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エンゲージメントスコアと自動化の追加

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • エンゲージメントスコアを定義する。
  • エンゲージメントスコアを作成して取引先責任者に適用する。
  • オートメーションによってステークホルダーのエンゲージメントが向上するしくみを説明する。

エンゲージメントの総体的なビュー

エンゲージメントスコアとは、ステークホルダーに与えられる数値であり、組織への全体的な関与レベルを示します。スコアは、NPSP のさまざまな数値項目や通貨項目から算出され、スコアの値、意味、計算方法を決めることができます。 

エンゲージメントスコアを作成するには、まず個人の関与を表す項目を決定します。次にシステム管理者は、これらの変数を計算してスコアを決定するための数式を定義し、算出された値を表示するためのカスタム項目を追加します。

計算で異なるデータ型を使用することで、スコアは、単一の部署や人物が表示あるいは追跡できる基準よりも総体的に、ステークホルダーのエンゲージメントを表すことができます。複数の項目 (数値項目と通貨項目に限定されます) から入力を得て、出力は数値となるため、組織によってはエンゲージメントスコアを NPSP のレベルとして使用しています。 

たとえば、NMH のコミュニケーションスペシャリストの Michael は、特定の支持者の活動状況を NMH の誰もがすばやく確認できるようにエンゲージメントスコアを使いたいと思いました。彼は、NMH への個人の総合的な貢献度をしっかりと把握できないでいます。

ボランティアの中には、まだイベントをスケジュールするのに苦労している人や、安定して人を集めることができない人もいることに気づきました。その 1 人が Charlie Gibbons です。Charlie は、何度か計画ミーティングに出席したにもかかわらず、まだ 1 回もイベントを開催していません。Michael は、初めは Charlie が団体の真剣なサポーターではないと思いました。

開発ディレクターの Aniyah は別な見方をしています。Charlie は毎年 NMH に寄付しているだけではなく、ほかのコミュニティメンバーからも寄付を募っていますし、資金調達イベントにもボランティアとして参加しています。 

どうやら、Charlie が NMH にどのようにエンゲージしているかの解釈がチームによって異なるようです。これは、彼と自分のチームとのやり取りしか考慮しないためです。エンゲージメントスコアを使用すれば、誰もが確認できるシンプルなスコアでこの状況を修正できます。

この単元では、エンゲージメントスコアの設定方法と使用方法を学習します。

エンゲージメントスコアの決め方

Michael は NMH のシステム管理者に、3 つの変数を使用して NMH エンゲージメントスコアを計算して欲しいと頼みました。今年の寄付額、ボランティア時間、そして支援ボランティアレベルです。そして、管理を容易にするため、それぞれの変数に 4 つの範囲を設け、それぞれにポイントを割り当てました。

今年の寄付金額

  • 0 ~ 100 ドル = 1 ポイント
  • 101 ~ 500 ドル = 2 ポイント
  • 501 ~ 1,000 ドル = 3 ポイント
  • 1,000 ドル超 = 4 ポイント

今年のボランティア時間合計

  • 0 ~ 10 時間 = 1 ポイント
  • 11 ~ 25 時間 = 2 ポイント
  • 26 ~ 40 時間 = 3 ポイント
  • 41 時間超 = 4 ポイント

支援ボランティアレベル

  • 優良支援ボランティア (イベント開催が合計 0 ~ 3 回) = 1 ポイント
  • 超優良支援ボランティア (4 ~ 6 回) = 2 ポイント
  • エース支援ボランティア (7 ~ 9 回) = 3 ポイント
  • A1 支援ボランティア (10 回以上) = 4 ポイント

NMH のシステム管理者は、3 つの各カテゴリでのステークホルダーのポイントを計算し、全体的なエンゲージメントスコアを割り当てるためのカスタム数式項目を取引先責任者レコードに作成しました。

たとえば、支援活動の実績しか考慮されなければ、NMH のサポーターである Charlie のスコアは 1 でした。ただし、エンゲージメントスコアを評価した結果、Charlie のスコアは 9 に跳ね上がったのです。支援活動レベルが 1 ポイント、寄付金額で 4 ポイント、そしてボランティア時間でさらに 4 ポイントを獲得しました。

取引先責任者レコードハイライトパネルのエンゲージメントスコア

エンゲージメントスコアを活用すれば、NMH のチームはさらに戦略的に活動できます。これは結局 Charlie に限った話ではありません。チームは、すべてのステークホルダーのエンゲージメントスコアを参考にできます。すべてのステークホルダーのエンゲージメントをパーソナルスコアに基づいて適切に後押しできるように、Michael はすべての部署で、エンゲージメントレベルの 50% を年度末までに 2 ポイント上昇させようという目標を提案しました。

感謝の自動化

新しいエンゲージメントスコアを通して支援ボランティアを見たことで、Michael は Charlie のようなボランティアの貢献に感謝の念を禁じ得なくなりました。Michael はシステム管理者に、エンゲージメントスコアを利用してステークホルダーに感謝する方法がないかと尋ねました。 

もちろん、あります。Flow Builder を使用してフローを作成すれば良いのです。

Flow Builder は、メールの送信、キャンペーンへの取引先責任者の追加、ToDo の割り当て、エンゲージメント計画の適用など、さまざまな処理を自動化してくれます。実際に NMH のシステム管理者が Michael のリクエストを実現する前に、アクションのしきい値を決める必要があります。話し合いの末、エンゲージメントスコアに応じてすべてのステークホルダーを対象に 3 つの謝意カテゴリを設けることに決めました。 

  • 6 ポイント: ご協力に感謝します!
  • 9 ポイント: 最高です!
  • 12 ポイント: あなたなしでは何もできません!

ステークホルダーがこれらのエンゲージメントスコアに達すると、NMH のエグゼクティブディレクターから自動的に感謝のメールが送信されるようにします。さらに、最高レベル (12 ポイント) に達したときは、手書きの感謝状、NMH の T シャツ、そして水筒を贈呈するための ToDo をチーム全体に割り当てます。

すべてを自動化

Michael はこの自動化が気に入ったため、すべてを自動化したいと考えました。自動化を使えば、支援ボランティアどうしで前向きな競争を奨励できるのではないかと思いました。でも焦りは禁物です。

確かに自動化は便利ですが、自動化を利用するためには、先に自動化の目標と理由を明確にします。その次は、自動化に情報を与えるためのデータポイント (エンゲージメントスコアなど) を選択して、自動化を実行するタイミングの条件を定義します。 

Michael の勘は当たるほうですから、エンゲージメントスコアを利用して健全な競争を奨励するということは、良いアイデアかも知れません。NMH のシステム管理者は、新しくトップレベルに達した人を称えるメールをボランティアに送信するにはどのような自動化が必要になるのかを検討し始めます。

Michael は、エンゲージメント計画、レベル、エンゲージメントスコアによってステークホルダーの NMH への貢献度を総体的に見ることができます。そして、彼と NMH のスタッフは、この情報を元に行動を起こすことができます。基本的な Salesforce の機能 (そして素晴らしいシステム管理者) のおかげで、NMH のスタッフはステークホルダーのエンゲージメントを高めて、NMH のミッションを推進することができました。

リソース

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