂に会している間に、この全体的なストーリーや、うまくいってることとうまくいっていないことの重要なポイントについてコンセンサスが得られるようにします。

また、このジャーニーマップに従来のタイムライン形式が最適かどうかを検討する絶好の機会にもなります。時として、反復的なプロセス (顧客がペンキの色を選ぶためのツールなど) や、半永久的に繰り返される行動 (食料品のオンラインショッピングなど) について説明することがあります。 

こうした反復性を反映させるためにマップの形式を変更することがありますが、形状の変化によってエクスペリエンス全体の見方が変わることに気付くかもしれません。

機会を見出す

一貫したストーリーが出来上がったら、参加者にもう一度見直して、不足している点、非効率な点、改善の余地がある点などに基づいて機会を見出してもらいます。こうした機会が組織への提言になります。 

ここで多種多様な機会が挙がる可能性があります。たとえば、同じジャーニーマップから、「戦略的な目的を掲げてソーシャルメディアにエンゲージする」(やや漠然とした目標) と、「配送ルートと荷物の追跡を視覚化する」(明確で具体的なアイデア) が同時に挙がる可能性があります。このポイントは、エクスペリエンスを向上させる方法をグループに発言してもらうことです。フェーズに沿って参加者の意見を収集します。

ワークショップの最後に、各フェーズの賛同する機会に投票してもらいます。参加者は次の点を検討します。

  • お客様にとって一番重要な時点
  • 改善の余地があるメトリクス
  • 組織が何らかの形でコミュニティや世の中に貢献できる箇所
  • 現在の機能を使用して、ビジネス目標をどのくらい満たすことができるか

各参加者はドットシールを使って、フェーズごとに気に入った 2 つのアイデアに投票し、時間が許せば、投票数が最多のアイデアを選んだ理由について話し合います。長期的なリレーションシップを犠牲にして短期的な利益をもたらす機会は排除します。最終的にビジネスに悪影響を及ぼすためです。

ワークショップが終了したら、いよいよ最終的な成果物であるジャーニーマップの作成に取りかかります。

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