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エンゲージメント計画の作成と管理

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • エンゲージメント計画とエンゲージメント計画テンプレートの違いを定義する。
  • システム管理者と連携してエンゲージメント計画テンプレートを作成する。
  • エンゲージメント計画の ToDo を管理する。

NMH の順調なトレーニング

No More Homelessness (NMH) はホームレス問題に取り組む (架空の) 非営利団体で、地域社会でアドボカシートレーニングワークショップを開催し、これまでのところイベントはうまく進んでいます。参加者の数は NMH の予想を上回り、ほとんどの参加者は、それぞれの居住地域で最低 1 回はアウトリーチイベントを開催しています。そして、最近のワークショップでは、終了後に追加のトレーニングを求める人がほぼ毎回出ています。

この勢いを維持するために、NMH のコミュニケーションインターンである Michael Aviran と NMH で開発ディレクターを務める Aniyah Thompson は他のチームメンバーとともに、この波をさらなるエンゲージメントに繋げ、ボランティアを奨励するとともに、このイニシアチブを使用して募金活動を発展させたいと考えています。Aniyah は移動管理プロセスを通して、NMH の熱心なボランティアが篤志の支援者になることに気付き、ワークショップの終了後も人々の志 (や情熱) を持続させることが大切と考えています。問題は、ボランティアの多くがイベントを何回か開催していくうちに最初の勢いを失い、その後の NMH のボランティア活動や募金活動に影響を及ぼしているように思われることです。

ここで Aniyah と Michael がどのようにしてボランティアや見込み支援者の意気を持続させるのかを見ていく前に少し時間を取り、移行管理が具体的にどのように機能するのかを説明 (あるいは復習) しておきましょう。非営利団体の活動資金集めでは、「移行管理」とは、支援者のエンゲージメントをさらに深いレベルに移行させるために組織が実行するアクションを指します。  このプロセスは、非営利団体ごとに異なるように見えますが、一般に特定、評価、育成、支援依頼、管理のフェーズに整理されます。「移行」とは、見込み支援者をそれらのフェーズに進めることで、組織の活動目的への有意義なエンゲージメントを促進するすべての活動です。

エンゲージメントのさまざまなフェーズにいる NMH 賛助者。

移動管理プロセスを利用すれば便利だと思いませんか? Michael と Aniyah も、地域の支援ボランティアがこのプロセスを進行できるようにエンゲージし、NMH がボランティアとより深くつながって、ボランティアを NMH との深いレベルのエンゲージメントに移行させられるようにしたいと考えています。では、Aniyah と Michael がステークホルダーのエンゲージメントを高めるための計画を立てるところを見ていきましょう。 

一貫性とパーソナライズ

Aniyah と Michael のどちらも、ステークホルダーのエンゲージメントを高めるポイントの 1 つが、一貫性のあるパーソナライズされたコミュニケーションであることに同意しています。すべての支援ボランティアにパーソナライズされたメッセージが定期的に届くようにすれば、NMH からのメールが大量のメールに埋もれることなく、ここぞというときにサポートを実施してステークホルダーとの関係を深めることができます。また、Aniyah や Michael 以外のさまざまなスタッフメンバーも支援ボランティアに連絡を取り、質問を受けたり、懸念事項に個別に対応できるようにすれば申し分ありません。

Michael と Aniyah の両者は、Nonprofit Success Pack (NPSP) の ToDo を利用して、フォローアップメールの送信やミーティングのスケジュールなど、1 回限りのアクションを各スタッフに手動で割り当てました。ToDo は、このようなコミュニケーション計画の処理に向いているように見えますが、実際には面倒な操作が伴います。すべてのワークショップ参加者に対して、同じ一連の ToDo を手動で繰り返し設定する必要があります。これは面倒なだけでなく、手動の作業ではミスも起こりやすくなります。さらに、Michael または Aniyah が不在の場合に他の人が作業を引き継ぐときのことを考えたら頭が痛くなりそうです。 

Salesforce にはもっと効率よく、一貫して ToDo を割り当てる方法があるはずです。2 人はこの点を誰に質問すればよいか心得ています。NMH の優れた Salesforce システム管理者である Gorav です。Gorav は、この問題にはエンゲージメント計画を使うのがベストだと考えました (さすがです!)。 

では、Gorav と Michael と Aniyah が協力して、ToDo の作成プロセスを標準化して自動化するためのエンゲージメント計画を作成するところを見ていきましょう。 

エンゲージメント計画による ToDo の自動割り当て

エンゲージメント計画とは、Salesforce の ToDo の作成と割り当てを自動化する NPSP の機能で、何をいつ行うかを整理したリストを提供します。状況に応じて、任意の順序で完了しても構わない一連の非連動 ToDo や、特定の順序で行うべき一連の連動 ToDo を作成できます。 

エンゲージメント計画は、歓迎メッセージの送信や初心者向けミーティングのスケジュールなど、反復して行う ToDo や、明確に定義された移行管理プロセスに最適です。エンゲージメント計画で適切なメッセージ、ミーティング、そしてイベントを組み合わせることで、大口支援者の開拓に繋げることができます。また、トレーニングプログラムの各フェーズでの参加者の誘導にも適しています。 

Salesforce のほとんどの機能 (そして日常生活のあらゆる側面) に言えることですが、エンゲージメント計画を活用するためには、適切な準備が必要です。エンゲージメント計画の作成を始める前に、目的を明確にし、割り当てる ToDo セット (または一連の ToDo) を定義して、ToDo を誰にいつ割り当てるのかを決めます。次のような質問を自問 (そして自答) してください。

  • 行うべき ToDo は何か
  • ToDo を特定の順序で完了する必要があるか。そうであればどのような順序にするのか
  • 各 ToDo の責任者は誰か
  • 各 ToDo と次の ToDo の間にどのくらいの時間を空けるか

エンゲージメント計画の作成には、作成者と組織の Salesforce システム管理者とのチームワークが必要です。作成者は実行すべき ToDo の詳細を定義し、システム管理者はセットアップとカスタマイズを担当します。システム管理者は、Salesforce の標準機能を使用して、取引先責任者、取引先、商談、キャンペーンレコードが関与するエンゲージメント計画を作成できます。これに少しカスタマイズを加えることで、他のオブジェクト用のエンゲージメント計画を作成できます。

NMH のエンゲージメント計画

仕事の速い Michael と Aniyah は、地域社会のアドボカシーワークショップを受講し終えたボランティアに対して NMH のスタッフメンバーが実行する全ステップをまとめた 2 種類のリストをすでに作成しています。1 つはボランティアのエンゲージメント用で、もう 1 つは見込み支援者の育成用です。ステークホルダーは最初の ToDo はいつ完了しても構いませんが、残りの ToDo は各自の取引先責任者レコードに特定の順序でリストされ、その順に完了する必要があります。では、Michael のリストを見てみましょう。

  • 目標: 次回のボランティア研修への参加を呼びかけるウェルカムパケットやその他の役立つリソースを紹介。
  1. ワークショップ後の 1 日目: 参加者にフィードバックのお願いとアンケートをメールで送信。
  2. 7 日目: 「地元でのイベント開催」リソーススターターパックをメールで送信。
  3. 14 日目: 奨励/刺激メッセージ (アドボカシーサクセスストーリーの動画、招待と出欠確認のヒント、ホームレスの除外を目的とした排除アートに関する最新情報など) をメールで送信。
  4. 30 日目: 電話でのフォローアップとチェックイン。

Aniyah のリストも同様で、NMH のサクセスストーリーや多大な影響を及ぼす人々などを紹介して、見込み支援者から寄付を募ります。こうしたリストには、同じメールの送信やセットアップを何度も繰り返す必要がある ToDo が含まれていますので、エンゲージメント計画にはぴったりです。対象となる人や時間は異なりますが、メッセージや招待の内容は同じです。   

最初に用意すべきもの: テンプレート

ここでシステム管理者の出番となります。Michael と Aniyah が ToDo を割り当てるためには、その前に Gorav がエンゲージメント計画テンプレートを作成する必要があります。エンゲージメント計画とエンゲージメント計画テンプレートはどう違うのでしょうか?

エンゲージ計画テンプレートは、クッキーを作るときの型のようなものです。 

クッキー生地を捏ねて、型で抜けば、同じサイズと形のクッキーができます。クッキーが焼き上がったら、フロストシュガーを振りかけたりトッピングを載せたりします。そうすることで、同じ型からいくつものオリジナルクッキーができます。 

恐竜のクッキー型。

エンゲージメント計画テンプレートも同じで、基本となるエンゲージメント計画を作って、それをカスタマイズすることでそれぞれに適した計画を作ります。エンゲージメント計画に含まれる ToDo は、型で抜かれたクッキー生地のようにどれも同じですが、ToDo の対象である個人や、その他の挨拶や言葉遣いなどはクッキーのフロスティングのごとくパーソナライズします。Michael と Aniyah は Gorav が設定したエンゲージメント計画テンプレートを利用します。 

エンゲージメント計画の割り当て

ここで Michael は、前回のトレーニングワークショップの参加者リストを用意し、このエンゲージメント計画テンプレートを該当するすべての取引先責任者レコードに適用し、全員にフォローアップの適切なリソースが行き渡るようにします。  

では、Michael がエンゲージメント計画を取引先責任者に割り当てるところを見ていきましょう。 

1.Salesforce にログインします。

2.取引先責任者レコードを検索します。ワークショップの参加者リストの先頭は Lucy Sadeghin です。Michael は、グローバル検索ボックスに「Lucy」と入力して、検索結果から Lucy の取引先責任者レコードを選択します。

3.[関連] をクリックします。

4.[エンゲージメント計画] セクションまでスクロールします。[新規] をクリックします。

エンゲージメント計画を作成するための [新規] ボタン

5.[エンゲージメント計画テンプレート] 項目で、必要なテンプレートを探します。Gorav が作成した「Advocacy Workshop Follow-ups」テンプレートを選択します。

新しい [エンゲージメント計画] フォーム

6.[保存] をクリックします。

エンゲージメント計画テンプレートで作成されているすべての ToDo が Lucy の取引先責任者レコードに適用され、Lucy 専用のエンゲージメント計画になります。 

割り当て済み ToDo の管理

Michael はテンプレートの割り当て後も Lucy の 取引先責任者レコードを管理し、このエンゲージメント計画に関連付けられているすべての ToDo を見ることができます。そしてこれらの ToDo はすべて Michael に割り当てられています。これでは管理が大変です。そこで解決策があります。Michael は ToDo を他のスタッフメンバーに手動で割り当て直すことができます。また、Gorav に依頼して、エンゲージメント計画テンプレートによる ToDo の割り当て方法を変更することもできます。ToDo は、レコードの所有者、またはテンプレートをレコードに適用した人物に割り当てることができます。 

では、Michael が割り当て済み ToDo を管理するところを詳しく見ていきましょう。 

活動コンポーネントと [今後 & 期限切れ] ToDo のリスト

効率よく計画できたため、ToDo は明確で、具体的で、よく考えられたタイムラインで割り当てられています。Michael が Lucy の取引先責任者レコードに関連する ToDo を表示すると、Michael が自分のホームページの [ToDo] タブから自分に割り当てた ToDo をすべて見ることができます (実際のホームページはこれとは違うかも知れませんので、システム管理者に尋ねてください)。  

Michael が Lucy にアンケートメールを送信したら、リストにある最初の連動 ToDo の横にあるチェックボックスをオンにします。また、ドロップダウンを使用して、期日の変更、状況の更新、コメントの追加と編集、フォローアップ ToDo の作成など、さまざまな作業を行うことができます。 

ToDo の完了を示すチェックボックス

次の ToDo の締め切りまでまだ時間がありますので、Michael は Gorav にお礼を言いに行き、エンゲージメント計画テンプレートは良くできていて、多くの ToDo を以前より速く割り当て完了できるようになったと告げました。それを聞いて喜んだ Gorav は「レベル」という別の機能について話し始めました。エンゲージメント計画と組み合わせることで、効果が倍増するとのこと。 

それが本当なら素晴らしい。エンゲージメント計画にはまだまだ学ぶべきことがあるようです。では、次の単元に進んで詳しく見ていきましょう。 

リソース

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