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効果的な「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントを作成する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 「私たちが実施可能な方法は?」(HMW) ステートメントを定義する。
  • ストラテジーデザインプロセスで「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントを使用する理由を説明する。
  • ストラテジーデザインプロセス全体における「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントのさまざまな使い方を説明する。
  • HMW を作成するプロセスを説明する。
  • HMW の効果的な問いの要件を説明する。
  • HMW の問いを作成する際に注意すべき落とし穴を挙げる。

「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントとは?

「How Might We (私たちが実施可能な方法は?)」(HMW) ステートメントを使用すれば、課題のフレーミングが解決可能な問いに変換されます。問題が生成的思考を用いる機会になり、問題と解決案に対する考え方が整理されます。このステートメントは、まず行動を喚起し、どう行動すべきか明確でないときには、デザインをどう推し進めていくか導きます。 

このステートメントは敢えて 3 つの簡単な単語で構成されています。How (方法) は問題が解決可能であることを示唆し、Might (実施可能) は可能性を想像して検証することができるが、コミットする必要はないことを表し、We (私たち) は協力して取り組むことを示します。

「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントが適切であれば、チームが共通目的のもとに結束し、ストラテジーデザインプロセスの開始時にさまざまな解決の道筋を示す質問をして、チームの創造的な思考が喚起されます。デザイナーのマインドセットが「問いのフレーミング」にシフトし、あらゆる仮定に挑むようになります。このステートメントは問題を機会に変えるもので、誰も一人では解決できないことを前提にしています。中でも一番大切なのは、人間が中心となってこの解決にあたるようデザイナーに促すことです。

「私たちが実施可能な方法は?」(HMW) の問いテンプレートを使用した課題のフレーミングの例

HMW ステートメントのさまざまな使い方

ストラテジーデザイナーがその本領を発揮するのは、ストラテジーデザインプロセスを通して HMW ステートメントを作成して調整するときです。このステートメントは、デザインの機会を明確にする目的で使用されるため、ストラテジーデザインプロセスを通して定期的に見直されるほか、フェーズに応じてその用途が異なります。 

  • 課題のフレーミングとスコーピング: プロジェクトの目的を明確にし、共通の課題の解決に協力して取り組むデザインチームをまとめます。
  • すり合わせ: ユーザーから新たなインサイトや見識が示されたときに、デザインの機会を明確にし、発案や概念化のフェーズの指針にします。
  • 発案: デザイン上の大きな課題の特定の要素についてアイデアを出し合います。多数の HMW ステートメントを考案し、ブレインストーミングまたは発案の各セッションで数種のステートメントを使ってみます。
  • 反復: プロトタイピングを反復的に実施して、そのプロトタイプで問いの答えが示されるかどうか確認し、ユーザーの新しい見解を基に修正して問いを改良していきます。

HMW を使用して課題をフレーミングする

適切なソリューションに至るためには、適切な「私たちが実施可能な方法は?」の問いが不可欠です。この問いによって焦点を絞り、創造的に検証できるようになるためです。ここで、効果的な HMW ステートメントの考案方法をご紹介します。

  1. 問題ステートメントを書き出す。課題のフレーミング時の各自の質問に対する回答に基づいて、解決しようとしている問題は何か?
  2. 「私たちが実施可能な方法は?」の問いに基づいて、デザイン上の課題のドラフトを作成する。最初のドラフトで、問題ステートメントに「私たちが実施可能な方法は?」を追加します。
  3. 影響を特定する。「この問題を解決すると、____ という影響がある」の空白を埋めて、達成しようとしている主な成果を説明します。続いて、この影響を想定してデザイン上の課題をテストし、ステートメントを改良します。
  4. デザイン上の課題をテストする。「私たちが実施可能な方法は?」のテストで、できるだけ多くのソリューションをブレインストーミングします。「私たちが実施可能な方法は?」で意図する影響をもたらす多数のソリューションが考案されない場合は、望ましい影響をもたらすソリューションが見つかるまで改良し続けます。
  5. 問題と影響を改良する。影響について検討するほか、ユーザーの周囲のエコシステムや各種の要素 (技術的、地理的、時間的な考慮事項他) に見られるべき変化など、検討する必要があるコンテンツの重要な側面や制約を書き出します。
  6. 再度試行する。「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントを書き直し、テストプロセスを繰り返します。

HMW の効果的な問いの要件

HMW の問いによってデザインの解決に近づけないのであれば、その HMW は役に立ちません。以下の質問をして、HMW の有効性を評価します。

  • 生成的か? 課題を解決して意図する影響をもたらす 5 つのソリューションに迅速にたどり着くことができるか?
  • アクセス可能か? チーム外の人も、意図する影響をもたらすソリューションを迅速に生成できるか?
  • スコープが狭すぎないか? すでにフレーミングにこのソリューションが言及されているために、さまざまな解決策を見つけにくいということはないか?
  • スコープが広すぎないか? ソリューションが過度に意欲的なうえ、ソリューションが多すぎて何から着手すればよいのかわからないということがないか?
  • 望ましい成果が示されているか? ステートメントから、何をもって成功とするかを把握できるか?

HMW の問いを作成する際の落とし穴

適切な HMW ステートメントを作成するのは容易なことではありません。これは反復的なプロセスで、数回のリフレーミングを要します。HMW の問いを思い付くたびに何度もテストします。その際、次の落とし穴に注意します。

よくある誤り

非実効的な HMW

実効的な HMW

理由 

ソリューションが記載されている。

カスタマーサービス要求用の Web サイトを作成するにはどうすればよいか? 

お客様がカスタマーサービスを利用しやすくするにはどうすればよいか?

非実効的な例では、Web サイトとカスタマーサービス要求に関するアイデアに限定されます。 

設計、構築、作成などの用語を使用する。

ユーザーと一緒にカスタムシューズをデザインし、ユーザーが自己表現できるエクスペリエンスを構築するにはどうすればよいか?

ユーザーと一緒にカスタムシューズをデザインし、ユーザーが自己表現できるようにするにはどうすればよいか?

非実効的な例では、ユーザーの成果ではなく、設計や構築という行為に焦点が当てられています。 

ユーザーに示すコンテキストが多すぎる。

Web サイトのユーザーに配送品の到着時間を知らせて安心させるにはどうすればよいか?

ユーザーの注文が処理されていることがわかるようにするにはどうすればよいか?

非実効的な例では、スコープが狭すぎて、創造的な思考が妨げられています。 

望ましい成果が記載されていない。

お客様が注文してから配達されるまでの待ち時間を改善するにはどうすればよいか?

製造、出荷、配送プロセスの可視性を高め、お客様が待ち時間を把握できるようにするにはどうすればよいか?

非実効的な例では、成果が曖昧です。改善という言葉では十分に説明されません。

望まないことに焦点を当てている。

カスタム品目の注文プロセスの手間を省くにはどうすればよいか?

カスタム品目をできるだけ簡便に注文できるようにするにはどうすればよいか?

非実効的な例では、ブレインストーミングする人が目指すべきことが示されていません。 

 

落とし穴に直面したときに、「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントを書き直す場合のプロのヒントをご紹介します。

  • 視座を高くする。スコープが狭すぎるときは広げてみます。
  • 視座を低くする。スコープが広すぎるときは、視野を狭めて小さな問題に焦点を当てます。

「私たちが実施可能な方法は?」ステートメントを定めたら、チームが共通目的のもと、デザイン上の課題に対する複数の創造的なソリューションの模索に意欲的に取り組むことができます。チームと言えば、次の単元で課題を解決する適切なプロジェクトチームの編成について説明します。ここでは、Cloud Kicks がサプライチェーンの課題にどのように対処するか見ていきます。

Cloud Kicks の課題

Cloud Kicks のストラテジーデザイナーはこの課題のフレーミングで、CEO が説明したニーズを踏まえて、「私たちがサプライチェーンの課題を解決可能な方法は?」という問いにリフレーミングしました。ところが、解決案をテストしてもこの課題は解決されませんでした。世界的な低迷を Cloud Kicks がどうにかできるような術はありません。そこで、ストラテジーデザイナーは視座を下げ、顧客関係を強化するアイデアを提案したカスタマーサービスチームのメンバーと協力することにしました。 

その結果、「私たちがスニーカーの配送関連の質問に答えるカスタマーサービスのスクリプトを作成可能な方法は?」という問いになりました。けれども、この問いにはすでにソリューションが記載されており、生成的ではありません。ストラテジーデザイナーは視座を高めてやり直すことにします。今回は、Cloud Kicks のブランドと西海岸のインフルエンサーの両方に望ましい影響を検討しました。また、私たちがサプライチェーンの混乱の中でお客様をファンに変えることが可能な方法は?」という、ニーズを端的に表す問いになりました。この問いには課題がフレーミングされているため、プロジェクトをスコーピングして、解決に取り組むチームを特定しやすくなります。 

リソース

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