ダッシュボードの作成とカスタマイズ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- レポートとダッシュボードの違いを説明する。
- ダッシュボードを作成する。
- 誰がどのダッシュボードやデータをどのような理由で表示できるかを説明する。
ダッシュボードを使用したレポート機能の設定
レポートを使用すると、No More Homelessness (NMH) のスタッフがデータに簡単にアクセスして視覚化でき、データからインサイトを得てアクションを実行可能になります。ダッシュボードはさらに一歩進め、複数のレポートからデータを取り込んで、すべてを同じウィンドウに並べて表示します。エンゲージメント、スタッフの効率性、プログラムや活動資金集めの年間目標の達成度などを一目で確認できます。ダッシュボードを使用すると、プログラム、サービス、活動資金集めの取り組みについてデータが伝えるストーリーを把握しやすくなります。
次のダッシュボードは、Nonprofit Success Pack (NPSP) 内のサンプルで、NMH の Salesforce システム管理者である Gorav がプログラムチーム向けに作成したものです。ここには複数の異なるレポートが並べて表示されるため、プログラムスタッフが複数の要因を同時に検討できます。
Salesforce のほぼすべての機能と同様に、ダッシュボードも完全にカスタマイズ可能です。システム管理者やチームが必要とする情報のみを、必要とする形式で正確に表示できます。
ダッシュボードへのアクセス
システム管理者がまだ、ダッシュボードのタブが表示されるようにナビゲーションバーをカスタマイズしていない場合、標準のナビゲーションにないものは、アプリケーションランチャー () で検索して見つけることができます。ダッシュボードには独自のタブを設定でき、個々のダッシュボードをホームページやレコードページに追加することもできます。そして、レポートの場合と同様にダッシュボードに登録できます。
ダッシュボードコンポーネントの種類
ダッシュボードページを開くと、ダッシュボードのランディングページが表示されます。レポートページによく似たデザインで、同じ要領でナビゲートできます。つまり、メニューオプションを使用して、各種の共有設定ごとに個々のダッシュボード (1) やダッシュボードフォルダー (2) を並び替えることができます。ダッシュボードを開く場合は、リスト (3) のタイトルをクリックするだけです。
ダッシュボードはミニレポートのコレクションのようなものであるため、さまざまなグラフ、テーブル、ゲージをページ上にグループ化して表示できます。ダッシュボード内に表示される多様な要素とそれをどのような場合に使用するかについては、次のガイドを参考にしてください。
コンポーネントの種類 | 記号 | 使用する状況 |
---|---|---|
グラフ |
データのグラフィック表現。数種類のグラフ (棒、折れ線、散布図、じょうご、ドーナツ) から選択します。 |
|
ゲージ |
|
値の範囲内で表示する個別値。 |
総計値 |
|
表示する評価基準。 |
テーブル |
|
列形式のレポートデータのセット。 |
ダッシュボードの作成
では、NMH のプログラムマネージャーである Anthony Hall に戻り、本人が着目しているすべての対象の変化を追跡するためのダッシュボードを作成するところを見ていきましょう。NMH ではすでに Salesforce にレポートを保存しているため、直観的なドラッグアンドドロップインターフェースでダッシュボードを作成できます。その方法を見ていきます。
1.[ダッシュボード] ランディングページで、[新規ダッシュボード] をクリックします。
2.新しいダッシュボードに名前を付けます。Anthony は「NMH Programs Dashboard」(NMH プログラムダッシュボード) という名前を付け、説明を追加して、自身の [非公開ダッシュボードフォルダー] に保存します。[作成] をクリックします。
3.おっと! ページがグリッドになりました。これは、ダッシュボードコンポーネントを配置するためのプレースホルダーです。[+ コンポーネント] をクリックしてコンポーネントを挿入します。
4.[レポートを選択] メニューで、レポートを見つけます。Anthony は [Inventory Grouped by Kit Type (在庫のキット種別内訳)] を選択します。[選択] をクリックします。
5.[コンポーネントの追加] ウィンドウで、使用するコンポーネントの種類を選択します。Anthony は縦棒グラフを選択します。[追加] をクリックします。
6.ここまでは順調ですが、これはダッシュボードの主要な情報です。このグラフは他のすべてのデータをコンテキストでとらえるものであるため、大きく表示する必要があります。ダッシュボードコンポーネントのサイズを変更するには、コンポーネントをクリックしてから四隅や両端をドラッグしてその領域を変更します。コンポーネントをページの別の領域に移動することもできます。
7.ダッシュボード全体にコンポーネントが 1 つでは不十分なので、Anthony は他のコンポーネントを追加します。[+ コンポーネント] を再度クリックしてプロセスを繰り返します。Anthony は、[Transitional Housing Waitlist (自立支援住宅待機リスト)] レポートと [In-Kind Food Donations By Month Sum (月別食料品現物支援合計)] レポートを追加します。
8.すべてのコンポーネントを追加してサイズを設定したら、[保存] をクリックします。
このダッシュボードはこのままでも役に立ちます。Anthony は、誰が [Transitional Housing Waitlist (自立支援住宅待機リスト)] に載っているかを確認し、フードパントリープログラムで最も食料品を支援しているのはどこかを識別し、NMH の補充が少なくアクションを取る必要があるかどうかを判断できます。
NPSP にはダッシュボードが標準装備されています。ナビゲーションバーの [ダッシュボード] をクリックして [ダッシュボード] タブに移動し、左側の [すべてのフォルダー] をクリックすると、[NPSP Fundraising Dashboards (NPSP 活動資金集めダッシュボード)] フォルダーが表示されます。Sofia と NMH の開発チームの他のメンバーにとって、これらのダッシュボードの作成は大きな快挙です。
誰に何が表示されるかについての補足
[非公開フォルダー] に「NMH Programs Dashboard (NMH プログラムダッシュボード)」を作成した Anthony は、常に最新情報を把握するために使用するつもりですが、ダッシュボードもレポートと同じ方法で他のユーザーと共有できます。Salesforce では、ダッシュボードのセキュリティを数通りの方法で設定できます。システム管理者またはダッシュボード作成者は、ダッシュボードにアクセスするスタッフに同一のデータが表示されるようにするか、データが動的に表示されるようにするかを決定できます。つまり、各自のセキュリティ設定に応じて各ユーザーに許可されているデータのみが表示されるようにするということです。後者の場合は、ユーザーごとに個別のダッシュボードを作成する手間が省けます。
- 動的ダッシュボードは概して、ダッシュボード作成者が、ダッシュボードのコピーをいくつも作成することなく、各ユーザーに固有のデータ (各人の活動資金集めの成果や進行中の支援依頼数など) を表示したい場合に使用します。
- 標準ダッシュボード (全員に同じデータを表示) は概して、ダッシュボード作成者が組織全体のデータ (活動資金集めの全般的な成果やキャンペーンのパフォーマンスなど) を一連のユーザーに表示したい場合に使用します。
ですから、あなたのダッシュボードに表示されるデータが、同僚に表示されるデータと同じでないことがあります。
まとめ
お疲れ様でした! このモジュールはこれで終了です。たくさんの情報を浴びせましたが、ただちにすべて吸収しなくても心配はいりません。復習が必要なときはいつでも Trailhead にアクセスして見直すことができます。このモジュールや他のモジュールにいつでもアクセスできるため、最初からやり直すことも、各ステップを順番に実行することも、必要に応じて特定の単元のみを確認することもできます。この内容を完璧にマスターしたと感じている方も、まだ学ぶことがありますのでご安心ください。適切な道を進み続けるためのトレイルが他にも用意されています。
またお会いするときまで、トレイルをお楽しみください。