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ロールアウト戦略を作成する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ロールアウトの成功に寄与する要因を特定する。
  • Einstein for Service の機能のうち、チームに最も適したものを判断する。
  • Einstein for Service の機能がどのように連携するか学習する。

現在どの段階かを明らかにする

Ursa Major Solar の CEO である Sita は Einstein for Service に興味津々ですが、何から始めればよいのかよくわかりません。COO の Roberto Alvarez が、採用をできるだけスムーズに進めるために、ロールアウト戦略を作成することを提案します。そして、製品のロールアウトの推奨フェーズの概要を示します。

フェーズ

タスク

有効化前

  • 現在の課題を挙げる。
  • 目標と優先事項を特定する。
  • 必要なツールを見極める。
  • 何をもって成功とするかを定義する。
  • データをクリーンアップする。

有効化

  • 機能を設定する。
  • 計画に沿って進める。
  • 何らかの問題が浮上した時点で調整する。

有効化後

  • 機能のメンテナンスを行う。
  • 進行状況を定期的に評価する。

Roberto のアドバイスによると、Sita はまずサービスエージェントやお客様が直面しているさまざまな課題を調べて分析する必要があるということです。そこで Sita は、商品サポートスペシャリストの Ada Balewa に、日常業務で改善可能と思われる点がないか尋ねることにします。 

Ada は Ursa Major Solar にこの上ない満足感を抱いているため、サポートチームが利用できそうなサポートを的確に指摘するのはなかなか難しいものがあります。とは言え、高いスピードと効率性が求められる状況でエージェントが時としてうまく対応できていないことを Ada は認識しています。そこで、この点を調査することにします。  

エージェント全員にアンケートを送信し、数人から 1 対 1 のフィードバックを得て、サポートチームにとっての最大の課題を特定しました。エージェントが直面している一般的な課題は次のとおりです。

課題

説明

Einstein for Service の機能

サポート時間を短縮可能な戦略を立てることができない

サポートエージェントが単純作業に時間を取られることが少なくありません。現在はエージェントがケースを分類したうえで、特定の問い合わせを解決可能な適切なエージェントに送信する必要があります。本来であればお客様に対応している貴重な時間が、この処理に費やされていることになります。 

Einstein ケース分類: この機能は、ケースの作成時にエージェントに代わって項目の値を予測します。予測はケースのデータに基づきます。 

Einstein ケースルーティング: この機能は、既存のケースルーティングロジックを使用して、Einstein ケース分類によって自動更新されたケースを転送します。 

ケースのクローズによりお客様をサポートする時間が減る

お客様とのチャット終了時、ケースを完了してからでないと、エージェントは次のお客様のサポートを開始できない。

Einstein ケースラップアップ: Einstein がケース項目の値を提案することで、チャットエージェントはお客様に重点を置くことができるようになり、ケース概要の記入にかける時間も短くなります。

「適切」な返信を見つけるために他のアプリケーションに多大な時間を費やしている

お客様は一人ひとり異なり、そのメッセージもそれぞれ異なります。企業とお客様間のコミュニケーションは必ずしも合理化されておらず、お客様が同じ質問に対して異なる回答を得ることがあります。こうした混乱を避けるために、エージェントは他のエージェントに相談したり、付箋にメモ書きしたり、各種のテンプレートを見比べたりすることに多大な時間を費やしています。

Einstein 返信レコメンデーション: お客様への推奨の応答方法がエージェントに表示されます。こうした返信はシステム管理者が事前承認済みですが、エージェントがお客様に送信する前にパーソナライズできます。 

ヘルプコンテンツを的確に絞り込めない 

Salesforce 組織には膨大な数のナレッジ記事が存在します。お客様からの質問にエージェントが即座に答えられないときに、おそらく最初に検索するのがナレッジ記事です。このあらゆる記事の中から選び出すとなると、ケースのクローズに相当な時間がかかるものと思われます。 

Einstein 記事のおすすめ: ケースが作成または更新された時点で、エージェントが知識ベースから記事のおすすめを受信します。エージェントはこうした記事をお客様に読み上げることも、直接送信することもできます。

CSAT アンケートに対する返信メールがない

エージェントは CSAT スコアに基づいてお客様との関係を構築して強化します。 

Einstein Next Best Action: エージェントがお客様に対応するときに、ケースがクローズした時点で Einstein が CSAT アンケートを送信するプロンプトを表示します。 

あなたのエージェントはどのような課題に直面していますか? 見つかった課題を Einstein for Service の上記のソリューションと照らし合わせ、課題の解決につながると思われる機能を検討します。 

目標と優先事項を特定する

課題をいくつか特定した Sita と Roberto は計画段階に進みます。ここで、「翌四半期の目標は何か?」「Ursa Major Solar の優先事項は何か?」といったいくつかの重要な質問に答える必要があります。 

2 人はすぐさま上位 4 つの目標を挙げます。 

  1. エージェントの単純作業を軽減する。
  2. ケース間のコミュニケーションを合理化し、問い合わせへの対応方法に関する情報を見つけやすくする。
  3. ヘルプコンテンツを整理する。
  4. CSAT スコアを向上させる。

2 人は続いて、Ursa Major Solar の優先事項を挙げます。

  1. 信頼
  2. カスタマーサクセス
  3. イノベーション
  4. 平等

上記の事項から、Einstein のどのツールを使用すべきか自ずと見当がついてきます。続いて、この 2 人が進行状況の測定方法を決めるところを一緒に見ていきましょう。

成功を測定するメトリクスを選定する

上記の目標と明確な優先事項を踏まえて、何をもってロールアウトの成功とするかを決めることができます。Roberto は、Ursa Major Solar における Einstein for Service ロールアウトの成功を測定するものとして極めて具体的なメトリクスを特定しました。では、詳しく見てみましょう。

目標

Einstein for Service のツール

成功の基準

エージェントが単純作業に費やす時間を減らす。

Einstein ケース分類、Einstein ケースルーティング、Einstein ケースラップアップ 

ケースをクローズするまでの時間を 3 時間短縮する。 

自動化テンプレートを使用して、リアルタイムのコンテキストを基に次に何と言うべきかをエージェントに示して誘導する。

Einstein 返信レコメンデーション

返信レコメンデーションを 1 つ以上利用した会話数を 10% 増やす。

問題の解決に最も役立つヘルプ記事の検索時間を短縮する。

Einstein 記事のおすすめ

記事のおすすめを 1 つ以上貼付したクローズケース件数を 10% 増やす。

CSAT アンケートへの回答数を増やす。 

Einstein Next Best Action

顧客満足度スコア (CSS) の回答数を 20% 増大させる。

Salesforce ではこうしたメトリクスをダッシュボードに取得し、見やすいグラフにして表示できます。Roberto はカスタムレポートタイプを作成して、Sita とそのエージェント全員に最新状況を共有することもできます。時間の経過とともにチームの戦略を向上させていくためには、こうしたメトリクスやレポートが不可欠です。 

リソース

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