成功に結びつく採用およびコーチング
学習の目的
このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。
- 的確なサービスエージェントを雇う方法を説明する。
- エージェントの動機付け、トレーニング、およびモラル向上の方法を説明する。
- エージェントのパフォーマンスを評価する際に見るべき点と、効果的なフィードバックを出す方法を説明する。
カスタマーサービスエージェントから変化のエージェントへ
コールセンターの統計を見ると、非常に恐ろしい事実が浮かび上がります。多額の労力と費用を掛けてサービスエージェントを育てても、経験を積んだ多くのエージェントが転職してしまうのです。時間と費用の無駄を止めるにはどうしたらよいでしょうか。以下は、強力なデジタルコンタクトセンターの雇用と研修のプログラムを実装するためのステップバイステップのガイドです。
ステップ 1: 優れたエージェントを雇う
比類のないカスタマーサービスを提供したいのであれば、まずは雇用プロセスから変革する必要があります。雇用プロセスを改善することで、運営とカスタマーサービス全体のパフォーマンスが高まり、サービス提供コストが抑えられます。では、一流のエージェントを雇うにはどうしたらよいでしょう。カスタマーサービスと有能な人材の雇用におけるエキスパートである Kevin Hegebarth が提唱する、新規雇用の面接で見るべき重要な側面について見てみましょう。
- 技術的知識: 業界と基本的な解決スキルを確実に理解していること。
- マルチタスク能力: 極めて忙しい環境で仕事をこなし、1 つの問題から別の問題に一瞬で切り替えられること。
- 電話のエチケット: 会話において顧客を不快にさせず、流暢な会話ができること。
- 穏やかさ、冷静さ、状況判断能力: 周囲の環境に関係なく、どのような状況でも穏やかで臨機の才に優れていること。
- 集中力: すべての顧客に対して最高のサービスを提供することに集中できること。
- ソリューション指向の思考能力: 高い自信を持ち、自身で解決策を探すか、あるいは答えを持っている的確な人材に顧客を向けることができること。
- 顧客の声に耳を傾け、顧客第一に考える姿勢: 共感と忍耐を持って顧客に接することで、顧客に真摯に対応されているという感触を与え、問題についてよく話を聴き、問題解決のための知識を持っているという印象を与えることができること。
ステップ 2: 優秀なエージェントチームの編成
オンラインでビジネスを行う人が増える中、カスタマーサービスチームはビジネス成長の中心になりつつあります。Kevin Hegebarth は、優秀なエージェントチームを編成するための 4 つの戦略を提唱しています。
成功のための 4 つの戦略
すぐに決断する
優秀なエージェントの争奪戦は熾烈です。有能な人材を逃したくなければすぐに雇用を決定することです。応募者は、すぐに決めてくれる会社のオファーを受け入れがちです。タイムリーに雇用を決定することは、現場に出たときの成績にも良い影響をもたらします。
応募者に連絡する
2013 年の CareerBuilder による調査では、応募者の 75% 超が応募した会社から何も連絡がなかったそうです。ゼロ。何もなし。まったく何もなかったそうです。そして、応募者の 82% は「不採用」の一言でもいいので連絡を期待したとのことです。雇用プロセスをブラックホールにしてはいけません。応募者全員に応答することは、会社のレビューサイトにおけるブランドの高評価に繋がり、より有能な人材が集まることになります。
全員を関与させる
応募者の面接内容を記録し、最も有望な候補者を主要な社員にも吟味させることで、正しい雇用の意思決定を保証します。また、品質保証チームの評価と同じように、各候補者が一貫して評価されているかどうかを見ることで、人事採用チームの評価にも役立ちます。
水晶玉 (のうようなツール) を使う
新しいエージェントを雇うには時間とお金が掛かり、使い物にならなければ結局は無駄になります。ビッグデータと予測分析により、一流の候補者を特定し、雇用失敗のリスクを最小限に抑えることができます。予測解析では、成功したエージェントの在職期間とパフォーマンスを、雇用プロセスで収集した情報と比較します。この比較により、新しい応募者を比較するのに役立つデータ駆動型モデルが提供されます。候補者がそのモデルに適合すれば、組織の主要な指標に対して良い結果を出すことが期待されます。雇用者候補リストのトップに移しても良いでしょう。
ステップ 3: エージェントのモチベーションを維持する
適切な人材を確保し、チームの編成が完了しました。そして今、最も重要なステップの 1 つである「従業員への投資」にたどり着きました。優れた仕事をしたエージェントを褒賞することで、優れた人材を維持できます。
エージェントが満足すれば、顧客も満足するのです。エージェントを満足させるためには、仕事を成功に導くツールを提供する必要があります。会社に支えられていると感じているエージェントは、より熱心に仕事に打ち込み、よりプロアクティブに、より生産的に、そして最も重要なこととして、顧客にとってより心地よくなります。
では何から始めたらよいのでしょうか。David Bethers によると、「魅力的なインセンティブプログラムは、チームのモチベーションを維持してコラボレーションを強化するための手軽な手段であり、仕事で成果を出せば褒賞されるという気持ちを従業員に与えます。ただし、計画が必要です。以下の 5 つの手段により、カスタマーサービスからキャリアを成功させることができるのです。」
- 新しいスキル: デジタル、ソーシャルメディア、モバイルアプリケーション、そして新しいチャンネルでのトレーニングを提供します。
- 新しいモチベーション: エージェントに意思決定をさせ、エージェントの多様性を重視して雇用します。
- 新しい作業ルール: パフォーマンスの高いエージェントにはより自由な自主性を認めることで、将来の地位に繋がり、スケジュールの柔軟性が高まり、チーム内でのコラボレーションが促進されます。
- 新しい指標: エージェントの待遇を見直し、役割の延長や昇進のチャンスを提供します。
- 新しいキャリアパス: マーケティング、デジタルコンテンツ、ソーシャルメディア、セールスなど、会社の他の部門への異動の機会をエージェントに提供します。
手順 4: エージェントのパフォーマンスに対して建設的なフィードバックを提供する
エージェントのパフォーマンスには多くの要因が影響します。ご存じのように、コンタクトセンターはストレスの多い場所です。エージェントのストレスは顧客のストレスの原因となり、顧客のストレスはエージェントのストレスの原因となります。フロアで問題が起きた場合は、エージェントに対してストレスを認識して、ストレスの原因を分散するように促しましょう。
次に、事前にパフォーマンスについての話し合いを設計しておき、エージェントに評価を伝えます。エージェントが最大限の力を発揮するために必要なツールや継続的なトレーニングについて理解するために、エージェントの間で開かれた会話の機会を持ちます。
最後に、エージェントのパフォーマンスを改善し、エージェントと、その成長をサポートするための建設的で一貫したフィードバックを提供します。これらのステップにより、エージェントは経緯と信頼を得て、優れた仕事を継続することができます。
エージェントのパフォーマンスフィードバックの流れ