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エンゲージメントスコアと自動化の追加

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • エンゲージメントスコアを定義する。
  • エンゲージメントスコアを作成して取引先責任者に適用する。
  • オートメーションによってステークホルダーのエンゲージメントが向上するしくみを説明する。

Michael は、優れたシステム管理者である Gorav と共にエンゲージメント計画とレベルの組み合わせ、その成果に満足しています。計画、推進、そして開催したイベントの合計数に基づいて No More Homelessness (NMH) の支援ボランティアをレベルに分類することで、グループごとに異なるメッセージやサポートを提供できるようになりました。これにより、現在の能力や達成度には関係なく、すべてのボランティアは適切でアクション可能な情報を受け取って、自身の成長に役立てることができます。そして戦略は当たり、ボランティアのエンゲージが向上し、NMH では問題が改善されています。ボランティアは開催するイベント数を増やし、レベルを上げています。 

ただし、全員ではありません。一部のボランティアはまだイベントのスケジュールや人集めに苦労しています。その中の 1 人が Charlie Gibbons です。Charlie はまだ 1 回もミーティングやイベントを開催していません。これは一体どうしたことでしょう。彼は、最初の頃のトレーニングワークショップに参加しているのです。そして長い間がんばっています。

Michael なら Charlie が開催したイベントがとても少ない (それどころか 1 回もない) 理由を見つけることができるかも知れません。Michael は Charlie のレコードを調べながらヒントを探すうちに、無意識に独り言をつぶやいていました。 

そのつぶやきを耳にした Aniyah が驚いて Michael のところへやって来ます。彼女は Michael の言葉が信じられなかったのです。Charlie Gibbons が NMH にエンゲージしていない? 彼女のチームの基準ではそんなことはありません。開発チームは Charlie を個人的によく知っています。彼は毎年 NMH に寄付しているだけではなく、他のコミュニティメンバーからも寄付を募っていますし、資金調達イベントにもボランティアとして参加しています。 

一体どういうことなのでしょうか。どうやら、Charlie が NMH にどのようにエンゲージしているかの解釈がチームによって異なるようです。これは、彼と自分のチームとのやり取りしか考慮しないためです。非営利団体向けの Salesforce の主な目的はデータを統合することですので、取引先責任者と組織との関係を多角的に捉え、ステークホルダーのさまざまな側面をすべて見るための統一された手段が存在すべきです。 

そして、その手段は存在します。Michael と Aniyah の会話を聞いていた Gorav は、チームに対してエンゲージメントスコアを設定することを提案しました。  

エンゲージメントの総体的なビュー

エンゲージメントスコアとは、ステークホルダーに与えられる数値であり、組織への全体的な関与レベルを示します。スコアは、NPSP のさまざまな数値項目や通貨項目から算出され、スコアの値、意味、計算方法を決めることができます。 

エンゲージメントスコアを作成するには、システム管理者とチームが協力して、まず個人の関与を表す項目を決定します。次にシステム管理者は、これらの変数を計算してスコアを決定するための数式を定義し、算出された値を表示するためのカスタム項目を追加します。計算で異なるデータ型を使用することで、スコアは、単一の部署 (や人物) が表示あるいは追跡できる基準よりも総体的に、ステークホルダーのエンゲージメントを表すことができます。複数の項目 (繰り返しますが数値項目と通貨項目に限定されます) から入力を得て、出力は数値となるため、組織によってはエンゲージメントスコアを NPSP のレベルとして使用しています。 

NMH の誰もが特定のボランティアの活動状況を一目で把握できるように、Michael はエンゲージメントスコアを使いたいと思いました。Charlie が地域支援ボランティアとしてイベントを開催していないため、Michael は彼がエンゲージしていないステークホルダーであると誤解していました。そして、他の誰もが同じミスを繰り返さないようにしたいと考えたのです。組織に大きく貢献している人にうっかり初心者向けの資料を送ってしまっては恥ずかしいですから。 

エンゲージメントスコアの決め方

Michael は Gorav に、3 つの変数を使用して NMH エンゲージメントスコアを計算して欲しいと頼みました。今年の寄付額、ボランティア時間、そして支援ボランティアレベルです。そして、管理を容易にするため、それぞれの変数に 4 つの範囲を設け、それぞれにポイントを割り当てました。

今年の寄付金額

  • 0 ~ 100 ドル = 1 ポイント
  • 101 ~ 500 ドル = 2 ポイント
  • 501 ~ 1,000 ドル = 3 ポイント
  • 1,000 ドル超 = 4 ポイント

今年のボランティア時間合計

  • 0 ~ 10 時間 = 1 ポイント
  • 11 ~ 25 時間 = 2 ポイント
  • 26 ~ 40 時間 = 3 ポイント
  • 41 時間超 = 4 ポイント

支援ボランティアレベル

  • 優良支援ボランティア (イベント開催が合計 0 ~ 3 回) = 1 ポイント
  • 超優良支援ボランティア (4 ~ 6 回) = 2 ポイント
  • エース支援ボランティア (7 ~ 9 回) = 3 ポイント
  • A1 支援ボランティア (10 回以上) = 4 ポイント

Gorav は、3 つの各カテゴリでのステークホルダーのポイントを計算し、全体的なエンゲージメントスコアを割り当てるためのカスタム数式項目を取引先責任者レコードに作成しました。

支援活動の実績しか考慮されなければ、Charlie のエンゲージメントスコアは 1 でした。ただし、彼の NMH に対する貢献を複合的に評価した結果、Charlie のスコアは 9 に跳ね上がったのです。支援活動レベルが 1 ポイント、寄付金額で 4 ポイント、そしてボランティア時間でさらに 4 ポイントを獲得しました。Charlie は立派にエンゲージしていたのです。 

取引先責任者レコードハイライトパネルのエンゲージメントスコア

エンゲージメントスコアを活用すれば、NMH のチームはさらに戦略的に活動できます。これは結局 Charlie に限った話ではありません。チームは、すべてのステークホルダーのエンゲージメントスコアを参考にできます。すべてのステークホルダーのエンゲージメントをパーソナルスコアに基づいて適切に後押しできるように、Michael は部署の垣根を越えて、エンゲージメントレベルの 50% を年度末までに 2 ポイント上昇させようという目標を提案しました。道は険しいかも知れませんが、目標は高く掲げましょう。

感謝の自動化

新しい複合エンゲージメントスコアを通して支援ボランティアを見たことで、Michael は Charlie のようなボランティアの貢献に感謝の念を禁じ得なくなりました。Michael は Gorav に、エンゲージメントスコアを利用してステークホルダーに感謝する方法がないかと尋ねました。 

もう Michael は、Salesforce で何かができないかとシステム管理者に尋ねれば、答えは (ほぼ) イエスであることを知っています。Gorav は、Salesforce には Flow Builder という便利な自動化ツールが存在すると答えました。

Flow Builder は、メールの送信、キャンペーンへの取引先責任者の追加、ToDo の割り当て、エンゲージメント計画の適用など、さまざまな処理を自動化してくれます。実際に Gorav が Michael のリクエストを実現する前に、アクションのしきい値を決める必要があります。話し合いの末、エンゲージメントスコアに応じてすべてのステークホルダーを対象に 3 つの謝意カテゴリを設けることに決めました。 

  • 6 ポイント = ご協力に感謝します!
  • 9 ポイント = 最高です!
  • 12 ポイント = あなたなしでは何もできません!

ステークホルダーがこれらのエンゲージメントスコアに達すると、NMH のエグゼクティブディレクターから自動的に感謝のメールが送信されるようにします。さらに、最高レベル (12 ポイント) に達したときは、手書きの感謝状、NMH の T シャツ、そして水筒を贈呈するための ToDo をチーム全体に割り当てます。

すべてを自動化!

Michael はこの自動化が気に入ったため、すべてを自動化したいと考えました。自動化を使えば、支援ボランティアどうしで前向きな競争を奨励できるのではないかと。ところが Gorav がストップをかけました。確かに自動化は便利ですが、自動化を利用するためには、先に自動化の目標と理由を明確にしておく必要があります。その次は、自動化に情報を与えるためのデータポイント (エンゲージメントスコアなど) を選択して、自動化を実行する条件やタイミングを定義しなければなりません。 

Michael の勘は当たる方ですので、エンゲージメントスコアを利用して健全な (あくまでも健全な) 競争を奨励するということは、良いアイデアかも知れません。Gorav と Michael は、A1 に達した人を称えるメールをボランティアに送信するにはどのような自動化が必要になるのかを検討し始めます。

Michael は、エンゲージメントスコアによってステークホルダーの NMH への貢献度を総体的に見ることができます。そして、彼と NMH のスタッフは、この情報を元に行動を起こすことができます。シンプルな Salesforce の機能 (そして素晴らしいシステム管理者) のおかげで、NMH のスタッフはステークホルダーのエンゲージメントを高めて、NMH のミッションを推進することができました。

リソース

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