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Einstein Copilot を試す

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Einstein Copilot の各コンポーネントを定義する。
  • 標準アクションとは何かを説明する。
  • カスタムアクションがどのように作成されるかを説明する。
  • トピックにおけるアクションの位置づけを要約する。

内部のしくみを見る

Linda は Einstein Copilot の設定を始める前に、この機能の基本を理解しておきたいと考えています。彼女と一緒にさまざまなコンポーネントに注目し、Einstein Copilot のしくみについて学習しましょう。

Einstein Copilot のしくみ

Einstein Copilot には Copilot、トピック、アクション、推論エンジンの 4 つの基本コンポーネントがあります。

Copilot

前の単元では、Einstein Copilot が Salesforce インターフェイスにシームレスに組み込まれた信頼される会話型 AI エージェントであることを学習しました。現時点では、従業員向けに 1 つの Copilot をカスタマイズして起動することができ、その Copilot を Salesforce の作業の流れの中で使用できます。

Copilot は Salesforce 内でユーザーに代わってビジネスタスクを実行することができます。そのしくみはどうなっているのでしょうか? ここで登場するのがアクションです。

エージェントとトピック

アクションとは Copilot が作業を実行する方法です。Copilot にはアクションのライブラリが含まれています。基本的にこれは Copilot が実行できるタスク (情報の要約、知識ベースからの回答の取得、メールのドラフト作成など) のセットです。Copilot のすべてのアクションはトピックに割り当てられています。

トピックは、Copilot がより正確な意思決定を行い、より関連性が高く予測可能な応答を生成するのに役立つ組織とカスタマイズのレイヤーです。トピックの中身を覗いてみると、関連アクションとそのアクションの使用方法を Copilot に指示する手順がまとめられていることがわかります。

ユーザーが質問や要求を入力すると、割り当てられたすべてのアクションのフラットリストを検索するのではなく、Copilot は関連性の高いトピックを選択して、そのトピック内に含まれている 1 つ以上のアクションを起動します。これにより、Copilot は現在の会話と最も関連性が高いアクションやデータから逸脱することがありません。別の見方をすると、トピックは実行すべきジョブ (取引先の管理) であり、アクションはそのジョブに関連するタスク (メールの作成、活動の記録、ToDo リストの作成) です。この 2 つを併用することで、ユーザーは目標を達成することができます。

トピックとアクションの連携について理解したところで、アクションそのものについてもう少し詳しく見てみましょう。

アクションの種別

最初からいくつかの標準アクションが提供されています。そのため、機能を有効にすると、Copilot はすぐに一般的な Salesforce タスクについてユーザーの役に立ちます。一方、Copilot に追加機能を与えるためにカスタムアクションを作成して、各自のビジネスに固有のタスクの支援を行うようにもできます。この 2 種類のアクションを詳しく見てみましょう。

メモ

一部の Einstein Copilot アクションはベータであり、機能が制限されています。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。これらのアクションを Copilot に含めるのはサービスの一部であり、有効にして使用すると Einstein Request を消費します。

標準アクション

標準アクションは Einstein Copilot でデフォルトで提供されています。一部の標準アクションは Copilot にアクセスする権限を持つすべてのユーザーが使用できます。一方、特定のクラウドや製品で使用するために作成され、追加ライセンスが必要な標準アクションもあります。

以下は、Einstein Copilot に含まれる標準アクションの一部、そのアクションが実行する内容の短い説明、そのアクションをトリガーするユーザー要求の例です。一部のアクションは Copilot の基本機能に重要であり、それらの機能はシステムアクションと見なされます。システムアクションは Copilot から削除できません。

アクション名

実行する内容

Identify Record by Name (名前でレコードを識別)

(システムアクション)

Salesforce レコードを名前で検索し、一致するレコード ID のリストを返します。例: 「Show me the Acme records.」(Acme のレコードを表示してください。)

Identify Object by Name (名前でオブジェクトを識別)

(システムアクション)

ユーザーの入力を解釈してユーザーがどのオブジェクトについて話しているかを判断し、オブジェクト名を返して、追加アクションを実行できるようにします。たとえば、ユーザーが Copilot チャットウィンドウに「List the opportunities for the Acme account」(Acme 取引先の商談のリストを表示してください) と入力すると、このアクションによってユーザーが取引先オブジェクトと商談オブジェクトに関する情報を要求していることが識別されます。

Query Records (レコードを照会) (ベータ)

ユーザーの要求と特定の条件 (項目の値など) に基づいて Salesforce レコードを検索して取得します。例: 「Find all open opportunities set to close this quarter sorted by created date.」(この四半期に完了する予定のすべての進行中の商談を検索して作成日順に並び替えてください。)

Query Records with Aggregate (集計を使用してレコードを照会) (ベータ)

Salesforce データに関する集計の質問 (計数、合計、最大値、最小値、平均など) に回答します。例: 「How many opportunities were created in the past 5 days?」(過去 5 日間に何件の商談が作成されましたか?)

Summarize Record (レコードを集計)

1 つの Salesforce CRM レコードを要約します。例: 「Create a summary for the Acme deal.」(Acme 商談の要約を作成してください。)

Draft or Revise Sales Email (セールスメールのドラフトを作成またはセールスメールを修正)

ユーザーの入力に基づいて、セールスメールのドラフトを作成したり、最後に生成されたメールを修正したりします。例: 「Help me write an intro email to Steve from Acme.」(Acme の Steve への紹介メールを書くのを手伝ってください。)

Answer Questions with Knowledge (ナレッジを使用して質問に回答)

関連するナレッジ記事の情報に基づいてユーザーからの質問に回答します。例: 「What is the policy for returns over 30 days?」(30 日を超える返品のポリシーはどうなっていますか?)(ナレッジライセンスが必要です。)

ご覧のとおり、始めるにあたって標準アクションは十分役立ちます。これによって Copilot は従業員のためにいくつもの便利なタスクを実行することができます。今後の Salesforce リリースではさらに多くの標準アクションが追加される予定です。すべての標準アクションを確認するには、こちらのドキュメントを参照してください。

自社のビジネスに固有のプロセスやワークフローについてユーザーを支援するように Copilot をカスタマイズするには、カスタムアクションを作成できます。

カスタムアクション

幸い、カスタムアクションをゼロから作り始める必要はありません。実際、カスタムアクションはすでに皆さんが知っていて愛用している Salesforce テクノロジーに基づいています。

カスタムアクションを作成するときには、Einstein Copilot で使用したい既存のプラットフォーム機能 (呼び出し可能 Apex クラス、自動起動フロー、プロンプトテンプレートなど) を基にしてカスタムアクションを作成します。これは既存の Salesforce Platform 機能をより効果的に活用する優れた方法です。

新しいカスタムアクションに使用できるアクション種別のドロップダウンリスト。

たとえば、フローを使用して MuleSoft API に接続したり、Apex またはフローを使用してサードパーティ API に接続したりできます。また、Apex またはフローを使用して Data Cloud を通じてエンゲージメントデータ、Web サイトデータ、またはサードパーティデータにアクセスすることもできます。カスタムアクションを使用すれば、その機能が Einstein Copilot で使用できるようになり、膨大な価値やユースケースが実現可能になります。

カスタムアクションのユースケース

自分の組織でどのようにカスタムアクションを使用できるだろうかとお考えですか? 可能性は無限で、各自の固有のビジネスニーズ次第です。Linda は Cloud Kicks がカスタムアクションをどのように利用できるかについてブレインストーミングを行ってきました。挙げられたユースケースには次のようなものがありました。

  • 注文の詳細を取得する。
  • 注文の返品を開始する。
  • 商品のおすすめを提示する。
  • 在庫レベルを確認する。
  • 請求書の作成と変更を行う。
  • 営業ミーティングを予約する。
  • お客様のセンチメントを評価する。
  • マーケティング資料を作成する。
  • 内部 IT チケットを登録する。

Linda は多くのアイデアを持っていますが、まずは小規模に Einstein Copilot を営業チームの少人数のグループにロールアウトしてフィードバックを得ることにします。そうすることで、カスタムアクションの高度なユースケースに取り組む前に、標準アクションでこの機能をテストできます。

カスタムアクションについての詳細は、「リソース」セクションのリンクを参照してください。

推論エンジン

トピックとアクションは非常に強力ですね。Copilot のビルディングブロックであり、新しい AI エージェントを動かす原動力でもあります。ただし、Copilot はどのようにしてエンドユーザーとの会話中にトピックを起動すべきタイミングを判断するのでしょうか? このときに Einstein Copilot の背後で動作しているのが推論エンジンです。

推論エンジンはオーケストラの指揮者だと考えることができます。指揮者は拍子を取り、音楽家たちが各自の演奏を調和させられるように導きます。同じように、Einstein Copilot の推論エンジンは、トピックとアクションがユーザーの要求を実行する方法をとりまとめます。

ユーザーは Einstein Copilot を起動して会話を始めると、質問をするか指示を入力します。バックグラウンドで推論エンジンは LLM と連携して要求を実行します。その動作は次のとおりです。

  • ユーザーの要求を解釈し、発言をトピックに分類する。
  • ユーザーの目標を実現するための計画を反復的に作成する。
  • 目標を実現するための適切なトピックとアクションを見つけて起動する。

実際に使ってみる

Linda は機能のしくみを理解したことに自信を持ち、Einstein Copilot を実際に使ってみようと考えています。次の単元では、Salesforce 組織で Copilot を有効にしてカスタマイズする方法を学習します。

リソース

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