支援を作成して編集する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

Nonprofit Success Pack (NPSP) で商談レコードを使用して支援を追跡する方法を説明する。
個人からの支援を作成する。
組織からの支援を作成する。
支援積み上げ集計の使用法を説明する。

非営利団体向け Salesforce には統合プラットフォームソリューションと管理パッケージの両方が含まれます。このバッジでは、管理パッケージである Nonprofit Success Pack について説明します。その他の非営利団体向けの Salesforce ソリューションについては、「非営利団体向けの Salesforce の基本」を参照してください。

始める前に

このモジュールを始める前に、次の推奨コンテンツを完了することを検討してください。

Nonprofit Success Pack (NPSP) を使用した関係者データの管理

資金の流れを追う

非営利団体はそのミッションがどのようなものかに関係なく、活動を推進するために支援や助成金、その他の寄付による収益が主要な収入源であるものと思われます。

このモジュールでは、Salesforce と Nonprofit Success Pack (NPSP) を使用して、各種の支援や支払を追跡して管理する方法について詳しく説明します。NPSP は、支援者やプログラムのクライアントに関する詳細情報を適切に記録する標準のデータモデルを備え、さらに、支援や支援履歴を 1 つのシステムで追跡できるようにする資金集め機能が補完されています。

このモジュールでは、個人や組織からのシンプルな支援を追跡する方法から見ていきます。

それでは始めましょう。

商談と商談レコードタイプについて理解する

NPSP では Salesforce の商談標準オブジェクトを使用して、支援、助成金、収益のすべてを追跡します。商談レコードは支援者に関連付けられ、支援者は取引先責任者オブジェクトや取引先オブジェクトで追跡されます。NPSP には世帯取引先という独自の取引先レコードタイプも用意されています。

Salesforce では支援 (やその他の収益) がすべて商談レコードで追跡されるため、「商談」という用語が度々「支援」や「助成金」の意味で使われます。ただし、どの商談も同じというわけではありません。NPSP では多様な商談のさまざまな情報やプロセスを追跡するために、数種の商談レコードタイプがデフォルトで付属します。

付属のレコードタイプは以下のとおりです。

支援
助成金
現物支援
大口支援
マッチングギフト
会員

新しい商談を作成して商談レコードタイプを選択すると、そのレコードタイプで定義されたページレイアウトや項目を使用する特定のプロセスが開始されます。システム管理者は、各自のニーズに合わせてレコードタイプを追加や削除して、レコードタイプリストをカスタマイズできます。

商談レコードは他のオブジェクトや機能 (支払、継続支援、一般会計単位、割り当てなど) と連動しますが、この点についてはモジュールの後半で説明します。では、個人支援者からの寄付というシンプルな事例から見ていきましょう。

個人からの支援を入力して変更する

このモジュールでは、No More Homelessness (NMH) という (架空の) 非営利団体の開発スタッフの業務を見ていきます。この社会福祉団体は NPSP のほかに非営利団体向けの Salesforce の製品や機能も使用してミッション全般を管理しています。

NMH の開発担当者である Sofia Rivera が、昨夜ある理事の自宅で開催された資金集めパーティで寄せられた支援を入力しようとしています。すべての新規支援者の取引先責任者レコードは作成済みのため、すぐに支援を入力できます。

NMH のオフィスで同僚にコンピューター画面を示している Sofia

NPSP に支援を手動で入力する場合、次の 3 通りの方法があります。

取引先責任者レコードの [新規支援] クイックアクションをクリックする。
Nonprofit Success Pack アプリケーションの [商談] タブに移動して、[New (新規)] ボタンをクリックする。
支援エントリツールを使用する (このモジュールでは詳しく説明しません。下記のメモを参照してください。)

個人からのシンプルな支援については、取引先責任者レコードに支援を入力することをお勧めします。では、Sofia が Candace Evans という支援者からの 1 回限りの支援を入力する手順を一緒に見ていきましょう。

グローバル検索ボックスに支援者の名前 (この例では Candace Evans) を入力し、その取引先責任者レコードをクリックします。
[新規支援] をクリックします。
[新規支援] インターフェースに支援の詳細を入力します。

商談名 (必須): NPSP には、この項目に Candace Evans Donation (Candace Evans 支援) といった標準的な名前と日付を自動入力するシステム管理者用のツールが装備されています。この項目が空白の場合は、商談名を入力する必要があります。
フェーズ (必須): 商談レコードタイプごとに、その支援種別のプロセスを反映する独自のフェーズセットが設定されています。ここでは小切手を受領済みのため、[記帳済み] を選択します。(Salesforce インスタンスによっては [支援成立] 状況が代わりに使用されている場合があります。)
完了予定日 (必須): 支援が進行中の間は (つまり、支援者が寄付を決定する前や助成金が授与または却下される前)、資金を受け取る予定日を表します。支援が成立 (取引先責任者が支援を行った) または不成立 (支援を行わないことにした) のいずれかで完了した場合は、[完了予定日] は資金を受領した日または約束を取り付けた日を表します。この支援は昨夜行われたため、昨日の日付を選択します。
金額 (省略可能): $100
主キャンペーンソース: ここではキャンペーンレコードについて詳しく説明しませんが、商談を効率的に分類する手段になります。たとえば、年次の活動資金集めメールやキャピタルキャンペーンなど、キャンペーンごとに支援を分類できます。支援を今年度の活動資金集めという主キャンペーンソースに関連付ける場合は、[Annual Fund (年次の活動資金集め)] を見つけて選択します。

[Save (保存)] をクリックします。

ここで、新しい商談レコードの素晴らしい機能について詳しく見ていきましょう。このレコードにアクセスする場合は、商談が作成されたことを伝えるメッセージをクリックします。また、取引先責任者レコードの [関連] タブをクリックして [商談] 関連リストを見つけ、新しい商談の名前を選択することもできます。

Candace Evans の支援の新しい商談レコード

この商談レコードには、[新規支援] インターフェースより多くの項目が示されます。その理由は、[新規支援] ボタンがクイックアクションというものであるためです。クイックアクションには、商談レコードを作成するために必要な基本的な項目のみが示されます。別の商談レコードタイプを選択する場合や、商談に関する詳細なデータを最初に入力したい場合は、取引先責任者の [商談] 関連リストまたは [商談] タブにある [New (新規)] ボタンをクリックして開始します。

商談レコードを編集または変更する場合は、[Edit (編集)] クイックアクションをクリックするか、任意の項目の横にある編集アイコン () をクリックします。

もう 1 つの注意点は、この商談を作成すると自動的に支払レコードも作成されることです。この支払レコードは [関連] タブにある [支払] 関連リストで確認できます。支払については次の単元で取り上げます。

企業や他の組織からの支援を入力する

理事宅でのパーティに参加した人々から寄せられた支援を処理していた Sofia が、Cloud Kicks という地元企業の小切手を見つけました。前述のとおり、民間財団、企業支援者、政府機関などの組織から寄せられた支援も商談オブジェクトを使用して管理し、この場合は取引先オブジェクトを使って追跡します。

取引先から受け取った支援の作成も、個人から受け取った場合とほぼ同じです。では、Sofia が Cloud Kicks から受け取った支援を作成する手順を一緒に見ていきましょう。

支援者の取引先を検索して選択します。この例では、グローバル検索で [Cloud Kicks] を見つけて選択します。
ページに [関連] タブが開いていない場合はタブをクリックします。
[商談] 関連リストの [New (新規)] をクリックします。
[支援] レコードタイプを選択して、[Next (次へ)] をクリックします。この商談が助成金または現物支援の場合は、次のいずれかのレコードタイプを選択できます。
必須項目と選択した省略可能項目に入力します。Sofia は次の詳細情報を入力します。

商談名 (必須): この項目に事前入力されるようにシステム管理者が NPSP を設定している場合は何も入力する必要がありません。ただし、項目が空の場合は値を入力する必要があります。Sofia は Cloud Kicks Donation (Cloud Kicks 支援) と入力し、続けて完了予定日を入力します。
取引先名 (必須): 取引先レコードから商談レコードを作成した場合はすでに入力されています。
金額 (省略可能): $1,000
完了予定日 (必須): 前述のとおり、支払を受領した日または支払を受領することになっている日です。Sofia は昨日の日付を入力します。
フェーズ (必須): この支援は受領済みのため、Sofia は [記帳済み] を選択します。(Salesforce インスタンスによっては [支援成立] 状況が代わりに使用されている場合があります。)

[Save (保存)] をクリックします。
[商談] 関連リストの商談名をクリックして、支援レコードを確認します。

[Cloud Kicks] 商談レコード

商談積み上げ集計項目を確認する

Sofia は個人と企業の双方からの 1 回の支援を簡単に入力できましたが、NPSP がその本領を発揮するのは支援者の全体像を示すときです。

ここで登場するのが商談積み上げ集計項目です。

積み上げ集計項目は関連するレコードから取り込んだ情報を表示するもので、あるレコードの情報を別のレコードに表示させることができます。この情報が 1 つの値であることもあれば、複数のレコードの値の集計である場合もあります。

NPSP の取引先レコードや取引先責任者レコードには、関連する商談からの情報を集約する積み上げ集計項目が多数あります。こうした項目に取引先責任者レコードや世帯取引先レコードの支援の概要が示されるため、各支援者のエンゲージメントレベルを簡単に把握できます。

NPSP の積み上げ集計項目はデフォルトで、ページレイアウトのセクション (会員情報、これまでの支援総額、ソフトクレジット、世帯の支援、支援のメトリクスなど) に分類されます。

たとえば、取引先責任者レコードの [支援総額] セクションにある [これまでの支援総額] 項目には、その取引先責任者に関連付けられているすべての完了済み商談レコードの合計値が示されます。[これまでの支援回数] 項目には、支援者が寄付した回数が示されます。

[これまでの支援総額]、[これまでの支援回数]、[N日間の支援総額]、[N日間の支援回数]、[今年の支援総額]、[今年の支援回数] などの項目がある [支援総額] セクション

積み上げ集計項目は参照のみ項目として扱います。項目を直接編集できることに気付くかもしれませんが、入力項目に基づいて夜間に再計算され、上書きされます。

Sofia はこれまでに 2 つのシンプルな 1 回限りの支援を入力しました。では、確約を取り付けたが、まだ支払が行われていない支援を入力する必要がある場合はどうすればよいのでしょうか?

NPSP ではこうしたニーズもサポートされており、次の単元でその方法を学習します。

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