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意図と対象者を定義する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 各自のソリューションのビジネス目標を定義する。
  • ソリューションの対象者を定義する。

「なぜ」と「誰が」を特定する

ジャーニーマップを作成するときは、まずその前提条件を検討する必要があります。

  • なぜ作成するのか (ビジネス目標)。
  • 誰に焦点を当てるのか (検討するエクスペリエンスによって最大のインパクトまたはメリットがある対象者)

この 2 点を把握していれば、焦点を絞り、適切な提案をすることができます。

ビジネス目標を検討する

企業がどのようなビジネス目標を掲げている場合にジャーニーマップを作成するのかを示す一般的な例をご紹介します。以下のどの事例にも、プロダクトやサービスにエンゲージする人々が実行するステップを個別または全体として確認する機会があります。

  • 差別化されたカスタマーエクスペリエンスを創出する。
  • 新規顧客を獲得する。
  • お客様がプロダクトやサービスを使用する頻度を増やす。
  • 既存のエクスペリエンスに新しい機能やサービスを統合する。
  • プロダクトやサービスの効率性または効果を高める。
  • 特定のタスクや目標の完了率を上昇させる。
  • サービスの質を向上させ、サポートやサービスへの問い合わせ件数を減らす。

適切なスコープを見極める

ジャーニーマップを作成するときは適切なサイズ (スコープ) を定め、範囲が広すぎたり狭すぎたりしないようにします。作成するジャーニーマップが広範に及ぶ場合は、インサイトが大まかすぎて適用しにくくなり、成功を追跡する適切なパフォーマンスデータがなかなか得られないことがあります。作成するジャーニーマップが狭小の場合は、エクスペリエンスの 1 つの要素だけに目を向けることになり、広範なコンテキストを見逃してしまいます。言うまでもなく、チームの時間が全体の一部分に過度に集約されることになります。 

では、お客様のニーズに基づく例を見てみましょう。最初の単元で説明したとおり、目的をお客様の視点で記すことは共感を寄せる最適な方法です。

目的

適切なスコープか?

「私のニーズをすべて満たしてもらいたい。」

スコープが広すぎます。アクション可能かつ測定可能なインサイトを収集できるようにします。

「オープンケースを表示したい。」

スコープが狭すぎます。「顧客のリクエストの処理件数を増やしたい」など、より大きなアイデアに視野を広げます。

「サービスプロセスを自動化できるテクノロジーソリューションを購入したい。」

これです! ジャーニー全体のインサイトを明らかにする戦術的な目標です。始点と終点も明確です。

適切なスコープを定めれば、結果が大きく異なります。スコープの定義に時間がかかることもありますが、境界が設定され、より良い結果がもたらされます。

メモ

組織で JTBD (Jobs to Be Done) フレームワークを使用している場合は、主なジョブステートメントを満たすジャーニーマップを作成することが考えられます。

対象者を定義する

プロダクトやサービスには多様なユーザーが存在し、それぞれが異なる方法でブランドとやりとりするものと思われます。つまり、ユーザーグループごとにニーズや問題点が異なるため、事態がややこしくなります。ユーザーとそのユースケースを事前に特定しておけば、プロダクトやデザインなどの組織のチームが全体的なカスタマーエクスペリエンスを戦略的に検討し、顧客エンゲージメントを向上させる機会を特定しやすくなります。 

以下は、検討すべきユーザーの例です。ユーザーはできるだけ具体的にする必要があります。

  • お客様のセグメント (例: 現場業務用の車両を所有しているお客様)
  • 従業員やパートナー (例: 求職者、新しい商品品目を担当するコンサルタント)
  • お客様の顧客 (例: オンラインで注文して店頭で受け取る小売店の顧客)

続いて、さまざまな対象者の視点から物事をとらえるためのヒントをご紹介します。

お客様の立場になって考える

ジャーニーマップを作成するときは、お客様がソリューションを購入する場合またはサービスにエンゲージする場合に進行するジャーニーをマッピングします。お客様のジャーニーをマッピングするときに実行するステップの例として、次のようなものがあります。

  • お客様のビジネスと目標を明らかにする
  • お客様が目標を達成するためのソリューションを検討する
  • ソリューションにコミットする

従業員やパートナーの立場になって考える

この場合は、ジャーニーマッピングを使用して従業員やパートナーのために構築したエクスペリエンスを検証します。

一例として、新規採用者の応募からオンボーディングのエクスペリエンスのジャーニーマッピングが挙げられます。この場合は、次のような各ステップのエクスペリエンスをマッピングします。

  • 求人の応募書類を送信する。
  • 職務について採用担当者に問い合わせる
  • 採用担当マネージャーやチームの面接を受ける
  • 採用通知が届くのを待つ
  • 採用通知を受け取る
  • 雇用条件を交渉する
  • 雇用条件を受け入れる
  • 初日のオリエンテーションに参加する
  • 入社後 90 日間はオンボーディング研修を受ける。
  • 入社後 180 日間は新規採用者向けのサポートを利用する

お客様の顧客の立場になって考える

B2B 企業の場合は、お客様にその顧客がいます。具体的には、消費者、患者、住民など、お客様が対応する人々です。ジャーニーマッピングを使用すれば、お客様がその顧客にうまく対応する方法を理解しやすくなります。

お客様にはさまざまな顧客が存在し、通常は各ジャーニーが複雑なため、その顧客の視点に立つのは一層困難です。そのため、まずお客様の視点に立ち、次に、必要に応じてその顧客のエクスペリエンスをマッピングするほうが対処しやすいことがあります。

誰に焦点を当てるべきか?

どのお客様をジャーニーマップに含めるか検討するときは、次の点を自問します。

  • ビジネス目標の達成に関わってくる重要なお客様は誰か?
  • お客様のエクスペリエンスに影響を及ぼす人が他にいるか?
  • ビジネス目標に取り組む中で、他のどのお客様または新しいお客様がジャーニーに関与する可能性があるか?

結局のところ、ジャーニーマップを作成するのは、リサーチを基にお客様やユーザーを明確に理解している場合のみです。そのため、顧客データを調べ、アンケート、面談、グループセッションを通してお客様のフィードバックを得ることを検討します。お客様を把握するために、ペルソナ (重要なお客様の行動、態度、動機、目標のモデル) を調べることも一案です。お客様のことをよく知るためのその他の方法については、「イノベーションでの顧客発見」モジュールを参照してください。

次の単元では、ジャーニーマップの構成とそのドラフトの作成方法を確認します。

リソース

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